不登校の子と親の「心の距離」を縮める、今日からできるコミュニケーション術

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不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。私は、不登校予防や再登校支援を行うToCo(トーコ)株式会社の顧問を務めております。

不登校に直面する保護者の多くが、「どう接したらよいのかわからない」「子どもと話す機会が減ってしまった」と悩みを抱えています。
しかし、親子のコミュニケーションが途絶えると、不登校の長期化や家庭内での孤立を招くリスクが高まります。本稿では、今日から実践できる「心の距離」を縮めるコミュニケーション術について、具体的な方法とその心理的背景を詳しく解説していきます。


目次


第1章:子どもの感情を理解し、受け止めることの重要性

不登校の子どもの心理

不登校の子どもたちは、学校に行けないことへの罪悪感や、親に迷惑をかけているという後ろめたさを抱えていることが少なくありません。特に、もともと真面目で頑張り屋の子ほど、「行かなければならないのに行けない」という自己否定のループに陥りやすい傾向があります。その結果、「自分はダメな人間だ」と感じ、自信を失い、家にこもる状態が続いてしまうのです。

こうした子どもの心理状態を理解せずに、「どうして学校に行かないの?」「いつまでこのままなの?」と問い詰めると、子どもはますます追い詰められ、親との心の距離が広がってしまいます。

子どもが抱えている本当の気持ちを知るためには、まず「親が子どもの感情を受け止めること」が欠かせません。ここで大切なのは、「なぜ行かないのか」と理由を問い詰めるのではなく、「今どんな気持ちでいるのか」に焦点を当てることです。

たとえば、子どもが言葉少なげにしている場合、「最近、なんとなく気分が沈んでいる?」とそっと尋ねてみるのもよいでしょう。もし子どもがうなずいたなら、「そうなんだね。ずっとつらかったね」と共感の言葉をかけることで、子どもは「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じ、少しずつ話しやすくなります。

不安を大きくしないための言語化

また、不登校の子どもたちは、自分の気持ちをうまく言語化できないことがよくあります。特に小学生の子どもは、「学校が嫌だ」とは言うものの、具体的に何が嫌なのか説明できないことが多いのです。
こうした場合、「学校のどんなことがしんどいのかな?」「教室に入るのがつらいの?」「勉強が大変なの?」と、いくつかの選択肢を示してあげると、子どもが自分の気持ちを整理しやすくなります。もし、どの質問にも答えられないようであれば、「話したくないときは、無理に話さなくてもいいからね」と伝え、無理に聞き出そうとしないことも大切です。

さらに、子どもの話を聞く際には、「否定しない・アドバイスをしない」ことを意識しましょう。例えば、子どもが「学校に行くのが怖い」と話したときに、「そんなの気の持ちようだよ」「みんな頑張っているんだから、あなたも頑張りなさい」といった言葉をかけると、子どもは「この人にはわかってもらえない」と感じ、ますます心を閉ざしてしまいます。

親としては励ましたい気持ちがあるかもしれませんが、不登校の子どもにとって、もっとも必要なのは「共感されること」です。「怖いんだね」「毎朝、学校のことを考えると胸が苦しくなるのかな」と子どもの感情に寄り添いながら話すことで、子どもは安心して気持ちを話せるようになります。

また、言葉だけでなく、非言語的なコミュニケーションも大切です。親の表情や態度は、子どもに大きな影響を与えます。例えば、親が険しい顔をしていたり、ため息をついたりしていると、子どもは「自分のせいで親がこんなに疲れている」と感じ、さらにプレッシャーを感じてしまいます。逆に、穏やかな表情で、落ち着いた声のトーンで話すと、子どもは安心して自分の気持ちを伝えやすくなります。親が子どもの話を聞くときには、意識的に表情を柔らかくし、「あなたのことを大切に思っているよ」という気持ちを伝えることが重要です。

このように、子どもの感情を理解し、受け止めることは、不登校から抜け出すための第一歩となります。子どもが「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じることで、親子の信頼関係が深まり、少しずつ前向きな行動へとつながっていきます。

第2章:日常生活の中でのコミュニケーションの工夫

不登校の子どもとの「心の距離」を縮めるには、特別な場面での対話だけでなく、日常生活の中での関わり方が大きな影響を与えます。多くの保護者は、子どもとしっかり話そうとして「時間を作って真剣に向き合う」ことを考えがちですが、それが逆にプレッシャーとなり、子どもが話しづらくなってしまうこともあります。不登校の子どもにとっては、「向き合う対話」よりも「自然な会話」が重要なのです。

共通の時間を増やすことの大切さ

不登校の子どもは、学校に行かないことで「親と顔を合わせるのが気まずい」と感じたり、「どうせ叱られるのではないか」と警戒心を抱いていたりすることがあります。そのため、親子の関係を改善するためには、意識的に「同じ空間で過ごす時間」を増やすことが大切です。ただし、「話すこと」を目的にするのではなく、「一緒に何かをする」ことに重点を置くのがポイントです。

例えば、一緒に食事をする時間を増やすことは有効な手段のひとつです。食卓を囲むことは、言葉を交わさなくても「家族としてのつながり」を感じられる大切な時間です。無理に会話をしようとせず、同じ空間で食事をすること自体を大事にするだけでも、子どもに安心感を与えます。また、子どもが自分から話し出したときに、さりげなく相槌を打つことで、「親は自分を受け入れてくれている」という感覚を持たせることができます。

また、子どもの好きなことに親が関心を示すのも、自然なコミュニケーションのきっかけになります。不登校の子どもは、ゲームやアニメ、動画視聴などに没頭していることが多いですが、それを「時間の無駄」などと否定せず、「どんなゲームをしているの?」「このキャラクター、どんなところが好き?」といった形で興味を持って話しかけることで、子どもは「親に認められた」と感じやすくなります。このような日常的な関わりを続けることで、親子の信頼関係が深まり、子どもが自分の気持ちを話しやすくなる土台ができます。

親からの一方的な会話にならない工夫

子どもとの会話では、「親が話す時間を短くし、子どもが話す時間を長くする」ことが理想的です。しかし、不登校の子どもは自分から話し出すことが難しいため、親が主導で会話を進める場面も出てくるでしょう。その際に気をつけるべきなのは、「問い詰めるような話し方をしない」「アドバイスを押しつけない」ことです。

例えば、「学校に行かない理由を教えて」と直接聞いてしまうと、子どもは「正しい答えを言わなければならない」と感じ、余計に口を閉ざしてしまいます。そのため、「最近、家で過ごす時間が増えたけど、何か楽しいことはあった?」といったように、答えやすい話題から入るのが効果的です。まずは子どもがリラックスして話せる環境を作り、徐々に心を開いてもらうことを意識しましょう。

また、親が「こうしたほうがいい」「こうすればうまくいく」とアドバイスをするのも避けたほうがよいでしょう。たとえば、「朝早く起きる習慣をつけたほうがいいよ」と言うと、子どもは「できていない自分はダメなんだ」と感じてしまいます。
代わりに、「朝起きるのがしんどいのは、夜なかなか眠れないのかな?」と、子どもがどう感じているかを尋ねる形にすることで、プレッシャーを与えずに話を深めることができます。

「会話がなくてもOK」という安心感を持たせる

不登校の子どもは、親と話すこと自体に緊張を感じることがあります。特に、長期間学校に行っていない場合、「親と話すと学校の話になってしまうのでは」と警戒し、できるだけ会話を避けようとする子もいます。このような場合、「話さなくてもいい」「会話がなくても大丈夫」という空気を作ることが大切です。

具体的には、子どもがリビングに来たときに、無理に話しかけるのではなく、親が普段通りに過ごしている姿を見せることが有効です。例えば、親が新聞を読んでいたり、料理をしていたりすると、子どもは「何か話さなければならない」というプレッシャーを感じずに済みます。そして、もし子どもが何か話し始めたときには、手を止めてしっかり耳を傾けることで、「親は自分の話をちゃんと聞いてくれる」と感じるようになります。

また、散歩やドライブなど、横並びの状態で過ごす時間を増やすのも良い方法です。面と向かって話すのが苦手な子どもでも、並んで歩いていると自然と会話が生まれやすくなります。「天気がいいね」「この道、前に通ったことある?」といった些細な話題から始めることで、子どもが会話に参加しやすくなるのです。

このように、日常生活の中で自然な形で関わりを持つことが、子どもとの「心の距離」を縮める上で非常に重要です。親が「会話をしなければならない」と意気込むと、子どもは逆に緊張してしまうため、「同じ空間にいること自体が大事」と考え、ゆるやかに関わっていくことが大切です。

第3章:親自身の心のケアとサポートの重要性

不登校の子どもと向き合うことは、親にとっても精神的な負担が大きいものです。多くの保護者が「このままでいいのか」「何か間違ったことをしているのではないか」と悩み続けています。また、周囲の目や親族からの心ない言葉に傷つき、自分を責めてしまうことも少なくありません。しかし、親が不安や焦りを抱えたままだと、それは必ず子どもにも伝わり、状況を悪化させる要因となってしまいます。子どものためにも、まずは親自身が心のケアを意識することが大切です。

親の不安が子どもに与える影響

不登校の子どもは、親の感情を敏感に感じ取ります。特に、小学生の子どもは親の表情や態度の変化を直感的に察知する能力が高いため、親が焦りや不安を抱えていると、それを「自分のせいだ」と受け止めてしまうことがよくあります。

例えば、親が「なんとかして学校に行かせなければ」と思っていると、その緊張感が日常の何気ないやり取りにも表れます。たとえば、「今日はどうするの?」「そろそろ学校のこと考えようか?」といった言葉が、知らず知らずのうちにプレッシャーになってしまうのです。子どもは親を悲しませたくない、怒らせたくないという思いを持っているため、「学校に行かなければ」と焦りながらも動けない状況に追い込まれ、ますます心を閉ざしてしまうことがあります。

また、親自身が落ち込んでいたり、疲れ果てていたりすると、子どもは「自分のせいで親がこんなに苦しんでいる」と感じ、余計に自己肯定感が低下してしまいます。そのため、親が心の安定を保つことは、子どもの回復にも大きく影響するのです。

親自身のメンタルケアの方法

不登校の子どもと向き合うには、親自身が心の余裕を持つことが不可欠です。とはいえ、「ストレスを溜めないようにしよう」と考えても、現実的には難しいものです。そこで、親自身が気持ちを整理し、適切にケアをするための具体的な方法を紹介します。

① 一人で抱え込まない
不登校の問題は、親一人で解決できるものではありません。親だけで何とかしようとすると、どうしても視野が狭くなり、冷静な判断ができなくなってしまいます。信頼できる専門家や、不登校の子どもを持つ親同士のコミュニティなどに相談し、「一人ではない」と感じることが重要です。

② 生活リズムを整える
子どもの不登校が続くと、親自身の生活リズムも乱れがちになります。例えば、夜遅くまでインターネットで不登校に関する情報を調べ続けたり、朝の登校時間に合わせて過度に神経を使ったりすることで、親自身が疲弊してしまうケースも少なくありません。しかし、親が健康的な生活を送ることは、子どもに安心感を与えるためにも重要です。

特に、食事や睡眠の質を意識することが大切です。親が食事をきちんと摂り、規則正しい生活をしていると、子どもも自然とそのリズムに影響を受けます。逆に、親が疲れ果てた様子でいると、子どもも「家の中が落ち着かない」と感じ、余計に部屋にこもってしまうことがあります。

③ 「今できること」に目を向ける
不登校の子どもを持つ親は、「どうすれば学校に戻れるのか」「いつになったら元の生活に戻るのか」と将来のことばかり考えてしまいがちです。しかし、先のことを考えすぎると、不安が増し、焦りが強くなります。そのため、「今できること」に意識を向けることが大切です。

例えば、「今日は子どもと一言でも会話ができた」「一緒にご飯を食べられた」といった小さな積み重ねを大切にすることで、少しずつ前向きな気持ちを持つことができます。「学校に行かせなければならない」というプレッシャーを手放し、「今の子どもを受け入れる」という視点に切り替えることで、親自身の心の負担も軽くなります。

第4章:親子の信頼関係が回復した先にあるもの

不登校からの回復には時間がかかります。その過程で大切なのは、「親子の信頼関係を回復すること」です。子どもが安心して親と話せるようになり、自分の気持ちを素直に表現できるようになれば、少しずつ前向きな行動が増えていきます。

多くの保護者が「子どもを学校に戻したい」と思うのは当然ですが、大切なのは「子どもが自分の力で一歩を踏み出せる状態を作ること」です。そのためには、「親が子どもに安心感を与えられる存在であること」が何よりも重要です。

不登校の子どもは、「自分はダメな人間だ」「どうせ理解してもらえない」と思い込んでしまうことがよくあります。しかし、親が適切に関わることで、子どもは「自分は大丈夫だ」「受け入れてもらえている」と感じることができるようになります。そうした積み重ねが、最終的には学校復帰や社会との関わりを再構築する力へとつながっていくのです。

これまで述べてきたように、不登校の子どもと親の「心の距離」を縮めるためには、焦らず、日常の中で少しずつ信頼関係を築いていくことが大切です。そして、そのためには、親自身が冷静で、穏やかな気持ちでいられることが不可欠です。「子どもが学校に行くこと」だけを目標にするのではなく、「親子の関係を良くすること」を大切にすることで、子どもは安心して前に進むことができるようになります。

最後に、不登校は決して親のせいではありません。そして、どの子どもにも必ず回復のタイミングが訪れます。親が適切に関わり、支えていくことで、そのタイミングを早めることができるのです。本稿が、少しでもその手助けになれば幸いです。

要点必要な行動
子どもの感情を理解する子どもが感じている不安やプレッシャーに寄り添い、「なぜ行かないのか」ではなく「今どんな気持ちか」を聞く。共感の言葉をかけ、安心できる環境を作る。
自然なコミュニケーションを増やす向き合う対話より、食事や散歩などを通じた「さりげない会話」を大切にする。子どもの興味に関心を持ち、一緒に過ごす時間を増やす。
親の不安を子どもに伝えない焦りやストレスを子どもに押しつけないようにし、親自身が心の余裕を持つ。生活リズムを整え、相談できる場を確保する。
今できることに目を向ける「学校に行かせる」ことにとらわれず、「今日は会話できた」「一緒に食事できた」といった小さな前進を喜び、積み重ねる。
子どもが前向きになる環境を作る無理に学校を勧めず、子どもが「安心できる場所」で自信を回復できるようサポートする。親子の信頼関係を最優先に考える。

ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
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子どもが学校に行きたくないと言った時の初動

子どもが学校に行きたくないと言った時の初動についての記事の見出し画像

不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。
「学校に行きたくない」と子どもが訴えたとき、親としては戸惑いを感じると思います。昨日まで普通に登校していたのに突然拒否するケースもあれば、以前から不安そうな様子が見えていたケースもあるでしょう。

この時、保護者の対応次第で子どもの心理状態は大きく変わります。適切な初動をとることで、問題の長期化を防ぐことができます。


目次


第1章:初回は休ませる

「学校に行きたくない」という言葉を聞いたとき、最も避けたいのは 焦って無理に登校させること です。
もちろん、理由が単なる気分的なものであれば登校したほうが良い場合もあります。しかし、強いストレスを抱えたまま無理に登校させると、状況が悪化しやすくなります。

では、なぜ初回は休ませたほうが良いのでしょうか?


1. 休ませることの目的を理解する

初めて「行きたくない」と言ったときに休ませるのは、「登校のハードルを下げるため」ではなく、「子どもが抱えている問題を整理する時間を確保するため」です。

休むこと自体を「特別なこと」にはせず、以下のような目的意識を持つことが重要です。

  • 子どもの状態を観察する
    → 何が原因なのかを整理し、状況を把握する時間を作る。
  • ストレスが蓄積するのを防ぐ
    → 無理に行かせることで悪化する可能性があるストレスを、一時的にリセットする。
  • 長期化を防ぐための対策を考える
    → 休むことを一つのきっかけとして、今後の対応を計画する。

このように、単に「休ませる」のではなく、目的を持った「適切な休息」をとることが大切です。


2. 休ませるべきケースと休ませないほうが良いケース

全ての「学校に行きたくない」が同じ重さを持つわけではありません。そのため、休ませるかどうかの判断は慎重に行う必要があります。

休ませたほうが良いケース

  • 学校の話題を出すと涙ぐむ、またはパニックを起こす
    → 強い不安や恐怖がある可能性が高い。
  • 身体症状(頭痛、腹痛、吐き気など)が頻発する
    → ストレスによる身体反応の可能性がある。
  • 理由を聞いても、明確な説明ができず苦しそうにしている
    → 本人も整理できていない状態。時間をかけて話をする必要がある。
  • 登校を強く促すと、家の中で暴れる、塞ぎ込むなどの行動が見られる
    → 無理に行かせると逆効果になる可能性がある。

こうした場合、無理に登校させるのは逆効果です。一旦休ませ、冷静に状況を整理する時間を確保しましょう。

登校を促したほうが良いケース

  • 宿題が終わっていない、テストが嫌だなど、明確な理由がある
    → 単なる回避行動の可能性が高い。
  • 友達とケンカしたが、大きな問題ではなさそう
    → 一時的な対人関係のトラブルは、むしろ学校で解決することが望ましい。
  • 「なんとなく行きたくない」と言うが、気分的なものに見える
    → 休むことで「行かなくてもいい」と思うリスクがある。

このようなケースでは、できるだけ登校を促しつつ、「行けば何とかなる」という経験を積ませることが重要です。


3. 休むことが「楽な選択」にならないようにする

ここで注意したいのは、「休むことが当たり前になると、登校がさらに難しくなる」という点です。

特に、「休んだ日は好きなことをしてOK」という雰囲気になってしまうと、子どもは 「休んだほうが楽だ」と学習 してしまいます。

そのため、休んだ日は以下の点を意識しましょう。

  • 生活リズムを崩さない(朝食は通常どおり、日中はリビングで過ごす)
  • 宿題を先生に確認して取り組ませる
  • 休むことを「解決のための時間」と位置づける

「今日は休むけど、これからどうしていくか考える時間にしようね」と声をかけることで、休むことが「目的」ではなく「手段」だと理解しやすくなります。


4. 親の姿勢が子どもの安心感を左右する

子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親が慌てると、その不安が子どもに伝染します。

親が焦って「どうして?何があったの?」と詰め寄ると、子どもは余計にプレッシャーを感じ、口を閉ざしてしまうことがあります。

逆に、「そうか、今日は行きたくないんだね」と一度受け止めることで、子どもは安心し、自分の気持ちを整理しやすくなります。

大切なのは、休むことを特別扱いせず、冷静に対応することです。


5. 学校との連携の準備をする

子どもが「行きたくない」と言った時点で、保護者がすべきことの一つが 学校との連携を考えること です。

初回の段階では、学校に対して「今朝、子どもが学校に行きたくないと言っています。今日は休ませる予定ですが、担任の先生と少しお話しできればと思います」と簡単に連絡を入れておくと良いでしょう。

この時点で、子どもにとって負担にならない範囲で 学校での様子を知ること が重要です。
たとえば、

  • 最近の授業の様子
  • クラスで何かトラブルがあったか
  • 先生が気づいている変化

こうした情報を集めることで、次の対応が取りやすくなります。

第2章:当日の時間の使い方

ここまでで「初回は休ませる」ことの理由についてお話ししました。ただし、学校を休ませることは「問題を解決する手段」であり、「最終的な目的」ではありません。

子どもが休んだその日を どのように過ごすか が、今後の登校を左右する重要なポイントとなります。

もし、何もせずに一日が終わると、「休んだら楽だった」「また休んでもいいかも」という気持ちが芽生えやすくなります。一方で、「学校に行けなくなった自分はダメだ」と思い込み、より気持ちが沈んでしまうこともあります。

休むこと自体は悪いことではありませんが、休んだ日の過ごし方を工夫しなければ、不登校の長期化に繋がる可能性が高まります。

では、当日の時間をどのように使うべきか、具体的に見ていきましょう。


「学校に行きたくない」と言って休んだ日は、子どもにとって 「自分の気持ちと向き合う時間」 です。

ただし、子どもに「今日は自分の気持ちを整理してね」と言っても、うまくできるわけではありません。そこで、親が適切にサポートすることが大切です。

ここでは、当日を 午前・午後・夜 の時間帯に分けて、適切な対応を考えていきます。

1. 午前:気持ちを落ち着ける時間

朝、学校に行かないと決まると、子どもは「ほっとしたような」「罪悪感があるような」複雑な気持ちを抱えます。

この時間帯にやるべきことは、次の3つです。

① 生活リズムを崩さない

休んだ日は 「いつも通りの朝を過ごす」 ことが重要です。

  • 朝ごはんを食べる(できれば家族と一緒に)
  • 着替える(パジャマのまま一日を過ごさない)
  • 布団やベッドにこもらない

「せっかく休んだんだから、ゆっくり寝かせておこう」と思うかもしれませんが、ダラダラと寝続けると、頭が働かず気持ちの整理もうまくいきません。

「今日は家にいるけど、普通の生活をしようね」と伝え、学校に行く日と大きく変わらない朝の習慣を続けましょう。

② 子どもの気持ちを整理する時間を作る

子どもは「何が嫌で学校に行きたくなかったのか」を 自分でも整理できていないことが多い です。

そのため、親が「どうして行きたくないの?」と問い詰めても、うまく言葉にできないことがほとんどです。

そこで、次のような方法を試してみましょう。

  • 「今の気持ちを書き出してみようか?」と提案する
    → 文字にすることで、漠然とした不安が整理しやすくなる。
  • 「どんなことがあると、学校に行きたくないと思う?」と具体的に聞く
    → 「先生が怖い」「友達が冷たい」「授業が分からない」など、何が原因なのか探る。
  • 「昨日までは普通に行けていたけど、今日はどうだった?」と前日との違いを考えさせる
    → 急に登校できなくなった背景を探るヒントになる。

このとき、子どもが「分からない」と言ったら無理に答えを出そうとしないことも大切です。 「そうだよね、まだ整理できてないかもしれないね」 と寄り添うことで、子どもが安心して考えられる環境を作れます。

③ 学校に連絡を入れる(親が対応)

休むと決めた場合、 学校には必ず連絡を入れる ことが大切です。

この際、「体調不良」とだけ伝えるのではなく、できるだけ 担任の先生と直接話す のが望ましいです。

伝えるべき内容の例:

  • 「今朝、子どもが学校に行きたくないと言い出しました。」
  • 「本人に理由を聞いていますが、まだ整理できていないようです。」
  • 「今日一日は家で様子を見ますが、何か学校で気になることはありましたか?」

先生からの情報が、子どもの状況を理解する手がかりになることもあります。


2. 午後:具体的な対策を考える時間

午前中は「気持ちを落ち着ける時間」でしたが、午後は 「これからどうするかを考える時間」 です。

ここで重要なのは、休むことを特別なことにしないこと です。

① 「休めば楽になる」と思わせない工夫

子どもが「休むこと=自由に過ごせること」と認識すると、登校のハードルが一気に上がります。

そのため、午後は次のようなルールを作るとよいでしょう。

  • ゲームやスマホの使用時間を制限する
    → 「学校に行かない日だからこそ、使う時間を考えよう」と伝える。
  • 学校の課題を少しでもやる
    → 宿題や教科書を開くだけでも、「学校と完全に切り離される」ことを防げる。
  • リビングで過ごす時間を作る
    → 一日中自室にこもると、「外に出る」ことがより苦痛になる。

② 子どもと一緒に対処法を考える

子ども自身に「これからどうするか」を考えさせることが大切です。

  • 「明日、学校に行けそう?」
  • 「もし行くとしたら、何が不安?」
  • 「先生に相談できたら少し楽になる?」

ここで 無理に登校を約束させる必要はありません
ただし、「どうすれば行けそうか」を一緒に考えることが重要です。


3. 夜:翌日の準備と安心感を与える時間

夜は、「明日どうするか」を整理する時間です。

  • 「明日はどうする?」と確認する(プレッシャーをかけすぎないように)
  • 準備だけはしておく(ランドセルや制服を揃えておく)
  • 「いつでも相談していいよ」と伝える(親が味方であると感じさせる)

ここで改めて確認したいのは、休むこと自体は問題ではなく、休んだ後の対応が不登校に繋がるかどうかを決める という点です。

1日休んだらスッキリして、翌日から普通に行けた場合は問題ありません。しかし休んだことで安心して、翌日も「また行きたくない」と言い始めた場合は、早めの対策が必要です。

なぜなら、不登校は 「急に起こるもの」ではなく、「少しずつ登校が難しくなっていくプロセス」 を経て長期化することが多いからです。

では、不登校に繋がらないようにするためには、どのような工夫が必要なのでしょうか?

第3章:不登校に繋げないための工夫

不登校を防ぐためには、「休み方」を間違えないことが最も重要です。

  • 「休めば解決する」思考にならないようにする
  • 「登校しやすい環境」を少しずつ整えていく
  • 「親も一緒に考える」という姿勢を持つ

これらを意識しながら、具体的な工夫を見ていきましょう。


1. 「休めば解決する」という誤解を防ぐ

子どもが「行きたくない」と言ったとき、すぐに休ませることで「嫌なら休んでもいいんだ」と学習してしまうと、登校のハードルがどんどん高くなってしまいます。

これは、子どもが「休むことの快適さ」に慣れてしまうためです。

そのため、次のような意識を持つことが大切です。

① 休むことを「解決策」ではなく「一時的な対応」と伝える

「休むのはいいけれど、それで問題がなくなるわけじゃないよね」と、子どもが 「休めばすべてが解決するわけではない」と理解する ように促しましょう。

たとえば、こんな声かけが効果的です。

  • 「今日はお休みして気持ちを落ち着けるのはいいけれど、学校のことは考えないままでいいのかな?」
  • 「休んだことで少し落ち着いたら、どうすれば行きやすくなるか考えてみようね。」

「休む=問題を先送りにしているだけ」ということを、無理のない範囲で伝えることが大切です。

② 休むことのルールを決める

休むことが続くと、不登校になりやすくなります。そのため、「休むことのルール」を決めておくと、ズルズルと長引くのを防げます。

たとえば、次のようなルールを設定すると良いでしょう。

  • 昼間はリビングで過ごす(自室にこもらない)
    → 自室に閉じこもると、気持ちの整理が難しくなるため。
  • 休んでも、学校の時間割に沿って何かする(勉強・読書など)
    → 何もせずに過ごすと、「休む=楽になる」という意識が強くなるため。
  • ゲームやスマホの使用時間は学校が終わる時間までは制限する
    → 「休んだ方が楽しい」と思わないようにするため。

このように、「休むことを無条件に快適なものにしない」という工夫が、不登校を防ぐポイントになります。


2. 登校しやすい環境を整える

「行きたくない」と言った背景には、必ず何かしらのストレスがあります。

そのため、「学校に行くことのハードルを下げる」工夫をすることで、登校を促しやすくなります。

① 「全部行くのは無理」なら「少しだけ行く」を目標にする

「朝から夕方まで学校にいるのが無理」なら、まずは「午前中だけ」「3時間目から行く」などの選択肢を作ると良いでしょう。

  • 「午前中だけ行って、給食を食べずに帰ってきてもいいよ。」
  • 「今日は3時間目から行ってみようか?」

このように 「全部登校するのは無理でも、一部だけならできるかも」 という視点を持たせることが重要です。

② 「学校がつまらない」「意味がない」と言う場合の対応

「学校が嫌」という理由が、単純に「つまらない」「行く意味がない」といったものである場合、次のようなアプローチが有効です。

  • 「学校に行くことには、今すぐは分からないけど、将来のためになることがあるよ。」
  • 「今は楽しくないかもしれないけど、大人になったときに『行ってよかった』と思うことがあるかもしれないよ。」

また、「学校の何が嫌なのか」を一緒に整理するのも効果的です。

  • 授業がつまらないのか
  • 先生が苦手なのか
  • 友達との関係が難しいのか

原因を特定し、それぞれの対策を考えることが、登校を後押しするカギになります。


3. 親の関わり方がカギを握る

子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親の対応次第で状況が大きく変わります。

① 「見守る」だけではなく、一緒に解決策を考える

「子どもが行きたくないなら、無理に行かせない」という考えは、一見優しさのように思えます。

しかし、「そのまま何もしない」=「問題を放置する」ことになりやすい ため、適切な対応とは言えません。

親として大切なのは、「どうすれば学校に行けるようになるか、一緒に考える」 姿勢を持つことです。

② 「大丈夫だよ」と言いすぎない

「学校に行きたくない」と言われると、つい「大丈夫だよ」と言って安心させたくなるかもしれません。

しかし、子どもにとっては「何が大丈夫なの?」と逆に不安が増してしまうことがあります。

代わりに、次のような声かけを意識してみましょう。

  • 「大丈夫かどうか、一緒に考えてみようか?」
  • 「何が不安か分からないままだと、もっとしんどくなるかもしれないね。」

「親が一緒に考えてくれる」という安心感 を持たせることが、不登校を防ぐカギになります。

「学校に行きたくない」という子どもの言葉は、単なる気まぐれではなく、何かしらのサインです。そのため、初回は冷静に受け止め、一時的な休息を認めつつ適切な対応を進めることが重要です。

その日の過ごし方や親の関わり方次第で、不登校に繋がるかどうかが決まります。「休めば解決する」という誤解を防ぎ、登校しやすい環境を整えながら、子どもと一緒に前向きな解決策を考えていきましょう。焦らず、一歩ずつ対応することが大切です。

各章のまとめ

各章要点必要な行動
初回は休ませる「学校に行きたくない」と言われたら、無理に登校させず、一時的に休ませる。ただし、休むこと自体を目的にせず、問題を整理する時間とする。休む理由を整理し、子どもの状態を観察する。学校に連絡し、状況を共有する。生活リズムを崩さず、休むことを特別視しない。
当日の時間の使い方休んだ日をどう過ごすかが、今後の登校を左右する。何もせずに終わると「休むほうが楽」と感じ、不登校に繋がりやすくなる。朝は普段通りに起きて朝食をとる。気持ちを整理する時間を作り、学校と連絡を取る。午後は今後の対策を話し合い、ゲームや動画の時間を制限する。
不登校に繋げないための工夫「休めば解決する」と思わせないようにし、登校のハードルを下げる工夫が必要。親が「見守る」だけではなく、一緒に解決策を考える姿勢が重要。休むルールを決め、昼間はリビングで過ごさせる。部分登校の選択肢を考える。子どもが不安に感じるポイントを整理し、少しずつ解決策を見つける。

ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
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新学期に向けた家庭で出来る不登校対策とは?

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不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。私は不登校予防と再登校支援を専門とし、ToCo(トーコ)株式会社の顧問として多くの家庭が抱える課題に寄り添いながら解決策を提案してきました。

新学期が近づくにつれ、不登校に関するご相談が増える傾向にあります。「うちの子は大丈夫だろうか」「また学校に行けなくなってしまうのではないか」と不安を抱える保護者の方々に向けて、家庭でできる不登校対策を詳しくお伝えしていきます。

本記事では、新学期における不登校の実態と傾向、不登校になりやすい理由、子どもの兆候の見つけ方、そして具体的に家庭で実践できる予防策について解説します。これまでの経験から導き出した実践的なアドバイスを盛り込みながら、保護者の皆さまにとって役立つ情報を提供することを目指しました。


目次


第一章:新学期における不登校の傾向と実態

新学期が始まると小中学生の不登校が急増することは、学校界隈ではよく知られている事実です。特に、夏休み明けや春休み明けのタイミングでは、不登校の子どもが一気に増える傾向にあります。では、なぜこの時期に不登校が増えるのでしょうか?

文部科学省の調査によると、小中学生の不登校の発生率は年々上昇しています。かつては「不登校=特殊なケース」と考えられていましたが、現在では決して珍しいことではなくなりました。特に新学期は、これまで普通に通っていた子どもが突然学校へ行けなくなるケースが多発する時期です。

1.1 休み明けに急増する不登校

夏休みや冬休みが終わると、一部の子どもは登校を渋るようになります。これは単なる「休みボケ」ではなく、心理的なハードルが一気に高まるためです。

長期休暇中、子どもは学校のストレスから解放され、自分のペースで過ごせます。しかし、休みが終わると、そのストレスが再び襲ってきます。「あの先生とまた顔を合わせるのか」「クラスメイトにどう思われるだろう」「勉強についていけるか不安だ」といった不安が膨れ上がり、登校が難しくなるのです。

特に、前学期の終わりに何らかのトラブルを抱えていた場合、その不安はさらに強まります。例えば、学級内の人間関係に悩んでいた子どもや、成績の低下にショックを受けた子どもは、「新学期に行くのが怖い」という感情を抱えがちです。

1.2 「4月と9月」は不登校の壁ができる時期

新学期に不登校が増える理由の一つに、「環境の変化による心理的な負担」があります。

・4月の新学期は、クラス替えや担任の変更があり、新しい環境に適応しなければなりません。「また一から友達を作らなければならない」「新しい先生とうまくやれるだろうか」という不安が、不登校につながるケースが多いです。

・9月の二学期は、夏休み中の生活リズムの乱れが影響します。長期休暇中は遅寝遅起きの習慣がついてしまい、朝早く起きて登校すること自体が負担になりやすくなります。また、学習面での遅れが気になり、授業についていけるかどうかの不安が強まる時期でもあります。

1.3 親が「うちの子は大丈夫」と思っていても油断できない

「うちの子はこれまで学校に行けていたから、新学期も問題ないだろう」と思っていると、突然不登校の兆候が現れることがあります。不登校の原因は、目に見える問題だけではなく、子どもの内面で静かに進行していることも多いのです。

例えば、前年度は何とか頑張っていた子どもが、新学期を迎えた途端に気持ちが折れてしまうケースがあります。これは、「もう頑張れない」「これ以上は無理だ」と感じる限界点が、新学期のタイミングで訪れるためです。

また、不登校経験のない子どもでも、突然「学校に行きたくない」と言い出すことがあります。これは、長期休暇中に「学校がない生活」の快適さを知り、再び学校へ戻ることが苦痛に感じるためです。

第二章:新学期に不登校になりやすい理由

では、新学期になると不登校が増える理由は具体的に何なのでしょうか?

新学期に不登校が発生しやすい理由は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

2.1 環境の変化によるストレス

新学期は、子どもにとって大きな環境の変化を伴います。クラス替え、新しい担任、新しい友人関係——これらの要素は、子どもにとって大きな心理的負担となります。

特に、内向的な性格の子どもは、新しい環境への適応に時間がかかるため、新学期は極度のストレスを感じやすくなります。また、「去年うまくいったから今年も大丈夫」とは限らず、些細なきっかけで不登校になってしまうことも少なくありません。

2.2 学業の負担と自己肯定感の低下

新学期が始まると、学習内容が難しくなるため、勉強についていけなくなる子どもが増えます。「授業が分からない」「テストの点数が悪い」といった状況が続くと、子どもは自信を失い、登校を避けるようになります。

特に、「完璧主義」の傾向がある子どもは、少しの失敗でも「自分はダメだ」と思い込みやすく、不登校へとつながりやすいです。

2.3 友人関係の不安

新学期になると、「誰と一緒にいるか」という問題が再び浮上します。仲の良い友人とクラスが分かれてしまったり、新しい友人関係を築かなければならなかったりすることで、子どもは大きなストレスを抱えます。

特に、過去にいじめやトラブルを経験した子どもは、「また同じことが起きるのではないか」と恐怖心を抱き、不登校に陥るケースが少なくありません。

第三章:子どもの不登校兆候の見つけ方

新学期に向けて、不登校の兆候を見つけることは非常に重要です。多くの保護者は、子どもが「学校に行きたくない」と口にするまで気づかないことが多いですが、実はその前から様々なサインが現れています。早期に兆候を察知し、適切な対応を取ることで、不登校を未然に防ぐことが可能です。ここでは、子どもが発する「心のSOS」に気づくためのポイントをお伝えします。

3.1 身体的なサインを見逃さない

子どもが不登校になりかけているとき、まず表れるのは「体調の変化」です。これは心理的ストレスが身体的な症状として現れるためで、以下のような兆候が見られることが多いです。

  • 朝になると腹痛や頭痛を訴える
    夜は元気に過ごしているのに、登校時間が近づくと突然「お腹が痛い」「頭が痛い」と言い出す場合は要注意です。これが週に数回続く場合、不登校の前兆である可能性が高くなります。
  • 食欲の変化
    ストレスが強いと、食欲が極端に増減します。「急に食べなくなった」「好きだった食べ物を残すようになった」「お菓子ばかり食べるようになった」などの変化が見られたら、子どもが心理的なストレスを抱えている可能性があります。
  • 睡眠の乱れ
    不登校の兆候として多いのが「睡眠障害」です。夜更かしが増え、朝起きるのがつらくなると、登校がますます困難になります。また、夜中に何度も目を覚ます、悪夢をよく見る、寝る前に不安そうにするなどの様子があれば、学校へのストレスが関係している可能性が高いです。
  • 疲れやすい、だるそうにしている
    心理的な負担が大きくなると、子どもは常に「疲れた」と感じるようになります。特に、休日は元気に遊んでいるのに、平日になると「疲れた」「だるい」と言い出す場合、学校生活への不安やストレスが影響しているかもしれません。

3.2 行動の変化に注意する

子どもが不登校になりかけているとき、日常の行動に微妙な変化が現れます。特に以下のような行動は、子どもが「学校に行くのがつらい」と感じているサインかもしれません。

  • 学校の話を避ける
    以前は「今日、学校でこんなことがあったよ」と話していたのに、急に学校の話題を避けるようになった場合、何かしらの悩みを抱えている可能性があります。特に、「先生はどう?」と聞いたときに曖昧な返事をする、あるいは「別に」「普通」としか答えなくなる場合は要注意です。
  • 準備をしなくなる、忘れ物が増える
    学校へ行くことへの関心が薄れると、宿題をやらなくなったり、持ち物の準備を後回しにしたりするようになります。これまできちんとしていた子どもが、急に「忘れ物が多くなる」「宿題をやらなくなる」といった変化を見せた場合、学校への意欲が低下している可能性があります。
  • 登校時間が近づくと不機嫌になる
    朝になるとイライラしたり、些細なことで怒ったりするのも、不登校の兆候の一つです。学校へ行くことを考えるだけでストレスを感じているため、登校前に機嫌が悪くなることがよくあります。

3.3 子どもの「心の声」を聞く方法

子どもが不登校の兆候を見せているとき、一番大切なのは「無理に問い詰めないこと」です。「どうして行きたくないの?」と問い詰めると、子どもは「責められている」と感じ、ますます心を閉ざしてしまいます。

代わりに、子どもが話しやすい雰囲気を作ることが大切です。例えば、学校とは関係のない話題から始め、リラックスした状態で「最近どう?」とさりげなく尋ねると、子どもは少しずつ本音を話し始めることがあります。また、親が「学校に行かせなければ」という気持ちを抑え、「あなたが大切だよ」というメッセージを伝えることが、子どもに安心感を与えるポイントです。

第四章:家庭で実践できる不登校予防

不登校を未然に防ぐためには、家庭でのサポートが非常に重要です。ここでは、具体的な予防策について詳しくお伝えします。

4.1 朝の習慣を整える

新学期に向けて最も効果的な対策の一つが、「朝の習慣を整えること」です。夏休みや春休みの間に夜更かしや寝坊の習慣がついてしまうと、学校が始まったときに登校が苦痛になりやすくなります。

具体的な対策:

  • 休み中でも「平日と同じ時間に起きる」習慣を作る
  • 朝ごはんをしっかり食べることで体内リズムを整える
  • 午後は外に出て日光を浴びる(体内時計をリセットする効果がある)

4.2 子どもの不安を和らげる

新学期が近づくと、多くの子どもが「ちゃんとやっていけるかな」「友達と仲良くできるかな」と不安を抱きます。こうした不安を和らげるために、親ができることは何でしょうか?

  • 「大丈夫だよ」と言葉で安心させる
    「新学期、楽しみだね!」とポジティブな声かけをすることで、子どもは「大丈夫なんだ」と思えるようになります。
  • 学校の話を楽しい話題にする
    「今年はどんなことが楽しみ?」と聞くと、子どもは前向きな気持ちを持ちやすくなります。
  • 小さな成功体験を積ませる
    夏休みの間に「できた!」という経験を増やしておくと、新学期に対する自信がつきます。

4.3 「行くのが当たり前」にしない

「学校に行くのが当たり前」と思わせるのではなく、「学校に行くことで楽しいことがある」と感じられる環境を作ることが大切です。そのためには、子どもの気持ちに寄り添いながらも、少しずつ登校に向けた準備を進めていくことが重要です。

第五章:家庭での具体的なサポート方法

ここまで、新学期に不登校が増える理由やその兆候、そして予防のための基本的な対応についてお伝えしてきました。しかし、「兆候に気づいたけれど、実際にどう対応すればいいのかわからない」「すでに学校を休みがちになっているけれど、どうすれば登校を促せるのか」と悩む保護者の方も多いでしょう。

そこで本章では、家庭でできる具体的なサポート方法について詳しくお伝えします。不登校を防ぐためには、子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつ前向きな変化を促していくことが重要です。

5.1 「無理に行かせる」のではなく、「行きやすい環境」を作る

不登校の兆候がある子どもに対して、「明日は絶対に学校に行きなさい!」と強制することは逆効果です。子どもは「行かなきゃいけない」というプレッシャーに押しつぶされ、ますます登校が難しくなってしまいます。

そこで大切なのは、「学校に行くこと」をゴールにするのではなく、「学校に行きやすい環境を作る」ことです。そのために、次のようなアプローチが有効です。

まずは学校の話をしすぎない
「学校はどう?」と何度も聞かれると、子どもはプレッシャーを感じます。学校について話すよりも、日常の楽しい話題を増やし、子どもが安心できる雰囲気を作ることが大切です。

「行かなくてもいい」とは言わないが、「行かないとダメ」とも言わない
「別に行かなくてもいいよ」と言ってしまうと、子どもは「もう行かなくていいんだ」と思い込んでしまいます。一方で、「行かないとダメ!」と強く言うのもプレッシャーになります。「どうしたら行きやすくなるかな?」と、子どもの気持ちを引き出すような声かけが効果的です。

学校とつながりを持ち続ける
完全に学校と断絶すると、復帰のハードルが高くなります。担任の先生と連携しながら、「宿題だけ提出する」「放課後に先生と少し話す」など、少しでも学校とつながりを持ち続けることが重要です。

5.2 「朝の支度」がスムーズにできる工夫

登校を渋る子どもの多くは、「朝の準備」そのものに心理的な負担を感じています。

例えば、制服を着るだけで「学校へ行かなければならない」とプレッシャーを感じたり、ランドセルを背負うと「今日も嫌なことがあるかもしれない」と不安になったりすることがあります。

そこで、朝の支度をスムーズにするために、次のような工夫を取り入れてみてください。

朝起きる時間を一定にする
生活リズムを整えることは、不登校予防において非常に重要です。休日も含め、毎日同じ時間に起床する習慣をつけましょう。

制服を着るのを手伝う
制服を着ることが負担になっている場合は、「一緒に着替えようか?」と声をかけ、少し手伝ってあげるのも効果的です。「今日はとりあえず着替えるだけでもいいよ」と、ハードルを下げることも大切です。

朝食の時間を楽しみにする
「朝起きたら好きなパンがあるよ」「朝ごはんの後に少しゲームしよう」など、朝起きること自体をポジティブなものにする工夫をしてみましょう。

家の中の動線を変える
登校を嫌がる子どもの中には、「玄関を通ること」自体にストレスを感じている場合もあります。例えば、登校時間になったらリビングでしばらく過ごすなど、いつもと違う動線を作ることで、心理的な負担を和らげることができます。

5.3 「小さな成功体験」を積み重ねる

子どもが学校に行くことを不安に感じている場合は、「登校=大きな負担」と思い込んでいることが多いです。そこで、学校に関する「小さな成功体験」を積み重ねることで、「行けるかもしれない」と思えるようにすることが大切です。

「校門まで行ってみる」「教室の前まで行く」など、段階的に進める
「最初から1日フルで登校しなければならない」と思うと、子どもは大きなプレッシャーを感じます。「まずは校門まで行く」「保健室にだけ行ってみる」など、ハードルを低く設定することで、少しずつ慣れていくことができます。

友達と一緒に登校する機会を作る
仲の良い友達と一緒に登校することで、学校への不安が和らぐことがあります。可能であれば、登校前に近所の友達と合流できるような環境を作るのも良いでしょう。

学校以外の「成功体験」を増やす
「学校に行けなかった」という経験が積み重なると、子どもは「自分はダメだ」と思い込んでしまいます。そのため、学校以外の場で小さな成功体験を積むことも大切です。例えば、「料理を手伝った」「好きな本を1冊読んだ」「習い事で先生に褒められた」といった経験が、自信につながります。

第六章:まとめ 〜家庭での関わり方が不登校を左右する

新学期は、不登校が増えやすい時期です。しかし、子どもの小さなサインに早く気づき、適切なサポートをすることで、学校へ行くことへのハードルを下げることができます。

  • 不登校の兆候を見逃さないこと
  • 無理に行かせるのではなく、「行きやすい環境」を作ること
  • 朝の習慣を整え、心理的な負担を減らすこと
  • 小さな成功体験を積み重ねること

こうした工夫をすることで、子どもが「学校に行けるかもしれない」と思えるようになり、不登校を防ぐことができます。

不登校に悩むと、親も「どうすればいいの?」と不安になってしまいます。しかし、焦らず子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつサポートしていくことが何よりも大切です。

お子さんが新学期を迎えるにあたって、少しでも前向きな気持ちになれるよう、この記事が参考になれば幸いです。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
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不登校解決にどれくらいの費用と時間をかけるべきか?

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不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。また、不登校予防や再登校支援を専門とするToCo株式会社の顧問も務めております。
本日は、「不登校解決にどれくらいの費用と時間をかけるべきか?」というテーマについて、お話しさせていただきます。


目次


不登校業界における金銭トラブル

近年、不登校支援をうたう業者との間で、金銭トラブルが増加しています。無料相談を受けた後、高額なサービスを強引に勧められたり、効果が見られないにもかかわらず返金に応じてもらえなかったりといった事例が報告されています。例えば、ある保護者の方は、無料相談に参加した後、数十万円のプログラムを契約するよう強く勧められ、断りきれずに契約してしまったものの、期待した効果が得られず、返金もされなかったといいます。このようなトラブルは、保護者の焦りや不安につけ込む悪質な業者によって引き起こされることが多いのです。

また、料金体系が不明瞭なまま契約を迫られるケースも見受けられます。具体的なサービス内容や料金が明示されていない場合、後になって予想外の高額請求を受ける可能性があります。不透明な料金設定や強引な勧誘には、十分な警戒が必要です。

さらに、効果を誇大に宣伝し、実際には期待した成果が得られないケースも報告されているため、過度な宣伝文句に惑わされないよう冷静な判断が求められます。不登校の解決には、各家庭やお子様の状況に応じた適切な支援が必要であり、万能な解決策は存在しません。

このような金銭トラブルを避けるためには、以下の点に注意することが重要です。

  • 料金体系の明確化:サービスを受ける前に、具体的な料金や追加費用の有無を確認しましょう。
  • 契約内容の確認:契約書や利用規約をしっかりと読み、不明点は質問し、納得してから契約を結ぶことが大切です。
  • 第三者の評価を参考にする:口コミや評判、第三者機関の評価などを調べ、信頼性のある業者を選ぶよう心がけましょう。

お子様のために最善の支援を求めるあまり、焦って判断してしまうこともあるかもしれません。しかし、冷静に情報を収集し、信頼できる支援を選ぶことが、お子様の未来にとって最も重要です。

費用ではなく、企業を見よう

不登校支援を選ぶ際、費用の多寡だけで判断するのは危険です。高額なサービスが必ずしも高品質であるとは限らず、逆に低価格でも効果的な支援を提供している企業も存在します。重要なのは、提供されるサービスの内容や企業の信頼性です。

消費者庁も、「サービス価格が明示されていない場合は十分に注意しましょう」と注意喚起を行っています。料金を公開していない企業にはその理由があると考え、慎重に判断することが求められます。例えば、料金を明示しないことで、個別に高額な料金を請求する可能性や、サービス内容に自信がないために詳細を隠している場合も考えられます。Topページやサービスページが事例や無料相談などで占められていて、料金の記述が無い場合は注意が必要です。

また、企業の実績や支援内容を確認することも重要です。具体的な支援事例や成功率、専門家の資格や経験などを調べることで、その企業が信頼に足るかどうかを判断できます。例えば、ToCo株式会社では、再登校支援サービスの詳細や料金を公式サイトで明示しています。さらに、具体的な支援事例や導入効果も公開しており、透明性の高い情報提供を行っています。

さらに、第三者機関の評価や口コミも参考になります。実際にサービスを利用した保護者の声や、専門家からの推薦など、多角的な情報を集めることで、より客観的な判断が可能となります。ただし、口コミだけに頼らず、公式な情報や直接の問い合わせを通じて確認することも大切です。

最終的には、費用対効果を考慮しつつ、お子様やご家庭の状況に最適な支援を提供してくれる企業を選ぶことが重要です。費用だけでなく、企業の信頼性や支援内容、透明性など、多角的な視点から判断し、後悔のない選択をしていただくことが推奨されます。

不登校解決と時間の関係

不登校の問題を考えるうえで、費用と並んで重要なのが「時間」です。お子様が学校に行かなくなったとき、「しばらく様子を見よう」「本人が落ち着くまで待とう」と考える保護者の方も多いかもしれません。しかし、不登校が長引くほど、解決の難易度は格段に上がることが証明されています。

お子様にとって、最初の数週間は「学校に行かない」という状態が非日常です。しかし、それが何カ月も続くと、「家にいるのが普通」という状態に変わり、それが「コンフォートゾーン(快適領域)」になってしまいます。人間は基本的に、現状を維持しようとする心理が働くため、一度コンフォートゾーンが確立されると、そこから抜け出すことが非常に難しくなります。

特に、不登校が半年以上続くと、次のような心理的変化が起こることが知られています。

  • 「学校に行く」こと自体が非現実的に思える
    学校に行くことが「遠い過去の出来事」のように感じられ、登校すること自体に強い抵抗感を抱くようになります。
  • 社会的スキルが低下し、友達との関係が薄れる
    長期間、人と関わらない生活が続くと、コミュニケーションの機会が減り、対人関係に自信がなくなります。
  • 自己肯定感が低下し、「自分はダメな人間だ」と思い込む
    「学校に行けない自分」を責めるようになり、自己否定が強まることでますます外の世界に出にくくなります。

このような悪循環に陥ると、「子どもが自分から行きたいと言うまで待つ」という選択肢は、現実的ではなくなってしまいます。もちろん、お子様の気持ちを無視して無理に学校に連れて行くことは逆効果ですが、保護者が「どうすれば登校へのハードルを少しでも下げられるか」を常に考え、働きかけることが重要です。

早期解決の重要性

ここで、一つ考えてみていただきたいのは、「不登校が始まったばかりの時期」と「不登校が長期化した後」では、解決にかかる時間が大きく異なるという点です。

例えば、不登校になって1カ月以内の段階で適切な介入を行えば、多くの場合、3カ月以内に登校を再開できる可能性があります。しかし、1年以上続いた場合、元の生活に戻るまでに数年を要することも少なくありません。それほど、時間の経過は大きな影響を与えるのです。

では、なぜ早い対応が効果的なのでしょうか?その理由は、人間の心理と環境の変化にあります。次の章では、行動心理学の観点から、短期間での解決がなぜ有効なのかを解説します。

行動心理学から見た短期解決の利点

人間の行動は、環境に強く影響を受けます。例えば、初めて職場に出勤した日を思い出してください。慣れない環境に緊張し、ストレスを感じたかもしれません。しかし、1カ月もすると、その環境に慣れ、違和感がなくなっていたのではないでしょうか?

この現象は「環境適応」と呼ばれ、人は1カ月ほどで新しい状況に順応する性質を持っています。これは、不登校の解決にも大きく関わります。例えば、以下のようなステップを踏むことで、お子様の環境を変え、登校へのハードルを下げることが可能になります。

  • 家庭内のルールを変える
    学校に行かない状態が続くと、昼夜逆転やゲーム漬けといった生活リズムの乱れが生じやすくなります。まずは「朝起きる」「外に出る」といった基本的なルールを設定し、学校に行かない間も規則正しい生活を送ることが大切です。
  • 外に出る習慣をつくる
    学校に行かない日が続くと、家の外に出ること自体が大きなストレスになります。そのため、まずは「週に1回、親と一緒に散歩する」「図書館やカフェに行く」といった、小さな変化を加えることが有効です。

「慣れ」の前に動く

行動心理学の観点から見ても、不登校が長引くと、それ自体が「日常」になり、変化を起こすのが難しくなります。そのため、短期間のうちに適切な働きかけを行い、環境を少しずつ変えることが、不登校解決のカギとなります。

まとめ:不登校解決にかけるべき費用と時間

不登校の解決には、「どれだけ費用をかけるか」ではなく、「どのように正しく投資するか」が重要です。そして、それと同じくらい「どれだけ早く行動できるか」が結果を大きく左右します。

  • 不透明な料金体系の業者には注意し、信頼できる企業を選ぶ
  • 長引けば長引くほど解決が難しくなるため、早期対応を心がける
  • 行動心理学を活用し、少しずつ環境を変えることが効果的

「子どもが行く気になるまで待とう」と思っている間に、不登校は固定化してしまいます。かといって、無理に学校に行かせることも逆効果です。重要なのは、親が適切なサポートを行い、お子様が自然に学校に戻れるような環境を整えることです。

ToCo株式会社では、こうした問題に直面しているご家庭向けに、具体的な解決策を提供しています。お子様の状況に合わせた支援を行い、スムーズな再登校をサポートすることが可能です。お悩みの際は、ぜひご相談ください。


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私立中学ほど不登校に注意すべき理由とは?

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不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。不登校予防や再登校支援を行うToCo株式会社の顧問も務めております。
本日は、「私立中学ほど不登校に注意すべき理由とは?」というテーマについてお話しします。

多くの保護者の方々は、私立中学校に通うお子様が不登校になる可能性を低く見積もりがちです。「せっかく頑張って合格したのだから、楽しく通えるはず」「優秀な子が集まっているのだから、不登校になる子は少ないだろう」──このように考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、実態としては、私立中学校でも不登校の問題は深刻です。

2023年度の日本の私立中学校における不登校児童数8,120人に上ります。これは、公立中学校に比べて割合としては少ないものの、「不登校になりにくい」と思われている私立中学校でも、相当数の子どもが学校に通えなくなっていることを意味します。

私立中学校での不登校は、公立中学校とは異なる要因が絡んでいることが多く、対策も異なります。本稿では、私立中学校で不登校になりやすい理由を具体的に掘り下げ、保護者がどのように対応すればよいかを詳しく解説していきます。


目次


私立中学にも不登校はある――「まさかうちの子が」とならないために

「私立だから大丈夫」という誤解

「私立に入れたのだから、不登校の心配はない」と考えていませんか?
実は、この考えが落とし穴です。多くの保護者が、私立中学校における不登校の実態を知らず、「うちの子は大丈夫」と思い込んでしまう傾向にあります。しかし、これは大きな誤解です。

私立中学校では、生徒の質が高い=不登校が少ないというイメージが先行しがちですが、現実には、むしろ私立特有の環境が子どもにとって過度なプレッシャーとなり、不登校を引き起こしてしまうことがあるのです。

例えば、私立中学校に通う生徒の多くは、小学生の頃から厳しい受験勉強を経験しています。長い期間、勉強中心の生活を送り、ようやく合格を勝ち取った子どもたちは、「入学することがゴール」となりがちです。その結果、入学後の学習環境についていけなくなり、燃え尽き症候群のような状態になってしまうこともあります。

また、私立中学校では、同じレベルの学力を持つ子どもたちが集まるため、小学生時代に「学力が武器」だった子どもが、自信を失いやすくなるという問題もあります。「小学校では成績トップだったのに、中学校に入ったら普通になってしまった……」と感じる子どもは少なくありません。このようにして、学力をアイデンティティの拠り所にしていた子どもほど、不登校になりやすい傾向があるのです。

さらに、私立中学校の校風や指導方針が、必ずしも全ての子どもに合うとは限りません。偏差値の高さだけで学校を選んだ場合、入学後に「思っていた雰囲気と違う」「人間関係がうまくいかない」といった悩みを抱え、不登校に繋がるケースもあります。

「私立でも不登校になる可能性はある」と考えることが重要

「私立だから大丈夫」と思い込んでしまうと、子どもの小さなサインを見落としやすくなります。

  • 「最近、学校の話をしなくなった」
  • 「朝、起きるのが極端につらそうになった」
  • 「成績が悪くなったわけではないのに、学校を休みたがる」

こうした変化は、子どもが学校に対してストレスを感じ始めているサインかもしれません。

不登校は、ある日突然起こるわけではなく、徐々に進行していくものです。「私立だから」という理由で安心せず、日々の子どもの様子を注意深く見守ることが大切です。


不登校になりやすい理由①「受験ゴールで燃え尽きてしまう」

受験後に「燃え尽きる」子どもたち

小学生の頃から塾に通い、毎晩遅くまで勉強し、休日もほとんど塾の授業や宿題に追われる生活。こうした努力の末、私立中学校に合格した子どもたちは、「合格」という目標を達成した途端に、エネルギーが尽きてしまうことがあります。

これは、いわゆる「燃え尽き症候群」の一種です。受験勉強のプレッシャーから解放されると同時に、「もう頑張らなくてもいい」という気持ちになり、学校生活に対する意欲を失ってしまうのです。

文部科学省の調査では、中学生の不登校の理由のトップが「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった(32.2%)」という結果になっています。このデータからも分かるように、受験がゴールとなり、その後の目標を見失ってしまうことが、不登校の原因の一つになっているのです。

対策:「受験合格」がゴールではないことを伝える

この問題に対処するには、受験の段階から「合格が最終目的ではない」ことを子どもに伝えることが重要です。

具体的には、以下のような点を意識するとよいでしょう。

  1. 「受験の先」に目を向ける習慣をつける
    受験は、あくまでも人生の通過点であり、そこからさらに成長していくためのステップの一つに過ぎません。「合格したら終わり」ではなく、「その先にどんな楽しいことが待っているか」を親子で話し合うことが大切です。
  2. 入学後の生活を具体的に想像させる
    「どんな部活に入りたいか?」「どんな友達を作りたいか?」など、合格後の生活を具体的に考えさせることで、受験だけに集中しすぎることを防げます。
  3. 成功体験を「受験」以外にも持たせる
    受験以外にも、小さな成功体験を積み重ねることで、「勉強以外にも楽しいことがある」と思えるようになります。

このように、受験がゴールではなく、新たなスタートであることを伝え、受験後のモチベーション低下を防ぐことが、不登校を防ぐ上で重要です。

不登校になりやすい理由②「勉強面のアイデンティティが崩れる」

「小学校では優秀だったのに……」という現実

私立中学校に進学する子どもたちは、小学生時代に塾通いを経験し、学力で高い評価を得ていた子が多いです。「勉強が得意」「テストで良い点を取ることが誇りだった」「クラスで一番だった」という経験は、彼らの自尊心を形作る重要な要素となります。

しかし、私立中学校に入ると状況は一変します。今まで「学年トップ」だった子も、周囲を見渡せば同じレベルの生徒ばかり。自分の「強み」だった勉強が通用しないと気づいた瞬間、アイデンティティが崩れ、精神的に大きなダメージを受けるのです。

たとえば、こんなケースがあります。

  • 小学校時代は「勉強が得意な自分」が誇りだったのに、中学校では普通レベルになってしまった。
  • どんなに頑張っても、学年トップの座には届かない。
  • それまで親や先生に褒められてきた「成績」という評価基準がなくなり、自分が価値のない人間に思えてしまう。

これらの経験は、子どもの自己肯定感を大きく傷つけ、「どうせ自分はダメなんだ」「頑張っても意味がない」と思い込ませてしまいます。そして、勉強への意欲を失い、学校そのものに行く意味を感じられなくなるのです。

対策:「勉強ができる=価値がある」という考えを変える

この問題に対処するためには、「勉強ができること=人間として優れていること」ではないという価値観を、親子で共有することが重要です。

  1. 「努力の過程」を評価する習慣をつける
    点数や順位ではなく、「どれだけ頑張ったか」を認めるようにしましょう。たとえば、「結果よりも、コツコツ勉強したことがすごい」といった声かけを意識することで、子どもは結果に一喜一憂せず、努力そのものを大切にするようになります。
  2. 「できること」を広げる機会を作る
    勉強だけが子どもの価値ではありません。スポーツ、音楽、アート、プログラミングなど、他の分野にも目を向けることで、「自分には勉強以外にも強みがある」と気づくことができます。
  3. 「勉強ができるのは能力ではなく、適性の問題」だと伝える
    学力は、生まれ持った才能ではなく、環境や努力の積み重ねによるものです。「今まで塾の勉強が合っていただけで、中学の勉強はまた違うもの」と考えることで、「できなくなった自分=価値がない」とは思わなくなります。

このような考え方を身につけることで、「勉強が得意」というアイデンティティが揺らいでも、他の部分で自信を持つことができるようになります。


不登校になりやすい理由③「偏差値重視で校風が合わない」

「偏差値の高い学校=良い学校」ではない

私立中学校の選び方として、「偏差値の高い学校に行くことが成功」という考え方が一般的です。しかし、この価値観に従って学校を選んだ結果、子どもが不登校になってしまうケースが少なくありません。

特に、以下のようなケースでは注意が必要です。

  • 「とにかく偏差値の高い学校を目指そう」と親が決めた
  • 「友達が受験するから、自分も同じ学校に行きたい」と決めた
  • 学校の特色や校風を十分に調べず、学園祭やパンフレットの印象だけで決めた

子どもはまだ、「自分に合う環境とは何か」を正しく判断するのが難しい年齢です。親が「良い学校」と思って選んでも、子どもにとっては「合わない学校」だったということは珍しくありません。

対策:「偏差値」よりも「子どもに合う環境」を優先する

  1. 学校選びの際、実際の雰囲気を確認する
    偏差値だけでなく、学校の雰囲気を肌で感じることが重要です。最近では、学校の口コミを確認できるサイト(https://school-reviews.com/)などもあるため、事前に調査するのもおすすめです。
  2. 「どういう学校なら楽しく通えるか?」を話し合う
    「校則が厳しすぎると辛い」「競争が激しい学校は合わないかも」など、事前に子どもの性格と学校の特色が合うかを考えておくことが大切です。
  3. 入学後に「合わない」と感じたら、転校を検討するのも選択肢
    どうしても学校が合わない場合は、無理に通わせ続けるのではなく、転校を視野に入れることも一つの手です。しかし、環境の変化はデメリットが大きいため事前の学校選択がより重要です。

学校選びの段階から、「偏差値」よりも「子どもにとって相性が良いかどうか」を優先することが、不登校を防ぐための大きなポイントとなります。


私立中学校で不登校にならないために

私立中学校は、公立に比べて教育環境が整っている反面、「受験ゴールによる燃え尽き」「学力アイデンティティの喪失」「偏差値重視のミスマッチ」といった独自の不登校リスクが存在します。

では、親としては何を意識すればよいのでしょうか?

  1. 受験はゴールではなく、スタートであることを伝える
    → 受験の成功にとらわれず、その後の学校生活を楽しむことを意識させる。
  2. 勉強以外の成功体験を持たせる
    → 学業以外の分野でも「自分には価値がある」と感じられる機会を作る。
  3. 学校選びは「偏差値」よりも「相性」を重視する
    → 校風や雰囲気が子どもに合っているかをしっかり確認する。

不登校は突然起こるものではなく、小さなサインの積み重ねによって生じます。早めに気づき、適切な対応をすることで、未然に防ぐことができます。

「私立だから安心」ではなく、「私立だからこそ注意すべき点がある」と認識し、お子様の変化を見逃さないようにしましょう。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
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ソーシャル・エモーショナル学習 〜社会を生き抜く力を育む〜

ソーシャル・エモーショナル学習-記事の見出し画像

不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。
私は、不登校予防や再登校支援を行うToCo株式会社の顧問として、多くの子どもたちとその保護者の方々と向き合ってきました。不登校は決して珍しいことではなく、日本の小中学生の中でも増加傾向にあります。しかし、親としてどのように子どもを支えればよいのか、その答えを見つけることは容易ではありません。

今回お伝えしたいのは、子どもが社会の中で生き抜く力を身につけるために有効な「ソーシャル・エモーショナル学習(SEL)」についてです。これは、単なる学力や知識ではなく、感情や対人関係を適切に理解し、管理しながら社会と関わっていく力を養う学習法です。不登校の背景には、対人関係の悩みや自信の喪失、感情のコントロールの難しさがある場合が多く、SELを学ぶことが状況改善の大きな助けになると考えています。


目次


ソーシャル・エモーショナル学習(SEL)とは?

ソーシャル・エモーショナル学習(Social Emotional Learning、以下SEL)は、1960年代にイェール大学の研究プロジェクトとして始まりました。その後、アメリカのCASEL(Collaborative for Academic, Social, and Emotional Learning)が中心となり、学校教育の中にSELを取り入れることを推進しています。SELは単なる「情緒教育」ではなく、自己理解、感情のコントロール、対人スキル、意思決定能力を統合的に育むプログラムです。

日本ではまだ広く浸透していませんが、欧米では教育現場だけでなく、企業研修や社会人向けのプログラムにも取り入れられています。なぜなら、どんなに優れた知識や技術を持っていても、感情を適切に扱えず、人間関係を築けなければ、社会の中で成功することが難しいからです。

特に、不登校の子どもたちにとってSELは重要な学習要素です。学校に行けなくなった背景には、対人関係でのストレスや自己肯定感の低下、感情のコントロールの難しさがあることが多いため、それらを改善するための具体的な手段としてSELが有効なのです。


SELの5能力

① Self Awareness(自己の理解)

自己の理解とは、自分の感情や思考、強みや弱みを客観的に認識する力のことです。不登校の子どもたちは、自分の気持ちをうまく言葉にできなかったり、「なぜ学校に行きたくないのか」が分からなかったりすることが多くあります。

例えば、ある日突然「学校に行きたくない」と子どもが言ったとしても、その理由が明確に説明されることは少ないでしょう。しかし、よく話を聞いてみると、「友達との関係がうまくいかない」「授業が分からないことで自信をなくしている」「先生に怒られるのが怖い」といった背景が見えてくることがあります。

親としてできることは、子どもの感情に寄り添いながら「今、どんな気持ちなのか」を言語化するサポートをすることです。「何が嫌なの?」と問い詰めるのではなく、「最近、学校でどんなことがあった?」と出来事を話しやすい形で聞くことが大切です。子ども自身が自分の感情を理解し、それを適切に表現できるようになることで、不登校の原因の一端を明らかにし、解決に向けた第一歩を踏み出せるのです。

② Self Management(セルフマネジメント)

セルフマネジメントとは、自分の感情をコントロールし、ストレスに適応する力のことです。不登校の子どもたちは、ストレスに対処する手段を持たないまま問題に直面し、結果的に「学校に行かない」という選択をしてしまうことがあります。

ここで重要なのは、「感情をコントロールする力」は生まれつき備わっているものではなく、学習によって身につけられるということです。例えば、大人でも仕事で失敗したときに「もうダメだ」と落ち込むことがありますが、「次はこうしよう」と前向きに切り替えられる人もいます。その違いは、生まれつきの性格ではなく、これまでに培った「感情の管理スキル」によるものなのです。

親ができるサポートの一つとして、「感情の整理法」を教えることが挙げられます。例えば、「気持ちが落ち込んだときは、深呼吸をしてからお気に入りのノートに気持ちを書き出す」「嫌なことがあった日は、お風呂に入ってリラックスする」など、具体的な対処法を一緒に考えることで、子ども自身が感情をコントロールする力を育むことができます。

③ Social Awareness(社会や他者の理解)

社会や他者の理解とは、自分以外の人々の感情や立場を理解し、共感する力のことです。不登校の子どもたちにとって、この力は特に重要です。なぜなら、不登校に至る原因の多くは、他者との関係性の中で生まれる「分かってもらえない」「どう接していいか分からない」といった悩みだからです。

学校は、勉強を学ぶ場であると同時に、集団の中で人間関係を築く場でもあります。しかし、クラスの中で「空気が読めないと言われる」「友達と話が合わない」「先生が何を考えているのか分からない」と感じる子どもにとって、学校は居心地の悪い場所になりがちです。その結果、「学校に行かなくていいなら、楽だ」と思い、不登校が長期化することもあります。

では、どうすれば社会や他者の理解を深めることができるのでしょうか?

まず、親ができることは「共感の経験を積ませる」ことです。たとえば、「友達が怒っていたら、どんな気持ちになっているのかな?」「先生が厳しく指導するのは、どんな理由があると思う?」と、日常の出来事を一緒に考える時間を持つのも有効です。ポイントは、子どもが自分の意見を言いやすい雰囲気を作ること。正しい答えを求めるのではなく、「そんなふうに感じたんだね」と受け止めることが大切です。

また、映画や本を活用するのもおすすめです。フィクションの世界には、さまざまな立場の人々が登場します。たとえば、『ズートピア』のような映画は、「偏見を持たれる側」「誤解をされる側」の視点を学ぶのに最適です。物語を通じて「もし自分がこの立場だったら?」と考える習慣をつけることで、子どもは少しずつ他者の気持ちを理解する力を養っていくのです。

④ Relationship Skills(対人関係スキル)

対人関係スキルとは、人と適切にコミュニケーションをとり、良好な関係を築く能力です。不登校の子どもたちは、「どう話せばいいのか分からない」「話しかけてもらえないと、自分からは話せない」という悩みを抱えていることが多いです。

ここで重要なのは、「コミュニケーション能力は、生まれつきの才能ではなく、学習できるスキルである」ということです。たとえば、人と会話をするときの基本として「相手の話をよく聞く」「自分の気持ちをシンプルに伝える」といったことを、練習によって身につけることができます。

親ができるサポートとしては、「会話の練習をする」ことが挙げられます。たとえば、子どもが友達と話すのが苦手なら、「どうやって話しかければいいか、一緒に考えてみよう」とロールプレイをするのも有効です。「〇〇君が好きなスポーツの話をしてみるのはどう?」と具体的なアドバイスをすることで、子どもは会話の糸口をつかみやすくなります。

また、「あいづちの打ち方」や「相手の話を広げる質問の仕方」を学ぶことも大切です。「へえ、そうなんだ!」と相手の話に興味を持つ姿勢を示すだけで、会話はスムーズに進むようになります。こうしたスキルは、学校だけでなく将来の職場や社会生活でも役立つ重要な能力です。

⑤ Responsible Decision Making(責任ある意思決定)

責任ある意思決定とは、自分の選択が周囲にどのような影響を与えるかを考え、適切な判断を下す力のことです。不登校の子どもたちにとって、このスキルは「学校に行くかどうか」を自分で考える上で非常に重要です。

「学校に行きたくない」という気持ちは、決して否定されるべきものではありません。しかし、「行かない」という選択を続けることで、将来的にどんな影響があるのかを、子ども自身が理解することも必要です。

ここで大切なのは、「子どもに考えさせる機会を作る」ことです。たとえば、「学校に行かないことで、困ることは何があるかな?」「行った場合、少しでも楽になる方法はある?」と、一緒に選択肢を考える時間を持つことが効果的です。「どうしたい?」と問いかけることで、子どもは自分の行動について責任を持つ意識が芽生えます。

また、小さな成功体験を積むことも重要です。「今日は玄関まで行けた」「学校の前まで行けた」という一歩一歩の成功を積み重ねることで、「やればできる」という自信につながります。この積み重ねが、最終的に再登校への道を開くことになるのです。


「成長マインドセット」の重要性

不登校の子どもたちが再び社会に向き合い、自分の未来に希望を持つためには、「成長マインドセット(Growth Mindset)」の獲得が欠かせません。これは、アメリカの心理学者キャロル・ドゥエックが提唱した概念で、「能力や才能は生まれつき決まっているものではなく、努力と工夫によって成長できる」という考え方を指します。

この考え方の対極にあるのが「固定マインドセット(Fixed Mindset)」です。これは、「自分の能力には限界があり、努力しても変わらない」という思い込みのことを指します。不登校の子どもたちは、過去の失敗体験や他者との比較の中で、「どうせ自分はできない」「頑張っても意味がない」と感じてしまい、固定マインドセットに陥っていることが多いのです。

この章では、不登校の子どもに「成長マインドセット」を持たせることの重要性と、それを育むための親の関わり方について詳しく解説します。


なぜ「成長マインドセット」が不登校の克服に必要なのか?

不登校になる理由はさまざまですが、多くの子どもが「失敗の恐怖」「自信の喪失」「周囲との比較」によって学校に行くことをためらっています。

例えば、学校の授業についていけなくなった子どもは、「自分は勉強ができない」「もう取り返しがつかない」と考え、努力する気力を失います。また、友人関係でのトラブルを経験した子どもは、「自分は人と関わるのが下手だ」「どうせまた傷つく」と思い込み、新しい関係を築くことを避けるようになります。

しかし、成長マインドセットを持つことで、こうした思考を「今はできなくても、努力すれば変わる」「失敗は学びのチャンス」というポジティブなものに変えることができます。これにより、不登校の子どもが「少しずつでも前に進んでみよう」と思えるようになるのです。

「成長マインドセット」を持つ子どもと持たない子どもの違い

固定マインドセット成長マインドセット
「自分には才能がない」「今はできないけれど、努力すればできるようになる」
「勉強しても意味がない」「勉強を続ければ少しずつ成長できる」
「友達ができなかったから、もうダメだ」「前はうまくいかなかったけれど、次は違う方法を試してみよう」
「失敗は恥ずかしいこと」「失敗は成長のために必要な経験」

この違いが、長期的な行動の変化を生み出します。

では、親として子どもに「成長マインドセット」を育むためには、どのような関わり方をすればよいのでしょうか?


親ができる「成長マインドセット」の育成方法

① 結果ではなく「努力のプロセス」を認める

不登校の子どもは、「結果」によって評価されることに敏感です。学校のテストの点数や、友人関係の成功・失敗ばかりが重要視されると、「自分はうまくできないからダメなんだ」と思い込んでしまいます。

親として意識すべきことは、結果ではなく、努力の過程を認めることです。

例えば、テストの点数が悪かったとしても、「この問題に挑戦したことがすごいね」「前回よりも少し解ける問題が増えたね」と、努力したことに目を向ける声かけをしましょう。これによって、子どもは「自分の頑張りには意味がある」と感じられるようになります。

② 失敗を「学びの機会」として捉える

不登校の子どもたちは、過去の失敗経験によって「もう傷つきたくない」と思い、新しいことに挑戦するのを避けることがあります。

このとき親ができるのは、「失敗を否定しないこと」です。「なぜこんなこともできないの?」と責めるのではなく、「うまくいかなかったけれど、次はどうすればいいと思う?」と、解決策を一緒に考える姿勢を持ちましょう。

また、「親自身が失敗をポジティブに捉える姿勢を見せる」ことも大切です。「今日、仕事でミスをしちゃったけど、次はこうしようと思うんだ」と話すことで、子どもも「失敗しても大丈夫なんだ」と感じることができます。

③ 「まだできない」を受け入れる習慣をつける

「できない」という言葉を「まだできない(yet)」という言葉に変えるだけで、子どもの捉え方は大きく変わります。

例えば、「算数が苦手だ」と言う子どもには、「今は苦手かもしれないけど、練習すれば得意になるかもしれないね」と伝えてみましょう。こうすることで、「できない自分」ではなく、「成長途中の自分」として、自分自身を受け入れられるようになります。

④ 小さな成功体験を積み重ねる

成長マインドセットを持つためには、「できた!」という経験を積み重ねることが重要です。

不登校の子どもにとっては、「学校に行くこと」自体のハードルが高いため、いきなり再登校を目指すのではなく、「少しずつの成功」を重ねていくことがポイントです。

例えば、
✅ 今日は朝、制服を着ることができた
✅ 学校の近くまで行ってみた
✅ 友達にLINEでメッセージを送れた

このような「小さな成功」を認めることで、子どもは「やればできる」という感覚を持つようになります。


成長マインドセットがもたらす変化

成長マインドセットを持つことで、不登校の子どもたちには次のような変化が生まれます。

  1. 「どうせ無理」が「やってみよう」に変わる
  2. 失敗を怖がらなくなり、新しいことに挑戦できる
  3. 小さな成功体験が積み重なり、自信が生まれる

この考え方が根付けば、学校復帰だけでなく、将来の仕事や人間関係の中でも、「挑戦する力」を持ち続けることができます。


まとめ

SELを家庭で育むためには、特別な教育プログラムが必要なわけではありません。親が日常の中で「感情を言葉にする」「小さな成功体験を積ませる」「共感を大切にする」「成長マインドセットを意識する」ことが、SELの能力を伸ばすカギになります。

そして、SELが育まれることで、不登校の子どもたちは「自分の気持ちを理解できるようになる」「他人との関係を築く力が身につく」「挑戦する勇気が持てる」といった変化を経験し、少しずつ社会と向き合う力をつけていきます。

焦らず、一歩ずつ。子どもが安心して成長できる環境を作ることこそ、親ができる最も大切なサポートです。

最後に、不登校の克服には「親だけで抱え込まないこと」も大切です。家族だけでは難しいと感じるときは、専門家の力を借りながら、子どもに合った支援を見つけていきましょう。ToCo株式会社では、不登校の子どもたちが少しずつ社会との接点を持てるようサポートを行っています。一人で悩まず、ぜひ相談してください。


ToCo(トーコ)について

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学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

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不登校のワクチンとなる自尊心とは?

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不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。
私は、不登校予防や再登校支援を行うToCo株式会社の顧問として、多くの保護者や子どもたちと向き合ってきました。

不登校の原因はさまざまですが、その根底に共通して見られるのが「自己評価の低さ」です。子どもが「自分には価値がない」「どうせ自分なんてダメだ」と思い込んでしまうと、学校生活の中で感じるストレスが大きくなり、そのストレスを乗り越えることが難しくなります。そして、次第に学校に行くことへの抵抗感が強まり、不登校へとつながってしまうのです。

では、なぜ不登校の子どもは自己評価が低くなりやすいのでしょうか? そして、自己評価の低さを克服し、自尊心を育てるために、親としてどのように関わることができるのでしょうか? 本稿では、不登校を防ぐための「自尊心の育み方」について、具体的な方法をお伝えしていきます。


目次


第一章:不登校の子どもの自己評価の低さ

不登校の子どもたちは、驚くほど自己評価が低い傾向にあります。「どうせ自分なんて」「また失敗するに決まっている」「自分は何をやってもダメだ」といった言葉が口癖になっていることが多く、物事に対して消極的になりがちです。こうした思考が続くと、子どもは自分に対する信頼を失い、新しいことに挑戦する気力をなくしてしまいます。

1-1. 自己評価とは何か?

「自己評価」とは、簡単に言えば「自分の能力や価値に対する認識」のことです。たとえば、「自分は数学が得意だ」と思っている子どもは、数学の問題に自信を持って取り組めます。しかし、「自分は計算が苦手だ」と思っている子どもは、問題を見るだけで不安を感じ、解く前から「どうせできない」と決めつけてしまうことがあります。

自己評価には、二つの側面があります。

  1. 能力に対する評価:「自分は何ができるのか?」という認識。勉強ができる、スポーツが得意、人付き合いが上手など。
  2. 存在に対する評価:「自分には価値があるのか?」という認識。誰かに愛されている、必要とされている、役に立っているなど。

自己評価が低い子どもは、このどちらの側面でも否定的な考えを持ちやすくなります。たとえば、成績が下がると「自分は勉強ができないダメな人間だ」と思い込み、友達とのトラブルがあると「自分は嫌われている」と感じてしまいます。

1-2. 自己評価の低さが不登校につながる理由

自己評価の低い子どもは、学校生活でのさまざまな場面で不安を感じやすくなります。たとえば、以下のような状況が考えられます。

こうした不安が積み重なることで、学校に行くこと自体が大きなストレスになり、「学校に行きたくない」「休みたい」という気持ちが強くなっていきます。

さらに、自己評価が低い子どもは、失敗を極端に恐れる傾向にあります。「失敗=自分の価値の低下」と感じてしまうため、失敗するくらいなら何もしないほうがマシだと考えてしまうのです。その結果、新しいことに挑戦する機会が減り、さらに自己評価が低くなるという悪循環に陥ります。

1-3. 自己評価の低さから不登校になった子どもの例

Aくん(小学5年生)は、もともと勉強が得意で、クラスでも目立つ存在でした。しかし、ある日、国語の授業で意見を求められたとき、答えた内容がクラスメートに笑われてしまいました。先生は特に気にする様子もなく授業を進めましたが、Aくんにとっては大きなショックでした。

「自分の考えは間違っているのかもしれない」
「もう発言しないほうがいい」

そう思うようになったAくんは、それ以来、授業で手を挙げなくなりました。すると、テストの点数が少しずつ下がり始め、「自分は勉強ができないんだ」と思うようになりました。それが積み重なり、最終的には「学校に行きたくない」と言い出すようになったのです。

Aくんのように、ちょっとした出来事がきっかけで自己評価が低くなり、それが不登校につながるケースは非常に多いです。特に、真面目で責任感の強い子どもほど、自己評価の低下が大きな影響を及ぼしやすいのです。

1-4. 子どものサイン

子どもが自己評価を低くしているとき、以下のような言動が見られることが多くなります。

こうしたサインに気づいたら、親は早めに子どもの気持ちに寄り添い、サポートしていくことが大切です。自己評価の低さは放っておくとどんどん悪化し、不登校が長期化する原因になってしまうからです。


第二章:自己評価が低いとストレスが増え、乗り越えにくくなる

2-1. ストレスとは何か?

ストレスとは、心や体にかかる負担のことです。人は日常生活の中でさまざまなストレスを受けますが、適度なストレスは成長の糧にもなります。しかし、過度なストレスが続くと、心が疲れ果ててしまい、行動する気力を失ってしまうのです。

特に、子どもにとって学校はストレスが発生しやすい環境です。授業、宿題、友達付き合い、先生との関係、部活動――学校生活のあらゆる場面でストレスが生じる可能性があります。

ストレスを受けやすい子と受けにくい子の違い

同じ出来事が起こっても、子どもによってストレスの感じ方は大きく異なります。たとえば、授業で答えを間違えたときの反応を見てみましょう。

  • 自己評価が高い子:「間違えちゃったけど、次は気をつけよう!」
  • 自己評価が低い子:「やっぱり自分はダメだ……もう二度と発言したくない」

自己評価が高い子は、ミスを「一時的なもの」として受け止め、前向きに考えることができます。しかし、自己評価が低い子は、「間違えた自分は価値がない」と極端に考えてしまい、深いダメージを受けてしまうのです。


2-2. 自己評価が低いとストレスを感じやすくなる理由

自己評価の低い子どもは、学校生活の中で遭遇するさまざまな出来事を「自分に対する否定」として受け止めがちです。その結果、通常なら軽く受け流せるようなことでも、大きなストレスとなってしまいます。

1. 他人の言動を過剰に気にする

自己評価が低い子どもは、周囲の評価を過剰に気にする傾向があります。友達が何気なく言った一言を「自分は嫌われている」と解釈したり、先生のちょっとした指摘を「怒られた」「見放された」と受け取ってしまうことがあります。

2. 小さな失敗を「致命的なミス」だと考える

自己評価が低い子どもは、「失敗=価値がない」と考えてしまいがちです。そのため、小さなミスでも大きなショックを受け、必要以上に落ち込んでしまいます。


2-3. 自己評価が低いとストレスを乗り越えにくくなる理由

自己評価が低い子どもは、ストレスを乗り越える力も弱くなります。なぜなら、「自分にはできる」という自己信頼がないため、困難に直面したときに「無理だ」とすぐに諦めてしまうからです。

1. 「どうせ無理」と思い込み、行動できない

自己評価が低い子どもは、新しいことに挑戦する前から「どうせできない」と決めつけてしまいます。そのため、何か問題が起こったときに、解決しようとする前に諦めてしまうことが多いのです。

2. 「自分の力で解決できる」という感覚がない

自己評価が低い子どもは、「困難な状況に直面したときに、自分の力で乗り越えられる」という感覚(自己効力感)が低くなっています。そのため、少しでも難しい問題にぶつかると、すぐに助けを求めたり、逃げてしまうことが多くなります。


では、どうすれば自己評価を高め、ストレスを乗り越えやすい子になるのでしょうか? その鍵を握るのが「自尊心」です。


第三章:自己評価と自尊心の関係

3-1. 自己評価と自尊心の違いとは?

「自己評価」と「自尊心」は似ているようで異なる概念です。簡単に言うと、

  • 自己評価:「自分は何ができるか?」(能力に対する評価)
  • 自尊心:「自分には価値があるか?」(存在に対する評価)

たとえば、テストで良い点を取ったとき、自己評価の高い子は「自分は勉強が得意だ」と考えます。一方で、自尊心の高い子は「点数が悪くても、自分には価値がある」と考えることができます。

つまり、自己評価が高くても、自尊心が低ければ「うまくいかないと自分には価値がない」と思い込んでしまいますし、逆に自尊心が高ければ「失敗しても、自分は大切な存在だ」と思えるのです。


3-2. 自己評価が高くても自尊心が低いとどうなるか?

ここで重要なのは、「自己評価が高い=自尊心が高い」というわけではないということです。たとえば、以下のようなケースを考えてみましょう。

ケース1:優等生タイプの子ども

成績優秀で、先生や親からも「すごいね」「頑張り屋だね」と褒められることが多く、自己評価は比較的高い。しかし、「良い成績を取らないと自分には価値がない」と考えている。そのため、少しでも成績が下がると「自分はダメだ」と強く落ち込み、自己否定の感情に襲われてしまう。

ケース2:スポーツが得意な子ども

運動が得意で、リレーの選手にも選ばれるほど。しかし、運動会当日、緊張で思うように走れず、チームが負けてしまいまった。「私は足が速いから価値がある」と思っていたため、失敗した途端に「私なんていらない」と極端に落ち込んでしまう。

こうした子どもたちは、一見すると自己評価が高そうに見えますが、実際には「条件付きの自己評価」になっており、根本的な自尊心が育っていないことがわかります。


3-3. 自尊心が低いとどうなるか?

自尊心が低いと、どんなに頑張って成果を出しても、自分を肯定できなくなります。その結果、以下のような思考に陥りがちです。

このような状態が続くと、学校での小さな出来事が大きなダメージになり、やがて不登校につながってしまうのです。


3-4. 自己評価よりも自尊心を育てることが大切

ここまでの話をまとめると、不登校を防ぐためには、自己評価を高めるだけでなく、「自尊心を育てる」ことが最も重要だと言えます。自尊心がしっかりと育っていれば、子どもはたとえ失敗しても「それでも自分には価値がある」と思えるようになり、ストレスを乗り越える力がつくのです。

では、どうすれば自尊心を育てることができるのでしょうか?


第四章:自尊心の発育は、親が鍵

子どもの自尊心を育てるためには、どのようなことが必要なのでしょうか?その鍵を握っているのは「親の関わり方」です。

親の何気ない言葉や行動が、子どもの自尊心を育てる土台を作ります。この章では、自尊心を育むために親ができる具体的な関わり方を詳しく解説していきます。


4-1. 親の関わりが自尊心を決める理由

子どもの自尊心は、生まれつき決まっているわけではありません。それは「人との関わりの中で育まれるもの」です。そして、子どもにとって最も身近な存在が「親」なのです。

子どもは、幼少期から親の言葉や態度を通じて「自分はどんな存在なのか?」を学んでいきます。

たとえば、次のような関わりをされた子どもは、それぞれ異なる自尊心を持つようになります。

  • 親が「あなたは大切な存在だよ」と伝えて育てた子 → 「自分には価値がある」と感じる
  • 親がいつも否定的な言葉を使って育てた子 → 「自分なんてダメだ」と思い込む

子どもがどのように自分を捉えるかは、親の関わり方によって大きく左右されるのです。


4-2. 子どもの自尊心を傷つける親の言動

まず、気をつけたいのは「自尊心を傷つける親の言葉や態度」です。親が悪気なく発した言葉でも、子どもは深く傷つき、「自分には価値がない」と感じてしまうことがあります。

1. 否定的な言葉を頻繁に使う

こうした言葉を頻繁に聞かされた子どもは、「自分はダメな人間だ」と思い込むようになります。特に「○○ちゃんと比べて…」という言葉は、子どもの自己評価を下げる大きな要因となります。

2. 結果だけを評価する

結果だけを評価され続けると、子どもは「良い結果を出さなければ、自分には価値がない」と思うようになります。その結果、失敗を恐れ、新しいことに挑戦する意欲を失ってしまうのです。

3. 子どもの話を途中で遮る

子どもが話しているときに、親が途中で話を遮ったり、否定的な言葉を返したりすると、「自分の話は聞いてもらえない」と感じるようになります。これが続くと、子どもは「どうせ話しても無駄だ」と思い、自分の気持ちを表現することをやめてしまうのです。


4-3. 自尊心を育てるための親の関わり方

では、子どもの自尊心を育てるためには、どのような関わり方が必要なのでしょうか?

1. 子どもの存在そのものを肯定する

子どもは、何かができるから価値があるのではなく、「存在そのものに価値がある」という感覚を持つことが大切です。そのためには、日常的に「あなたがいてくれるだけで嬉しい」というメッセージを伝えることが重要です。

たとえば、次のような言葉を使いましょう。

  • 「○○がいてくれると、お母さん(お父さん)は嬉しいよ」
  • 「大好きだよ」

こうした言葉は、子どもにとって「自分は愛されている」「自分には価値がある」という安心感につながります。そして、言葉をかけなくても、愛情を持って見つめることも大きな効果を生みます。

2. 失敗しても肯定的な声かけをする

子どもが何かに失敗したとき、どのように声をかけるかが重要です。

✔ 良い声かけの例

  • 「失敗しても大丈夫だよ」
  • 「やってみたことが素晴らしいよ」
  • 「次はどうしたらうまくいくかな?」

このように、失敗を責めるのではなく、「次につなげる考え方」を伝えることが、自尊心の成長につながります。

3. 子どもの話を最後まで聞く

子どもが話をするときは、途中で口を挟まず、最後までしっかり聞いてあげることが大切です。

「うんうん」「そうなんだね」と相槌を打ちながら聞くことで、子どもは「自分の気持ちは大切にされている」と感じるようになります。

また、「どう思ったの?」「それで、○○はどうしたの?」と質問を投げかけることで、子ども自身が自分の気持ちを整理する力を育てることもできます。

「もううちの子は自信をなくしてしまっている」と感じている親御さんもいるかもしれません。しかし、安心してください。親の関わり方を少しずつ変えていくことで、子どもの自尊心は確実に回復していきます。


第五章:自尊心は今からでも回復できる

「うちの子はもう自尊心が低くなってしまっている」と不安に思う保護者の方もいるかもしれません。しかし、自尊心は何歳からでも回復させることができます。たとえ今、子どもが「自分なんて」と思い込んでいたとしても、親の関わり方次第で徐々に自尊心を取り戻すことができます。

この章では、自尊心を回復させる具体的な方法について解説していきます。


5-1. 自尊心を回復させるために親ができること

1. 「結果」ではなく「過程」を褒める

「テストで100点を取ったね、すごい!」といった結果を褒めるのではなく、努力や工夫を褒めるようにしましょう。

例:「一生懸命勉強していたね、その頑張りが素晴らしいよ」

結果だけを褒めてしまうと、子どもは「良い結果を出さなければ価値がない」と思い込んでしまいます。しかし、努力や工夫を褒めることで、「頑張ることそのものが大切だ」と学び、自尊心が回復していきます。

2. 小さな成功体験を積ませる

大きな目標ではなく、日常の小さな成功体験を積み重ねることが重要です。たとえば、

  • 「今日は食器を運んでくれて助かったよ」
  • 「お風呂掃除してくれたんだね、ありがとう!」

こうした些細な成功体験を通じて、「自分は役に立つ存在だ」と実感させることが大切です。

3. 子どもの話を「最後まで」聞く

子どもが話をしているとき、「でもね」「それは違うよ」と途中で遮っていないでしょうか? 自尊心が低い子どもほど、「自分の話なんて聞いてもらえない」と感じやすいため、話を最後まで聞いてあげることが大切です。

「うんうん、そうなんだね」と相槌を打ちながら聞くことで、子どもは「自分の考えを大切にしてもらえている」と感じられるようになります。


5-3. 親の変化が子どもに与える影響

親がポジティブな言葉を使い、自分自身の価値を認めている姿を見せることで、子どもも自然と同じ考え方を身につけます。

たとえば、親自身が失敗したときに「もうダメだ」と言ってしまうと、子どもも「失敗=価値がない」と思ってしまいます。逆に、「まあ、失敗しても次頑張ればいいよね」と前向きな姿勢を見せると、子どもも同じように考えるようになります。

子どもの自尊心を回復させるためには、親自身がまず「ありのままの自分を認めること」も大切なのです。


第六章:自尊心を高めやすい家庭とは?

前章では、子どもの自尊心は今からでも回復できること、そして親の関わり方が大きな鍵を握ることをお話ししました。しかし、子どもは家庭という環境の中で育つため、親がどれだけ頑張っても、家庭全体の雰囲気が自尊心を育みやすいものでなければ、根本的な改善は難しくなります。

そこで、次に「自尊心を高めやすい家庭の特徴」について詳しく掘り下げていきます。普段の生活の中で取り入れられる小さな工夫から、家族関係の見直しまで、具体的なポイントを解説します。


6-1. 甘やかさず、褒めることができる家庭

自尊心を育てるためには、褒め方が非常に重要です。ただし、何でもかんでも褒めればよいわけではありません。「甘やかし」と「適切な褒め方」はまったく別のものです。

1. 甘やかしとは何か?

「甘やかし」とは、子どもが本来向き合うべき問題や課題を親がすべて取り除いてしまうことです。たとえば、

  • 「宿題をやらなくてもいいよ」と言ってしまう
  • できなかったことをすぐに親が手助けしてしまう
  • 失敗しても、子どもに責任を負わせずに周囲のせいにする

こうした対応を続けていると、子どもは「努力しなくても何とかなる」「自分は何もしなくても親が守ってくれる」と学習し、自己肯定感が育たなくなります。

2. 正しい褒め方とは?

自尊心を育てるためには、結果だけでなく「努力や工夫」を褒めることが重要です。

✔ 良い褒め方の例

  • 「最後まで頑張ったね!」(努力を認める)
  • 「工夫してやってみたんだね」(プロセスを評価する)
  • 「失敗しても挑戦したのがすごい!」(チャレンジ精神を認める)

✖ 良くない褒め方の例

  • 「すごい!天才!」(漠然と褒める)
  • 「なんでもできるね!」(現実的でない評価)

褒めることで自尊心は高まりますが、それが「条件付きの評価」になってしまうと逆効果です。たとえば、「100点を取ったから偉いね」と言われ続けると、「100点を取らないと自分の価値がない」と思い込んでしまいます。そうではなく、「一生懸命勉強したことが素晴らしい」といったプロセスを評価することが大切なのです。


6-2. 家族で食事を一緒に取ることの重要性

「食事を一緒に取ること」が、自尊心の発育に深く関わっていることをご存じでしょうか? 実は、家庭での食事回数が多い子どもほど自己肯定感が高いという研究結果があります。

1. 食事がもたらす安心感

食事の時間は、家族がリラックスして会話できる貴重な時間です。子どもは、「家族と一緒に食卓を囲む」ことで「自分は受け入れられている」「安心できる場所がある」と感じることができます。

たとえば、毎日「今日、学校でどんなことがあった?」と聞かれるだけでも、子どもは「自分は話を聞いてもらえる存在なんだ」と思えるようになります。こうした小さな積み重ねが、自尊心を高める要因となるのです。

2. 食事中の会話が子どもの心を開く

不登校の子どもは、「どうせ自分の話なんて誰も聞いてくれない」と思い込んでいることが少なくありません。そのため、食事の時間を活用して、少しずつ子どもの話を引き出すことが大切です。

たとえば、以下のような質問をしてみてください。

  • 「今日はどんなことがあった?」
  • 「最近、気になっていることはある?」
  • 「学校の○○先生ってどんな先生?」

子どもが話しやすい雰囲気を作ることで、「自分の気持ちを話してもいいんだ」と感じるようになり、少しずつ自尊心が回復していきます。


6-3. 夫婦仲が険悪ではない(シングルの場合は親の安定が重要)

家庭の雰囲気が、子どもの自尊心に与える影響は計り知れません。特に、夫婦仲が険悪な家庭では、子どもが「自分のせいで喧嘩しているのでは?」と感じ、深い自己否定感を抱くことがあります。

1. 夫婦仲が険悪な場合の影響

夫婦喧嘩が多い家庭では、子どもは次のような感情を抱きやすくなります。

  • 「お母さん(お父さん)が苦しそうなのは、自分のせいかもしれない」
  • 「自分さえいなければ、もっと仲良くなるのかな」
  • 「家庭が不安定だから、学校にも安心して行けない」

このように、家庭の不安定さが子どもの自尊心を低下させる大きな要因になってしまいます。

2. シングル家庭の場合のポイント

一方、シングル家庭では「親の安定」が子どもの安心感に直結します。親が疲れ果てていたり、不安を抱え込んでいたりすると、子どもはそれを敏感に感じ取ってしまいます。

そのため、シングル家庭の場合は「親自身が心を安定させること」が非常に重要になります。たとえば、

  • 親が自分の趣味や楽しみを持つ
  • 「子どもを守らなきゃ」と思いすぎず、肩の力を抜く

親が笑顔でいることが、子どもにとって最大の安心材料なのです。


6-4. 自尊心を高めるために今日からできること

ここまで、自尊心を高めやすい家庭の特徴についてお話ししてきました。最後に、今日から実践できる具体的な方法をいくつかご紹介します。

今日からできることリスト

  1. 毎日、子どもに「おはよう」「おやすみ」を笑顔で伝える
  2. 結果ではなく過程を褒める(努力や工夫を認める)
  3. 1日1回は子どもの話をじっくり聞く(途中で口を挟まない)
  4. 一緒に食事を取る時間を増やす
  5. 親自身も「失敗しても大丈夫」と前向きな姿勢を見せる

自尊心を高めやすい家庭とは、特別なことをする必要はありません。大切なのは「子どもが安心できる環境を作ること」です。

「うちの子はもう自信をなくしてしまっている」と感じている方も、今日から少しずつ変えていけば、必ず子どもの心に届きます。焦らず、一歩ずつ取り組んでみてください。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

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不登校の日々(中学2年生の体験)

不登校の日々(中学2年生の体験)-記事の見出し画像

不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。今回は、ToCoで支援させていただいた中学2年生のKさんから、不登校中の生活について語っていただきました。


目次


不登校のきっかけ

私は、中学2年生のときに学校に行けなくなりました。

それまでは、ごく普通の生徒だったと思います。小学生のころは友達とも仲がよく、特に大きな悩みもありませんでした。成績も平均的で、先生や親から怒られるようなこともなく日々を送っていました。

でも、中学に上がってから、少しずつ学校が嫌な場所になっていきました。

きっかけは、部活動の人間関係でした。私は運動が得意ではなかったけれど、友達に誘われて運動部に入りました。1年生のときは、先輩の言うことを聞いていればよかったし、そこまできついと感じることはありませんでした。でも、2年生になって後輩が入ってくると、私たちが指導する立場になりました。

「Kって真面目すぎるよな」

「いちいち細かいんだよ」

最初は冗談だと思いました。みんなが笑っていたし、私も「そうかな?」と苦笑いで流していました。でも、それが毎日のように続くようになり、次第に雰囲気が変わっていきました。

練習中にわざと私にだけきつい指示が飛んできたり、準備や片付けの仕事を押し付けられたりするようになりました。ロッカーに入れておいた靴がなくなっていたこともありました。あとでゴミ箱の中から見つかったけれど、そのとき私は何も言えませんでした。

「気のせいかもしれない」

「ただのふざけあいかもしれない」

そう思って、できるだけ気にしないようにしていました。でも、あるとき気づいたんです。私が話しかけても、みんな目を合わせようとしない。ふとした瞬間に、クスクスと笑われることが増えたことに。

「私、嫌われてるのかもしれない」

そう思ったとき、胸がぎゅっと締めつけられるような感覚がしました。

教室でも同じようなことが起きるようになりました。朝、教室に入ると、誰とも目を合わせられない。私が近づくと、急に会話が止まる。プリントを配ると、私のだけ机に投げられる。

友達だと思っていた子たちも、最初は普通に話してくれていました。でも、いじめが続くうちに、みんなが少しずつ距離を取るようになっていきました。目が合うとすぐにそらされます。

このままではだめだと思い、私は担任の先生に相談しました。

勇気を振り絞って、休み時間に職員室へ行きました。

「先生、ちょっといいですか?」

声が震えていたと思います。先生は書類に目を通しながら、「どうした?」と顔を上げました。

「…私、最近クラスで無視されたり、持ち物を隠されたりしてて…。その、部活でも…」

先生はしばらく黙っていました。そして、少し考えるようなそぶりを見せたあと、ため息をついて言いました。

「Kは気にしすぎなんじゃないか?」

私は言葉を失いました。

「そんなの、みんな経験することだよ。これくらいのことで落ち込んでたら、社会に出たときに大変だよ」

先生は軽く笑いました。冗談のつもりだったのかもしれません。でも、私には笑えませんでした。

「もっと強くならないとダメだよ。Kは真面目だから、ちょっとしたことで気にしちゃうんだろう?」

私は何も言えませんでした。先生に相談すれば、何か変わるかもしれないと思っていたのに。「先生も助けてくれないんだ」と思ったら、体の力が抜けていきました。

「…はい」

それだけ言って、私は職員室を出ました。

次の日から、私は誰にも相談しなくなりました。もう、どうしようもないんだと思いました。私はただ、耐えるしかないんだと。

でも、耐えることができませんでした。

ある朝、学校に行こうと玄関に立ったとき、体が動かなくなりました。

「行かなきゃ」と思うのに、足が前に出ません。心臓がドキドキして、息が苦しくなって、涙があふれてきました。お母さんが「大丈夫?」と心配そうに私の肩に手を置きました。

「…お腹が痛い」

私はそう言うのが精一杯でした。

「今日は休んでいいよ」

お母さんの言葉に、ほっとした気持ちと、罪悪感が入り混じりました。でも、その日は一日中布団の中にいて、何も考えたくなかった。

翌日も、またその翌日も、私は学校に行くことができませんでした。

「学校に行かなきゃ」と思えば思うほど、体が動かなくなりました。制服に着替えることすらできない。時計の針が進むたびに、焦りと不安でいっぱいになって、最終的には布団の中に逃げ込んでしまう。

お母さんは、「もう少し休んでいいよ」と言ってくれました。でも、お父さんは何も言いませんでした。私は、その無言の圧力が怖くて、家の中でもリビングに出るのが嫌になりました。

そうして私は、部屋に閉じこもるようになりました。

部屋から出れない日々

私は、ある日突然、部屋から出られなくなりました。

最初の頃は、学校を休んでしまった罪悪感がありました。でも、どうしても行く気になれなかったんです。朝になると気持ちが悪くなって、お腹が痛くなって、制服に着替えることすらできない。お母さんは「今日は休んでいいよ」と言ってくれました。でも、何日も続くうちに、私はリビングにいるのも辛くなって、自然と部屋に閉じこもるようになりました。

お母さんは、最初のうちは毎日「大丈夫?」「何か食べる?」と優しく声をかけてくれました。でも、お父さんは何も言いませんでした。学校に行かない私のことをどう思っていたのか、表情からは読み取れませんでした。

お父さんと目が合うと、何も言われなくても責められているような気がしました。だから、リビングに行くのが怖くなって、部屋の中だけで過ごすようになりました。

お腹がすいたら、夜中にこっそりキッチンへ行って、冷蔵庫の中のものをつまんでいました。夜の方が家族と顔を合わせることがなくて安心できたし、そのうち夜更かしをして、朝になったら眠る。そんな毎日を繰り返していました。

ある夜、布団にくるまってスマホをいじっていると、リビングから両親の喧嘩する声が聞こえてきました。

「あなたがもっとちゃんと関わってあげないから!」

「甘やかしてるのはお前だろ!」

私は耳を塞ぎました。心臓がドキドキして、体が硬くなるのがわかりました。私のせいで、家族が喧嘩している。私は家族の重荷になっている。

そう思うと、どこにも居場所がない気がして、涙がこぼれました。でも、泣いたところで何も変わらない。だから、ただひたすら目を閉じて、この時間が早く過ぎるのを待つしかありませんでした。

部屋で考えていたこと

部屋の中でひとりでいる時間が増えると、私は自分のことばかり考えるようになりました。

「どうして私は普通に学校に行けないんだろう?」

「どうして、いじめられても言い返せなかったんだろう?」

「なんで、周りの人みたいに、何も気にせず過ごせないんだろう?」

そんなことをずっと考えていました。考えたところで答えは出ないのに、頭の中ではずっと同じことがぐるぐる回っていました。

「私が弱いからだ」

「私がダメな人間だから、こうなったんだ」

「こんなことで悩んでるのは、私だけかもしれない」

そう思うたびに、どんどん自分が嫌いになりました。私がもっと強ければ、こんなふうにならなかったのに。私がもっとちゃんとできていれば、家族にも迷惑をかけずに済んだのに。

時々、スマホで「不登校」について検索しました。自分と同じように学校に行けなくなった人がいないか知りたかったんです。

いろいろな人の体験談を読んで、「私と同じだ」と思うこともあれば、「この人は頑張って学校に戻れたのに、私はダメなままだ」と落ち込むこともありました。

「もうこのままでいいや」と思うことも増えてきました。学校に行かなくても、スマホを見ていれば時間は過ぎる。現実を見なければ、嫌なことを考えなくて済む。でも、そんな生活を続けていると、ふとした瞬間に「このままで本当にいいのか?」と思うこともありました。

何かを変えなきゃいけない。でも、どうしたらいいのかわからない。

部屋の中で、私はただ時間が過ぎていくのを眺めていました。

親の呼びかけ

そんなある日、部屋にこもっている私に、お父さんが声をかけてきました。

「とりあえず、ご飯は一緒に食べよう」

それまで、ほとんど私に何も言わなかったお父さんが、急にそんなことを言うなんて驚きました。でも、不思議と「嫌だ」とは思いませんでした。

リビングに行くと、お母さんもいました。二人は特に何も言わず、いつも通りの食卓でした。私は黙ってご飯を食べました。

何か話さなきゃ、と思ったけれど、うまく言葉が出てこなくて、結局何も言えませんでした。でも、誰かと一緒にご飯を食べることが、こんなに安心するものなんだと、そのとき初めて気づきました。

それから、毎日、家族とご飯を食べるようになりました。最初はただ食べるだけだったけど、少しずつ、お母さんやお父さんと話をするようになりました。

ある日、お母さんが「学校の先生と話をしたの」と言いました。

「先生、Kにちゃんと謝りたいって言ってたよ」

先生が謝る? あのとき、「気にしないで強くなれ」って言った先生が?

驚いたけど、心のどこかで「そんなの意味がない」とも思いました。今さら謝られたって、もう私は学校には戻れない。

でも、お母さんは続けました。

「先生ね、いじめた子たちにも話をしたんだって。今、その子たちは処罰を受けて、自宅謹慎中で、復帰したら別のクラスに移るって」

私は何も言えませんでした。罰して欲しかった訳ではないという思いと、もういじめられることはないんだという安心がありました。

私はまだ、学校に戻れる気がしませんでした。でも、お父さんとお母さんが、私のために動いてくれていたことがわかって、心が軽くなった気がしました。

再登校の日

私は、それでもまだ学校が怖かったです。でも、お父さんもお母さんも、何も言わずに、私のことを見守ってくれていました。

そんなある日、ふと思いました。

「学校が全部じゃないんだ」

お父さんとお母さんがいて、話をして、ご飯を食べて。そんな毎日がある。そう思うと、少し気が楽になりました。

そして、ある朝、「ちょっと行ってみようかな」と思ったんです。

まだ不安だったけれど、お母さんが「行ってらっしゃい」と笑顔で言ってくれて、それだけで少し安心しました。

学校の門の前で、深呼吸をして、一歩踏み出しました。

高校生の後ろ姿

まとめ

Kさんのお話を聞いて、不登校という問題の本質について改めて考えさせられました。

Kさんのケースのように、いじめがきっかけで学校に行けなくなる子どもは少なくありません。さらに、勇気を出して相談した先生が真剣に受け止めてくれなかったことは、Kさんの心に深い傷を残しました。学校に限らず、相談を受ける側がどれだけ子どもの気持ちを受け止められるかによって、その後の選択肢は大きく変わります。

また、家庭の対応も子どもにとって大きな影響を与えます。Kさんのお母さんは、最初からKさんの気持ちに寄り添い続けましたが、お父さんは最初は無関心のように見えました。
しかし、弊社の再登校支援プログラムの一環で、「とりあえずご飯を一緒に食べよう」と声をかけていただくようになり、Kさんの再出発のきっかけになりました。このように、言葉少なであっても、関わり方次第で子どもの心に届くことはあります。

また、学校と家庭の連携も非常に重要です。Kさんのケースでは、最初は先生が問題を軽く見ていましたが、お母さんが学校と話し合いを続けたことで、最終的には学校側がいじめの事実を認め、対応をしてくれました。学校との話し合いは負担に感じるかもしれませんが、お子さんのために必要なサポートを求めることは、とても大切なことです。

親御さんにとって、不登校は不安なことが多いと思います。しかし、お子さんの気持ちに寄り添い、少しずつでもできることから始めることで、必ず何かが変わっていきます。焦らず、無理をせず、お子さんのペースを尊重しながら、一緒に歩んでいってほしいと思います。

ToCo株式会社では、不登校のお子さんやご家族のサポートを行っています。困ったときには、ぜひ専門家の力を借りながら、一緒に考えていきましょう。お子さんが安心できる未来のために、できることは必ずあります。


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優秀な親ほど間違えやすい子育てとは?

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不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。

多くの親御さんが「子どものために」と思って日々努力をされていることと思います。
特に社会で成功を収めてきた親ほど、子育てにおいてもベストを尽くそうとし、優秀さゆえに細部にまで気を配ることができるかもしれません。しかし、その「優秀さ」が時に子育てにおいて落とし穴になることがあるのです。本稿では、特に不登校の問題に直面した親御さんに向けて、「優秀な親ほど間違えやすい子育て」について考えていきたいと思います。


目次


第一章:優秀な人の落とし穴

一般的に、IQ(知能指数)やEQ(感情知能)が高い人は、社会において成功を収めやすいとされています。論理的思考力があり、問題解決能力が高く、目標達成に向けて計画的に行動することができるからです。そのため、職場や社会において高く評価され、リーダーシップを発揮する場面も多いでしょう。

しかし、こうした能力が子育てにおいて必ずしもプラスに働くとは限りません。むしろ、「優秀さ」が逆に子どもの自立を妨げたり、親子関係をこじれさせたりすることもあるのです。特に、不登校の問題が発生したとき、親の対応次第で子どもの状態が長引くこともあれば、改善することもあります。その分岐点になるのが、親が「子どもに任せられるかどうか」です。

「子どもに任せられない」親は、無意識のうちに次のような特徴を持っています。

  1. 何事も効率よく進めたい
  2. 失敗をできるだけ避けたい
  3. 共同作業よりも単独で成果を上げることが得意

これらの特徴は、ビジネスの世界では大きな武器になります。プロジェクトを効率的に管理し、問題が起こる前に先回りして対策を講じ、リスクを最小限に抑えることができる。こうした能力があるからこそ、社会で高い成果を上げられるのです。

しかし、これをそのまま子育てに適用するとどうなるでしょうか? 親がすべての問題を先回りして解決してしまうと、子どもは自分で考え、判断し、行動する機会を失ってしまいます。その結果、失敗に対する耐性が育たず、小さな困難にも対処できなくなってしまうのです。不登校になったときも、自ら状況を変える力が弱くなり、親がどれだけ手を尽くしても、子ども自身が動き出すことが難しくなってしまうのです。

「子どものために」と思ってやってきたことが、実は子どもにとっては足かせになっているかもしれません。では、「任せられない」親には、具体的にどのような傾向があるのでしょうか? 次章では、その特徴について詳しく見ていきましょう。


第二章:「任せられない」人の特徴

「子どもに任せられない」親は、一般的に以下のような特徴を持っています。

1. 何事も効率が良い

優秀な人は、限られた時間の中で最大の成果を出すことが得意です。仕事でも家庭でも、できるだけ無駄を省き、最短ルートで物事を進めようとします。例えば、朝の支度が遅い子どもに対して、「自分でやらせると時間がかかるから」と、親がランドセルの準備をしたり、洋服を着せたりすることはないでしょうか?

確かに、そうすることで朝のバタバタを防ぐことはできます。しかし、これは長期的に見れば、子どもにとっての「学びの機会」を奪っていることになります。子どもは試行錯誤しながら、自分で支度の段取りを学びます。時間がかかるのは当然なのです。でも、親がすべてを代わりにやってしまうと、子どもは「自分で考えて動く」経験を積むことができなくなります。その結果、「自分でやる」意識が育たず、何か問題が起こったときも「誰かが解決してくれる」と考えてしまうようになります。

2. 失敗が少ない

優秀な人は、過去の経験から失敗しない方法を知っています。ミスを最小限に抑えることで、成功率を高めることができるからです。しかし、子どもは失敗を通じて学ぶものです。

例えば、テストの前に「この範囲をやっておけば大丈夫」と親が予想を立て、最適な勉強方法を指示する。すると、確かに点数は上がるかもしれません。でも、その過程で「自分で考えて勉強する」力が育たなくなります。子どもは「親が言うことをやっていればいい」と思い込み、自主的に学ぶ習慣がつきません。

また、不登校の子どもの中には「失敗を極端に恐れる」タイプが多くいます。「間違えたらどうしよう」「完璧にできなかったら恥ずかしい」といった気持ちが強くなり、学校に行くこと自体がプレッシャーになってしまうのです。こうした子どもにとって、親の「失敗させない」姿勢は、さらに自信を失わせる要因になりかねません。

3. 共同作業よりも単独で成果を上げるのが得意

優秀な人の多くは、一人で完結できるスキルを持っています。誰かに頼るよりも、自分でやった方が早いし、正確だからです。しかし、子育てにおいては、この「一人でできる能力」がマイナスに働くことがあります。

例えば、子どもが何かを手伝いたがったとき、「自分でやった方が早いから」と断ったことはないでしょうか? 食器を運ぶ、料理を手伝う、掃除をする。どれも子どもにとっては成長の機会です。しかし、親が「自分でやった方が効率的」と考え、子どもに任せることをしないと、子どもは「自分がやらなくてもいいんだ」と学習してしまいます。その結果、主体性が育たず、不登校になったときにも「どうしたらいいかわからない」となってしまうのです。


第三章:「任せられない」人がしてしまいがちな子育て

「子どもに任せられない」親は、日常生活の中で無意識に以下のような行動をとってしまうことがあります。

1. 先回りして準備してしまう

不登校の子どもを持つ親の多くは、「この子の負担を少しでも減らしてあげたい」「できるだけスムーズに学校に戻れるようにしたい」と考えます。その結果、親が必要以上に手を差し伸べてしまうことがよくあります。

例えば、子どもが学校に行く準備をする前に、親がすべて整えてしまう。持ち物の準備、時間割のチェック、場合によっては先生との連絡まで、すべて親が先回りしてやってしまうのです。「子どもに任せると不安だから」「子どもが忘れ物をしてしまうと余計にストレスになるから」といった理由から、このような行動をとってしまうこともあるでしょう。

しかし、このような先回りは、結果的に子どもが「自分で考えて動く力」を奪ってしまいます。何も準備しなくてもすべてが整っている状態に慣れてしまうと、子どもは「自分でやらなくてもなんとかなる」と思ってしまい、自主的に動く意欲が低下してしまいます。

2. 子どもができないことが理解できない

「なんでこんなこともできないの?」と感じたことはありませんか?

親が優秀であるほど、子どもの「できない」という状況が理解しづらくなります。特に、自分が子どもの頃に「普通にできていたこと」に対して、我が子が苦戦しているのを見ると、「なぜ?」という疑問が湧いてくるのは当然です。

しかし、ここで忘れてはいけないのは、「親と子どもは違う」ということです。親がすんなりできたことでも、子どもにとっては大きなハードルかもしれません。また、不登校の子どもは特に、自信を失っている状態にあるため、「できない」と思い込んでいることが多くあります。

このとき、親が「なんでやらないの?」「ちょっと頑張ればできるでしょ?」と声をかけると、子どもは「できない自分」を責めてしまい、ますます動けなくなってしまいます。結果的に、不登校の状態が長引く原因になってしまうのです。

3. 子どもの手伝いを嫌がる

子どもが何かをやりたがったとき、「いや、それはまだ早い」「時間がかかるから、今はいいよ」と言ってしまったことはありませんか?

例えば、料理をしたがる子どもに対して、「危ないからダメ」「面倒だからやめて」と言ってしまう。掃除を手伝いたがっても、「ちゃんとできないからやらなくていい」と止めてしまう。

これは、親自身が「自分でやった方が早い」と思っていることが原因です。しかし、子どもにとって、こうした日常の手伝いは「自分の存在意義」を感じる大切な機会です。親が「必要ない」と判断してしまうと、子どもは「自分は役に立たない存在なんだ」と思い込んでしまうことがあります。

特に、不登校の子どもは「自分の存在意義」を強く意識します。「自分なんていなくてもいいんじゃないか」「どうせ自分は何をやってもダメだ」といった自己否定の感情を抱えがちです。だからこそ、小さなことであっても「できた!」という経験を積み重ねることが重要なのです。


第四章:子どもの成長の機会を奪わないために

ここまで、「優秀な親が無意識にしてしまう子育ての落とし穴」についてお話ししてきました。それでは、どうすれば子どもが自信を持ち、少しずつ前に進めるようになるのでしょうか?

大切なのは、「できるだけ子どもに任せる」ことです。

1. 「できること」から任せてみる

いきなりすべてを子どもに任せるのは難しいかもしれません。しかし、小さなことから「自分でやる」経験を積ませていくことが重要です。

例えば、学校に行く準備を親がすべてやっていた場合、「明日の持ち物を確認するのは子どもに任せる」というステップから始めてみる。最初は忘れ物をするかもしれませんが、それも学びの一つです。大事なのは、「忘れ物をしないようにすること」ではなく、「自分で考えて準備すること」です。

2. 失敗を前提に考える

「うちの子は失敗したら立ち直れないのではないか」と不安に思うかもしれません。しかし、失敗の経験がないまま成長すると、かえって「失敗への恐怖」が強くなり、ますます動けなくなってしまいます。

親がすべきなのは、「失敗を防ぐこと」ではなく、「失敗しても大丈夫だと思える環境を作ること」です。例えば、「失敗しても親が怒らない」「何がダメだったか一緒に考える時間を作る」といった工夫が効果的です。

3. 「できないこと」ではなく「できたこと」に目を向ける

不登校の子どもは、できないことばかりに目を向けがちです。親もまた、「学校に行けていない」「宿題ができていない」といった「できていない部分」に目が行ってしまいがちです。

しかし、それでは子どもは「自分はダメな存在だ」と思い込んでしまいます。だからこそ、「できたこと」を意識的に見つけてあげることが大切です。

例えば、

  • 朝、少し早く起きられた
  • 一度も外に出なかった子が、コンビニに行く気になった
  • 親と一緒に夕飯を作ることができた

こうした小さな「できた」を積み重ねることで、子どもは少しずつ自信を取り戻していきます。

社会的に優秀な親ほど、「子どもに任せること」が苦手です。しかし、子どもが本当に成長するのは、「自分でやってみる」経験を積んだときです。親が少しずつ「任せる姿勢」を持つことで、子どももまた「自分でやってみよう」と思えるようになっていきます。

最初は不安かもしれません。でも、「子どもを信じること」が、子どもが再び前に進むための第一歩になるのです。

各章内容必要な行動
優秀な人の落とし穴優秀な親は効率的に物事を進めるが、子どもに任せることが苦手。その結果、子どもの自立を妨げることがある。子どもが自分で考える機会を作る。完璧を求めず、子どものペースを尊重する。
「任せられない」人の特徴先回りしがちで、失敗を避け、単独で成果を上げることを好む。そのため、子どもが自分で考える機会を失いがち。すぐに手を出さず、子どもが試行錯誤する時間を確保する。失敗を受け入れる姿勢を持つ。
「任せられない」人がしてしまいがちな子育て親が準備を整えすぎたり、子どもの「できない」を理解できなかったりすると、子どもは動けなくなる。できることは子どもに任せ、小さな成功体験を増やす。親の価値観を押しつけない。
子どもの成長の機会を奪わないために失敗を恐れず、小さなことでも「できた!」を積み重ねることが大切。「できたこと」に注目し、親も子どももプレッシャーを減らす。任せる勇気を持つ。
子どもに任せる勇気を持つ親が「信じる」ことで、子どもも「やってみよう」と思える。失敗も成長の一部と考え、子どもを信じる姿勢を大切にする。

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家庭で出来る不登校対応とは?

家庭で出来る不登校対応とは-記事見出し

目次


第1章:情報が錯綜する不登校対応

不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。

現在、多くの保護者の方々が、お子様の不登校に対してどのように対応すべきか、情報の洪水の中で迷われていることと思います。特に、インターネットや書籍、専門家の意見など、さまざまな情報が飛び交う中で、何が正しいのか、どの方法が効果的なのかを判断するのは容易ではありません。

例えば、「ゲームが不登校の原因だ」という意見もあれば、「ゲームは関係ない」という全く逆の主張も存在します。このように、情報が錯綜している現状では、保護者の方々が混乱し、適切な対応を見つけることが難しくなっています。

しかし、不登校の問題は各家庭やお子様の状況によって異なるため、一般的な情報だけでは十分な対応ができません。そのため、実績のある対応法を知り、家庭でどのように実践していくかを考えることが重要です。

本稿では、情報が錯綜する不登校対応の現状を踏まえ、効果が証明されている認知行動療法(CBT)について詳しく解説し、家庭でどのように実践できるかを具体的にご紹介いたします。


第2章:不登校への効果が証明されている認知行動療法(CBT)

認知行動療法(CBT)とは?

認知行動療法(CBT)は、心理療法の一種であり、思考(認知)と行動に焦点を当て、問題の解決や症状の改善を図るアプローチです。具体的には、ネガティブな思考パターンや非適応的な行動を特定し、それらをより適応的なものに変えることで、感情や行動の改善を目指します。

CBTは、うつ病や不安障害など、さまざまな心理的問題に効果があるとされており、その効果は多くの研究で実証されています。不登校の問題においても、CBTは有効なアプローチとされています。例えば、ネガティブな思考パターンを持つお子様が、学校に対する不安や恐怖を感じている場合、その思考を現実的で前向きなものに変えることで、学校への適応を促進することができます。

認知行動療法(CBT)による不登校支援の試み「不登校の子どもを抱える保護者へのグループワーク」の研究

また、CBTでは、段階的な暴露療法を用いることがあります。これは、恐怖や不安を引き起こす状況に徐々に慣れることで、感情的な反応を和らげる方法です。不登校のお子様の場合、学校や教室に対する不安が強いことが多いため、段階的に学校環境に慣れさせることで、再登校へのハードルを下げることが可能です。

さらに、CBTは問題解決スキルの向上にも役立ちます。お子様が学校で直面するさまざまな問題や課題に対して、効果的な対処法を学ぶことで、自己効力感が高まり、学校に対する抵抗感を減らすことができます。


第3章:認知行動療法を家庭で実践するための第一歩

認知行動療法(CBT)が不登校の解決に有効であることを説明しましたが、保護者の方々が最も知りたいのは、「実際に家庭でどのように取り組めばよいのか」という点だと想います。
ここでは、不登校の子どもに対して親が何をすればよいのか、どのように関われば効果があるのかを具体的に解説していきます。

1. 不登校の子どもが抱えている「認知の歪み」を知る

CBTの基本は、「認知の歪み」を修正することにあります。認知の歪みとは、物事の受け取り方や考え方に偏りがあり、その偏りが感情や行動に影響を与えてしまう状態です。不登校の子どもは、しばしば以下のような認知の歪みを持っています。

  • 「自分はダメな人間だ」(全か無かの思考)
  • 「学校に行ったら絶対にまた嫌なことが起こる」(悲観的予測)
  • 「友達はみんな自分を嫌っている」(根拠のない決めつけ)
  • 「先生に怒られるかもしれないから学校に行けない」(過度のリスク予測)

このような歪んだ認知があるため、子どもは学校に対して強い不安を抱き、登校することを避けるようになります。親ができる第一歩は、「子どもの考え方に歪みがあるかもしれない」という視点を持つことです。

2. 「安心感」を与えるのではなく、「適応力」を育てる

不登校の子どもに対して、「家にいれば安心できる」「無理に学校に行かなくていいよ」と言うことは、一見すると優しさのように思えます。しかし、このアプローチには大きな落とし穴があります。

子どもは「安心できる環境」に長くいるほど、不安を感じる場面を避けるようになります。これは「回避行動」と呼ばれ、不安を増大させる要因になります。例えば、「学校に行くのが怖いから行かない」という行動を続けると、学校に対する恐怖はどんどん大きくなります。これは、不安障害やパニック障害の治療でもよく見られるパターンです。

そのため、家庭では「安心感を与える」ことよりも、「適応力を育てる」ことを優先すべきです。具体的には、次のような取り組みが有効です。

  • 小さな成功体験を積み重ねる
    • 「学校の教科書を読み進めてみる」「学校のプリントを解いてみる」
      • 勉強面での引け目を減らしていく。
    • 「制服を着てみる」「ランドセルを準備してみる」
      • 学校に行く準備を少しずつ進めることで、登校への心理的なハードルを下げる。
    • 「登校時間に家の近くを散歩してみる」「学校まで一緒に歩いてみる」
      • 登校時間帯に外に出ることで、学校へ行くリズムを少しずつ取り戻す。
  • 不安の分解を行う。
    • 子どもが抱えている不安を具体的に言語化し、それが本当に現実的な恐怖なのかを親子で話し合う。
      • 「嫌なことが起きるとしたら、どんなことだと思う?」などと質問し、漠然とした不安を具体的な内容に落とし込む。
      • 「先生に怒られるのが怖い」と言えば、「怒られる理由は何か?」と掘り下げて現実的な対応を考える。
    • ネガティブな面ばかり考えないよう、ポジティブな側面も考える。
      • 「学校に行くことで何か良いことが起きるとしたら、どんなこと?」とポジティブな側面も一緒に考える。
      • 「友達が話しかけてくれるかも」のような前向きな予想を引き出すことで、不安な予測ばかりしてしまうことを避ける。

3. 「学校に戻る」という目的をブレさせない

不登校の対応において、最も重要なのは「最終的に学校に戻る」という目的を親がブレさせないことです。

よくある失敗例は、

  • 「子どもが家で楽しく過ごしているから、無理に学校に行かなくてもいいのでは?」と考えてしまう。
  • 「子どもが学校の話を嫌がるから、一切触れないようにする」という対応をとる。

これは、長期的に見ると子どもにとって良い影響を与えません。子ども自身が「自分はこのままでいいのか?」と不安になってしまうためです。親は「今は難しくても、学校に戻る方法を一緒に考えようね」という姿勢を崩さないことが大切です。


第4章:ToCoの再登校支援について

1. ToCoのアプローチとは?

再登校支援を行っているToCo(トーコ)株式会社は、不登校の「原因」ではなく「継続してしまう要因」に着目した支援を行っています。一般的な不登校支援では、「学校の環境を変える」「親の接し方を見直す」といったアプローチが取られますが、ToCoは「なぜ不登校が続いてしまうのか?」に焦点を当てています。

2. CBTを基盤にした支援プログラム

ToCoの再登校支援は、CBTの理論を基盤にしたプログラムになっています。特徴的なのは、日本の家庭環境や学校制度に最適化されている点です。一般的なCBTは欧米の心理学を元にしており、日本の不登校の子どもにそのまま適用するのは難しい場合があります。しかし、ToCoは日本の子どもたちに合った形でCBTを実践できるようにしています。

3. 平均2週間で再登校を実現

ToCoのプログラムは、平均2週間で再登校を達成する実績を持っています。その理由は、単なる「カウンセリング」ではなく、「行動変容」に重点を置いているからです。

一般的なカウンセリングでは、

  • 「子どもの気持ちを尊重する」
  • 「自己肯定感を高める」
    といったアプローチが取られますが、これだけでは再登校には繋がりません。ToCoでは、
  • 「実際に行動を変える」
  • 「小さなステップを積み重ねる」
    という方法を取り入れ、親子が具体的に取り組めるようにしています。

4. 親の負担を減らすサポート

不登校の対応は、親にとって大きな負担となります。「自分の関わり方が間違っていたのではないか?」「子どもの気持ちを尊重しすぎて甘やかしてしまったのでは?」といった悩みを抱えている親御さんも多いでしょう。

ToCoでは、親が無理なく実践できる形でのサポートを提供しており、具体的な声かけの方法や、子どもへの働きかけを一緒に考えていきます。

不登校は、「待てば解決する」というものではありません。家庭で出来る対応を適切に行うことで、子どもが再登校する可能性は大きく高まります。本記事を参考に、ぜひ家庭での関わり方を見直してみてください。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

年間900名以上の再登校実績。カウンセラー推奨No.1の再登校支援サービスはToCo(トーコ)

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不登校は子どもの甘え?

不登校は子どもの甘えか-記事の見出し画像

不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。また、私はToCo株式会社の顧問として、不登校が長期化する要因を解消し、子どもたちが再び学校に通えるようサポートするサービスに関わっています。本日は、「不登校は子どもの甘え?」というテーマについて、私の経験や知見をもとにお話ししたいと思います。

不登校を「甘え」と非難する声

不登校を経験するお子さんを持つ保護者の方々が、世間から心ない声を受けて心を痛めているという話を耳にすることは少なくありません。「学校に行かないなんて、甘えている」「少し厳しくした方がいいのでは」という意見を受けるたびに、親としての責任を問われているように感じ、苦しくなることもあるでしょう。こうした言葉は時に、家庭そのもののあり方や子どもとの関係性を否定するかのように響きます。

確かに、学校に行くことが社会でのルールのように捉えられる中で、そこから外れる行動をとるお子さんを「怠惰」や「甘え」と片付けてしまう声は根強いです。しかし、こうした声の背景には、不登校という現象に対する無理解があることが多いのです。不登校は単なる「サボり」や「わがまま」ではなく、子どもがさまざまな要因に押しつぶされそうになりながら出したSOSの形なのです。

私が相談を受ける中で感じるのは、学校生活が子どもにとっていかに大きな負荷になるかということです。人間関係、成績のプレッシャー、教師との相性、さらには日々繰り返される規律やルール。これらは、特に繊細で感受性の強い子どもたちにとっては耐え難いストレスになることがあります。そうした中で、子どもが学校に行けなくなるのは、単なる「甘え」ではなく、心身のバランスを守るための重要な自己防衛の手段であると言えるのです。

ではなぜ、「甘え」という言葉がこれほどまでに使われるのでしょうか。それは、世間が不登校という問題に対して持つ「厳しさ」が関係しているように思います。現代社会では「努力」や「競争」が重視される傾向があります。そのため、「学校に行かない」という行動が、あたかも「努力を放棄した」かのように見られがちです。ですが、適切な見方でしょうか?努力とは何か、成長とは何か、その意味を改めて問い直す必要があります。

ここで一つ、私が以前担当したケースをご紹介します。そのお子さんは、中学校1年生の時に突然不登校になりました。それまで元気に通学していた彼は、同級生の些細な言葉に傷つき、次第に学校に足を向けられなくなったのです。しかし、家族や周囲から「もう少し頑張れば」「逃げてはいけない」と言われるたびに、彼はさらに自分を追い詰めていきました。「頑張れ」という言葉が、逆にその子どもの心を蝕む結果となったのです。このようなケースを目の当たりにすると、社会が押し付ける「甘え」というレッテルがどれほど危険であるかを痛感せざるを得ません。

不登校になってしまう子どもは「甘え」なのか

不登校の子どもたちは本当に「甘え」なのでしょうか。私の答えは明確です。それは「違う」ということです。不登校になる子どもたちは、甘えているわけではなく、自分の中で何らかの困難や苦しみに直面し、それを乗り越える術を見つけられずにいるのです。

例えば、学校生活の中で繰り返される些細なトラブルやいじめは、大人から見れば取るに足らないことのように思えるかもしれません。しかし、子どもにとっては、それが世界のすべてを覆すほどの大きな問題に感じられることがあります。さらには、教師からの指導や親からの期待、友人関係のストレスなど、多くの要因が重なり合い、学校という場そのものが「安全ではない場所」に変わってしまうのです。

こうした状況に直面した子どもたちは、必死に自分を守るために行動します。それが学校を休むという形で現れるのです。これを「甘え」と呼ぶのはあまりにも酷です。むしろ、自分の心の声に耳を傾け、限界を超えないように自らを守ることができるという点で、その子たちは非常に賢明な選択をしていると言えます。

ここで理解しておきたいのは、不登校は一種の「警告サイン」であるということです。子どもたちは、自分自身では言葉にできない苦しみや不安を、その行動を通じて表現しているのです。親御さんがこのサインを見逃さず、適切に応じることが、子どもを救うための第一歩となります。

また、最近の研究では、不登校の背景に発達特性や感覚過敏、あるいは認知の特徴などが関与しているケースも多いことが分かっています。これらは決して「甘え」ではなく、子ども自身の特性であり、それに適したサポートが求められるものです。例えば、学校の騒がしさや、明確な指示がなく曖昧な場面が多い環境がストレスになる場合もあります。このような特性を理解しないまま、「甘え」と片付けることは、子どもの気持ちをさらに追い詰めるだけです。

親御さんが抱える葛藤も理解できます。「甘えを許していいのか」という不安や、「もっと頑張らせるべきなのではないか」という葛藤。しかし、これらの不安に向き合うことは決して簡単なことではありません。特に、世間の目や他の保護者との比較の中で悩むこともあるでしょう。それでも、子どもの心の声に耳を傾け、その苦しみを理解しようとする姿勢が、子どもにとって何よりも大きな救いとなるのです。

傷ついた時に甘えられないことのリスク

不登校の子どもを「甘え」と非難する声がある一方で、甘えを許されない環境に置かれた子どもたちがどのようなリスクを抱えるのかについて考える必要があります。甘えることができない状況、それは言い換えれば「助けを求めることができない環境」とも言えます。このような環境は、子どもたちにとってどれほど過酷なものなのでしょうか。

ある中学生の事例を挙げてみます。

彼女は小学校低学年の頃から家族に対して何も相談できなくなり、抱える問題をすべて一人で解決しようとしていました。テストで失敗した時も、友人関係で傷ついた時も、彼は親に助けを求めることをせず、「もっと頑張らなければならない」と自分を追い詰めました。しかし、努力すればするほど結果がついてこない状況に苛立ち、やがて自己評価を極端に低くするようになりました。そして最終的には学校にも行けなくなり、部屋に閉じこもるようになったのです。

このケースで重要なのは、「助けを求める」という基本的な行為が、この子にとってできないことになっていた点です。親としては「何かあれば言ってほしい」と思っていたかもしれません。しかし、子どもにとってそれが叶わない理由があったのです。それは、「自分が弱さを見せることで、親を失望させてしまうのではないか」という恐れでした。

甘えられない環境にいる子どもは、自分の弱さを隠し、表面的には何事もないように振る舞います。そのため、一見すると親は「何の問題もない」と思い込んでしまうことがあります。しかし、内面では絶えず孤独や不安、自己否定といった感情を抱えていることが多いのです。その結果、子どもの精神的なエネルギーは次第に枯渇し、自律神経のバランスを崩したり、うつ病のような症状に発展することも珍しくありません。

ここで考えたいのは、「甘え」とは本来どのような行為であるかという点です。甘えるという行動は、実は人間が持つ自然な自己防衛反応であり、困難に直面した際に誰かに助けを求め、状況を乗り越えるための重要な手段です。幼少期には親に対して甘えることが基盤となりますが、その基盤がしっかりと育まれることで、将来的には友人や同僚、パートナーといった他者に対しても適切に頼ることができるようになります。

甘える力は、子どもにとって成長のために欠かせない力です。それを奪われた環境にいる子どもは、周囲とのつながりを感じられず、自分一人で問題を抱え込むようになります。そして、何よりも危険なのは、「助けを求めても無駄だ」という学習をしてしまうことです。この学びは、人生のあらゆる場面で子どもを苦しめる大きな要因となります。

親御さんにとって、「甘え」をどのように受け止めるかは非常に難しい課題です。「甘えさせすぎてはいけない」という思いが強くなると、子どもが本当に助けを必要としているタイミングを見逃してしまうことがあります。逆に、適度な甘えを許し、子どもが心を開いて頼れる環境を作ることで、子ども自身が安心感を得られるだけでなく、親子の信頼関係もより深まるのです。

子どもの将来を思った「甘やかし」にするために

では、「甘えの容認」と「甘やかし」の違いについて、親としてどのように向き合えばよいのでしょうか。不登校を経験する子どもに対して、「甘え」を許す姿勢が必要だと述べましたが、それが過剰な「甘やかし」につながるのではないかと不安に思われる方もいるでしょう。この章では、「甘え」を子どもの将来にとって有益なものにする方法について考えます。

まず最初に、「甘やかし」とは何かを整理しましょう。甘やかしとは、子どもの要求に無条件で応じ続けることで、子どもが自分で考えたり努力したりする機会を奪ってしまう行為です。これに対して、「甘え」を受け入れることは、子どもが困難に直面した時に適切に手を差し伸べ、必要なサポートを提供することです。この違いは非常に重要です。

たとえば、不登校の子どもが「学校に行きたくない」と言った時、その言葉の背後にどのような感情や状況があるのかを親が理解しようとすることが「甘え」を受け入れる姿勢です。一方で、子どもの「学校に行きたくない」という言葉をそのまま受け止め、何の対策も取らずにその状態を放置してしまうことは、「甘やかし」に近い行動と言えます。

ここで、親ができることは、「子どもの気持ちに寄り添いながらも、再び前を向けるようなサポートを提供する」ことです。そのためには、まず子どもの話をしっかりと聞くことが大切です。親御さんが「学校に行かなければならない」と焦る気持ちをぐっと抑え、子どもが今抱えている悩みや苦しみを丁寧に聞き取ることで、子どもは「自分を受け入れてもらえた」という安心感を持つことができます。

また、親が子どもを支える際には、小さな目標を一緒に立てることが効果的です。たとえば、「学校に行くこと」をゴールにするのではなく、「朝、制服に着替えること」「リビングに出てくること」といった、子どもが無理なく達成できる小さなステップを積み重ねていくのです。このプロセスを通じて、子どもは少しずつ自信を取り戻し、自分の力で困難を乗り越えられる感覚を身につけることができます。

項目甘えへの適切な対応甘やかし
基本的な姿勢子どもの気持ちや困難を受け止め、共感しながら解決へのサポートを行う。子どもの全ての要求に無条件で応じ、問題解決の責任をすべて親が負担してしまう。
目標子どもが自分の力で課題を乗り越えられるようになることを目指す。子どもが快適さだけを求める習慣を強化し、自分で考える力や責任感を育てない。
子どもへの接し方子どもの不安や苦しみに耳を傾け、適度な支援を提供する。「一緒に考える」姿勢を重視する。子どもの言い分を全面的に受け入れ、必要以上に手を貸すことで、子どもを依存的にさせる。
境界線サポートの範囲を明確にし、親としてのルールや価値観を示す。境界線を設けず、子どもの要求に従いすぎて家庭内の秩序が崩れる。
例1: 不登校の場合子どもの学校に行きたくない理由を丁寧に聞き取り、「今日1時間だけ教室に入ってみる」など小さな目標を一緒に設定する。「学校に行きたくないなら行かなくていい」と、そのまま放置するか、過剰に擁護して学校側への不満を子ども以上に主張する。
例2: 勉強の課題勉強ができない理由を探り、「苦手な部分だけ一緒にやろう」と具体的な手助けを提案し、自信を育てる。勉強を完全に代わりにやってしまったり、課題をなかったことにする。
親の心の持ち方子どもが困難を乗り越える力を信じ、「見守りつつ支える」というバランスを意識する。子どもに嫌われることを恐れたり、子どもが失敗することを避けるために過剰に干渉する。
子どもの成長への影響子どもが安心して親に頼ることができる一方、自分で課題を解決する力を育てられる。自分で努力する力が育たず、失敗や困難を回避し続けることで、長期的な成長を妨げる。

さらに、親御さん自身もサポートを受けることを検討してください。不登校という問題は、家庭全体に影響を及ぼします。親が孤立したり、自分だけで解決しようと抱え込むと、かえって状況を悪化させることがあります。信頼できる専門家やサービスを活用し、親御さん自身も安心できる場を見つけることが重要です。

ToCo株式会社が提供するサービスもその一つです。私たちは、親御さんとお子さんが共に不登校という状況を乗り越えるためのサポートを提供しています。子どもが抱える具体的な課題に合わせたアプローチを提案し、家庭と学校の橋渡し役として機能することを目指しています。

「甘え」を許す社会を目指したい

不登校を「甘え」と見なす社会的な風潮は、親御さんや子どもたちを苦しめる大きな要因です。しかし、私たち一人ひとりがその捉え方を変え、子どもの「甘え」を自然な感情として受け止めることができれば、不登校に対する理解は大きく進むでしょう。

「甘えを許す社会」とは、助けを求める行為を恥ずかしいことだと思わず、むしろ称賛すべき行動と捉える社会です。子どもが学校生活に困難を感じた時、それを率直に表現できる環境があれば、深刻な不登校に発展する前に解決策を見つけることができるかもしれません。

親御さんもまた、この新しい価値観を受け入れることで、お子さんに対して柔軟で優しい対応ができるようになるでしょう。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

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不登校はずるい?

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不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。私はこれまで、多くの不登校や引きこもりのお子さんやそのご家族と向き合ってきました。また、ToCo株式会社という、不登校が長期化してしまう要因にアプローチすることで、再登校の道筋を提供するサービスに携わる顧問も務めております。

本稿では、「不登校はずるい?」というテーマについて掘り下げ、不登校に悩む方や、不登校を甘えやずるいと感じる方へ、新たな視点や気づきを提供したいと思います。


目次


第1章 学校に通っている子どもの保護者が、不登校の家庭を「ずるい」と思う理由

「不登校はずるい」「不登校は甘えだ」という言葉を耳にした経験はありませんか?また、SNS上で投げかけられた投稿を見たことがあるかもしれません。
不登校のお子さんを持つ親御さんも、直接そのように言われたことはなくても、学校に通うお子さんの保護者からの視線や態度に、どこかそういったニュアンスを感じ取ったことがあるかもしれません。この「ずるい」という感情の背景には、一体何があるのでしょうか?それを紐解いていきます。

まず、「学校に通うのが当たり前」という固定観念が根底にあります。日本では、学校に通うことが義務であり、また社会全体でそれを強く推奨する文化が根付いています。そのため、「学校に行く」という行為が美徳とされ、子ども自身だけでなく、その親の努力や忍耐も称賛される傾向があります。これに対して、不登校のお子さんやその親御さんが「学校に行っていない」となると、「努力していない」とみなされがちです。この思い込みが、「ずるい」という感情に直結するのです。

集団登校のイメージ。

特に、学校に通う子どもの親御さんは、日々の生活の中で様々なストレスや葛藤を抱えながら、何とか子どもを学校に通わせています。朝の忙しい時間に子どもを起こし、時には泣きながら抵抗する子どもをなだめたり叱ったりしながら学校へ送り出すこともあるでしょう。それだけの努力をしているからこそ、不登校のお子さんを持つ家庭がその努力をしていないように見えると、無意識に「ずるい」と感じてしまうのです。

また、日本社会特有の同調圧力も、こうした感情を助長しています。「みんなが頑張っているのだから、あなたも頑張りなさい」という同調の空気が、日本の学校や家庭には根強く存在します。この圧力の中で、不登校のお子さんやそのご家族が「特別な例外」として見られることで、不公平感を覚える人がいるのです。「ずるい」という感情は、この同調圧力の裏返しでもあります。

しかし、ここで重要なのは、この「ずるい」という感情が、実は誤解や偏見に基づいていることが多いという点です。不登校という状態は決して「楽」なものではありませんし、その家庭にいる親御さんもまた、別の形で多大な努力をしています。

第2章 不登校を「ずるい」と思う社会が、不登校の家庭に与える影響

「ずるい」という感情や偏見が、不登校のご家庭にどのような影響を及ぼすのかを考えてみましょう。社会全体の視線は、不登校のお子さんやそのご家族に様々な重圧を与えています。

まず、不登校の家庭は、周囲からの「楽しむ姿を見せてはいけない」という暗黙の圧力にさらされています。たとえば、学校を休んでいる間に家族で旅行に行ったり、外でレジャーを楽しんだりすることが、まるで「罪」であるかのように感じさせられることがあります。「学校に行っていないのだから楽をしている」「遊んでいる場合ではない」という目が、親御さんにも子どもにも向けられるのです。このため、楽しむどころか、家族全体が罪悪感に苛まれるような生活を強いられることも少なくありません。

こうしたプレッシャーの結果、不登校の家庭は次第に孤立し、家庭内に閉じこもりがちになります。親御さん自身も周囲の目を気にするあまり、他の保護者との付き合いを避けるようになり、社会との繋がりを失ってしまうことがあります。そして、それが子どもにも影響を与え、外出の機会や人と接する機会が減り、長期間の引きこもりへと繋がるケースも少なくありません。

さらに、このような状況下で子どもが感じるのは、社会からの否定的な視線だけではありません。「自分はダメな人間なんだ」「自分の存在が迷惑をかけている」といった自己否定感が強まり、学校に戻る気力をますます失ってしまうのです。もともと学校生活の中で感じたプレッシャーや孤立感から不登校になった子どもにとって、社会全体からのこうした圧力は、さらなる追い打ちをかけるものとなります。数日の欠席で済んだかもしれないお子さんが、社会の非難によって何年も部屋から出れなくなってしまうのです。

このように、「ずるい」という社会的な視線は、不登校のお子さんやそのご家族を精神的に追い詰め、結果として不登校の状態を長引かせる要因となっています。ここで必要なのは、偏見や誤解に基づいた評価ではなく、不登校の背景やその家庭の現状を理解し、支援する視点です。

第3章 不登校は「楽」なのか?

不登校のお子さんやその家庭に対して、「楽をしている」というイメージを持つ方は少なくありません。しかし、不登校の現実は、本当に「楽」なのでしょうか。この章では、不登校の家庭が抱える実態について掘り下げていきます。

不登校は、一見「学校に行かない自由」を得ているように見えるかもしれません。しかし、その裏側には、非常に大きな葛藤やプレッシャーが隠れています。不登校のお子さんが抱える最大の問題の一つは、「罪悪感」です。学校に行けない自分を責める気持ち、友達や先生に迷惑をかけているのではないかという不安、そして家族に申し訳ないという思いが、子ども自身を重くのしかかるように蝕んでいきます。中には、「自分なんていない方がいい」と思い詰めるケースもあります。このような状況にある子どもにとって、不登校は決して「楽」ではありません

さらに、不登校の家庭には、親御さんにも大きな負担がかかります。「どうしてうちの子だけが」という不安や、「何か自分の育て方が間違っていたのではないか」という自己批判に苦しむ親御さんが多くいらっしゃいます。また、周囲からの「学校に行かせなさい」というプレッシャーに対抗し続ける精神的なストレスは、計り知れないものがあります。学校や行政から支援が得られにくい状況にある場合、親御さんがすべてを背負い込む形になり、疲弊してしまうことも少なくありません。

また、不登校の子どもが「楽をしている」と思われがちな原因の一つに、「表面的な姿」があります。家でゲームをしたり、スマートフォンを使ったりしている姿を見て、「好きなことをしているだけ」と考える人もいるでしょう。しかし、こうした行動の裏には、現実逃避や自己防衛の心理が働いていることが多いのです。たとえば、学校に行くというプレッシャーを感じる時間帯にゲームをすることで、その不安を一時的に忘れようとしているケースもあります。また、外の世界との繋がりを断つことで、傷つくことを避けようとしているのかもしれません。

さらに、社会からの誤解や偏見が、不登校の家庭の苦しみを増幅させています。「怠けている」という目で見られることで、親御さんも子どもも孤立しやすくなります。結果的に、支援の手が届かず、問題が複雑化していくのです。このような状況下で、不登校の子どもたちが「楽」だと感じることはまずありません。むしろ、心の中では深い葛藤と戦っているのです。

ここで重要なのは、不登校の現実を正しく理解し、その背景にある苦しみや努力を認めることです。子どもが「楽をしている」と感じることがあるとしても、それは一時的なものであり、その根底には多くの問題が隠れています。不登校の状態を理解しようとすることが、子どもたちへの最初の一歩になります。

そして、不登校の子どもや家庭がどのような事情であるにしても、周囲から石を投げられる理由にはならないのです。

第4章 不登校は、誰にでも起こり得る状態

不登校は一部の子どもたちだけが経験する特別なものではありません。どの家庭にも起こり得る状況であり、この認識を持つことが非常に重要です。

例えば、「うちの子は明るい性格だから」「うちは家族関係が良好だから」という理由で、不登校とは無縁だと思っているご家庭も多いかもしれません。しかし、実際には、不登校になる子どもたちの多くが、かつては学校生活に問題なく適応していたケースが少なくありません。学校でのいじめや友人関係のトラブル、先生との摩擦、あるいは家庭での些細な変化など、どれも不登校を引き起こすきっかけとなり得ます。これらの問題は、どの家庭にも発生する可能性があります。

また、近年の日本の教育環境や社会的な変化も、不登校の増加に影響を与えています。過度な学力競争やSNSを通じた人間関係の複雑化、さらにはコロナ禍による生活環境の変化など、子どもたちを取り巻く状況はますます厳しくなっています。このような状況の中で、不登校は「特別な子ども」に起こるのではなく、むしろ「誰にでも起こり得る状態」へと変化しているのです。

さらに、子どもたちの性格や特性によっても、不登校のリスクは異なります。例えば、完璧主義の傾向がある子どもは、ちょっとした失敗でも「自分はダメな人間だ」と感じやすく、不登校になるリスクが高まります。また、感受性が強く、他人の言葉や態度に敏感な子どもは、些細な出来事でも深く傷つき、不登校に繋がることがあります。

このように、不登校は決して特別な問題ではありません。そして、それを認識することは、不登校のお子さんを持つ親御さんにとっても大きな救いとなるはずです。「自分の子どもだけが特別なのではない」と知ることで、孤独感や罪悪感が少し和らぐこともあるでしょう。また、この認識が広まることで、不登校に対する社会的な偏見も徐々に解消されていく可能性があります。

不登校は誰にでも起こり得る状態であり、その背景には多様な要因が絡んでいます。親御さんも、「うちの子に限って」という思い込みを捨て、どの家庭にも起こり得る問題として、不登校に対する偏見を減らしていく準備をすることが大切です。

第5章 不登校を放置しない社会に

ここまで、不登校を巡る社会の偏見や、その現実についてお話してきました。では、不登校という問題に対して、社会全体がどのように向き合うべきなのでしょうか。

まず重要なのは、不登校のお子さんやそのご家庭を「腫れ物扱い」しないことです。不登校は、社会全体で支援すべき課題であり、特定の家庭や個人だけが解決すべき問題ではありません。それにもかかわらず、不登校の家庭は、どこか特殊な存在として見られることが多くあります。このような扱いが、親御さんや子どもたちを孤立させ、不登校を長期化させる一因となっています。

また、不登校を「時間が解決する」と考えるのも危険です。確かに、時間の経過によって状況が改善する場合もありますが、何もしないままでいると、子どもが引きこもり状態に陥ったり、心の問題が深刻化したりするリスクが高まります。そのため、親御さんが「見守る」だけではなく、少しずつでも子どもに関わり続けることが大切です。専門機関や支援サービスを利用することも、選択肢の一つです。

さらに、社会全体で「学校に戻ること」だけがゴールではないという認識を広めることも重要です。学校以外にも、子どもたちが成長し、学び、自信を取り戻せる場は数多く存在します。不登校からの再出発は、一人ひとりに合ったペースで進めるべきです。

最後に、親御さんにお伝えしたいのは、「あなた一人で頑張る必要はない」ということです。不登校という問題は、家庭だけで解決するものではありません。学校や専門家、支援サービスなど、さまざまなリソースを活用しながら、一歩ずつ前進することが大切です。

不登校を放置しない社会を実現するためには、私たち一人ひとりが偏見を捨て、理解と支援の手を差し伸べることが必要です。不登校のお子さんとそのご家庭が孤立せず、未来に希望を持てるような社会に変われるよう、当社も活動を続けていきます。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

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不登校の子どもとの対話法とは?

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児童心理司の藤原です。ToCo株式会社の顧問として、不登校問題に向き合うための支援プログラムの開発に携わっています。本記事では、「不登校の子どもとの対話法」をテーマに、具体的な方法と心がけるべき点について深掘りします。不登校に悩む保護者の方がこの記事を通じて、新たな視点やアプローチを得て、子どもとの関係を前向きに構築する助けとなれば幸いです。


目次


第一章:声をかけることの意義と基盤

不登校の問題に直面したとき、多くの親御さんは「どう接したらいいのかわからない」という不安や戸惑いを抱えています。特に、子どもに声をかけることすら怖いと感じ、「何を言えば傷つけないのか」「どこまで踏み込んでいいのか」と悩むケースも少なくありません。しかし、親からの声かけは、子どもの孤独感を和らげ、再び周囲とつながるきっかけを作る重要な役割を果たします。

声をかける行為は、単にコミュニケーションを取るだけでなく、子どもの心に寄り添い、安心感を与えるための大切な行動です。不登校の子どもは、外の世界との接触を断ち、心を閉ざしていることが多いため、親が積極的に「君を見ているよ」「君の味方だよ」というメッセージを伝えることが、第一歩となります。

とはいえ、声をかける際に「学校に行こう」「どうして行けないの?」といった言葉をかけると、逆に子どもを追い詰めてしまうことがあります。そのため、適切な声かけの方法を知り、子どもの気持ちを尊重する姿勢が不可欠です。

親子の会話のイメージ。

声かけの意義

声をかけることが子どもに与える影響は多岐にわたります。

  • 自己存在の肯定感: 「親は自分を気にかけている」と感じられることで、自分の存在意義を再確認できます。
  • 安心感: 自分の感情が否定されることなく受け止められると、不安や緊張が軽減されます。
  • 問題解決の土台: 自分の気持ちを言葉にする過程で、自身の悩みを整理しやすくなります。

これらの感覚が積み重なることで、子どもは親との会話を心地よく感じ、心の扉を開きやすくなります。

声かけの基盤となる姿勢

声をかける際に特に大切なのは、「子どもの感情に寄り添う姿勢」です。ただし、共感を誤った形で示すと、子どもが親に依存しすぎるリスクもあります。適切な共感とは、子どもの気持ちを理解しながらも、次の一歩をサポートする姿勢です。具体的には、以下を心がけましょう。

  1. 子どもの言葉を最後まで聞く: 話を遮らず、全体を理解する努力をしましょう。
  2. 感情を否定しない: 子どもが何を感じていても、それが自然な反応であると受け入れることが重要です。
  3. 前向きな視点を共有する: 子どもの気持ちに共感しつつ、その中に潜む希望を引き出す言葉をかけましょう。

第二章:子どもの感情を理解し受け止める

不登校の子どもたちは、心の中に様々な葛藤や不安を抱えています。それは、「学校に行けない」という結果として表れるだけでなく、日常の中で小さな行動にも影響を与えています。しかし、彼ら自身がその感情を的確に言葉にすることは難しく、親にうまく伝えられないことがほとんどです。その結果、親子の間で誤解やすれ違いが生じ、子どもの孤立感がさらに深まってしまう場合もあります。

このような状況で、親が最初にすべきことは「子どもの感情を深く理解し、受け止めること」です。子どもが何を感じ、何に悩んでいるのかを知るためには、焦らず、根気よく対話を続ける必要があります。重要なのは、子どもが感じていることを「正しい」「間違い」とジャッジするのではなく、そのままの形で受け入れる姿勢を示すことです。

親が「話を聞いてくれる」「自分を責めない」と感じられると、子どもは少しずつ心を開くようになります。

感情を引き出すための声かけ

直接的に「どうして学校に行かないの?」と問うことは、プレッシャーとなる可能性が高いです。その代わり、以下のような柔らかい表現を使うと良いでしょう。

  • 「どんなことが気になっているのかな?一緒に考えよう。」
  • 「学校のこと、もし話したくなったら教えてね。」
  • 「今日の朝はどんな気持ちだった?」

これらの言葉は、子どもに「親は自分の味方だ」と感じさせる効果があります。

【親子の会話例】

親: 「最近、学校に行くのが辛そうだね。朝起きたとき、どんな気持ちだった?」
子: 「お腹が痛かった。」
親: 「お腹が痛かったんだね。何か気になることがあったのかな?」
子: 「宿題を忘れたのが怖くて…」
親: 「宿題のことが気になっていたんだね。教えてくれてありがとう。」

このように、気持ちを丁寧に聞き出し、否定せず受け止めることで、子どもの不安を少しずつ解消できます。


第三章:自己肯定感を高めるための声かけ

不登校の子どもたちは、多くの場合「自分はダメだ」「何をやってもうまくいかない」という自己否定感に苦しんでいます。この自己否定感は、学校生活の中での失敗体験や、親や先生からの無意識のプレッシャーによって強化されることがあります。例えば、友人関係のトラブルや勉強でのつまずきがきっかけで、「自分は他の子より劣っている」と感じるようになり、そこから抜け出せなくなるケースも少なくありません。

子どもに寄り添う母親のイメージ

自己肯定感が低下すると、子どもは「どうせ何をやっても無駄だ」と考え、次第に新しいことに挑戦する意欲を失います。親として、この負のスパイラルを断ち切るためには、子どもの小さな成功や努力を見つけ、それを具体的に認めることが必要です。特に、不登校の子どもにとって「家でできた小さなこと」を褒めることは、自己肯定感を取り戻す大きな一歩となります。

努力を認める具体的な声かけ

どんなに小さな努力でも、それを肯定し、褒めることが大切です。子どもが気付いていない成長や変化を見逃さず、具体的に伝えるよう心がけましょう。

  • 「昨日は自分で起きられたね!すごいよ。」
  • 「今日は少し元気そうだね。きっと自分で頑張ったんだね。」
  • 「自分の気持ちを教えてくれてありがとう。それがすごく大事なことなんだよ。」

このように、行動や気持ちを具体的に認めることで、「自分にもできることがある」という前向きな意識を育むことができます。

【親子の会話例】

親: 「今日はちゃんと朝ごはんを食べられたね。」
子: 「うん、でも学校には行けなかった…。」
親: 「学校に行けなかったかもしれないけど、朝ごはんを食べるってすごく大事なことだよ。それだけでも一歩前進だね。」
子: 「そうかな…?」
親: 「そうだよ。毎日少しずつでいいんだから、一緒に頑張ろうね。」

子どもは親から具体的な努力を認められることで、自信を持ちやすくなります。


第四章:不安を分解する声かけ

不登校の子どもたちが抱える不安は、単純なものではありません。漠然とした「学校が怖い」「友達に会いたくない」という思いの背後には、複数の小さな不安が絡み合っています。例えば、「先生に怒られるかもしれない」「友達に嫌われている気がする」「宿題を忘れたらどうしよう」など、具体的な恐怖が積み重なり、一つの大きな不安として感じられていることが多いのです。

こうした不安をそのままにしておくと、子どもは「自分にはどうしようもない」と感じ、さらに閉じこもってしまう可能性があります。そのため、不安を「分解」して具体的な要素に切り分けることが重要です。一つひとつの要素を明確にし、「何が怖いのか」「どこから始めればいいのか」を子どもと一緒に整理することで、解決への道筋を見つけやすくなります。

不安を分解するためのフレームワーク

「感覚」「思考」「行動」のフレームワークは、親子で不安を整理する際にも役立ちます。例えば、次のように進めます。

  1. 感覚: 「何が怖いと感じる?」(身体や心の反応)
  2. 思考: 「どんなことを考えてしまう?」(頭に浮かぶ具体的なイメージ)
  3. 行動: 「そのとき、どんな行動をとっている?」(具体的な反応や行動)

これにより、不安がより具体化し、解決の糸口が見えてきます。

【親子の会話例:不安を分解する】

親: 「学校に行くのが怖いんだね。どんなところが怖いと思う?」
子: 「先生に怒られるのが怖い…。あと、友達に何か言われるのも嫌だ。」
親: 「そうなんだね。先生に怒られるのと、友達に何か言われるの、どっちが一番辛い?」
子: 「うーん、友達かな…。」
親: 「友達のことが気になるんだね。そこから少しずつ一緒に考えてみようか。」

このように、子どもの不安を分解することで、具体的な対処が可能になります。


第五章:状況に応じた声かけのアプローチ

不登校の原因や背景は、子どもによって大きく異なります。学校生活への恐怖、友人関係のトラブル、家庭内でのストレスなど、さまざまな要因が絡み合っている場合が多いです。また、同じ原因があっても、子どもの感じ方や受け止め方は一人ひとり異なるため、親が適切に対応するためには、子どもの状況を正確に理解し、それに合わせたアプローチを取る必要があります。

例えば、学校生活への恐怖心が強い子どもには、無理に学校に行かせようとするのではなく、少しずつその恐怖と向き合えるような声かけが必要です。一方で、友人関係の問題を抱える場合は、子どもがその経験を整理できるような質問や励ましが有効です。このように、状況に応じた柔軟な対応が、子どもをサポートする上で不可欠となります。

1. 学校生活への恐怖心が強い場合

学校への恐怖心が強い子どもには、無理に克服を促すのではなく、恐怖と少しずつ向き合う機会を作ることが重要です。

  • 「学校のこと、少しだけでも話してくれると嬉しいよ。」
  • 「どんなことが怖かったのか、一緒に考えてみようか?」

2. 対人関係の問題が原因の場合

友達や先生との関係が不登校の原因である場合、子どもの感情を受け止めつつ、自分の気持ちを整理できるよう手助けをします。

  • 「友達と何かあったのかな?どんなことが気になる?」
  • 「話したくなったら、いつでも教えてね。」

3. 親への依存が強い場合

親への過度な依存が背景にある場合は、子どもが少しずつ自立できるよう促します。

  • 「自分でできること、試してみるのはどう?」
  • 「少しだけ挑戦してみたら、できたことを教えてね。」

【親子の会話例1:学校生活への恐怖心が強い場合】

親: 「学校のことを思い出すと、どんな気持ちになるのかな?」
子: 「うーん…怖いし、嫌だ。」
親: 「怖いって感じるんだね。どんなところが一番怖いと思う?」
子: 「先生が怒るのが怖い…。あと、みんなに何か言われそうで…。」
親: 「先生のことと、みんなに何か言われそうなことが気になるんだね。どうしたら少しでも安心できるか、一緒に考えてみる?」
子: 「…うん、ちょっと考えてみる。」
親: 「ありがとう。少しずつでいいから、何でも話してくれると嬉しいよ。」

【親子の会話例2:対人関係の問題が原因の場合】

親: 「最近、学校で何か気になることがあった?」
子: 「友達とうまくいってない気がする…。」
親: 「そっか、友達のことが気になるんだね。どんなことがあったのか、もし話せたら教えてくれる?」
子: 「うーん…〇〇ちゃんとケンカして、仲直りしたけど気まずい…。」
親: 「〇〇ちゃんとケンカしたんだね。仲直りできたのはすごいことだけど、まだ気まずい感じがするんだね。」
子: 「うん…。どうしたらいいかわからなくて…。」
親: 「無理に解決しなくても大丈夫だよ。でも、少しずつ自分の気持ちを伝えてみるのもいいかもしれないね。何か手伝えることがあったら言ってね。」

第六章:声かけを続けることの重要性

不登校の解消には時間がかかることが多く、一朝一夕に状況が変わることはありません。そのため、親が継続的に声をかけ、子どもを支え続けることが大切です。特に、不登校が長期化している場合、親が焦りや苛立ちを感じることもありますが、それを子どもにぶつけてしまうと、逆効果になる可能性があります。

声かけを続けることは、子どもにとって「親はいつでも自分を見守ってくれている」という安心感を与えます。また、継続的な声かけを通じて、少しずつ親子間の信頼関係が深まり、子どもが再び心を開く土台を作ることができます。

母と娘の会話のイメージ

継続的な声かけのポイント

  1. 一貫性を保つ: 毎日ポジティブな言葉をかける習慣を作りましょう。
  2. 小さな変化を見逃さない: 子どもの小さな努力や変化を認めることが大切です。
  3. 否定的な言葉を避ける: 「どうしてできないの?」ではなく、「どこが難しいと思う?」といった前向きな表現を意識しましょう。

【親子の会話例1:小さな変化を見逃さない】

親: 「最近、朝は少し早く起きられるようになったね。」
子: 「うん、でも別に学校に行けるわけじゃないし…。」
親: 「学校に行けることも大事だけど、朝早く起きられるってすごいことだよ。一歩前に進んでいる感じがするな。」
子: 「そうかな…。」
親: 「そうだよ。少しずつでいいんだから、進んでいることを一緒に喜ぼうね。」

【親子の会話例2:否定的な言葉を避ける】

親: 「今日はどうしていたの?」
子: 「ゲームしてた…。」
親: 「そっか、ゲームを楽しんでたんだね。どんなゲームだったの?」
子: 「新しいやつ。少し難しかったけど、クリアできた!」
親: 「難しいのにクリアできたんだ!すごいね。それ、きっと集中して頑張ったからだよ。」
子: 「うん…。」
親: 「その集中力、他のことにも活かせたらすごいと思うな。何か挑戦してみたいことがあったら教えてね。」

第七章:親自身のケアも大切に

不登校のお子さんを支える親御さんにとって、子どもの状況や気持ちを受け止めながら日々を過ごすことは、時に大きな精神的・身体的負担となることがあります。親自身が疲れ切ってしまうと、知らず知らずのうちに子どもへの接し方が硬直的になったり、焦りや苛立ちが子どもに伝わってしまうことがあります。子どもと向き合うためには、まず親自身が心に余裕を持つことが大切です。

親のケアが必要な理由

親がストレスを感じている状態では、子どもの気持ちや行動を冷静に受け止めることが難しくなる場合があります。その結果、子どもに「理解されていない」「責められている」と感じさせる可能性が生じるのです。一方で、親が自分を大切にする姿勢を持つことで、家庭全体がより落ち着いた雰囲気になり、子どもも安心して過ごせる環境が整います。

親自身をケアする姿勢が子どもに与える影響

親が自分を大切にしている姿を見せることは、子どもに「自分も大事にしていいんだ」というメッセージを伝えることにつながります。親が心の余裕を持つことで、子どももリラックスした状態で親との会話や時間を楽しむことができるようになるのです。


結論:声かけは未来を切り開くカギ

不登校のお子さんを支える親の役割は、子どもの心を温かく包み込み、社会とのつながりを取り戻すための架け橋となることです。しかし、その過程は決して平坦ではなく、時間と忍耐が必要です。

声かけがもたらす変化

親の声かけは、子どもの心に響き、孤独感を和らげると同時に、再び自分自身の力を信じるきっかけとなります。たとえ小さな一歩であっても、その積み重ねが子どもの未来を明るく照らす礎となるのです。

親自身も成長する機会として

また、不登校の経験は親自身にとっても、子どもとの絆を深め、自己成長を促す貴重な機会となるでしょう。親も子どもも無理をせず、それぞれのペースで歩んでいくことが、長い目で見て最善の結果を生むはずです。

最後に、本記事でご紹介した声かけの方法や考え方が、少しでもお役に立つことを願っています。焦らず、子どもの心に寄り添いながら、日々の対話を大切にしてください。その積み重ねが大きな一歩となるでしょう。

各章要点必要な行動
声をかける意義と基盤声をかけることは、信頼関係の構築と不登校解消の第一歩。孤立感を和らげ、自己肯定感を高める役割を持つ。子どもの感情に寄り添い、否定せず受け止める。共感を示しつつ、前向きな声かけを続ける。一貫してポジティブな態度を心がける。
感情の理解と受容子どもは感情を言葉にするのが難しいため、親が適切に感情を引き出し受け止めることが重要。プレッシャーを与えない表現が効果的。「どんなことが辛い?」など、柔らかい言葉で感情を引き出す。話を遮らず、最後まで聞き、子どもの気持ちを肯定する。安心感を与える対話を心がける。
自己肯定感を高める子どもは自己否定感を抱きがち。小さな努力や行動を具体的に認めることで、前向きな意識と自己肯定感を育てる。努力を褒める際は具体的に伝える。「朝起きられたね」など、小さな成功体験を認める。結果ではなく過程に目を向け、前向きな変化を励ます。
不安の分解不安は漠然とした大きな塊ではなく、複数の要素から成る。これを分解することで、子どもが具体的に向き合いやすくなる。「どんなところが怖い?」と不安を分解し、具体化する。フレームワーク(感覚・思考・行動)を活用して、一つずつ取り組む。子どものペースに合わせる。
状況別の対応不登校の原因は子どもごとに異なる。学校生活の恐怖、対人関係、親への依存など、それぞれに応じた柔軟な対応が必要。子どもの状況を観察し、適切な声かけを選ぶ。例えば、学校生活への恐怖心が強い場合は無理をさせず、対人関係の問題には感情を丁寧に整理するサポートをする。
声かけの継続声かけの効果はすぐには現れないが、継続することで子どもの心の支えとなる。一貫性と忍耐が重要。日々ポジティブな言葉をかける習慣を作る。小さな変化を見逃さずに認め、前向きな声かけを心がける。否定的な表現を避け、子どものペースに寄り添う。
親自身のケア親が心に余裕を持つことも重要。無理をすると、子どもへの接し方に影響が出るため、自分自身を労る習慣を持つ。一人で抱え込まず、家族や専門機関に相談する。趣味やリラックスできる時間を持つ。同じ悩みを持つ親たちとの交流を通じて孤独感を軽減する。

ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
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不登校を「解決」する、ということ

不登校を「解決」するということの記事見出し画像。

目次


ToCo株式会社のCEO、青山登と申します。私たちの会社は、不登校のお子さんやご家庭を支援する活動をしています。

あなたは、不登校を「解決」すると聞いて、どう感じますか?

私の子どもが不登校になった時、「不登校を解決したい」という気持ちは一切起こりませんでした。ただ、「この苦しんでいる状態を何とかしてあげたい」という思いだけがぐるぐると巡っていました。
「不登校を解決する」とは、一見すると「子どもが学校に戻ること」や「学校生活を普通に送ること」を指しているように聞こえます。けれども、不登校という状態を「何かを直す」という視点から見てしまうと大事なものが見えなくなってしまいます。

思い返せば、私は当初、自分の子どもを理解していないどころか、自分自身の行いすら分かっていませんでした。不登校が始まった当初、私は何度も「なぜこうなってしまったのか?」と自分に問いかけました。
今だから分かりますが、答えは実にシンプルで、同時に胸が締めつけられるものでした。問題の大きな原因は、他ならぬ「私自身」にあったのです。

私は当時、子どもの中学入学という大きな環境の変化に対して、親として何一つ向き合えていませんでした。新しい環境でどのような思いをしているのか、学校生活についての話を聞くこともありませんでした。「もう中学生だから、一人でやれるはずだ」と勝手に思い込み、適切なサポートを怠っていたのです。さらに、うまくいかないことがあれば「努力が足りないからだ」と、まるで根性論のような言葉をぶつけていました。その一言一言が、どれだけ子どもの心を傷つけていたのかを考えると、今でも悔やんでも悔やみきれません。

子どもの不登校をきっかけに、私は「親」という存在について深く考え直すようになりました。私は親である以上、子どもを育てる責任があります。しかし、その責任を勘違いしていました。「育てる」とは、子どもに目標を押し付け、親の価値観を無理に伝えることではありません。それは、子どもと共に歩み、共に悩み、共に成長していく過程を共有することなのです。

再登校の支援を通じて多くの家庭から学ぶ

各ご家庭の支援をさせていただく中で、考え方の軸を一つ持つようになりました。
それは、「不登校を解決する」という言葉の本当の意味は、学校に戻ることではなく、不登校も含めて、子どもが抱える悩みや苦しみを共有し、親子で話し合える関係性を築くことだということです。子どもの状態がどんなものであれ、その存在を受け入れ、共に歩む姿勢こそが大切なのです。

不登校の経験は、私の価値観を変えました。それまでは、学校に通うことが当たり前で、通えない状態が「問題」とみなされる風潮に、無意識のうちに染まっていたのです。しかし、子どもの不登校と向き合う中で、「当たり前」と信じていたものがどれほどの重荷を子どもに背負わせていたのかを知りました。それは、社会や学校、さらには親である私自身の固定観念が作り上げたものに過ぎなかったのです。

ある日、私の子どもがぽつりと口にした言葉がありました。「学校に行けない自分はダメな人間だと思う」。この言葉は、私の胸に鋭く突き刺さりました。学校という一つの枠組みに収まらないことが、なぜ「ダメな人間」へと繋がってしまうのでしょうか?そして、それを子ども自身にそう感じさせてしまったのは、私だったのです。

私は親として無意識のうちに「学校に通うこと」「良い成績を取ること」「ルールを守ること」を絶対的な価値観として子どもに示してしまいがちでした。そして、それが達成できない子どもを見たとき、「努力が足りない」「何かが間違っている」と考えてしまうのです。しかし、本当にそうでしょうか? そもそも「学校に通うこと」や「社会の枠組みに適応すること」が、子ども一人ひとりの幸せを保証してくれるのでしょうか? 

私は、この問いに向き合う中で、「不登校を解決」という言葉自体に対する違和感を抱くようになりました。不登校を「解決する」という表現には、どこか「問題を直す」というニュアンスが含まれています。しかし、不登校は本当に「直すべき問題」なのでしょうか? もしもそれが子ども自身の助けを求めるサインだとしたら、その声を無視して無理やり「直す」ことは、本質的な解決ではなく、むしろ事態を悪化させるだけではないでしょうか。

私自身の子どもとの関係は、不登校という経験を経て大きく変わりました。以前の私は、親として子どもの成長を見守るどころか、自分の理想を押し付け、子どもを「型にはめる」ことにばかり意識を向けていました。しかし、子どもが学校に行けなくなり、心の中に抱えていた悩みを少しずつ打ち明けてくれるようになった時、初めて「親としての本当の役割」を考えるようになったのです。

親の役割とは

親が子どもを育てる目的は、子どもを「成功させる」ことではありません。子どもがどんな状況にあってもその存在を受け入れ、一緒に歩むことです。たとえ学校に行かなくても、将来の進路がどうであっても、子どもが自分自身を肯定できるような関係を築くことが大切なのです。

再登校支援の現場では、さまざまなご家庭の状況や子どもたちの声を耳にします。「親が自分の気持ちを理解してくれない」と感じる子どもがいれば、「子どもにどう接していいのか分からない」と悩む親御さんもいます。どちらの声にも共通しているのは、互いに相手の気持ちを知りたい、理解したいという思いがあることです。しかし、その思いが伝わらないことで、家族の中に深い溝が生じてしまうのです。

大人は時に、自分の方が「正しい」と思い込んでしまいます。特に、子どもが何か問題を抱えているように見えるとき、それを「直さなければならない」と考え、子どもの声に耳を傾ける前に解決策を押し付けてしまうのです。しかし、子どもの気持ちを聞くことなく、一方的に「正しさ」を伝えることは、子どもに「自分の気持ちは無視されている」と感じさせてしまいます。それは、親子の関係を崩壊させる大きな原因になり得るのです。

私の子どもが不登校を経て、少しずつ自分の気持ちを話してくれるようになったとき、私は子どもの「言葉にできない声」に耳を傾ける姿勢を持つことの大切さに気づきました。子どもは、必ずしも自分の感情や悩みを明確な言葉で表現できるわけではありません。そのため、親である私たちが、子どもの言葉の裏にある本当の気持ちをくみ取ろうとする努力が必要なのです。

私は、ToCoの活動を通じて、これまで以上に多くの家庭や子どもたちを支援していきたいと考えています。そして、その活動を通じて、「不登校を解決する」という言葉の本当の意味を、社会全体に問いかけていきたいのです。不登校という状況が、単なる「問題」ではなく、親子の新たな可能性を見出すための現れであることを、多くの人に知っていただけたらと思っています。

「学校に行けない」の底にあるもの

不登校という状況は、表面的には「学校に行けない」という形で現れます。しかし、その背後には、子ども自身が抱えるさまざまな葛藤や悩みが存在します。親である私たちが本当に向き合うべきなのは、この表面的な「学校に行けない」という事実ではなく、子どもの内面で何が起きているのかを理解しようとする姿勢です。

私の子どもが不登校になった頃、私は「何とかしなくては」という焦りに駆られていました。子どもをカウンセリングに連れて行ったり、無理に学校に行かせようとしたりしました。しかし、これらの行動が子どもにとってどれほどの負担を強いていたのかに気付くのに、時間がかかりました。子どもは、親である私の期待や圧力に押しつぶされそうになっていたのです。

その後、私は無理に何かを変えようとするのをやめました。子どもが話したい時に話を聞き、黙っていたい時にはそっと寄り添うことを心がけるようになりました。すると、子どもは少しずつ自分の気持ちを話してくれるようになりました。彼が語ったのは、自分がいかに孤独を感じ、誰にも理解されないと思っていたかということでした。そして、その孤独感の大きな原因は、私が彼を「学校に行ける普通の子ども」としてしか見ていなかったことにあると気付かされました。

親は、子どもを「普通」であることに縛りつけてはいけないと考えています。それは、子どもの個性や可能性を否定する行為と同じです。私たちは子どもを「型」に当てはめるのではなく、一人の人間として尊重し、その子どもがどんな人生を歩むべきかを共に考えるべきなのです。その過程で、子どもが学校に行くことが必要だと思えば、それを支援すれば良いですし、別の道を選ぶのであれば、その道を全力で応援することが親の役割だと思います。

不登校は、決して親や子どもの失敗ではありません。それは、これまでのやり方や価値観を見直し、新たな関係を築くためのきっかけです。私たち親がその事実に気付き、子どもと共に前に進む覚悟を持つことができれば、不登校という状況は単なる「問題」ではなく、大きな成長の機会となり得ます。

ToCoを立ち上げた理由の一つは、カウンセラーや児童心理司たちとからの学びを経て、このような視点の大切さを多くの家庭に届けたいという想いがあったからです。不登校に直面するご家庭は、孤独や不安を抱えることが多いです。しかし、同じ経験を持つ人々が繋がり、支え合うことで、その孤独感や不安感は大きく軽減されます。そして、子どもとの関係を一度見直してみることで、子どもにとっての安心できる居場所が増えることを願っています。

私たちは、親としての役割に対する考えを一度見直し、「不登校を解決する」とは何を意味するのかを問い直す必要があります。それは、親子の新しい可能性を見出し、子どもが自分らしく生きられる道を模索するプロセスなのです。ToCo株式会社を通じて、そのプロセスを支援し、多くの家庭が笑顔を取り戻すお手伝いができればと願っています。


ToCo(トーコ)について

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論文紹介:不登校の実情と対応-第64回日本心身医学会総会ならびに学術講演会

不登校の実情と対応-記事の見出し画像

不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。今回は、不登校に関する論文、「第64回日本心身医学会総会ならびに学術講演会2023年 教育講演『不登校の実情と対応』(藤田光江著)」をもとに、不登校の実情や対応策について考察を加えながらお話しいたします。この文章では、特に小中学生のお子様が不登校であるお母様に向けて、具体的な視点や助けとなるアプローチをお届けします。


第1章 不登校という現実とその定義

日本では、不登校が子どもたちやその家族にとって深刻な社会的問題となっています。藤田光江氏の論文によると、文部科学省は不登校を以下のように定義しています。

「心理的、情緒的、身体的、または社会的な要因や背景により、児童生徒が30日以上学校を欠席し、登校しない、またはしたくてもできない状況」

さらに、2024年の文部科学省の統計によれば、不登校児童生徒の数は34万6482人に上りました。この数字は、不登校が「特殊なケース」ではなく、「どの家庭にも起こり得る現象」であることを示しています。この認識を持つことが、最初の一歩です。


第2章 子どもの「小さなサイン」を見逃さない

不登校は突然始まるものではなく、多くの場合、小さなサインが積み重なっていく過程があります。藤田氏の論文によれば、不登校の初期徴候として以下のような身体症状が多く見られるとされています。

「学校がある日の朝に頭痛や腹痛を訴える」「朝起きられない」「生活リズムの乱れ」などの身体的な訴え

これらは単なる体調不良ではなく、心理的な負担が身体に現れた可能性を示唆しています。また、藤田氏の分析によると、不登校のきっかけとして、子どもが「先生のこと」「友人関係」「生活の乱れ」「身体の不調」を挙げるケースが多いとされています。

これに対して保護者の方ができる第一歩は、子どもの発言や行動を注意深く観察し、サインを見逃さないことです。例えば、以下のような点に着目してください。

  • 頻繁に体調不良を訴えるタイミングや状況を記録する。
  • 学校や友人関係の話題に対する子どもの反応を観察する。
  • 食欲や睡眠の質が以前と比べて変化していないか確認する。

こうした観察は、子どもが抱える問題を早期に発見するだけでなく、後に専門家へ相談する際の重要な資料にもなります。


第3章 不登校の背景にある複雑な要因

不登校の原因は、単一の要因だけで説明できるものではありません。藤田氏の論文では、以下のような複数の要因が不登校の背景にあると指摘されています。

「心理的要因(自己評価の低下、友人関係のトラブル)」「身体的要因(起立性調節障害、慢性緊張型頭痛、過敏性腸症候群など)」が複雑に絡み合っている

例えば、起立性調節障害により朝起きるのが困難になり、それが学校への遅刻や欠席を引き起こすことがあります。また、慢性緊張型頭痛は、子どもが感じるストレスが頭痛として現れることが多いとされています。

親が最も気をつけるべきなのは、子どもの「仮病」と決めつけないことです。不登校に関連する身体症状は、子どものストレスや不安の「SOSサイン」であり、親がこれを理解し、適切に対応することが子どもを救う第一歩となります。

子どもに寄り添う母親のイメージ

第4章 専門家との連携とその活用法

不登校に直面した場合、保護者がどのタイミングでどこに相談すればよいのか迷うことが多いでしょう。藤田氏は、医療機関や学校のカウンセラー、地域の支援機関との連携の重要性を強調しています。

「初期の段階ではかかりつけ医が身体症状を確認し、器質的な疾患がない場合は心理的要因に着目する」ことが推奨される

また、学校内では養護教諭やスクールカウンセラーとの連携が、不登校の子どもを支えるうえで重要な役割を果たします。もし子どもが学校に行くこと自体を拒否する場合、地域の適応指導教室やフリースクールなどの利用が効果的とされています。

こうした専門家や支援機関を利用する際には、親が「完璧な解決策を求める」よりも、「子どもに合った小さな改善を見つける」姿勢で臨むことが大切です。小さな成功体験を積み重ねることで、子ども自身が少しずつ自信を取り戻すことにつながります。


第5章 支援的対話と子どもへの寄り添い方

不登校の子どもと接するうえで、お母様が果たす役割は非常に大きいものです。藤田氏の論文では、支援的精神療法の重要性が繰り返し強調されています。

「治療者が子どもの悩みや不安を傾聴し、その気持ちを理解しながら、子どもの存在や努力を支持することが基本である」

この姿勢は、お母様にも当てはまる重要な心構えです。具体的には、子どもの言葉を否定せず、批判せず、まずはその気持ちに寄り添うことが求められます。たとえば、次のような対話を心がけると良いでしょう。

  • 子どもが「学校に行きたくない」と言った場合:「そうなんだね。どうしてそう思うのか、話してみてくれる?」と優しく問いかける。
  • 子どもが「先生が嫌い」と言った場合:「先生にどんなことをされて嫌だったの?」と具体的な感情を引き出す。
  • 子どもが「誰にも話したくない」と言った場合:「分かったよ。話したくなったらいつでも言ってね」と受け入れる姿勢を示す。

藤田氏も述べているように、不登校の子どもに「頑張れ」という言葉をかけるのは逆効果になることが多いです。代わりに、「どんな状態でも、あなたは大切な存在だよ」というメッセージを伝えることが重要です。


第6章 行動療法と子どもの自信を引き出すアプローチ

藤田氏の論文では、行動療法の一環として「登校カレンダー」や「頭痛ダイアリー」の利用が挙げられています。

「登校カレンダーは、少しでも登校したらお気に入りのシールを貼る方法で、モチベーションの向上につながる」
「頭痛ダイアリーは身体症状を記録するだけでなく、生活リズムの把握にも役立つ」

これらの方法は、子どもが達成感を得られるような仕組みを作ることが目的です。特に、何らかの形で「成功体験」を積み重ねることが、不登校解決への大きな一歩となります。

これを家庭でも応用する方法として、以下のような工夫が考えられます。

  • 目標の分解:例えば「週1回登校する」という大きな目標を、「朝制服に着替える」「学校まで行ってみる」といった小さな行動に分解する。
  • 成功の視覚化:カレンダーやノートに、できたことを記録し、本人が目で見て成長を実感できるようにする。
  • 子どものペースを尊重:無理に進めるのではなく、子どもが自分の意思で一歩を踏み出せるように環境を整える。
Fig. 1 不登校児・不規則登校児への対応

第7章 親の葛藤と向き合うために

お母様方にとって、子どもの不登校は時に「どうしてうちの子だけが」と感じさせるものかもしれません。ですが、この苦しい状況の中で、お母様ご自身の感情に向き合うことも忘れてはいけません。藤田氏も指摘しているように、不登校の対応では、親が「子どもを治さなければ」という強迫観念にとらわれることで、かえって子どもの状態を悪化させてしまうケースが見られます。

「保護者は子どもの症状を治そうと躍起になるほど、子どもの訴えが強くなることがある」

この状況を避けるためには、親が自身の心を保つための方法を見つけることも重要です。以下のようなアプローチが役立つでしょう。

  • 信頼できる人に相談する:親自身の不安を共有できる友人や家族、専門家の存在が心の支えとなります。
  • 情報収集をしすぎない:不登校についての情報を集めすぎることで、かえってプレッシャーを感じる場合もあります。情報は必要最低限に留めましょう。
  • 自分を責めない:子どもの不登校は親の責任ではありません。この点を強く意識してください。

第8章 不登校に向き合う「長期的視点」

不登校の解決には短期的な成功を期待するのではなく、長期的な視点を持つことが求められます。藤田氏も、不登校解決の目標として次のように述べています。

「最終目標は、子どもが元気になり、打ち込める何かを見つけ、将来社会に出ていくこと」

この言葉は、不登校そのものを「解決」することがゴールではないことを示しています。むしろ、「子どもが自分らしく生きる力を育むこと」が最終的な目標と言えます。

親としてできることは、目先の「学校復帰」にこだわるのではなく、以下のような目標を念頭に置くことです。

  • 子どもが自信を取り戻すプロセスを見守る。
  • 子どもが安心できる環境を家庭内外に作る。
  • 子どもが新しい興味や関心を見つけられるよう支援する。

第9章 おわりに:親と子どもの未来のために

不登校は、一朝一夕で解決する問題ではありません。それでも、親が子どもの変化を受け入れ、小さな一歩を共に歩むことで、未来への扉が少しずつ開いていくのです。藤田氏も以下のように結論づけています。

「不登校は誰にでも起こりうることであり、子どものあるがままを受け止め、支え続けることが重要」

お母様方が子どもと共に過ごすこの時間は、確かに試練の時期かもしれません。しかし、どうか焦らず、子どもの未来を信じて寄り添い続けてください。

参考URL

教育講演-不登校の実情と対応 藤田 光江


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論文紹介:不登校児童生徒の再登校傾向に応じた教師による支援


目次


第一章:はじめに ― 不登校問題と教育現場の挑戦

不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。私は、ToCo株式会社という学校における不登校予防サービスを提供する企業で顧問を務めております。

不登校という現象は、単に教育の遅れを生むだけではなく、当事者の精神的・社会的な成長にも深刻な影響を及ぼす問題です。それゆえ、この課題をどう乗り越え、当事者を支援していくかは、教育界全体の喫緊の課題であると言えます。

不登校は特定の環境や性格による単純な問題ではなく、多様な要因が複雑に絡み合っています。そのため、対応策も一律ではなく、児童生徒の個別の状況に応じた柔軟な支援が求められます。本稿では、山本奬氏による論文「不登校児童生徒の再登校傾向に応じた教師による支援」[岩手大学大学院教育学研究科研究年報 第8巻 (2024. 3) 159-173]を基に、不登校の児童生徒に向き合うための具体的な知見を共有するとともに、学校現場での実践に役立てていただくことを目的としています。

山本氏の研究は、不登校児童生徒の心理的な状態や再登校に向けた準備段階を、教師の視点から詳細に分析し、支援の在り方を明らかにしたものです。この研究が重要なのは、単なる一般論に留まらず、現場の教師が直面する課題を具体的に掘り下げ、それに応じた実践可能な解決策を提案している点です。本稿では、同論文の内容を詳細に解説するとともに、その知見を教育現場でどのように活用できるのかを議論します。

本稿のまとめ

要点必要な行動
混乱と受容の評価が重要不登校児童生徒の心理状態を「混乱」と「受容」の二軸で評価し、それに基づいた支援を計画する。
受容が高い段階で支援を強化「受容」が高まった児童生徒には、意欲喚起や人間関係の再構築を通じて再登校への準備を進める。
混乱が高い場合は安全基地を提供「混乱」が高い場合は、無理に登校を促さず、保健室や別室など安心して過ごせる環境を整える。
家庭との協力が重要保護者と連携し、児童生徒の心理状態や支援計画を共有しながら、家庭内での支援体制を構築する。
再登校後も持続的支援を再登校後も心理状態をモニタリングし、フォローアップを行うことで再発を防ぐ。
教師間・学校全体で連携を取る支援チームを組織し、学級担任、養護教諭、教務主任が役割を分担しながら児童生徒をサポートする。
外部機関や地域と協力専門家や地域コミュニティと連携し、児童生徒が社会とのつながりを持てるよう支援する。

第二章:不登校児童生徒の多様性と再登校のステップ

不登校の背景には、実に多様な要因が存在します。家族関係の問題、学業の困難、人間関係のトラブル、さらには発達障害や精神的疾患など、その原因は一人ひとり異なります。さらに興味深いことに、不登校の児童生徒がその状況に至る経過も多種多様です。一部の生徒は、特定のトラウマや出来事をきっかけに突然学校へ行かなくなります。一方で、じわじわと学校生活への適応が困難になり、最終的に不登校に至るケースもあります。

山本氏は、不登校の児童生徒が学校に戻るまでのプロセスを「再登校傾向」と呼び、これを測定するための方法論を研究しています。同氏の研究によれば、再登校傾向を正確に評価するためには、以下の二つの心理的因子に注目する必要があるとされています。

  1. 混乱
    児童生徒が自身の不登校状況を認識し、将来への不安や後悔、自己否定的な感情に直面している状態を指します。たとえば、「どうして学校に行けなくなったのだろう」と考えたり、「これからどうなるのか」という恐怖感を抱く状態がこれに該当します。
  2. 受容
    自らの不登校という現実を受け入れ、それに向き合おうとする姿勢を表します。具体的には、「今の自分を認めて、できることから始めよう」と考えたり、前向きな態度を取り戻す段階が含まれます。

この二つの因子は、矛盾しているように見えるかもしれませんが、実際には児童生徒の再登校への道筋において極めて重要な役割を果たします。たとえば、「混乱」が高まり、「受容」が低い場合、児童生徒は不安定な状態にあり、支援を試みても効果が現れにくいことが示されています。一方、「混乱」が高い状態でも「受容」が伴っている場合は、再登校への可能性が高まることがわかっています。

この研究結果は、不登校児童生徒の支援における一つの重要な指針を示しています。つまり、支援を行う際には、児童生徒がどの段階にいるのかを正確に把握し、それに応じたアプローチを選択する必要があるのです。


第三章:再登校傾向を測定するための実践的アプローチ

山本氏の研究では、再登校傾向を測定するための具体的な手法が提案されています。同氏は、多くの教師を対象としたアンケート調査を実施し、不登校児童生徒の心理状態や行動特性を測定するための質問項目を開発しました。その結果、再登校傾向を評価するための14の質問項目が選定されました。

山本氏が提案する14項目の質問
1. 最近、自分の不登校について考えることが多いですか?
2. 将来のことを考えると不安になりますか?
3. 現在の状況について後悔する気持ちがありますか?
4. 「学校に行けていたら」と思うことがありますか?
5. 今の自分を受け入れようとしていますか?
6. 目の前の課題に集中しようとしていますか?
7. 不登校の原因について冷静に考えられるようになりましたか?
8. 自分が学校に戻るイメージを描けますか?
9. 不安なことを誰かに話すことができますか?
10.学校生活に対する興味や意欲が戻りつつありますか?
11. 自分自身について前向きに考えられることが増えましたか?
12. 再登校への計画を少しずつ立てられていますか?
13. 家族や周囲の人々の支えを感じていますか?
14. 将来的な自分の目標について話せるようになっていますか?

これらの項目は、児童生徒の「混乱」と「受容」の度合いを把握するために設計されており、教師が簡便に活用できるよう工夫されています。たとえば、「最近、自分の不登校についてどのように感じていますか?」という質問に対して、5段階評価で回答を求める形式が採用されています。このような評価方法は、児童生徒の心理状態を客観的かつ定量的に把握する上で非常に有用です。

さらに興味深い点は、再登校傾向が「混乱」と「受容」のバランスによって大きく左右されるという発見です。たとえば、「混乱」が低く「受容」が高い児童生徒は、比較的スムーズに学校生活へ戻ることができる一方で、「混乱」と「受容」のいずれも低い場合は、支援の効果がほとんど見られないことが判明しています。この結果は、教師が支援方針を決定する際の重要な指針となるでしょう。


第四章:具体的な支援方法 ― 再登校傾向に基づく実践

不登校児童生徒の再登校支援において、最も重要な点は、「混乱」と「受容」の状態を正確に評価し、それに応じた支援を実施することです。本章では、山本氏の研究に基づき、それぞれの状態に適した具体的な支援方法について詳しく述べます。

1. 「混乱」が高く、「受容」が低い場合

この状態の児童生徒は、自分の不登校について深く考えることを避けているか、問題を認識しつつもその解決に向けた意欲が見られない状況にあります。こうした児童生徒に対して無理に登校を促すことは逆効果になり得ます。むしろ、次のようなアプローチが求められます。

  • 心理的安全基地の提供
    児童生徒が安心して過ごせる環境を整えることが重要です。例えば、保健室や学校内の別室、あるいは家庭での支援が考えられます。この段階では、登校を直接促すのではなく、学校や教育活動に対する恐怖心や抵抗感を和らげることを優先します。
  • 関係構築のための家庭訪問
    教師が児童生徒の家庭を訪問し、保護者と協力しながら信頼関係を築くことが有効です。ただし、この際には児童生徒のプライバシーに配慮し、訪問がプレッシャーにならないよう工夫する必要があります。
  • 自己表現の支援
    児童生徒が自分の気持ちを言葉にすることが難しい場合、絵や日記など、言語以外の手段で感情を表現できる機会を提供します。これにより、混乱の原因を少しずつ明らかにすることができます。

2. 「混乱」と「受容」が共に高い場合

この状態は、再登校への可能性が最も高い段階です。児童生徒が現状を受け入れつつ、内面的な葛藤に直面しているため、教師の適切な介入が大きな成果をもたらします。

  • 積極的な意欲喚起
    学校生活において達成感を味わえるようなタスクや役割を提供します。例えば、学級活動の小さな役割を任せたり、得意な教科の課題を出したりすることで、自信を取り戻す手助けを行います。
  • 目標の共有と段階的な計画作成
    教師と児童生徒が一緒に目標を設定し、それを達成するための具体的な計画を立てます。例えば、まずは週に1回登校する目標を設定し、その後段階的に頻度を増やす方法が有効です。
  • 友人関係の再構築
    児童生徒が信頼できる友人と再び関わる機会を作ります。例えば、グループ学習や校外活動を通じて自然な形で関係を再構築できるよう支援します。

3. 「混乱」が低く、「受容」が高い場合

この段階の児童生徒は、比較的安定しており、再登校が現実的な目標となります。ただし、学校生活への完全な適応には時間がかかる場合もあるため、慎重なアプローチが求められます。

  • 学習支援の強化
    学校での学習に遅れが生じている場合は、補習や個別指導を通じてサポートします。学力の向上は児童生徒にとって重要な自己肯定感の源となります。
  • 日常的な登校習慣の確立
    学校生活に必要なルーティンを再構築します。例えば、登校時間に合わせて家庭で準備を進める習慣をつけたり、短時間の登校から始めて徐々に時間を延ばす方法が効果的です。
  • 自己評価の促進
    児童生徒が自らの成長を実感できるような仕組みを導入します。例えば、達成した目標を振り返る「自己チェックリスト」を作成することで、再登校への自信を育むことができます。

4. 「混乱」と「受容」が共に低い場合

この段階の児童生徒は、再登校に向けた準備が整っていないため、長期的な視点での支援が必要です。この場合、無理に登校を促すのではなく、まず児童生徒の状態を安定させることが優先されます。

  • 専門機関との連携
    心理カウンセラーや医療機関と協力し、児童生徒の心理的問題を専門的にサポートします。学校だけで対応しきれないケースでは、外部の支援が欠かせません。
  • 家庭での支援の強化
    保護者に対して適切な支援方法を指導します。特に、児童生徒の感情に寄り添い、プレッシャーを与えない環境を作ることが重要です。
  • 無理のない交流機会の提供
    学校外のイベントや地域活動など、気軽に参加できる場を通じて、社会とのつながりを徐々に回復させます。
受容が高い受容が低い
混乱が高い[積極的支援段階]
・意欲喚起や目標設定を行い、再登校の計画を具体化する。
・友人関係や教師との関係を再構築する場を提供する。
・自信を育むための小さな成功体験を積ませる。
[不安定支援段階]
・心理的安全基地を提供し、無理に登校を促さない。
・家庭訪問や保護者との連携を強化し、児童生徒の状態を安定させる。
・児童生徒が自分の不安や感情を少しずつ表現できるよう支援する。
混乱が低い[安定した再登校段階]
・学習指導や日常生活のルーティンを整え、学校生活への完全な適応を目指す。
・学校内外での役割や活動を通じて、自己効力感を高める。
・教師間や学校全体で連携し、フォローアップを続ける。
[停滞段階]
・再登校の準備が整っていないため、急激な支援を避け、心理的安全を優先する。
・専門機関と連携し、児童生徒の状態を見極めた上で段階的な支援を開始する。
・家庭での過ごし方や心の安定を支援し、児童生徒が自分の状況を徐々に受け入れる環境を整える。

第五章:教育現場での実践例 ― 山本氏の提言の活用

前章では、不登校児童生徒の心理状態に応じた支援方法について述べました。本章では、それらを実際に教育現場でどのように活用するか、具体的な事例や取り組みを通じて解説します。不登校支援は一人の教師だけで完結するものではなく、学校全体として連携する必要があります。その中で、山本氏の研究がどのように役立つのか、考察を深めていきます。

1. 個別支援計画の作成

不登校児童生徒に対する支援は、個別性を尊重することが何よりも重要です。山本氏の研究を活用することで、再登校傾向を定量的に評価し、それに基づいて効果的な個別支援計画を策定できます。以下はその具体的なプロセスです。

  • 初期アセスメント
    まず、山本氏が提案する14項目の質問を活用し、児童生徒の心理状態を評価します。これにより、「混乱」と「受容」のレベルを客観的に把握します。
  • 支援目標の設定
    児童生徒の状態に応じて、短期的・中期的な目標を設定します。例えば、「毎週1回の登校を目指す」や「まずは友人とオンラインで交流する」といった具体的な目標を掲げます。
  • 支援方法の選択
    前章で述べたように、「混乱」と「受容」の状態に応じた適切な支援方法を選択します。例えば、「混乱」が高い場合は心理的安全基地を提供し、「受容」が高い場合は意欲喚起を行うといった形です。
  • 進捗のモニタリング
    定期的にアセスメントを繰り返し、支援の効果を確認します。必要に応じて計画を見直し、柔軟に対応します。

2. 教師間の連携と役割分担

不登校児童生徒を支援する際、担任教師一人だけでは対応が困難な場合があります。山本氏の提言を学校全体で共有し、役割分担を明確にすることで、支援の質を高めることが可能です。

  • 学級担任の役割
    学級担任は、児童生徒との日常的な関わりを通じて信頼関係を築きます。また、アセスメント結果に基づいて支援計画を策定し、他の教師や保護者と連携します。
  • 養護教諭の役割
    養護教諭は、心理的安全基地を提供する役割を果たします。保健室で児童生徒が安心して過ごせる環境を整え、必要に応じて心理的なケアを行います。
  • 教務主任の役割
    教務主任は、支援計画を学校全体で共有し、教員間の連携を促進します。また、外部機関との調整役を務めることもあります。
  • 学校全体での支援体制の構築
    学校内で「不登校支援チーム」を組織し、定期的にケース会議を開催することで、児童生徒一人ひとりに対する支援を継続的に行います。

3. 家庭との協力関係の構築

不登校の問題を解決するには、家庭との連携も欠かせません。山本氏の研究は、家庭環境が児童生徒の「混乱」と「受容」に大きな影響を与えることを示唆しています。以下は具体的な家庭支援の方法です。

  • 保護者への説明
    山本氏の研究結果を基に、児童生徒の心理状態をわかりやすく保護者に説明します。保護者が現状を正確に理解し、適切な対応ができるようサポートします。
  • 家庭での役割作り
    児童生徒が家庭内で自信を持てるような役割を与えます。例えば、簡単な家事を任せたり、家族との会話を増やす工夫を行います。
  • 登校準備の支援
    朝の準備や通学のサポートを保護者と協力して行います。特に、登校へのプレッシャーを軽減しつつ、少しずつ学校生活への適応を促します。

4. 成功事例から学ぶ

山本氏の研究は、多くの成功事例に基づいています。以下はその一例です。

  • ケース1:中学2年生の男子生徒
    この生徒は、学校生活への不安から不登校になりました。アセスメントの結果、「混乱」が高く「受容」が低い状態であることが判明しました。教師はまず、安全な環境を提供しつつ、少しずつ自己表現を促しました。その後、「混乱」がやや低下し「受容」が高まった段階で、意欲喚起と目標設定を行い、最終的に週3日の登校が可能となりました。
  • ケース2:小学5年生の女子生徒
    この生徒は、「受容」が高く「混乱」が低い状態にありました。教師は、学習支援を強化しつつ、クラスメイトとの交流の場を設けました。その結果、生徒は2か月後に通常の登校を再開することができました。

第六章:不登校支援の長期的視点と未来への展望

不登校問題は、短期間で完全に解決することが難しい場合が多く、支援には長期的な視点が求められます。山本氏の研究に基づくと、児童生徒の再登校傾向を適切に捉えながらも、急激な変化を期待せず、着実に前進するための支援が必要であることが示唆されています。本章では、不登校支援の持続的な取り組みや、今後の教育現場における課題と可能性について考察します。

1. 持続的支援の重要性

不登校は、一時的に学校へ戻ることができたとしても、その後再び登校が難しくなる「再発」が少なくありません。そのため、再登校後のフォローアップや持続的な支援体制が必要です。以下はその具体的な方策です。

  • 再登校後の観察期間
    児童生徒が再登校を開始した後も、定期的に「混乱」と「受容」のレベルを評価し、問題が再燃する兆候を早期に発見します。これにより、再発を未然に防ぐことが可能になります。
  • 段階的な目標設定
    再登校ができたことを「ゴール」とせず、その後の学校生活における目標を段階的に設定します。例えば、「クラスの発表会に参加する」「クラブ活動に加わる」など、児童生徒が新たなチャレンジを楽しめるよう支援します。
  • 心理的サポートの継続
    再登校後も、養護教諭やスクールカウンセラーによる定期的な面談を通じて、心理的な安定を保つためのサポートを続けます。

2. 教育現場における課題

不登校支援を行うにあたり、教育現場にはいくつかの課題が存在します。以下に代表的なものを挙げ、それぞれに対する解決策を検討します。

  • リソースの不足
    教師が不登校児童生徒への支援に割ける時間やエネルギーは限られています。この問題を解決するためには、支援スタッフの増員やToCoの不登校予防サービスなど外部機関との連携が不可欠です。また、教師が利用可能なリソース(マニュアル、研修プログラムなど)を充実させる必要があります。
  • 教師の心理的負担
    不登校支援には、教師自身の心理的な負担が伴います。支援がうまくいかない場合、教師が自責の念を抱くことも少なくありません。この課題に対処するためには、教師同士の連携を深め、困難を共有する機会を設けることが有効です。また、教師自身のメンタルヘルスを支えるプログラムの導入も必要です。
  • 保護者との連携不足
    不登校支援では、家庭との協力が欠かせませんが、保護者との意思疎通がうまくいかない場合もあります。この問題に対しては、保護者向けの説明会やワークショップを開催し、不登校に関する知識や対応方法を共有することが効果的です。

3. 社会全体での不登校支援の推進

不登校の問題は学校だけの課題ではなく、社会全体で取り組むべき問題です。山本氏の研究が示すように、再登校を促進するには、学校外のサポートが重要な役割を果たします。以下はその具体例です。

  • 地域コミュニティとの連携
    地域の支援団体やボランティアグループと協力し、児童生徒が学校外で社会とのつながりを持てるよう支援します。たとえば、学習塾や地域活動への参加を奨励することで、児童生徒の孤立感を軽減します。
  • オンライン学習の活用
    学校に通うことが難しい児童生徒に対して、オンライン学習を通じて学びの場を提供します。特に、コロナ禍以降、オンライン教育の可能性が広がっており、不登校支援にも応用できる領域が増えています。
  • 行政による支援の強化
    不登校支援のための予算を増やし、学校が専門的なリソースを利用できるようにすることが求められます。具体的には、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーの配置を進めるべきです。

4. 山本氏の研究が示す未来への展望

山本氏の研究は、不登校支援の新たな可能性を切り開きました。「混乱」と「受容」という視点を活用することで、児童生徒の心理状態をより正確に捉え、適切な支援を提供することが可能になります。この知見を広く普及させることで、教育現場全体の不登校対応能力が向上すると考えられます。


結論として

不登校支援は、多様な要因と長期的な取り組みを要する複雑な課題です。しかし、山本氏の研究が示す知見を活用することで、教師が自信を持って児童生徒を支援するための具体的な手がかりが得られます。教育現場の皆様が、今回の論文紹介を通じて新たなヒントを得られ、児童生徒一人ひとりの成長を支える手助けとなれば幸いです。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

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子どもへの傾聴の意味とは?

子どもへの傾聴の意味と難しさ-記事の見出し画像

目次


不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。不登校のお子さんを抱える保護者の方々にとって、日々の生活の中で「子どもの話をどう聞くか」というのは極めて大きなテーマだと思います。特に、不登校のような状況では、親と子どもの間でのコミュニケーションが希薄になりがちです。「話をしてくれない」「何を考えているかわからない」という声を、私もこれまで何度も耳にしてきました。しかし、だからこそ「傾聴」のスキルが非常に重要となります。

「傾聴」という言葉はよく使われますが、これは単に「耳を傾ける」という行為以上の深い意味を持っています。傾聴の本質は、子どもの言葉に真摯に向き合い、心の中で何が起きているのかを共に理解しようとする姿勢にあります。ここで大切なのは、「受け入れること」と「解決しようとしないこと」です。親として、問題を早く解決してあげたいという気持ちは自然なことです。しかし、傾聴の場では、解決を急がず、ただその瞬間の子どもの感情や考えに寄り添うことが重要なのです。

傾聴が生む信頼関係

傾聴の最大の効果のひとつは、子どもとの間に信頼関係を築くことです。不登校のお子さんにとって、自分の存在や感情が「親にとって重要だ」と感じられる瞬間は非常に貴重です。日々の生活の中で、「どうして学校に行けないの?」といった問いかけが繰り返されると、子どもは自分が問題視されているように感じ、心を閉ざしてしまうことがあります。しかし、「どうしたいと思っているの?」や「最近、どんなことが気になる?」というような、否定や評価を含まない問いかけがあると、少しずつ自分の気持ちを言葉にする勇気が湧いてきます。

これは単に親子関係の改善に留まらず、子どもの内面的な成長にもつながります。自分の気持ちや考えを言葉にするという行為は、対話力や思考力を育む重要なステップです。例えば、「友達と喧嘩したけど、本当は仲直りしたい」「学校に行きたい気持ちと、怖い気持ちが両方ある」といった心情を親に伝えられることで、子ども自身が自分の感情を整理し、前向きな一歩を踏み出すきっかけになるのです。

見過ごされがちな傾聴の価値

多くの方が誤解しているのは、「話を聞いても、何も解決しない」という認識です。確かに、傾聴は直接的な解決策を提示するものではありません。しかし、子どもの内面を理解するための土台を築くプロセスとして、極めて重要です。例えば、子どもが不安を抱えている理由を知ることができれば、その後の対応策を考える際のヒントになります。また、子ども自身が自分の気持ちを言葉にすることで、次第に自己理解を深め、問題解決の糸口を見つけることもあります。

傾聴は、単なる「聞く」ことではなく、親子間の対話の質を高める行為です。これを意識的に実践することで、親子関係に変化が訪れるのは間違いありません。

子どもとの対話のイメージ

子どもへの傾聴が難しい理由

子どもの話を聞くことが重要だと分かっていても、実際に実践するとなると難しさを感じる保護者の方は少なくありません。その背景には、さまざまな心理的・実践的な障壁があります。本章では、特に子どもへの傾聴が難しいとされる理由を、以下の三つの観点から掘り下げて考えていきます。

1. 子どもなりの意見や論理を尊重する必要がある

まず一つ目は、子どもなりの意見や論理を尊重するという点です。親としては、どうしても子どもの言葉が稚拙に思えたり、現実的でないと感じたりすることがあります。「どうしてそんなことを考えるの?」と疑問に思うこともあるでしょう。しかし、子どもの意見を否定したり論破したりすることは、傾聴の本質から外れてしまいます。

子どもが「学校の先生が嫌いだから行きたくない」と言った場合を考えてみましょう。大人から見れば、「先生が嫌いな理由が何なのか」を具体的に聞き出し、その原因を解決すればいいのではないかと思うかもしれません。しかし、このアプローチでは子どもの心に触れることはできません。子どもが本当に伝えたいのは、「自分が感じている違和感や不安を分かってほしい」ということです。そのためには、まず「嫌い」という感情そのものを受け止める必要があります。「嫌だと思うんだね。その気持ち、もう少し教えてくれる?」と問いかけることで、子どもは少しずつ心を開いていきます。

大切なのは、子どもの言葉の背景にある気持ちを理解しようと努めることです。例えその意見が論理的でなくても、そこに至るまでの感情を尊重することで、子どもは「自分の考えを聞いてくれる大人がいる」と感じ、安心感を得ることができます。


2. 親として適切な方向へ育てたいという思い

二つ目の理由は、親としての「正しい方向へ導きたい」という思いの強さです。これは親として当然の感情です。子どもが不登校になったり、社会的なルールから外れる行動を取ったりすると、「このままでは将来が不安だ」という気持ちが強くなるのは無理もありません。そのため、つい「こうすべきだ」「こうあるべきだ」とアドバイスを与えたり、方向性を示したりしたくなります。

しかし、このような指導的なアプローチは、傾聴の場面では逆効果になることがあります。子どもが「もう学校に行かなくてもいい」と言ったとき、親としては「そんなことを言ってはいけない」「学校には行くべきだ」と反論したくなるかもしれません。けれども、こうした言葉は子どもにとって、自分の気持ちが否定されたと感じさせる原因になります。その結果、子どもはさらに心を閉ざし、親との対話を避けるようになるのです。

親の役割は、子どもが安全に自分の気持ちを表現できる環境を整えることです。傾聴の場面では、正解を求めるのではなく、子どもの気持ちや考えに寄り添い、共に考える姿勢を持つことが求められます。


3. 子どもへの甘やかしと混同しやすい

三つ目は、傾聴と甘やかしを混同しやすいという点です。特に日本の文化では、「子どもを厳しく育てることが親の務め」という考えが根強いこともあり、子どもの話を丁寧に聞くことが「甘やかし」だと捉えられることがあります。この認識が、傾聴を実践する上での障壁となることが多いのです。

しかし、傾聴は甘やかしとは根本的に異なります。甘やかしとは、子どもの要求を全て受け入れることや、問題に対して親が代わりに責任を負うことを指します。一方、傾聴は、子どもの気持ちや考えを尊重しつつも、必要な場面では親としての適切なガイドラインを示すことを含みます。例えば、「学校に行きたくない」という言葉を聞いたとき、「行かなくてもいいよ」と安易に答えるのではなく、「そう思うんだね。その理由を教えてもらえる?」と深掘りすることで、子ども自身が自分の考えを整理する手助けをすることができます。

また、甘やかしとの混同を避けるためには、親自身が傾聴の目的を明確に理解することが大切です。傾聴は、子どもの気持ちや考えを受け入れることで、子どもの内面的な成長や自己肯定感を促す行為です。そのため、親が一方的に譲歩するものではなく、子どもの自主性を育むためのプロセスだという意識を持つことが重要です。


傾聴を実践するための具体的な方法

傾聴の重要性を理解していても、「具体的にどうやって実践すればいいのかわからない」というお悩みをよく耳にします。子どもへの傾聴は、大人同士の会話とは異なるスキルを要するため、意識的な準備や練習が必要です。本章では、傾聴を日常で実践するための具体的な方法とポイントについて詳しく解説します。


1. まずは「聞く環境」を整える

傾聴を実践する上で最初に大切なのは、「子どもが安心して話せる環境」を整えることです。環境とは、物理的な空間だけでなく、親子間の心理的な雰囲気も含まれます。以下のような工夫が効果的です。

  • 静かで落ち着ける場所を選ぶ
    テレビやスマホの音が鳴り響くリビングでは、子どもは集中して話すことができません。話を聞くときには、できるだけ静かな場所を選び、子どもと向き合う時間を確保しましょう。
  • 親の態度をフラットに保つ
    子どもが話し始めたとき、驚いたり怒ったりする反応は禁物です。どんな内容でも、「そうなんだね」とまず受け止める姿勢を見せることが大切です。
  • 時間を作る努力をする
    傾聴は、短い時間で済ませるものではありません。忙しい日々の中でも、意識的に子どもと向き合う時間を作ることが必要です。「今ちょっと忙しいから」と話を中断してしまうと、子どもは「自分の話は大したことではないのかもしれない」と感じてしまうことがあります。

2. 子どものペースを尊重する

子どもが話すスピードや内容は、大人にとって物足りなく感じることもあるかもしれません。しかし、傾聴の場では、子どものペースを尊重することが最優先です。子どもが言葉を探しながら話しているときは、焦らずに待つことが大切です。たとえ沈黙が訪れても、それを埋めようとせず、子どもが考える時間を与えましょう。

例えば、子どもが「学校で嫌なことがあった」と話し始めたとします。このとき、「どんなこと?」と急かすのではなく、「そうだったんだね」と応じて、次の言葉を引き出す時間を与えることが効果的です。相手が話すリズムに合わせることで、子どもは「急かされない」「プレッシャーを感じない」と思い、より深い話をしやすくなります。


3. 「聞き方」の技術を身につける

傾聴のスキルには、いくつかの具体的なテクニックがあります。これらを意識的に取り入れることで、子どもとの対話の質が向上します。

  • オウム返し
    子どもが言った言葉をそのまま繰り返すことで、「自分の話がちゃんと聞かれている」と感じてもらうことができます。例えば、子どもが「学校が怖い」と言ったときに、「学校が怖いんだね」と返すことで、相手がさらに深く話すきっかけを作ります。
  • 感情の代弁
    子どもが言葉にしきれない感情を代わりに表現してあげることも有効です。「友達に無視されるのが辛い」と言った場合、「無視されると悲しい気持ちになるよね」と感情に寄り添うことで、子どもが安心感を持ちます。
  • 具体的な質問を避ける
    「どうして?」「なぜ?」といった質問は、子どもにプレッシャーを与えることがあります。代わりに、「そう思ったのはどんなことがあったからかな?」と柔らかく尋ねると、子どもが話しやすくなります。
母と娘の会話のイメージ

4. 親自身の心構えを整える

傾聴を成功させるためには、親自身の心の準備も重要です。特に以下のポイントを意識すると良いでしょう。

  • 完璧を目指さない
    傾聴は一朝一夕で身につくスキルではありません。「子どもの話をきちんと聞けなかった」と感じた日があっても、それに後悔ばかりしないで少しずつ改善していく姿勢が大切です。
  • 自分の感情をコントロールする
    子どもの話を聞く中で、親自身が感情的になってしまうことがあります。しかし、傾聴の場では、親が冷静さを保つことが必要です。もし感情が高ぶってしまった場合は、一度深呼吸をしてから話を続けると良いでしょう。
  • 期待を手放す
    傾聴の目的は、子どもに「正しい答え」を導かせることではありません。子どもが自分の感情を表現できる場を提供することそのものが、大きな成果なのです。話を聞く中で何かを得られなくても、「今日はこれで十分だった」と自分を納得させることが大切です。

傾聴がもたらす変化と効果

傾聴を日常的に実践することで、子ども自身だけでなく、親子関係や家庭全体にもさまざまなポジティブな変化が現れます。この章では、傾聴を通じて得られる具体的な効果を三つの観点からご紹介します。


1. 子どもの自己肯定感の向上

傾聴の最大の恩恵の一つは、子どもの自己肯定感を高めることです。自己肯定感とは、「自分は価値がある存在だ」と感じる力であり、子どもの精神的な安定や社会的な適応能力に直結します。特に、不登校や引きこもりの子どもたちは、自己否定感や孤立感を抱えやすい傾向があります。そのような状況で、親が真剣に話を聞いてくれるだけで、子どもは「自分の存在を認められている」と実感し、自信を取り戻すきっかけとなります。

例えば、子どもが「みんなに嫌われている気がする」と話した場合、親が「そんなことはない」と否定するのではなく、「嫌われていると感じるんだね。その理由、教えてもらえる?」と受け止めるだけで、子どもは「自分の気持ちは価値がある」と感じられます。この感覚の積み重ねが、子どもの自己肯定感を徐々に育てていくのです。


2. 親子の信頼関係の強化

傾聴を続けることで、親子の信頼関係がより深く強固になることが期待されます。不登校や引きこもりの問題を抱える家庭では、親子間のコミュニケーションが断絶されがちです。「どうして学校に行かないの?」と問い詰めたり、「もっと頑張りなさい」と励ましたりするアプローチは、子どもにとってプレッシャーとなり、親子間の距離をさらに広げることがあります。

傾聴を通じて、「親は自分を責めたり否定したりしない」「自分の話をちゃんと聞いてくれる」という安心感を子どもが得られるようになると、親子間の信頼が深まります。この信頼関係は、子どもが困難に直面した際に親に相談しやすくなる土台となります。例えば、学校復帰や社会復帰を目指す際にも、この信頼があることでスムーズに進めることができます。


3. 子どもの問題解決能力の向上

傾聴は、子どもが自分で問題解決する力を育む手助けとなります。親が話を聞いてくれる環境の中で、子どもは自分の気持ちや考えを言葉にし、整理することを学びます。この過程は、子どもが自分で問題を解決するための重要なトレーニングとなります。

例えば、「友達とケンカをしてしまった」と話す子どもに対し、親が解決策を提示するのではなく、「どうしたら仲直りできると思う?」と問いかけることで、子ども自身が行動の選択肢を考え始めます。このように、自分の感情を表現し、それをもとに行動を選ぶ力を育むことが、子どもの成長にとって重要です。


傾聴がもたらす「家庭全体」の変化

傾聴は、子どもや親子関係にとどまらず、家庭全体の雰囲気にも影響を与えます。子どもの話を丁寧に聞くことで、家庭内に「安心感」や「理解のある雰囲気」が生まれます。このような家庭環境は、子どもの精神的な安定に寄与するだけでなく、家族全員のストレスを軽減する効果もあります。

例えば、子どもの傾聴を通じて親自身が「子どもの成長を急がず見守る姿勢」を学ぶことができます。また、兄弟姉妹がいる場合、親が傾聴を実践する姿を見せることで、子どもたち同士のコミュニケーションにも良い影響を及ぼします。

仲の良い兄弟のイメージ

傾聴を妨げる障害とその克服法

傾聴を実践したいと考えていても、日々の生活の中でうまくいかないと感じることがあるかもしれません。これは、私たちが傾聴を妨げるいくつかの要因に直面しているからです。ここでは、傾聴を妨げる具体的な障害を三つに分け、それぞれの克服法について解説します。


1. 親自身の感情のコントロールが難しい

親が子どもの話を聞くとき、自分自身の感情が邪魔をすることがあります。例えば、子どもが「学校なんて意味がない」と言ったとき、親としては「何を言っているの?」とイライラしたり、不安を感じたりしてしまうことがあります。このような感情が出てくると、傾聴の基本である「相手を受け止める姿勢」が崩れてしまいます。

克服法:感情を整理する時間を持つ
まず、自分自身の感情を受け止め、冷静になる時間を作りましょう。子どもが話を始めたときに感情が湧き上がるのを感じたら、「ちょっと待ってね」と一呼吸置くことも大切です。また、日常的に自分の感情をノートに書き出すなどして整理することで、子どもとの対話の場面でも冷静さを保ちやすくなります。


2. 子どもが話すことを避ける

子どもが心を閉ざしてしまい、話したがらないことも傾聴の障害となります。特に、不登校や引きこもりの子どもは、「話をしてもどうせ理解してもらえない」と感じている場合があります。その結果、親がいくら話を聞こうとしても、「別に」「何でもない」と言われてしまうことが少なくありません。

克服法:非言語的なコミュニケーションを活用する
子どもが言葉で話すのが難しいときには、非言語的なコミュニケーションを試してみましょう。一緒に料理をしたり、ゲームをしたりする中で、少しずつ子どもが気持ちを表現しやすい状況を作ることができます。また、言葉を引き出すためにプレッシャーをかけるのではなく、「いつでも話したいときに話していいよ」と伝え、子どもが安心感を持てるようにします。


3. 時間やエネルギーの不足

忙しい日常の中で、子どもの話をじっくり聞く時間やエネルギーが取れないことも、大きな障害となります。仕事や家事に追われる中で、「傾聴したい気持ちはあるけれど余裕がない」と感じる親も多いでしょう。

克服法:短い時間でも質を高める工夫
時間が限られている場合でも、少しの工夫で傾聴の質を高めることができます。例えば、家事をしながら子どもと会話をするのではなく、数分でもいいので子どもと向き合う時間を取るようにしましょう。また、疲れているときは、「今日はちょっと疲れているけど、話を聞きたい気持ちはあるよ」と伝えることで、親の誠実さが伝わります。

傾聴の実践例とその成果

傾聴が具体的にどのように効果をもたらすのか、実際のエピソードを交えてお話ししたいと思います。不登校や引きこもりに悩む家庭の中で、傾聴を通じて親子関係が改善した事例や、子ども自身が変化を見せた事例は数多くあります。これらのエピソードを通じて、傾聴の重要性をさらに深く理解していただければと思います。


1. 「何も言わない」子どもの心が動いた瞬間

小学5年生の男の子A君は、不登校が始まってから親とほとんど会話をしなくなりました。母親が「どうしたの?」と尋ねても、「別に」とそっけない返事ばかり。ある日、母親は「どうせ話しても無駄だ」と諦めかけていましたが、児童心理司として私がアドバイスしたのは「何も言わなくても、子どものそばに寄り添う時間を作る」ことでした。
そこで、A君の母親は毎晩A君の部屋に行き、「今日はこんなことがあったよ」と自分の日常を一方的に話す時間を取りました。そして、最後に「あなたの話もいつか聞けたら嬉しいな」とだけ伝えるのを続けました。1か月後、A君が初めて自分から「今日はゲームでこんなに強い敵を倒した」と話し始めたそうです。それを聞いた母親は涙が出るほど嬉しかったと言います。

このエピソードが示しているのは、子どもが話さないときでも親が根気よく安心感を提供し続けることが重要であるということです。「話さない=拒絶」ではなく、子どもにとっては「まだ心の準備ができていない」だけの場合が多いのです。


2. 傾聴がもたらした親子の信頼関係の再構築

中学2年生の女の子Bさんは、学校でのいじめが原因で引きこもり状態に陥っていました。母親はBさんの状況を心配し、「学校に相談したほうがいいんじゃない?」と提案しましたが、Bさんは「そんなことされたら余計に辛い」と怒りをあらわにしました。この時、母親は自分の行動が「子どものためにならない」と感じ、私に相談に来られました。
私は母親に、「まずはBさんが何を考えているのかを徹底的に聞くことに集中しましょう」と提案しました。具体的には、Bさんが自分の部屋から出てきたタイミングで「どうしてそんなに学校が嫌なのか教えてほしいな」と穏やかに話しかけてもらいました。最初は無視されたそうですが、何度か同じことを続けるうちに、Bさんがポツリと「学校が怖い」と言ったそうです。
その言葉を聞いた母親は、「怖いと思うんだね」と繰り返し、それ以上は聞かずにその場を終えました。それから少しずつ、Bさんは学校での出来事や気持ちを話すようになり、半年後には母親と一緒に学校のカウンセラーと相談することに前向きになったのです。

このケースでは、親が解決策を急がず、子どもの感情に寄り添うことが、子ども自身が行動を起こすきっかけとなった好例です。


3. 傾聴を通じて子どもが自分を見つめ直した例

高校1年生のC君は、成績優秀で生徒会長を務めていましたが、ある日突然登校を拒否しました。親は「何があったの?」と詰問しましたが、C君は「疲れた」とだけ言って部屋に閉じこもりました。親としては、学校に行くことが大切だと感じ、C君に「これ以上休んだら取り返しがつかなくなるよ」と説得を試みましたが、逆効果でした。
そこで、私が提案したのは、C君の「疲れた」という言葉を深く掘り下げるための傾聴です。母親はC君に「どうしてそんなに疲れているのかな?」と優しく尋ねるようにしました。最初は「別に」とかわされましたが、「本当に辛いときは話してね」と繰り返し伝えることで、C君が「自分の気持ちを受け入れられる場所がある」と感じ始めました。
1か月後、C君は初めて「もう何も頑張りたくない」と本音を話しました。母親はそれを受け止め、「頑張らなくていいんだよ」と伝えると、C君は涙を流しながら「そう言ってくれてありがとう」と言いました。その後、C君は徐々に自分のペースで日常を取り戻していきました。

このエピソードが示すのは、傾聴は子どもが自分の本音に気づき、受け入れるプロセスを促進する力を持つということです。


最後に:傾聴を続ける価値

ここまで述べてきた通り、傾聴は子どもの心に寄り添い、信頼関係を築き、自分自身の力で前に進むきっかけを作るための強力な手段です。しかし、それは簡単なことではありません。親自身が感情をコントロールし、時間を作り、忍耐強く続ける必要があります。

大切なのは、「完璧を目指さない」ことです。上手に聞けない日があっても、気に病まずに、次の日からまた続ければいいのです。傾聴は一瞬で効果が出るものではなく、小さな積み重ねによって、いつか大きな変化をもたらします。

どうか、今日もお子さんの気持ちに耳を傾ける時間を作ってみてください。たとえ小さな一言でも、それが親子の絆を深める大きな一歩となるのです。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

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不登校に繋がりやすい学校要因とは?

不登校に繋がりやすい学校要因と、不登校になりにくい子どもの特徴の見出し画像

目次


児童心理司の藤原と申します。不登校や引きこもりといった問題に取り組む専門家として、これまで多くの親御さんやお子さんたちと向き合ってきました。この文章では、不登校の子どもたちが抱える問題を文部科学省の調査データをもとに整理し、家庭で実施可能な支援策を具体的に述べていきます。

参考資料:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(文部科学省)


第一章:不登校の現状と統計から見える実態

日本における不登校の問題は年々深刻さを増しており、子どもたち一人ひとりの心の健康だけでなく、家族全体にも大きな影響を与えています。文部科学省が公表した令和5年度の調査結果によれば、不登校の児童生徒数は346,482人にのぼり、前年の299,048人から約15.9%増加しました。これは、少子化が進む中で11年連続の増加となり、過去最多を記録しています。

不登校児童数の推移

1. 不登校の増加傾向と長期欠席の現状

文部科学省の調査では、小中学校の全児童生徒数に対する不登校児童生徒の割合は3.7%に達しています。この割合は10年前の約2倍に相当し、不登校は学校生活における一般的な問題として顕在化していることを示唆しています。さらに、欠席日数が90日以上の児童生徒が全体の55%を占めており、一度不登校になると長期間にわたって登校しない傾向が強いことがわかります。

このような長期欠席の増加には、以下のような背景が挙げられます。

  • 「学校生活に対してやる気が出ない」(32.2%)という相談が最多であり、心理的な要因が深く関与しています。
  • 「不安・抑うつ」(23.1%)、「生活リズムの不調」(23.0%)も大きな割合を占めており、心身の健康状態が不登校に密接に関連していることが浮き彫りになっています。

2. 学年別および年齢層による不登校の分布

学年別のデータによると、不登校児童生徒数は小学校低学年から中学校にかけて徐々に増加し、中学2年生から3年生でピークを迎えます。特に中学2年生では、学業や友人関係におけるプレッシャーが重なることで、不登校のリスクが高まることが特徴的です。

具体的な数字としては、以下のような傾向が見られます。

  • 小学校6年生の不登校児童生徒数:36,588人
  • 中学校1年生の不登校児童生徒数:58,035人
  • 中学校3年生の不登校児童生徒数:80,309人

この学年ごとの増加は、子どもたちが成長とともに直面する課題の多様化や深刻化を反映しています。

3. 不登校に関連する主要要因

文部科学省の調査では、不登校に至る要因として多岐にわたる項目が挙げられています。その中でも主な要因を以下に整理します。

  • 心理的・身体的な問題
     不登校児童の多くが「学校生活にやる気が出ない」(32.2%)、「不安・抑うつ」(23.1%)を理由に挙げており、心理的負担が大きな要因となっています。また、生活リズムの乱れ(23.0%)が子どもの心身の健康に悪影響を及ぼしているケースも目立ちます。
  • 対人関係の問題
     いじめを原因とする不登校は全体の1.3%と割合は低いものの、友人関係のトラブルが13.3%を占めています。特に思春期の子どもにとって、友人との関係は学校生活の充実度に直結しており、この問題を放置すると不登校に繋がる可能性が高まります。
  • 学業のプレッシャー
     「学業の不振や宿題の未提出」(15.2%)も挙げられており、学業に対するストレスが子どもたちに与える影響が顕著です。特に、中学校に進学すると授業内容が難しくなることから、学習への不安が増加する傾向があります。

4. 学校外の支援状況

不登校の子どもたちのうち61.2%が学校内外の専門的な相談・指導を受けています。学校外の支援機関(教育支援センターやカウンセラーなど)を利用しているケースも多く、学校や家庭だけで対応できない問題に対して外部の専門家が重要な役割を果たしています。

ただし、38.8%の不登校児童生徒は十分な支援を受けられていない現状も明らかです。特に、担任や学校スタッフからの継続的なサポートが不足している場合、子どもが孤立しやすくなるため、早期の対応が求められます。

5. 不登校の地域差

調査結果からは、不登校児童生徒数には地域差があることも示されています。1,000人当たりの不登校児童生徒数が最も多い地域では40人を超え、全国平均の37.2人を上回る結果が出ています。地域によって教育環境や支援体制に差があることが、このような結果に繋がっていると考えられます。

都道府県別の不登校児童生徒数

6. データから見える現代社会の影響

令和5年度調査では、新型コロナウイルス感染症の影響が減少した一方で、不登校の増加が続いていることが指摘されています。コロナ禍で一旦減少したいじめ件数が再び増加傾向にあることも、不登校に影響している可能性があります。さらに、SNSやネット上の問題が増え、学校外でのストレスが子どもたちに影響を与えていることも見逃せません。


不登校の現状をデータから分析すると、不登校という現象が単なる学業の問題ではなく、心理的・社会的な要因が複雑に絡み合った結果であることが明らかです。親御さんがこれらの背景を理解することで、早期に適切な支援を行い、子どもたちが自分自身のペースで再び学校生活に向き合えるよう手助けをすることができます。

第二章:不登校の要因を分類する—4象限モデルの活用

不登校という現象は、単一の原因ではなく、家庭環境、学校環境、子どもの性格、社会的背景など、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じることが、文部科学省の調査結果からも明らかです。この章では、不登校を引き起こす要因を体系的に理解するため、文部科学省の調査データを元に、学校要因と生徒の特徴を軸とした「4象限モデル」を用いて分析します。このモデルを活用することで、不登校に繋がる要因と、それに対する具体的な支援策を明確にすることができます。

1. 4象限モデルの概要

4象限モデルは、不登校を引き起こす要因を以下の2軸で分類します。

学校要因:不登校に繋がりやすい学校関連の要因と、影響しにくい学校関連の要因
生徒要因:不登校になりやすい生徒の特徴と、不登校になりにくい生徒の特徴
このモデルによって、学校環境や生徒の個別性がどのように不登校リスクに影響を与えるのかを視覚的に整理することが可能です。

不登校児童生徒について把握した事実

2. 4象限モデル

以下に、不登校に関連する学校要因と生徒の特徴を分類した4象限モデルを示します。

要因\特徴不登校になりやすい生徒の特徴不登校になりにくい生徒の特徴
不登校に繋がりやすい学校要因– いじめ被害や友人関係のトラブル(友人関係に関する相談:13.3%)
– 教職員との信頼関係の欠如
– 学校生活への意欲喪失(32.2%)
– 信頼できる教職員が存在する
– 部活動や特別活動を通じた居場所がある
– 学校内で「安心できる空間」が提供されている
不登校には影響しにくい学校要因– 教材や授業内容の難易度が適切でない
– 学業成績の一時的な低迷
– 課外活動への強制参加

3. 象限別の詳細分析

(1) 不登校に繋がりやすい学校要因 × 不登校になりやすい生徒の特徴

この象限では、学校環境の課題が生徒の心理的・性格的な脆弱性と重なることで、不登校リスクが高まります。

主な要因:いじめ、友人関係のトラブル
 文部科学省のデータによれば、友人関係の問題に関連した相談が13.3%を占めています。特に、学校内でのいじめや孤立は、不登校を直接的に引き起こす要因として顕著です。この場合、学校側が問題を早期に発見し、解決する取り組みが欠かせません。
主な支援策:学校と家庭の連携
 学校でのトラブルは、家庭だけで解決することが難しいため、担任やスクールカウンセラーと密に連携を取ることが重要です。また、子どもが学校で感じる不安を家庭で受け止め、「安心して相談できる場所」を提供することも必要です。

(2) 不登校に繋がりやすい学校要因 × 不登校になりにくい生徒の特徴

この象限では、学校環境に課題があっても、生徒が適応力や問題解決能力を持っている場合、不登校のリスクは低下します。

主な要因:教職員との信頼関係の欠如
 調査結果から、教職員との良好な関係は、生徒が学校生活を継続するための重要な要素であることが分かっています。一方、信頼できる教職員がいない場合、生徒のストレスが増大し、不登校に繋がるリスクが高まります。
主な支援策:子どもの自己肯定感を育む
 親が子どもに対して「あなたは大切な存在だ」と伝え続けることで、自己肯定感を育むことができます。また、学校外での活動を通じて成功体験を得ることが、不登校の予防に繋がります。

(3) 不登校には影響しにくい学校要因 × 不登校になりやすい生徒の特徴

学校環境が比較的良好であっても、生徒の個人的な要因が原因で不登校になるケースがあります。この象限では、家庭内での支援が重要な役割を果たします。

主な要因:自己肯定感の低さ、不安や抑うつ
 文部科学省の調査では、不安や抑うつを抱える子どもが23.1%を占めています。これらは、学校環境とは関係なく生徒自身の内面的な要因に起因することが多いです。
主な支援策:感情を引き出すコミュニケーション
 子どもが自分の気持ちを話せる環境を家庭内に整えることが重要です。親が「どう感じたのか?」と問いかけることで、子どもが自分の感情を認識し、適切に対処できるようサポートします。

4象限モデルの意義と実践的活用

この4象限モデルを活用することで、不登校の要因を体系的に整理し、それぞれの象限に対応した適切な支援策を考えることができます。親御さんがこのモデルを理解し、学校や家庭での役割を把握することで、子どもたちが抱える問題をより効果的に解決できる可能性が広がります。

第三章:不登校を防ぐための家庭での具体的な支援策

不登校は、ある日突然起きるのではなく、さまざまなサインや背景を持って現れることが多いです。そのため、親御さんが日々の生活の中で子どもの変化に気づき、適切な対応を取ることが、未然防止や早期解決の鍵となります。この章では、家庭内で実践できる具体的な支援策を5つ解説します。

笑顔の生徒たち

1. 日常生活の中で子どもの変化に気づく方法

不登校の兆候を早期に察知するためには、子どもの日常生活に目を配り、普段と異なる様子をキャッチすることが大切です。具体的には以下のような観察ポイントがあります。

  • 学校の話題に対する反応
     子どもが学校の話題を避けるようになったり、友人や先生について話すことを嫌がる場合、学校での困難が背景にある可能性があります。親が学校生活に興味を持ち、自然な形で質問することで、子どもの気持ちを引き出す手助けができます。
  • 生活習慣の変化
     朝起きるのが遅くなったり、夜更かしが増えるなど生活リズムが乱れることは、不登校の前兆の一つです。特に、朝に体調不良を訴える場合、心理的ストレスが影響していることがあります。
  • 情緒や態度の変化
     以前は明るく元気だった子どもが無気力になったり、些細なことで怒りやすくなる場合、心の中に抱えている不安やストレスの表れかもしれません。このような変化に気づいたら、「何か気になることがあるの?」と優しく問いかけることが重要です。

2. 親子の信頼関係を深めるコミュニケーション

子どもが抱える悩みを打ち明けるには、親との信頼関係が欠かせません。親子のコミュニケーションを改善し、信頼関係を深めるためのポイントを以下に示します。

  • 子どもに寄り添う態度を持つ
     親が「あなたの気持ちを理解したい」という姿勢を示すことで、子どもは安心感を覚えます。たとえば、子どもが話している最中に否定や指摘をせず、「そう感じたんだね」と共感することを意識しましょう。
  • オープンな質問を心がける
     「今日どうだった?」などのオープンな質問をすることで、子どもが自由に答えやすくなります。一方で、「学校は楽しかった?」といった質問は「楽しくなければいけない」とプレッシャーを感じさせる場合があるため注意が必要です。
  • 親自身が安心感を示す
     親が過度に焦ったり、不安をあらわにすると、その感情が子どもに伝わってしまいます。たとえ心配な状況でも、親が冷静でいることが、子どもに安心感を与える要素となります。

3. 生活リズムを整える取り組み

不規則な生活リズムは、心身の健康に影響を及ぼし、不登校のリスクを高めます。特に、小中学生の子どもにとって、規則正しい生活は精神的な安定を保つ基盤となります。

  • 朝の習慣づくり
     毎朝決まった時間に起床することを習慣化するためには、家族全体で取り組むことが効果的です。親も一緒に早起きし、朝食を一緒に取ることで、子どもが自然に朝型生活を送れるようになります。
  • 睡眠環境の整備
     夜更かしを防ぐために、寝室の環境を整えましょう。特に、寝る直前のスマートフォンやタブレットの使用を控え、代わりに読書や音楽鑑賞など、リラックスできる活動を勧めると良いでしょう。
  • 適度な運動の促進
     日中に適度な運動をすることで、夜の睡眠の質が向上します。公園での散歩や一緒にストレッチをする時間を作るなど、親子で楽しめる活動を取り入れることが効果的です。

4. 自己肯定感を高める工夫

自己肯定感が低い子どもは、失敗を恐れ、不登校に繋がりやすい傾向があります。自己肯定感を育むために、親ができる取り組みを以下に示します。

  • 日々の小さな成功を褒める
     「宿題を全部終えた」「自分で準備ができた」など、日常生活の中で子どもが達成したことに目を向け、「すごいね」「よく頑張ったね」と具体的に褒めましょう。小さな成功を積み重ねることで、子どもの自信が育ちます。
  • 失敗を責めない
     失敗に対して否定的な態度を取ると、子どもは挑戦する意欲を失います。「どうすれば次はうまくいくかな?」と一緒に解決策を考えることで、前向きな姿勢を育むことができます。
  • 子ども自身の意見を尊重する
     子どもが自分で決定したことに対して親がサポートすることで、自分で考え、行動する力を育てられます。たとえば、「今度の休みは何をしたい?」と子どもに選択肢を与え、自主性を尊重する姿勢を見せましょう。

5. 家庭内での「居場所づくり」

家庭が子どもにとって安心できる場所であることが、不登校の予防において非常に重要です。

  • 共に過ごす時間を増やす
     家族で食卓を囲む時間を大切にするなど、一緒に過ごす時間を意識的に増やしましょう。このとき、テレビやスマートフォンを一時的に手放し、会話に集中することがポイントです。
  • 趣味や興味をサポートする
     子どもの趣味や興味を尊重し、共に楽しむ時間を作ることで、子どもが「自分は大切にされている」と感じられるようになります。

最後に

不登校を防ぐためには、子どもの小さな変化に気づき、家庭内で適切に支援することが不可欠です。是非、以下のポイントを心に留めて活用してください。

  1. 子どもの変化に敏感になり、早期に兆候を察知する。
  2. 親子の信頼関係を深め、安心感を与えるコミュニケーションを心がける。
  3. 規則正しい生活リズムを家庭全体で作り上げる。
  4. 子どもの成功体験を増やし、自己肯定感を高める。
  5. 家庭を子どもにとっての「居場所」として機能させる。

親御さんが日々の暮らしの中でこれらを実践することで、子どもの心の安定と成長を支え、不登校を未然に防ぐ大きな力となるでしょう。焦らず、少しずつ取り組んでいくことが大切です。


ToCo(トーコ)について

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学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
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自信のない子どもと不登校の関係は?

自信のない子どもの不登校-記事の見出し画像

目次


はじめに

不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。私はこれまで、多くの不登校や引きこもりに悩む子どもたち、そしてその親御さんたちと接してきました。この問題に直面しているご家庭は、決して少なくありません。お子さんが学校に行けない状況が続くと、親御さんは「何が原因なのだろう」「どうすればまた学校に行けるのだろう」と頭を抱え、場合によっては自分を責めてしまうこともあります。ですが、まず初めにお伝えしたいのは、不登校は決して親御さんだけの責任ではないということです。

今回の随筆では、不登校の背景にある「自信の問題」について焦点を当てながら、親御さんがどのようにお子さんと向き合い、支えることができるかを考えていきたいと思います。なぜ自信を失うと学校に行けなくなるのか、そしてその「自信のなさ」がどのように形成されるのか。それを知ることは、お子さんの気持ちを理解する第一歩となります。

自信のない子どもの特徴必要な対処
周囲からの評価に敏感で、些細な失敗や批判を過剰に気にする。自分を「劣っている」と思い込みがち。否定せず、子どもの感情を受け止める。小さな努力や成功を褒めて、安心感を与える。
他人と自分を頻繁に比較し、「自分には価値がない」と感じる。学校生活や友人関係で孤立を深めやすい。比較ではなく、子どもの個性や得意なことに注目する。家庭内で「そのままの自分でいい」と感じられる言葉をかける。
何事にも挑戦を避ける傾向があり、「どうせ失敗する」と考え、行動力が低下している。子どもが興味を持つことや好きなことを応援し、小さな成功体験を積ませる。プレッシャーをかけず、挑戦をサポートする。
自己否定的な思考が強く、「自分なんてどうでもいい」「家族の迷惑になっている」と思いがち。親が子どもに「あなたの存在が大切だ」と伝える。日常の中で無条件の愛情を示し、親子の信頼関係を深める努力をする。
孤独感を抱えており、「誰にも理解されない」と感じることが多い。心を閉ざしがちで、話す機会や意欲を失っている。子どもの話を否定せず傾聴する。話しやすい環境を整え、無理に答えを求めず、安心して話せる時間を作る。

第1章:子どもの自信とは何か

「自信」という言葉を聞いたとき、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか。明るく、積極的で、何事にも挑戦することを恐れない、そんな姿が思い浮かぶかもしれません。しかし、ここでお伝えしたいのは、「自信」とは決して目立つ行動や結果のことではないということです。むしろ、自信とは、自分を大切に思う気持ち、すなわち「自己肯定感」の土台の上に成り立つものです。

自信を持つということは、「自分には価値がある」「自分はこの世にいていい存在だ」と感じられることです。一方で、自信を失うと、「自分は何をやってもダメだ」「自分なんてどうでもいい存在だ」と思い込んでしまいます。このような心の状態に陥った子どもは、周囲の評価や出来事に対して非常に傷つきやすくなります。例えば、クラスで失敗をしたり、友達から何気ない一言を言われただけで、「やっぱり自分が悪いのだ」と感じてしまいがちです。こうした思考の積み重ねが、次第に学校そのものを拒絶する原因となるのです。

ある小学生の男の子が、こんなことを言っていました。「僕は学校に行くのが怖い。みんなが僕を笑っている気がするし、何か失敗したらまた怒られるから」。彼の言葉から伝わってくるのは、自分への強い不信感です。「どうせ僕なんて」と自分を否定する思いが、自信のなさをさらに深め、不登校という形で表れているのです。

子どもが自信を失う背景

では、子どもがなぜ自信を失ってしまうのでしょうか。それには、いくつかの原因が考えられます。大きな要因の一つは、「自己否定的な経験の積み重ね」です。例えば、学校生活の中でテストの点数が思うように取れなかったり、運動が苦手で体育の授業で目立ってしまったり、友達とうまく話せず孤立してしまったりすることがあります。これらの経験が繰り返されると、子どもは「自分はできない」「自分には価値がない」と思い込むようになります。

また、家庭環境も重要な要素です。親御さんが子どもを褒める機会が少なく、何気なく口にした否定的な言葉が子どもの心に深く刻まれることがあります。例えば、「どうしてこんなこともできないの?」「もっと頑張りなさい」という言葉は、親御さんの愛情の裏返しである場合が多いですが、受け取る側の子どもにとっては「自分はダメなんだ」と感じる原因になることがあります。

さらに、現代の子どもたちが置かれている環境も一因です。SNSなどを通じて、他人と自分を比較する機会が増えています。「あの子はこんなに優秀なのに、自分は何もできない」と感じ、自己否定を繰り返す子どもたちも少なくありません。こうした環境の中で、子どもたちが自信を失っていくプロセスは、親御さんが想像する以上に複雑で深刻なものです。

人間関係が自信を揺るがす要因

不登校の背景にある問題として、人間関係が大きな割合を占めています。学校という場所は、子どもたちにとって社会の縮図のような場です。そこでは友達とのつながりや、教師との関係性が日々の生活に大きな影響を与えます。しかし、子どもが自分に自信を持てない状態でいると、この人間関係の中で傷つきやすくなり、不登校につながるケースが少なくありません。

例えば、ある中学生の女の子が「友達の輪に入れない」と相談してきたことがありました。彼女は非常に繊細で、友達が楽しそうに話している中に自分が加わると、「私が入るとみんながつまらなくなってしまうのではないか」と感じてしまいます。その結果、自分から話しかけることを避け、友達からも「話したくないのかもしれない」と誤解され、次第に孤立してしまいました。こうした誤解や行き違いが積み重なり、彼女は「どうせ自分は誰からも必要とされていない」と考えるようになり、学校に行くことをやめてしまいました。

学校生活では、他者との比較が避けられない場面がほとんどです。「勉強ができる子」「運動が得意な子」といったクラス内での評価軸が自然と生まれる中で、子どもたちは「自分はその軸において劣っている」と感じることがあります。例えば、体育の時間に苦手な運動をクラス全員の前で披露しなければならない場面があると、「みんなはできるのに、どうして自分だけできないんだろう」と思い、深い恥ずかしさや自己嫌悪を抱いてしまうことがあります。

さらに、子どもたちは大人よりも他人の視線や評価に敏感です。「友達にどう思われているのか」「自分はこの集団の中でどんな存在なのか」といった不安を常に抱えながら生活しています。この不安が過剰になると、ちょっとした言葉や態度で深く傷つき、「自分はここにいてはいけない存在だ」と思い込むこともあります。このような気持ちの積み重ねが、最終的に学校に足を運ぶことを避けるきっかけとなるのです。

親が果たすべき役割:自信を育む言葉と態度

人間関係の問題が子どもの不登校の大きな要因であるとすれば、親としてどのように子どもに働きかけることができるのでしょうか。ここで鍵となるのは、「そのままの子どもを認める」という親の姿勢です。

まず重要なのは、子どもがどんな状況でも「無条件で愛されている」と感じられる環境を作ることです。不登校の子どもたちと話していると、「親に申し訳ない」「自分は家族の迷惑になっている」と感じているケースが非常に多いです。このような感情が、さらに自分を追い詰める原因となります。ですから、親御さんが「学校に行けないあなたでも大丈夫」「あなたはそのままで価値がある」と伝えることが、子どもの心を軽くする第一歩となります。

例えば、子どもが学校に行けずに家で過ごしているとき、親御さんが「どうして学校に行かないの?」と問い詰めるのではなく、「今日はどんなことをして過ごしたの?」と穏やかに話しかけるだけで、子どもは安心感を得ることができます。親が子どもの行動や選択を批判するのではなく、受け入れる姿勢を見せることで、子どもは「自分はここにいていい」と感じられるようになるのです。

また、日常の中で子どもを褒める機会を意識的に増やすことも大切です。例えば、子どもが料理を手伝ってくれたとき、「上手にできたね、ありがとう」と声をかけることで、「自分は役に立っている」という感覚を育むことができます。このような些細なやりとりが、子どもの自己肯定感を支える重要な要素となります。

ただし、ここで注意したいのは、「褒める」ことが子どもにプレッシャーを与えないようにすることです。例えば、成績が良かったときに「次も頑張って」と言うと、子どもは「頑張らなければ認められない」と感じることがあります。そうではなく、「よく頑張ったね」とその時点での努力を認める言葉がけを心がけましょう。

第2章:家庭環境が子どもの自信に与える影響

家庭は、子どもが最も長い時間を過ごす場所であり、親は子どもにとって最も近い存在です。そのため、家庭環境は子どもの自己肯定感や自信に直接的な影響を与えます。ここでは、家庭の在り方がどのように子どもの心に影響を及ぼすのか、そして親が具体的にどのように対応できるのかを考えていきます。

子どもが自己否定を感じる家庭環境とは

私がこれまで関わってきた不登校の子どもたちの中には、「家の中ではいつも否定されているように感じる」と語る子が少なくありません。もちろん、親御さんは決して悪意を持ってそうしているわけではなく、むしろ子どもに良かれと思って言ったことが、子どもには違う形で伝わってしまうことがあります。

例えば、次のような言葉は、親としては子どもの成長を願う一心で発したものであっても、子どもにとってはプレッシャーや否定と受け取られる場合があります。

  • 「どうしてこんな簡単なこともできないの?」
  • 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)はもっと頑張っていたよ」
  • 「学校に行かないで家にいるなんて情けない」

このような言葉を聞くたびに、子どもは「自分はダメな存在だ」「自分には価値がない」と感じるようになります。特に、「他人と比較される」ことは子どもの自己否定を深める大きな要因です。「自分は誰かより劣っている」という意識が植え付けられると、子どもは何をするにも「どうせ自分はダメだ」という思考に囚われるようになります。

また、家庭内で親が忙しさやストレスから子どもとのコミュニケーションを取る時間が減ると、子どもは「自分は親にとって重要ではないのかもしれない」と感じることがあります。親が一生懸命働いて家族を支えていることは子どもも理解していますが、それでも「自分が受け入れられていない」と感じる環境は、子どもにとって深い孤独感を生む要因となります。

自信を育む家庭環境を作るために

では、親としてどのような家庭環境を作れば、子どもの自信を育むことができるのでしょうか。ここで重要なのは、「子どもが自分は大切にされている」と感じられるような接し方を心がけることです。以下に、実践的な方法をいくつか挙げます。

1. ありのままの子どもを受け入れる

子どもが失敗したり、間違えたりしたときに、それを責めるのではなく受け入れる姿勢を見せることが大切です。例えば、テストの点数が悪かったとき、「なんでこんな点数なの?」と責めるのではなく、「次はどうすれば良くなるか一緒に考えよう」と建設的な話し合いをすることで、子どもは「自分の努力を認めてもらえている」と感じます。

2. 比較ではなく、その子自身を見つめる

兄弟姉妹や同級生と子どもを比較するのではなく、子ども自身の成長に目を向けることが重要です。例えば、「あなたは〇〇が得意だね」とその子の長所に焦点を当てることで、「自分には良いところがある」と思えるようになります。

3. 子どもの話をしっかり聞く

忙しい日々の中でも、子どもの話に耳を傾ける時間を作ることは、子どもが「自分は親にとって重要な存在だ」と感じるために必要不可欠です。たとえ短い時間でも、テレビやスマートフォンを一旦手放して、子どもの目を見て話を聞くことが効果的です。

4. 肯定的なフィードバックを与える

子どもが何かに挑戦したり、小さな成功を収めたときには、「すごいね」「よく頑張ったね」と肯定的なフィードバックを与えましょう。このような言葉をかけることで、子どもは自分の行動に自信を持てるようになります。

5. 家庭内で安心できる雰囲気を作る

家庭は子どもにとって「安全基地」であるべき場所です。親が子どもの存在を否定せず、安心して過ごせる雰囲気を作ることが、子どもの心を支える土台となります。


第3章:親子の対話が育む「自信」:具体的なコミュニケーション方法

不登校の子どもが自分を否定する気持ちから抜け出し、自信を少しずつ取り戻すには、親子の対話が非常に重要です。ここでは、具体的にどのように子どもと向き合い、対話を深めていけばよいのかを、実例を交えて考えていきます。

対話の基本:否定せず、受け止める

不登校の子どもとの会話で最も大切なのは、「否定しない」ことです。子どもは学校に行けない自分をすでに責めている場合が多く、そこにさらに親からの否定的な言葉が重なると、心の逃げ場を失ってしまいます。子どもにとって、親は最後の味方であってほしいのです。

例えば、こんな会話を想像してみてください。

子ども:「学校に行きたくない。」
親:「なんで行かないの?そんなことじゃダメだよ。」

この親の言葉には、愛情が含まれているかもしれませんが、子どもにとっては「自分の気持ちを否定された」と感じる可能性が高いです。子どもは、親が自分の本音を理解してくれないと感じると、心を閉ざしてしまいます。

一方で、次のような対応を取るとどうでしょうか。

子ども:「学校に行きたくない。」
親:「そうか。学校が嫌だと思うくらい辛いんだね。」

この言葉には、子どもの感情をそのまま受け止める姿勢が含まれています。親が否定せずに子どもの言葉をそのまま受け止めることで、子どもは「自分の気持ちは大丈夫なんだ」「この人は話を聞いてくれる」と感じ、次の言葉を話しやすくなります。こうした小さな積み重ねが、子どもとの信頼関係を深め、自信を回復する土台となるのです。


傾聴の力:子どもの言葉を引き出す

不登校の子どもたちと接する中で感じるのは、彼らが自分の気持ちを言葉にすることの難しさです。彼らは「どうせ話しても分かってもらえない」と思っていたり、「自分の気持ちをどう表現すればいいのか分からない」と感じていたりします。そのため、親としては、子どもの言葉を引き出すための工夫が必要です。

1. 子どものペースに合わせる

子どもが何かを話し始めたら、途中で口を挟まず、最後まで聞くことを心がけましょう。例えば、子どもが「友達に嫌なことを言われた」と話したとき、すぐに「どんなこと?それでどうしたの?」と矢継ぎ早に質問すると、子どもはプレッシャーを感じてしまうことがあります。子どもの話のペースに合わせ、「そっか、それは嫌だったね」と共感を示すだけでも十分です。

2. 言葉に詰まったときは手助けをする

子どもが自分の気持ちを言葉にできないとき、「それって悲しい気持ちだった?それとも怒りの方が強かった?」といった具合に、いくつかの選択肢を与えることで、子どもの感情を整理する手助けができます。無理に言葉を引き出そうとせず、「話したいときに話してくれていいよ」と伝えることで、安心感を与えることも大切です。

3. 身近な話題から始める

「学校のことは話したくない」と感じている子どもには、まず日常の些細な話題から会話を始めるとよいでしょう。例えば、「今日は何時に起きたの?」「最近、好きなアニメとかある?」といった軽い質問がきっかけで、少しずつ心を開いてくれることがあります。子どもが安心して話せる場を作ることが、深い話題に進むための第一歩です。


③「解決」を急がない姿勢の重要性

親は子どもの不登校を「何とかしなければ」と考えがちです。それ自体は親として自然な感情ですが、解決を急ぐあまり、子どもに「早く学校に戻ることが正しい」とプレッシャーをかけてしまうことがあります。不登校の解決には、何よりも時間が必要です。焦らずに子どもを見守り、ゆっくりと変化を待つ姿勢を持つことが大切です。

例えば、ある中学生の男の子は、親が「いつになったら学校に行けるの?」と毎日尋ねてくることが負担になり、部屋に閉じこもってしまいました。しかし、親が「学校のことは気にしなくていいから、まずは一緒にご飯を食べよう」と声をかけるようになってから、少しずつリビングに出てくるようになりました。このケースでは、親が「学校に行くこと」ではなく「家庭内での安心感」を優先したことが功を奏したのです。


このように、親子の対話は子どもが自信を回復するための重要な鍵です。否定せずに受け止め、子どものペースに合わせて話を聞くことで、子どもは「自分の気持ちは大丈夫なんだ」と感じられるようになります。解決を急がず、子どもが話しやすい環境を作ることが、不登校という問題を乗り越える第一歩となります。

第4章:不登校期間中に家庭でできる具体的な取り組み

不登校の子どもにとって、家庭は最も安心できる場所であると同時に、自分を取り戻すための再出発の場でもあります。不登校期間中、親としてどのように家庭で子どもと向き合い、サポートを続けていけばよいのでしょうか。この章では、不登校期間中に家庭で実践できる具体的な取り組みについて詳しくお伝えします。


日常生活のリズムを整える

不登校が続くと、子どもが夜更かしをしたり昼夜逆転の生活に陥ったりすることがあります。しかし、生活リズムの乱れは、心身の健康に影響を及ぼすだけでなく、気持ちの不安定さを助長することがあります。家庭でまず心がけるべきは、無理のない範囲で日常生活のリズムを整えることです。

例えば、朝起きる時間を親が少しずつ調整していくことで、自然と朝型の生活へと戻していくことができます。ただし、「明日から早起きしなさい」というように一気に変えようとするのは逆効果です。子ども自身のペースを尊重しながら、「今日は昨日より30分だけ早く起きてみよう」と小さな目標を立てると良いでしょう。また、朝起きたときに「おはよう」と笑顔で声をかけることも、子どもの気持ちにポジティブな影響を与えます。

さらに、朝食や昼食を一緒に取ることは、親子のつながりを感じられる大切な時間です。食事の場をリラックスした雰囲気に保ち、学校や将来の話題を避けながら、子どもの好きな話題で会話を楽しむことで、家庭が安心できる居場所となります。


子どもが好きなことを応援する

不登校期間中、子どもが何か好きなことや興味を持つことに集中できる時間を与えることは、自己肯定感を回復させる上で非常に効果的です。「学校に行かないのだから勉強をしなければ」というプレッシャーをかけるよりも、まずは子どもが心から楽しめる活動を見つけ、それを応援する姿勢を持ちましょう。

例えば、ゲームやアニメが好きな子どもに対して、「そんなことばかりしていてはいけない」と否定するのではなく、「どんなところが面白いの?」と興味を持って話を聞いてみるのも一つの方法です。こうした会話の中で、子どもの趣味や興味を共有することで、親子の絆が深まり、子どもは「自分が好きなことを親が認めてくれる」と感じられるようになります。

ある不登校の男の子は、絵を描くことが好きでした。最初は親に見せることを恥ずかしがっていましたが、親が「見せてくれてありがとう。すごく上手だね」と言葉をかけ続けた結果、彼は次第に自信を持つようになり、イラストをSNSに投稿するようになりました。最終的には、同じ趣味を持つ友達とつながり、自ら外の世界に目を向け始めたのです。このように、子どもの好きなことを尊重する姿勢が、新たな人間関係や活動へのきっかけになることもあります。


学校との関係を保つ工夫

不登校期間中であっても、学校とのつながりを完全に断ち切るのは避けたほうが良いです。ただし、子どもにとって負担にならない形で、学校と適度な距離を保ちながら関係を続けることが大切です。

例えば、定期的に担任の先生と連絡を取り、学校でのイベント情報や授業の進捗状況を共有してもらうことが考えられます。ただし、この情報を子どもに無理に伝える必要はありません。子どもが興味を示したときに、自然な形で話題を提供するのが理想的です。

また、学校に直接足を運ぶことが難しい場合でも、オンライン授業やビデオメッセージなどを活用して、学校の雰囲気を少しずつ感じられる機会を作ることも効果的です。特に最近では、不登校の子どもをサポートするためのオンライン学習ツールや相談窓口が増えてきています。親がこうしたリソースを積極的に調べ、子どもに選択肢を提示することで、新たな一歩を踏み出す手助けができるでしょう。


親自身の心のケアも忘れずに

不登校の問題に直面している親御さんは、時に大きな不安や孤独感を抱えることがあります。子どもを支えようとする一方で、自分の心を置き去りにしてしまうことも少なくありません。しかし、親が心身の健康を保つことは、子どもを支える上で不可欠です。

親自身がリフレッシュするための時間を持つことや、同じ悩みを抱える親同士のコミュニティに参加することを検討してみてください。例えば、不登校の子どもを持つ親の会やオンラインフォーラムでは、共感し合いながら具体的なアドバイスを得ることができる場合があります。

また、専門家のカウンセリングを受けることも有効です。親が安心して話せる場を持つことで、子どもの問題に対しても冷静に向き合えるようになるのです。


最後に

不登校期間中は、子どもだけでなく、親にとっても試練の時間です。しかし、家庭が安心できる場所であり続けることで、子どもは少しずつ自信を取り戻し、未来に向けた一歩を踏み出す準備を整えることができます。生活リズムの見直し、子どもの興味を尊重する姿勢、学校との適切な距離感の保ち方など、親が日々できる取り組みを続けることで、不登校の問題を乗り越える可能性が広がります。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
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不登校経験者が語る:当時の心境と今だから言えること

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目次


不登校や引きこもりの支援を専門とする児童心理司の藤原と申します。

今回の記事では、私が支援を通じて関わらせていただいた2人の不登校経験者の方に、それぞれの体験をインタビューさせていただきました。一人は中学時代に不登校を経験し、もう一人は小学校時代に同じような困難に直面しました。お二人とも、不登校になった当時の苦しさや、家庭や自分自身の変化を経て再び一歩を踏み出すまでの過程を語ってくださっています。

(下記、インタビューを元に書き起こした内容となります)


不登校経験者Aさん

私は中学1年生の2学期、不登校になりました。その頃、私の周りは真っ暗で、誰にも自分の気持ちを言えない孤独感に押しつぶされていました。振り返ると、私が不登校を乗り越えられたのは、親の気持ちの変化と、それによって私自身も少しずつ変われたからです。そして、そこに大きな役割を果たしたのは、自閉スペクトラム症の診断をきっかけとする、家族のあり方の変化でした。

自閉スペクトラム症の診断と不登校

中学に入るまでは、私は少し変わった子どもだとよく言われていました。人の目を見て話すのが苦手で、友達との会話でも話題がすぐに途切れることが多かったのです。でも、小学校の頃はなんとかそれでも友達がいて、勉強も苦手ではなかったので問題なく過ごせていました。

ところが、中学に入ると環境が急激に変わり、クラスの雰囲気や友人関係にまったくついていけなくなりました。授業中は先生の話が全く頭に入らず、クラスメートとの雑談に参加する勇気も出ませんでした。特に昼休みの時間が苦痛でした。周りの子が楽しそうにグループを作って話しているのを横目に、私は一人で音を立てずに座っていることしかできませんでした。

教室のイメージ

2学期に入る頃には、学校に行くたびに胸が締めつけられるような感覚や頭がぼーっとする症状が現れるようになり、次第に学校へ行けなくなってしまいました。心配した母が連れて行ってくれた病院で、私は「自閉スペクトラム症」という診断を受けました。その時は、病名を聞いても「それが何」という印象で、特に何かが変わるわけではありませんでした。むしろ、「私が変わっているから学校に行けないのだ」という自己否定感が強くなりました。

家庭の変化:母の気づき

私の不登校は家族に大きな影響を与えました。最初、母は学校に行かない私に苛立ちを隠せませんでした。「どうして学校に行けないの?」「別にクラスでいじめられているわけではないでしょう」ときつく言われることもありました。その言葉は、辛かったです。
「学校に行けない自分はダメな人間なんだ」という気持ちで暗くなりました。

何も変わらず数週間が経った頃、母が「再登校支援プログラム」というものを見つけてきました。母は最初、私を無理やり学校に戻す方法を探しているのだと思っていました。でも、プログラムに参加する中で、母の態度が徐々に変わっていったのです。

母はまず、私が何に苦しんでいるのかを理解しようとしてくれました。「あなたが学校で何を感じているのか知りたい」と、今までとは違った感じで何度も話しかけてくれました。
最初はうまく話せませんでしたが、母が私を急かさず、ただ待っていてくれることで、少しずつ自分の気持ちを伝えられるようになりました。「学校で友達の輪に入れないのが辛い」「クラスのざわざわした音が頭に響いて怖い」こうした具体的な気持ちを話すことで、私自身も自分が何を恐れているのかが分かるようになったのです。

父の変化と支え

父もまた、大きく変わりました。それまでの父は、仕事に忙しく、家でもパソコンに向かっていることがほとんどでした。私の不登校に関しても、特に気にしている様子はありませんでした。しかし、母がプログラムで学んだことを父に伝え、家族として一緒に私を支えようと働きかけたことで、父の様子も変わってきました。

父は、「何をしたらいいのか分からない」と正直に話してくれました。その言葉を聞いた時、私は少し驚きました。父も困っているのだと分かり、自分がどうでも良いわけではないと安心したのを覚えています。父はそれから、自分なりに私を助ける方法を見つけようとしてくれました。例えば、一緒にゲームをしたり、庭で花を植える作業を手伝ってくれたりしました。私ができたことに対して「すごいじゃないか」と褒めてくれる父の言葉が今でも耳に残っています。

家族の変化がもたらした安心感

家族が変わってくれたことで、私の心に少しずつ余裕が生まれました。それまでは、家の中でさえ気を張って生きているような状態でしたが、両親が私を受け入れてくれると感じられるようになり、自分を責めることが減っていきました。

母は、「一日一つでも良いことがあれば、それで十分だよ」と言ってくれました。その言葉に救われ、少しずつ外に出てみようと思えるようになりました。最初は家の庭で日光浴をするだけでしたが、それでも「外に出られた」という達成感がありました。

学校復帰

3学期に入り、担任の先生が「自分のペースで良いから、いつでも戻っておいで」と声をかけてくれたことで、私は少しずつ授業に出られるようになりました。母が「無理しなくて良いよ」と言ってくれたこと、父が「今日は良く頑張ったな」と褒めてくれたことが、私を支えてくれました。

今、過去の自分に声をかけるとしたら、「あなたは一人じゃないよ」と伝えたいです。私を支えてくれた家族がいたからこそ、私は不安に向かい、立ち直ることができました。そして、自分を理解しようとしてくれる人がいるだけで、どれだけ心強いかを実感しました。学校はつらいこともありますが、今のお父さんとお母さんと一緒ならば、乗り越えられそうです。


不登校経験者Bさん

私が不登校になったのは、小学校5年生の1学期が始まったばかりの頃でした。その頃、家の中で両親の言い争いが絶えず、その中で私は小さく身を潜めていました。「自分がもっと良い子だったら、こんなことにはならなかったのかもしれない」そんな風に思う日々が続き、学校に行くことが辛くなってしまったのだと振り返って思います。

両親の喧嘩と緊張感

両親は共にフルタイムで働いていて、仕事から帰ってきても、いつも疲れているような印象でした。それが原因なのか、家では些細なことがきっかけで口論が始まりました。例えば、誰が家事をするか、子どもの成績がどうだ、などといったことで衝突するのです。そのたびに、私は自分の部屋に閉じこもって布団を被っていました。

特に辛かったのは、親が私の前でお互いを非難し合う時です。「あなたがもっとちゃんとしてくれれば!」とか「お前のせいでこうなった!」といった言葉を聞くと、自分が喧嘩を起こしているのだと感じました。それは学校にいても頭を占めていました。友達と話している時や授業中も、心の中では「家に帰りたくない」「どうして自分だけ苦しいんだろう」と思っていました。

次第に学校に行くことそのものが怖くなり、朝になると胃が痛くなるようになりました。そして母が「今日も学校休むの?」と言うと、休めると安心するわけでもなく、返って辛くなりました。

落ち込む女の子のイメージ

ToCoとの出会い

そんな私を変えてくれたのは、母が見つけてきたToCoというサービスでした。初めは不登校を解決するために、私に対して何かやるのかと思いました。でも、家庭全体の雰囲気を変えることが勧められていたようで、私の親も大きく変わっていったのです。

両親の変化:喧嘩から協力へ

両親はいつの間にか、お互いを責めることをやめるようになっていました。それまで母は父に対して「もっと育児に協力してほしい」と不満をぶつけ、父は「仕事が忙しいんだ」とそれをはね返していました。でも、そういうやり取りが減ってきました。

例えば、父はそれまで家事を手伝わない人でしたが、夕食の準備を母と分担するようになりました。また、母も、私や学校のことを父に相談するようになりました。今まで無かったことに気づいていませんでしたが、2人の間でちゃんと挨拶が交わされるようにもなりました。そして、家の雰囲気が柔らかくなっていきました。

私への接し方の変化

両親の変化は、私への接し方にも現れました。以前は「学校に行けないなんて情けない」と言って私を叱っていましたが、無理に学校に行かせるのではなく、まず気持ちを聞いてくれるようになりました。それから母は、私に「どうしたら気持ちが楽になるかな?」と相談してくれるようになりました。特に父が「学校に行けないことは悪いことじゃないよ」と言ってくれた時、私はホッとしました。それまで、「学校に行けない自分はダメな人間だ」と思っていましたので、その言葉が嬉しかったです。

家族との新しい時間

両親が喧嘩をなくして、私にも優しく接してくれるようになると、雰囲気は一変しました。週末には家族全員で食事を作ったり、近所の公園に散歩に行く時間が増えました。ある日、父が「これからはみんなで一緒に夕食を作る時間を作ろう」と言い、それが私にとってとても嬉しいことでした。以前は、家族で一緒に何かをするなんて考えられなかったからです。

お互いに笑顔を見れるようになって幸せを感じつつ、今までは辛いことだったんだ、と、もう戻りたくないと思いました。

学校復帰の道のり

そんな中、自分でも不思議なくらい学校の辛さが感じなくなっていました。母が「行けるときに行けばいいよ」と言ってくれましたが、自分から登校の準備をして、次の日には学校に行っていました。2週間ぶりくらいで少し緊張しましたが、先生も友達も変わりなく接してくれたので、数日で普通に通えるようになりました。

もし自分が将来子どもを持つとしたら、この経験を活かして温かい家庭を作っていこうと思いました。



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いじめに苦しむ子どもの選択肢とは?

いじめに苦しむ子どもに選択肢を与えよう-記事の見出し画像

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不登校や引きこもりの問題に取り組む、児童心理司の藤原と申します。
いじめがなぜ起きるのかを考えるとき、子どもの性格や家庭環境を分析することも一つの方法ですが、これだけでは問題の全体像を捉えることはできません。いじめは、学校という特異な環境がもたらす構造的な問題でもあるのです。そして、仕組みを知ってこそ、子どもに対してどう支援すべきかも見えてきます。

第一章:いじめはなぜ起きるのか――学校の構造的問題

学校という閉じられた社会

まず理解しておかなければならないのは、学校が非常に閉鎖的な環境であるという点です。
教室やクラスという単位は、子どもにとって小さな社会そのものであり、そこでは独自の「空気」が支配しています。例えば、「誰と付き合うべきか」「誰と付き合ってはいけないか」といった暗黙のルールや、「強い立場の子どもが支配する」という力学が生まれやすい環境です。

このような空間では、子どもたちが大人のように問題を客観視し、冷静に対応することは難しいものです。成長途中の感情や価値観の中で、いじめという行動が一部の生徒たちの中で「正当化」されてしまうことが少なくありません。

人間関係の固定化

学校では、席替えの頻度やクラス替えの有無によって人間関係が固定化される場合があります。例えば、1年間同じメンバーで同じ教室に通い、席の移動がほとんどない環境では、いじめられる子どもにとって逃げ場がありません。さらに、学区に学校が1校しかない場合、転校という選択肢も現実的ではないため、逃げることができない状況に追い込まれます。

子どもが人間関係の問題を抱えた場合、「新しい環境でやり直す」という選択肢が少ないという点も、学校環境の構造的な欠陥といえるでしょう。

悩む生徒の画像

学校側の意識と対応の限界

最近では、いじめに対する学校側の意識が改善されつつあります。文部科学省のガイドラインに基づき、学校側がいじめの早期発見に努めたり、対応マニュアルを整備している場合も増えています。

しかし、現場では多忙を極める教師が十分に対応できないという現実もあります。教師は授業の準備や保護者対応、部活動の指導など、多岐にわたる業務を抱えており、いじめ問題に割ける時間やリソースが限られているのです。このような事情から、学校側がいじめを「発覚した後に対応する問題」として扱ってしまうケースもあることを理解しておく必要があります。

第二章:親が果たすべき役割――選択肢を増やすことの重要性

では、このような構造的な問題を抱える学校の中で、親としてどのように子どもを守れば良いのでしょうか。答えの一つは、子どもに「選択肢」を与えることです。

人が追い詰められるとき

人間が精神的に追い詰められるのは、選択肢がないと感じたときです。
いじめを受けている子どもにとって、学校という場が唯一の社会である場合、そこから逃げることは「自分の人生すべてを捨てる」ように感じられることがあります。このような状況では、登校することが精神的な限界を超える負担となり、不登校という形で子どもが自分を守る行動を取るのです。

しかし、親が子どもに「他の選択肢がある」と伝えることで、この絶望感を和らげることができます。実際にはハードルがあったとしても、例えば、転校、フリースクール、ホームスクーリング、オンライン学習といった多様な選択肢を一緒に検討だけで、子どもの閉塞した思いを広げることができます。

子どもと一緒に考える

選択肢を提示する際、親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に考えることが重要です。「どんな学校なら通えそう?」「どんな場所なら安心できる?」といった質問を通じて、子どもの声に耳を傾けることで、子ども自身が自分の未来について考えるきっかけを作ることができます。

また、子どもが「この学校を辞めたい」「転校したい」と言った場合、それを否定せず、冷静に受け止めることも大切です。親が子どもの言葉を信じて行動することで、子どもは「自分は守られている」と感じることができ、心の安定を取り戻すことができるのです。

繰り返しになりますが、転校や退学は子どもにとっても家庭にとっても大きな負担がかかる選択肢です。しかし、いじめや人間関係で苦しみ続ける子どもに、いざとなったら学校以外の道もあることを伝えて家族の共通認識としておくことは、最悪の事態を防ぐ一助となります。

第三章:学校とどう連携するか――適切なコミュニケーションの方法

ここまでで構造的な問題を整理したので、どのように対策をしていくか、に移ります。
いじめの問題を解決するためには、親と学校の間で適切な連携を取ることが欠かせません。しかし、学校とのコミュニケーションには一定の工夫が必要です。感情的になってしまうと、問題解決ではなく対立を生む可能性があるためです。
この章では、具体的な連携方法を詳しくお伝えします。

事実を整理する

学校に相談する前に、まずは子どもから聞いた情報をもとに事実を整理することが大切です。いじめの内容や状況を客観的にまとめておくことで、学校側も問題を正確に理解しやすくなります。

例えば、次のような点を記録しておくとよいでしょう。

いじめの具体的な内容
例:「○月○日に○○くんから『消えろ』と言われた」「体育の時間にわざとぶつかられた」
いじめが行われた場所や時間
例:「休み時間に教室で」「昼休みに運動場で」
子どもの感情や反応
例:「怖くて動けなくなった」「涙が止まらなかった」

このように、感情的な主張ではなく、具体的な事実を整理することで、学校側が事態を適切に把握しやすくなります。

学校への相談時のポイント

学校との連携は、まず担任教師への相談から始めるのが一般的です。最初の相談では、次のような姿勢を心がけましょう。

冷静かつ丁寧な話し方
感情的にならず、「このような問題が発生しているため、ぜひ一緒に解決策を考えたい」と建設的な姿勢で伝えます。
具体的な要望を伝える
例:「休み時間に目が届くようにしてほしい」「相手の保護者とも話し合いたいので、調整をお願いしたい」
記録を提出する
上記で整理した事実をまとめた資料を渡し、問題の共有をスムーズにします。

ただし残念ながら、先生方にも個人差があります。もし担任教師だけでは対応が難しい場合や問題と認識されなかった場合は、学年主任、教頭、校長など、学校の上層部に相談をエスカレートすることも検討してください。

学校側の対応が不十分だった場合

学校がいじめの存在を軽視したり、問題解決に消極的だったりする場合もあります。その際は、地域の教育委員会や第三者機関に相談する選択肢があります。また、最近では弁護士や子どもの権利擁護団体がいじめ問題に取り組むケースも増えており、必要であれば専門家の力を借りることも視野に入れましょう。

文部科学省:学校におけるいじめ問題に関する基本的認識と取組のポイント

第四章:親自身の心も守る――不安との向き合い方

いじめや不登校の問題に直面すると、親であるあなた自身も大きなストレスや不安を抱えることになります。お子様のことを心配するあまり、自分自身の心の健康を見失ってしまうことも少なくありません。この章では、親としての自分自身を守る方法についてお話しします。

自分を責めない

親御さんが最初に覚えておくべきことは、「自分を責めない」ということです。子どもがいじめられたり、不登校になったりすることは、必ずしも親の育て方に問題があったわけではありません。むしろ、学校環境やいじめの構造的な問題が影響していることを忘れないでください。

「もっと早く気づくべきだった」「どうして助けてあげられなかったのだろう」と自分を責めるのではなく、「今できることは何か」を冷静に考えることが大切です。

子どもに寄り添う母親の画像

周囲のサポートを求める

不登校やいじめの問題は、親一人で抱え込むにはあまりにも大きな負担を伴います。信頼できる友人や家族に相談することで、気持ちを整理する助けになります。また、同じ悩みを持つ親同士が集まるサポートグループに参加するのも有効です。共感し合える仲間と話すことで、「自分だけではない」と感じられ、孤独感が軽減されるでしょう。

第五章:子どもの心を癒す――回復プロセスと親の役割

いじめや不登校によって傷ついた子どもの心を癒すには、時間と適切なサポートが必要です。心の傷は目に見えない分、その深さや痛みを測ることが難しく、時に回復の過程が親にとってももどかしく感じられることがあります。この章では、子どもの心の回復を促進するために、親ができる具体的なアプローチについてお話しします。

子どもに「安全な場所」を提供する

いじめを受けた子どもにとって、家庭が最も安心できる場所であることが重要です。子どもが「学校では傷ついたけれど、家では自分をそのまま受け入れてもらえる」と感じられることで、心の回復が進みます。

子どもがどのような言葉や態度を求めているのかは個人差がありますが、基本的には「話を聞く姿勢」を持つことが大切です。親として、「学校に行かないことを責めない」「無理に問題を解決しようとしない」ことを心がけてください。

例えば、子どもが「今日は何も話したくない」と言ったとしても、それを否定せず、「いつでも話したくなったら教えてね」と伝えるだけで、安心感を与えることができます。親が「子どものペース」を尊重する姿勢が、心の回復に繋がります。

子どもの自己肯定感を育む

いじめによる心の傷は、子どもの自己肯定感を大きく損ないます。「自分はダメな人間だ」「何をやっても意味がない」といった否定的な感情に陥ることがあります。このような感情を乗り越えるためには、日常生活の中で小さな成功体験を積み重ねることが重要です。

例えば、運動や音楽、料理など、子どもが得意なことや好きなことに取り組む機会を増やしてあげましょう。そして、その成果を親が積極的に認めることで、少しずつ「自分にも価値がある」という感覚を取り戻す手助けができます。

また、親が子どもに対して具体的な言葉で褒めることも効果的です。「頑張ったね」や「すごいね」といった漠然とした褒め言葉ではなく、「○○を最後までやり遂げたのはすごいね」といった、行動や成果に焦点を当てた言葉を使うことで、子ども自身が自分の努力を実感しやすくなります。

プロフェッショナルのサポートを受ける

子どもの回復を支えるためには、専門家の力を借りることも有効です。カウンセリングや心理療法は、子どもが自分の感情を整理し、新たな視点を獲得するための強力な助けとなります。

例えば、認知行動療法(CBT)は、いじめによるトラウマに苦しむ子どもに対して有効なアプローチです。この療法では、子どもが物事をどのように受け止めるか、その「認知の歪み」を修正し、より前向きな考え方を身につけることを目指します。

プロフェッショナルのサポートは、親だけでは解決が難しい問題に直面したときの大きな助けとなります。学校に設置されているスクールカウンセラーや、地域の相談窓口を積極的に利用してみましょう。

第六章:未来への歩み――不登校を乗り越えたその先

いじめや不登校は、今まさに直面しているときには深刻で解決の見えない問題のように感じられるものです。しかし、こうした状況も永遠に続くものではありません。子どもは親の想像以上に強く、柔軟に環境に適応していく力を持っています。

子どもの成長を信じる

親がまず理解しておかなければならないのは、子どもは自分のペースで成長し、自ら解決策を見つけていける力を持っているということです。不登校という経験が子どもの将来に悪影響を与えるのではないかと心配するのは当然ですが、これは一時的な状態であり、子どもの持つ可能性を信じることが重要です。

多様な進路を考える

日本の教育システムは、一定の枠に子どもを当てはめようとする傾向があります。学校に通い、成績を取り、進学するという一連の流れが当たり前とされているのです。しかし、すべての子どもがこの流れに適応できるわけではありません。いじめや不登校を経験した子どもにとっては、むしろ多様な進路を考えることが未来への希望を広げる鍵となります。

親がこれらの選択肢を理解し、子どもと一緒に考えることで、子どもが「自分にも選べる未来がある」と実感できるようになります。その上で、学校に行きたいという思いがあれば子どもの意思を尊重し、再登校に向けて支援を行っていきましょう。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

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自閉症から不登校になってしまう子どもへの接し方とは?

自閉症から不登校になってしまう子どもへの接し方の見出し画像

目次


不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。これまで多くのお子さんとご家族を支援してまいりました。不登校になっているお子さんをお持ちの方は、親として子どものことを心から案じながらも、何をどうすれば良いのか分からず、途方に暮れているかもしれません。私の言葉が少しでもお役に立てればと願いながら、ここに筆を執ります。

自閉症とは何か──特徴と学校生活での壁

まず、自閉症スペクトラム障害(ASD)について、その特徴や学校生活で感じやすいストレスを整理してみましょう。自閉症は、広範囲にわたる発達特性を持つ神経発達障害の一種です。典型的な特徴として、社会的なコミュニケーションの難しさ、興味の偏り、感覚過敏や過集中があります。

学校という場所は、多くの子どもにとって社会的なスキルを試される場であり、また集団行動が求められる環境です。特に自閉症の子どもにとっては、この「普通」が時に大きな負担となります。例えば、教室内でのざわざわした音や、昼休みに友達同士で自然に交わされる会話、教師の指示を即座に理解して行動に移すことなど、これらがすべて「苦手なこと」の要因になり得ます。

自閉症の子どもたちは、ルールやパターンを好む一方で、予期せぬ変化や曖昧な状況に対して大きな不安を感じやすい傾向があります。このため、例えば授業の変更や突発的なアクティビティがあると、パニック状態に陥ることがあります。また、同級生からの冗談や暗黙の了解を理解できずに孤立したり、逆に周囲の視線や言動に過敏に反応してストレスを感じることもあります。

以下は、自閉症の子どもの特徴と、学校でストレスになりやすい要素をまとめた表です。

特徴詳細
社会的な特徴– 他者とのコミュニケーションや集団活動が苦手。
– 冗談や暗黙の了解を理解するのが難しい。
– 対人関係で誤解されやすい。
興味・行動の特徴– 特定の物事やルールに強いこだわりを持つ。
– 興味の範囲が偏っており、他者と共有しにくい。
感覚特性– 音や光、匂い、触覚などに対して過敏または鈍感。
– 環境の変化に強いストレスを感じる。
自己調整の困難さ– 感情をコントロールするのが難しく、パニックや不安状態に陥りやすい。
– 刺激が過剰な環境では過集中や感情の爆発を起こしやすい。
学校でのストレス要因– 騒音: 教室や廊下のざわめき、ベルの音、体育館の反響音などがストレスになる。
– 授業中の変化: 急な時間割の変更や予期しないアクティビティ。
– 対人関係: 友達とのやりとりやグループ活動の難しさ。いじめや孤立感を感じることも多い。
– 評価・プレッシャー: テスト、発表、他者の注目を集める活動が大きな不安要因になる。
– 身体的な不快感: 校庭の暑さ・寒さ、椅子や机の硬さなどの環境的要因が影響することもある。
回避行動の例– 学校に行きたがらない、朝の支度に時間がかかる。
– お腹が痛い、頭が痛いなど体調不良を訴える。
– 家に閉じこもることが増える。

こうした学校生活の中での壁が、やがて大きな不安となり、不登校という結果につながることがあります。「学校に行かなければ」というプレッシャーと、「行きたくない」という心の葛藤が、朝の準備段階で涙や過剰な自己主張として現れることも珍しくありません。

学校という場が持つ意味と、不登校の背景

「学校に行くこと」は、多くの親御さんにとって、子どもの将来を左右する大事なテーマです。しかし、学校での体験が子どもの心を傷つける場になってしまう場合、その環境そのものが問題解決の障害となることもあります。「学校に行くべきだ」という社会的な圧力は確かに存在しますが、それが全ての子どもにとって良い結果をもたらすわけではありません。

自閉症の子どもの場合、学校におけるストレス要因は主に次のように分類できます:

  • 感情的なストレス──授業や課題への不安、教師やクラスメイトとの関係の緊張感。
  • 物理的な環境への不適応──騒音、照明、教室の配置。
  • 対人関係の難しさ──いじめ、孤立、誤解。

これらの要因が重なると、子どもは「学校を避けることで安心感を得る」という行動を選ぶことがあります。これは、ToCoの再登校支援プログラムで言う「負の強化」として説明されている現象です。

では、親としてどのように接するべきなのでしょうか?以下では具体的なアプローチをお伝えします。

自閉症の子どもが学校に向き合う力を持つために親ができること

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもにとって、学校生活での困難は、個別の特性や環境への適応力に深く関連しています。そのため、不登校の支援も一般的な方法ではなく、特性に配慮したアプローチが必要です。以下では、自閉症の子どもに適した具体的な支援策を解説します。


1. 子どもが安心できる環境を整える

自閉症の子どもにとって、「安心できる環境」が不安の軽減と行動の安定に繋がります。学校の環境が過剰な刺激を与える場合、家庭でまず安心感を持たせ、徐々に外部の環境に慣れさせていきます。

具体策:

自宅での学校体験をシミュレーション
学校での流れ(例えば「朝の準備→教室に入る→授業を受ける」など)を家庭内でロールプレイし、少しずつ「学校に行く」感覚を慣れさせます。

視覚的なスケジュールの作成
学校生活や1日の予定を絵や写真、アイコンを使って視覚的に示します。「次に何が起こるか」が分かるだけで、予測不能な不安を和らげます。


2. 子どもの特性に基づいた挑戦を設計する

自閉症の子どもは、特性に応じた小さな挑戦から始め、成功体験を積むことで自己効力感を高めていきます。これは、ToCoプログラムの「安全な挑戦」設定の考え方に基づいています。

具体策:

感覚的な刺激を避ける工夫
通学時間帯をずらしたり、静かな教室や個別ブースで学べるよう学校と調整します。これにより、過度な音や人混みからのストレスを軽減できます。

得意な分野を活かす
子どもが得意とすることや興味を持つことを学校活動に関連付けます。例えば、算数が得意なら「教室で計算問題を解くだけでもOK」など、子どもが「これならできる」と思える範囲を設定します。


3. 親の言葉と行動に一貫性を持たせる

自閉症の子どもは、曖昧な指示や変化に混乱しやすい傾向があります。親が安定した態度で一貫性のある言葉を使うことが、子どもの安心感につながります。

具体策:

  • 「具体的で短い指示」を心がける
    「学校に行く準備をしなさい」ではなく、「まず靴下を履こう」「次に教科書をカバンに入れよう」と具体的に伝えます。
  • 一貫したルールを作る
    学校に行く日と行かない日でルールやスケジュールを変えすぎないようにします。一貫したスケジュールが、子どもの安心感を高めます。
母と娘の会話イメージ

これにより、子どもは親に対して信頼感を持ち、自分の気持ちを素直に話せるようになります。


4. 感覚過敏や興奮を和らげる方法を取り入れる

自閉症の子どもは感覚的な過剰反応を示すことが多いため、ストレスを和らげるツールや方法を日常に取り入れると効果的です。

具体策:

リラクゼーションの習慣化
深呼吸、ストレッチ、抱きしめられる感覚が得られる重い毛布(加重ブランケット)などを使って、リラックスできる時間を作ります。生活リズムが整うことで、子どもは次第にエネルギーを回復し、学校復帰への準備が整っていきます。

感覚調整ツールの活用
ノイズキャンセリングヘッドホンやサングラス、柔らかい素材の服など、子どもの感覚的な快適さをサポートするアイテムを取り入れます。


5. 学校との密な連携を図る

自閉症の子どもが学校に通うためには、学校側との協力体制が重要です。特に特別支援教育コーディネーターや担任の先生と連絡を密にし、個別の支援計画を作成します。

具体策:

  • 個別の支援計画(IEP)の作成
    子どもの特性に合わせた支援が行われるよう、学年や担当教員と相談して具体的な計画を立てます。
  • 登校時間や授業内容の調整
    フルタイムの通学が難しい場合、登校時間を短縮したり、得意な科目に絞るなど柔軟な対応を学校に求めます。
先生との面談イメージ

6. 子どもが落ち着ける「安心の拠点」を持たせる

学校に行く際には、子どもが一息つける安心の場所を作ることも大切です。

具体策:

  • 学校内での拠点づくり
    保健室や図書室、特別支援教室など、子どもが安心して過ごせる場所を学校と調整します。
  • 親子で話し合い「逃げ場」を設定
    子どもがストレスを感じたときに「ここに行けばいい」という逃げ道を設定しておくと、安心感が高まります。

7. 子どもの小さな進歩を具体的に認める

自閉症の子どもにとって、褒められることや成功体験が次の挑戦への原動力になります。ただし、褒め方は具体的で分かりやすいものにしましょう。

具体策:

  • 行動を言葉で細かく評価する
    「頑張ったね」ではなく、「朝、カバンを自分で準備できたね」「学校の門まで行けたのはすごいことだよ」と具体的に伝えます。
  • 進歩を記録する
    できたことを日記やシールで記録し、子どもが自分の成長を視覚的に確認できるようにします。

最後に

お母さまが子どもを想う気持ちは、どんな言葉よりも力強いものです。どんなに小さな一歩でも、それは確実に前進です。お子さんが笑顔を取り戻し、安心して学校生活を送れるようになる日を、一緒に目指していきましょう。私達も、全力であなたとお子さんを支えていきます。どうか一人で抱え込まず、必要な支援を活用しながら進んでいってください。

ToCoでは、不安障害や自閉症を持つお子さんを対象に、何十人もの再登校を支援してきた実績があります。専門家によるカウンセリングや、個々の状況に応じたプログラムの提供を通じて、親子で取り組むことができます。詳しい情報は、ToCoの公式ウェブサイトをご覧いただくか、サポート窓口までお問い合わせください。


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不登校1ヶ月以上の子どもへの対処法とは?


目次


児童心理司の藤原と申します。不登校や引きこもりに関する支援に携わっても変わらない思いとして、不登校は親子双方にとって非常に辛い問題だということです。不登校が「1週間」「2週間」であれば、なんとか踏ん張って対策を講じられる方も多いでしょう。しかし、これが「1ヶ月以上」になると話は変わります。子どもの生活習慣は乱れ、学校との心理的な距離は広がり、親自身も「これで良いのか」と自問自答しながら疲弊してしまいます。このような状況において、家庭でどのような対応ができるのか、具体的にお伝えしていきたいと思います。

ここでは、「生活リズムを整える」「勉強を続ける」「学校との繋がりを保つ」という3つの柱をもとに、家庭で実践可能な方法をご紹介します。一歩一歩、親子で前進していくための助けになれば幸いです。

下記が本文の内容をまとめた表となります。

目的必要な行動
生活リズムを整え、心身の安定を図る毎朝決まった時間に起きる習慣をつけ、食事や運動などのルーティンを取り入れる。家族全体で規則正しい生活を心がける。
勉強の継続を通じて学びへの意欲を育む興味のある分野から学習を始める。学校の先生と連携して無理のない課題に取り組むことで、自信と学ぶ楽しさを感じられる環境を整える。
学校との繋がりを保ちながら復帰を促す先生との定期的な連絡や学校行事への参加を通じて、学校を身近に感じさせる。短時間の訪問など段階的な関わりを取り入れる。
親子関係を通じて自己肯定感を高める子どもの気持ちに寄り添い、小さな成功を見つけて具体的に褒める。安心できる環境を作り、感情を表現しやすくする。
親自身の心身の健康を守る信頼できる人に悩みを共有する。自分の時間を持ち、心身のリフレッシュを図ることで、親としての安定感を保つ。

第1章:子どもの生活リズムを整える

不登校が1ヶ月以上続く場合、ほぼ確実に生活リズムが乱れていると言っても過言ではありません。朝起きる時間がバラバラになり、夜更かしが当たり前になることで、昼夜逆転の生活に陥るお子さんも少なくありません。この状態が長引くと、心身の健康に大きな影響を及ぼすだけでなく、学校生活への復帰がますます困難になります。

なぜ生活リズムが重要なのか?

人間の体は、「体内時計」と呼ばれるリズムに従って生活しています。この体内時計を狂わせる最大の要因が、睡眠時間の不規則化です。たとえば、夜中の1時や2時に寝て昼頃に起きる生活が続くと、体が日中活動する準備を整えられなくなります。その結果、疲れやすくなったり、イライラしやすくなったりと、心身にさまざまな不調が現れるのです。さらに、こうした状態では学校に行くどころか、日常生活を送ること自体が難しくなる場合もあります。

どのように整えるのか?

1ヶ月以上続いた乱れた生活リズムを立て直すのは、簡単なことではありません。しかし、焦らず少しずつ取り組むことで、改善の道を開けることができます。以下に具体的な方法を挙げます。

1. 起床時間を固定する まず、毎日同じ時間に起きることを目指してください。最初は30分早く起きるだけでも構いません。「今日だけは少し遅くてもいいか」となると、改善は進みません。親御さん自身も一緒に起きることで、家庭全体で生活リズムを整える努力をしましょう。

2. 朝日を浴びる 朝起きたら、カーテンを開けて日光を浴びることを習慣化しましょう。日光には、体内時計をリセットし、眠気を覚ます効果があります。また、短時間でも散歩に出ることで、気分転換と体力づくりを同時に行うことができます。

3. 夜のルーティンを作る 夜更かしを防ぐためには、夜の過ごし方を工夫することが重要です。例えば、寝る1時間前からスマホやゲームを控える、リラックスできる音楽を聴く、ストレッチをするなど、規則的なルーティンを取り入れましょう。

4. 家族で取り組む 子どもだけに生活リズムの改善を押し付けるのではなく、家族全員で取り組む姿勢を見せることが効果的です。たとえば、朝食の時間を決めて全員で食べる習慣を作ることで、お子さんも「自分だけが頑張る必要はない」と感じられるでしょう。

心理的サポートも忘れずに

生活リズムの改善に取り組む中で、親御さんが注意すべきことは、「無理にやらせない」という点です。たとえば、朝起きる時間を守れなかったときに「どうしてできないの?」と責めてしまうと、子どもはさらに自信を失い、挑戦する意欲を失ってしまいます。たとえ失敗しても、「少しずつでいいよ」「今日はここまでできたね」と肯定的な声掛けを心がけてください。

また、1ヶ月以上の不登校が続く中では、「どうしても動けない」「何もしたくない」という日があるのも自然なことです。そんなときには、無理に何かをさせるのではなく、そっと寄り添い、「次にできそうなこと」を一緒に考えてあげる姿勢が大切です。

第2章:勉強を続けることの意義と方法

1ヶ月以上の不登校が続くと、勉強に対する意欲が大幅に低下しているケースがほとんどです。お子さんの中には、「学校に行っていないから勉強しなくても良い」と考え始める子もいれば、「勉強しようと思っても何から手をつけて良いか分からない」といった混乱を抱える子もいます。また、「他の子に遅れている」というプレッシャーから、自信を喪失してしまう場合も少なくありません。

勉強を続けることは、単に学校の授業に追いつくためだけではなく、お子さんが未来への選択肢を広げ、自信を取り戻すための大切な手段です。しかし、長期間勉強から離れている場合、再び学習の習慣を取り戻すことは簡単ではありません。この章では、勉強の再開をサポートする具体的な方法とその意義についてお伝えします。

なぜ勉強を続けるべきなのか?

1ヶ月以上の不登校が続く中で、勉強をする意味を親御さん自身が見失ってしまうこともあります。「無理に勉強させてもストレスになるだけでは?」という疑問を抱えるのは当然のことです。しかし、勉強には以下のような意義があります。

1. 自信を取り戻すきっかけになる 
何かを学び、理解し、「できた!」と実感することは、お子さんの自己肯定感を高めます。不登校が長引くと、「自分はダメだ」「何をやっても無理だ」という思い込みが強くなりがちですが、勉強を通じて成功体験を積むことで、「やればできる」という感覚を取り戻すことができます。

2. 学び続ける姿勢を維持できる 
勉強は、将来の選択肢を広げるだけでなく、「学ぶこと自体が楽しい」と感じる力を育てます。一度勉強を完全にやめてしまうと、再開する際の心理的ハードルがさらに高くなるため、小さな形でも学習を続けることが重要です。

3. 学校復帰への準備となる 
学校生活に復帰した際、授業内容についていけないという不安は、お子さんにとって大きなストレスになります。不登校中に家庭での学習を進めておくことで、この不安を軽減することができます。

勉強を再開するための具体的な方法

勉強を再開させるには、お子さんの現状や気持ちに合わせた柔軟なアプローチが必要です。以下に具体的な方法を挙げます。

1. 小さな目標を設定する

いきなり学校のペースに合わせようとすると、負担が大きくなり挫折する原因になります。まずは「今日の10分だけドリルを解く」「1ページだけ読書をする」といった小さな目標を設定してください。そして、それを達成した際には必ず褒めてあげましょう。

親が「これだけやれば十分」と思うラインを明確にすることで、お子さんも安心して取り組むことができます。

2. サポートを活用する

不登校が1ヶ月以上続いている場合、学校や地域の教育支援機関と連携することが有効です。たとえば、以下のようなサポートを活用することが考えられます。

  • 先生への相談:学校の先生と連絡を取り、進級に必要な最低限の課題を調整してもらう。
  • オンライン学習:動画授業やオンライン教材を利用し、自分のペースで学べる環境を整える。
  • 学習塾や家庭教師:不登校の子どもに特化した学習塾や家庭教師を探してみるのも良い方法です。

3. 親が介入しすぎない

勉強を再開する際、親が全てを手取り足取り教えようとすると、お子さんが「自分ではできない」と感じてしまうことがあります。最初のきっかけを作った後は、少しずつ子どもが自分で考える時間を与えましょう。そして、取り組みの過程を見守りつつ、困ったときにはサポートするというスタンスを心がけてください。

心理的なハードルを下げる声掛けの工夫

勉強に対する心理的なハードルを下げるためには、親の声掛けが非常に重要です。「どうしてやらないの?」という責める言葉ではなく、「一緒にやってみよう」「少しだけ試してみない?」と優しく促すよう心がけましょう。また、「今日はこれだけできたね」「頑張ったことが素晴らしい」と結果だけでなく過程を褒めることで、お子さんのやる気を引き出せます。

第3章:学校との繋がりを保つ方法

1ヶ月以上の不登校が続くと、学校との繋がりが心理的にも物理的にも遠ざかっていきます。お子さん自身が「学校は自分には関係ない場所」と感じ始めることもありますし、親御さんも「学校に迷惑をかけているのでは?」という気持ちから、先生やクラスメイトとの関係を遠ざけがちになるかもしれません。しかし、学校との繋がりを完全に断ってしまうと、復帰の心理的ハードルが一層高くなります。この章では、無理なく学校との繋がりを保ち、復帰への道筋を整える方法をお伝えします。

なぜ学校との繋がりが重要なのか?

学校は、お子さんが同年代の友人と交流し、協力や競争を通じて社会性を育む場です。不登校が長引くと、そのような機会が失われるだけでなく、「学校は怖い場所」「自分の居場所ではない」という認識が固定化してしまうことがあります。

また、親子が学校との繋がりを維持することは、お子さんが「自分は見捨てられていない」「戻る場所がある」と感じるためにも重要です。不登校の間も、学校というコミュニティの一員であることを意識できるようにすることで、復帰への心の準備を進めることができます。

学校との繋がりを保つための具体的な方法

1. 先生との定期的な連絡を続ける

不登校が長引くと、親御さんの中には「先生に連絡するのが気まずい」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、学校とのコミュニケーションを断つと、状況を共有する機会が失われてしまいます。先生と定期的に連絡を取り合うことで、家庭での様子やお子さんの気持ちを共有し、学校側のサポートを受ける準備が整います。

具体例:

  • 月に1回程度、電話やメールで家庭での様子を報告する。
  • 担任の先生や学年主任と「今後どう進めるべきか」を相談する機会を持つ。
  • 先生からお子さん宛ての手紙やメッセージを依頼する。

2. 短時間の訪問を取り入れる

いきなり「学校に行こう」と言っても、お子さんにとっては心理的な負担が大きすぎる場合があります。その場合は、短時間の訪問や特定のエリアに限定した関わりから始めると良いでしょう。

具体例:

  • 放課後の空いた教室に親と一緒に行く。
  • 校庭や体育館で遊ぶ機会を作る。
  • 学校行事(運動会や文化祭)に顔を出す。

短い時間からでも「学校に足を運ぶ」という経験を積み重ねることで、「学校に行く」という行為自体への抵抗感を和らげることができます。

3. 友人やクラスメイトとの関係を維持する

クラスメイトとの関わりを絶たないようにすることも重要です。不登校が続く中で、友人との関係が途切れると、「学校に戻ったときに誰も自分を受け入れてくれない」という不安が強まります。可能であれば、親御さんが間に入って友人との交流をサポートしてみてください。

具体例:

  • 近所の友達を家に招き、一緒に遊ぶ機会を作る。
  • 学校外の活動(習い事やスポーツ)でクラスメイトと顔を合わせる。

友人との交流が続いていることは、お子さんにとって「学校に戻っても大丈夫」という安心感に繋がります。

4. 無理のない復帰計画を立てる

学校との繋がりを維持しながらも、復帰のタイミングや方法については、慎重に計画を立てる必要があります。一度学校に行けたからといって、それですべてが解決するわけではありません。長期的な視点で段階的に進めることを心がけましょう。

具体例:

  1. まずは1時間だけ授業に参加する。
  2. 好きな科目や得意な授業だけ出席する。
  3. 週に1回から徐々に登校日数を増やす。

お子さんのペースに合わせて計画を進めることで、負担を軽減しながら復帰を目指すことができます。

親のサポートが鍵となる

学校との繋がりを保つためには、親御さんのサポートが不可欠です。お子さんが「学校に行くのが怖い」と感じている場合は、その気持ちを否定せず、むしろ「どこが怖いのか」を一緒に考える姿勢を持ちましょう。また、親が「学校は楽しい場所だよ」と前向きに語ることも、子どもに安心感を与える重要な要素です。

第4章:親自身のケアと精神的な支え方

1ヶ月以上続くお子さんの不登校は、親御さんにとっても大きなストレスとなります。「どうしてこうなってしまったのだろう」「自分の育て方が悪かったのではないか」と自分を責める気持ちや、日々の対応に追われて疲弊する状況は、決して珍しいことではありません。ですが、親が心身ともに健康でいなければ、長期的にお子さんを支えるのは難しくなります。親御さん自身が「自分をケアする」ことに目を向けることは、お子さんの回復を促進するためにも非常に重要です。

なぜ親のケアが必要なのか?

不登校が長期化すると、家庭の雰囲気が張り詰めてしまうことがよくあります。お子さんの行動に一喜一憂し、日々の生活が「不登校の問題」に飲み込まれてしまう状態が続くと、親御さん自身が疲弊し、結果的にお子さんへの支援も行き詰まる恐れがあります。

以下は、親御さんがケアを怠った場合に起こりがちな問題です。

  • 感情的な対応が増える:「また起きられなかったの?」と、子どもを責める言葉が増え、親子関係に溝が生まれる。
  • 過干渉または放任に偏る:疲労から「どうでもいい」と放任してしまうか、逆に不安から過干渉になる。
  • 自分を責める感情が悪化する:「私がちゃんと育てていれば」と自己否定に陥り、精神的な余裕を失う。

こうした状況を防ぐためにも、親自身が心身の健康を保つことが欠かせません。

親自身をケアするための具体的な方法

1. 悩みを共有する

不登校問題を一人で抱え込む必要はありません。同じ悩みを持つ親同士の交流や、専門家への相談を活用することで、気持ちが軽くなることがあります。

具体例:

  • サポートグループに参加する:不登校の子どもを持つ親が集まるグループでは、「自分だけではない」と感じられ、共感や具体的なアドバイスを得られることがあります。
  • 専門家に相談する:児童心理司やスクールカウンセラーに現状を共有し、具体的な対応方法をアドバイスしてもらう。
  • 信頼できる友人や家族に話す:身近な人に話を聞いてもらうことで、感情の整理が進む場合もあります。

他者に悩みを打ち明けることで、問題を客観的に捉え直すきっかけが得られます。

2. 自分の時間を持つ

日々の生活が不登校対応に追われていると、親御さん自身の時間を持つことを忘れがちです。しかし、自分の趣味や楽しみの時間を確保することは、心のリフレッシュに繋がり、子どもへの支援を続ける力となります。

具体例:

  • 趣味に没頭する:読書、料理、運動など、気分転換になる活動を取り入れる。
  • 短時間でも外出する:カフェに行く、自然の中を散歩するなど、自分のための外出を計画する。
  • リラックスの時間を作る:瞑想やヨガを取り入れ、心を落ち着ける習慣を持つ。

お子さんを気にかけすぎて何もかも自分で抱え込むのではなく、少しの時間でも「自分のために使う」ことを心がけましょう。

3. 感情を整理する

お子さんの不登校に直面していると、親御さん自身も様々な感情を抱えます。「心配」「怒り」「焦り」「孤独」など、それらをため込むとストレスが増幅してしまいます。感情を外に出し、整理することが大切です。

具体例:

  • 日記をつける:日々の気持ちや考えを文章にすることで、自分自身を客観視できる。
  • 肯定的な言葉を自分にかける:「私はよく頑張っている」「一歩ずつ進んでいる」といった言葉を、自分に向けて語りかける。
  • 専門家の力を借りる:感情が整理しきれない場合、心理カウンセリングを受けることも一つの手段です。

4. 家族やパートナーとの協力体制を築く

親御さんが一人ですべてを抱え込むのは非常に困難です。家族やパートナーと協力しながら、不登校の対応を進めることを考えましょう。

具体例:

  • 役割分担をする:例えば「朝の声掛けは母親、宿題のサポートは父親」というように、家庭内で役割を明確にする。
  • 家族会議を開く:お子さんの状況や家庭での対応方針について話し合う時間を設ける。
  • お互いの気持ちを尊重する:「どうしてこの対応をしたの?」と責めるのではなく、互いの意見を受け入れる姿勢を大切にする。

家庭全体で協力し合うことで、親御さん自身の負担を軽減するだけでなく、家庭の雰囲気も穏やかになります。

親が元気であることが子どもを支える力になる

親御さんが元気でいることは、お子さんにとっての安心感に繋がります。不登校の状況においては、親が冷静で落ち着いた態度を示すことが、子どもに「自分も大丈夫」というメッセージを伝える重要な手段となります。親御さん自身のケアを優先することは決して「甘え」ではありません。それは長期的にお子さんを支えるための「準備」なのです。

おわりに

ここまで、「生活リズムを整える」「勉強を続ける」「学校との繋がりを保つ」、そして「親自身のケア」という4つの柱について詳しく解説してきました。不登校が1ヶ月以上続く中での対応は簡単なものではありませんが、一つずつ取り組むことで、状況を改善する道筋が見えてきます。

親御さんの努力や温かいサポートは、必ずお子さんに届きます。焦らず、親子で少しずつ前進していきましょう。そして、どんなに辛い日々の中でも、「今は支え合う時間」と捉え、将来の希望を共に描いていけることを願っています。


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子育てにおける加点方式とは?


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児童心理司の藤原と申します。不登校や引きこもりの子どもたち、そしてそのご家族と日々向き合いながら、さまざまな課題や悩みに寄り添う仕事をしています。この文章を通じて、不登校に悩むお母さまたちが、子育てにおいて少しでも役立てられるヒントをお届けできればと思います。今回は「子育てと加点方式」というテーマに沿って、子育ての考え方を深掘りしていきます。

子育ては、ときに大きなプレッシャーを伴うものです。「これをしなければならない」「あれをやらないといけない」といった義務感や、「この子が将来困らないように」という切実な願いが、知らず知らずのうちに日々の言動を支配していることもあるでしょう。そして、そうした思いが強くなるとき、私たちはつい「減点方式」の視点に立ってしまうことがあります。

減点方式とは何か

まず、減点方式とは何でしょうか。この考え方は、もともと工業や製造業など、ミスが許されない分野で発展してきた評価の方法です。製品を検査する際に、欠陥がある部分を減点していくことで、品質を保証する仕組みです。たとえば航空機の製造や医療現場では、この減点方式が欠かせません。安全が最優先されるからです。

しかし、この減点方式を子育てに当てはめたとき、何が起こるでしょうか。子どもが失敗したり、不十分だったりした点を指摘し、そこを改善するように促すことで、理想的な状態に近づけようとする。この方法は一見、効率的に思えるかもしれません。けれども、子育てにおいては、こうした評価方法が親子双方に大きなリスクをもたらすことがあります。

減点方式が子どもに与える影響

減点方式の最大の問題点は、子どもの「自己肯定感」を損ないやすいという点です。自己肯定感とは、自分自身を「これでいいんだ」と認められる感覚のことです。この感覚は、幸せを感じるための基盤ともいえるものです。子どもが失敗や不足を指摘され続けると、「自分はダメだ」「自分には価値がない」という感覚を持ちやすくなります。そして、この自己肯定感の低下は、後々まで深刻な影響を及ぼす可能性があります。

たとえば、不登校の子どもたちと話していると、「どうせ何をやっても怒られる」「頑張ったって認めてもらえない」といった言葉を耳にすることが少なくありません。彼らの中には、親からの期待や指摘が積み重なり、自分自身を否定的にしか見られなくなっている子もいます。もちろん、親としては愛情をもって接してきたつもりでしょうし、子どもの成長を願う気持ちに偽りはないはずです。しかし、その思いが減点方式の形で伝わると、子どもには「自分はまだ足りない」「もっと頑張らないと愛されない」と感じさせてしまうのです。

加点方式とは何か

では、加点方式とは何でしょうか。加点方式は、減点方式とは逆に、ポジティブな側面や達成したことを評価し、それを積み重ねていく方法です。たとえば、「できなかったこと」ではなく、「できたこと」に注目する。「これが足りない」ではなく、「ここまでできている」という視点で接するのです。

この加点方式は、スポーツのコーチングなどでもよく使われます。選手の欠点ばかりを指摘するのではなく、うまくいった部分を認めることで、本人のやる気や自信を引き出します。こうした方法は、子育てにも大いに応用できるのです。

子どもに幸せを届けるための子育て

子育ての目的とは何でしょうか。それは、子どもが幸せになるための手助けをすることです。では、幸せとは何でしょうか。お金や地位といった物質的な豊かさももちろん大切です。しかし、それ以上に重要なのは、「自分自身を受け入れる力」です。どれだけ成功しても、自分を否定し続ける心では、本当の意味で幸せを感じることは難しいのです。

そのためには、子どもが自分自身を肯定できる環境をつくることが欠かせません。そして、この自己肯定感は、加点方式によってこそ育まれます。たとえば、テストで50点を取った子どもに対して、「あと50点足りないね」と言うのではなく、「50点分もよく頑張ったね」と伝えるのです。小さな違いに思えるかもしれませんが、これが子どもの心に与える影響は計り知れません。

加点方式は、親にとっても気持ちを軽くする効果があります。減点方式で子どもに接する親は、どうしても子どもの不足ばかりが目につくため、イライラしたり、失望したりすることが増えがちです。一方で、加点方式を意識することで、子どものポジティブな面を見つける喜びが増し、親子の間に温かな空気が生まれるのです。

子育てにおける歴史的背景

興味深いことに、加点方式と減点方式の考え方には、歴史的な背景があります。たとえば、江戸時代の日本では、子どもの成長を「目出度い(めでたい)」と捉える文化がありました。節目ごとに子どもの成長を祝う七五三などの行事も、その表れです。一方、産業革命以降の西洋では、効率や成果を重視する風潮が強まり、減点方式的な評価方法が広がりました。この背景には、資本主義の台頭や、労働力としての能力を重視する社会構造の変化が関係しています。

現代の日本は、この両方の影響を受けています。成果主義的な価値観が広がる一方で、伝統的な家族文化も残っています。このような状況の中で、私たちは改めて、「何のために子どもを育てるのか」という原点に立ち返る必要があるのではないでしょうか。

加点方式の具体的な実践方法

それでは、加点方式を日常の子育てにどう取り入れていくかについて、具体的にお話しします。ポイントは、「子どもの行動を細かく観察し、小さな進歩や努力を見逃さない」ということです。どんなに些細なことでも、「できたこと」「頑張ったこと」を見つけ、それを言葉にして伝えることが重要です。

たとえば、不登校の子どもが朝起きてリビングに顔を出したとします。その行動自体は、もしかすると親から見れば大したことではないように思えるかもしれません。しかし、不登校の子どもにとっては、それが大きな一歩である場合も多いのです。ここで「どうして学校に行かないの?」と尋ねるのではなく、「リビングに出てきてくれたんだね。嬉しいよ」と伝えることで、子どもは「自分の行動が認められた」と感じます。

また、子どもが何か新しいことに挑戦したときや、困難に向き合ったときも、結果にかかわらず努力を評価することが大切です。たとえば、「テストで良い点を取ること」だけを褒めるのではなく、「テスト勉強を頑張ったこと」を認める。「友達と話せた」だけではなく、「話しかけようと勇気を出した気持ち」に目を向ける。このように、結果だけではなく過程を評価する視点を持つことで、子どもの心に寄り添うことができます。

親の心の持ち方を変える

加点方式を実践するうえで、親自身の心の持ち方も大切です。減点方式に陥りがちな親の多くは、自分自身にも厳しい評価を下しがちです。「良い親でなければならない」「子どもをちゃんと育てなければならない」というプレッシャーが強く、自分自身に対しても減点方式的な見方をしていることが少なくありません。

しかし、子どもに加点方式を適用するためには、まず親自身が自分を認めることが必要です。「これだけやれた」「ここまで頑張れた」という自分自身の努力や成長を、意識して肯定的に捉える練習をしてみてください。たとえば、一日を振り返るときに、「今日も子どもとちゃんと話せなかった」と自己批判するのではなく、「今日は子どもに『おはよう』と声をかけられた」といった小さな成功体験に目を向けるのです。

子どもを褒めるイメージ

また、完璧を求めるのではなく、「少しずつ良くなっていくことを喜ぶ」という視点を持つことも大切です。不登校は決して「親の失敗」ではなく、子どもが人生の中で一時的に経験する一つの課題にすぎません。親が自分を責めすぎず、「今できることをやる」くらいの気持ちでいることで、親子の間に余裕が生まれます。

子どもの未来を信じる

不登校の子どもたちと接していると、親御さんから「この子の将来が心配です」という声をよく聞きます。その気持ちは当然のものですし、愛情の表れでもあります。しかし、過度な心配は、ときに子どもにとって重荷になってしまいます。

子どもにとって何より大切なのは、「自分を信じてもらえている」という感覚です。たとえ学校に行けていなくても、今は何もできていなくても、親が「あなたには可能性がある」「あなたならきっと大丈夫」と信じてくれることで、子どもは安心感を得ます。そして、その安心感が、次の一歩を踏み出すエネルギーになるのです。

私が以前関わった子どもの中に、2年間不登校だった男の子がいました。その子の母親は、最初の頃は非常に不安を抱えていて、どうしても減点方式的な接し方になりがちでした。しかし、母親がカウンセリングを通じて加点方式を意識するようになると、少しずつ親子の関係が変わっていきました。その子は、母親からの「最近、自分で時間割を作ろうとしてるんだね。すごいね」という声かけを受けて、自分の行動に自信を持つようになりました。最終的に彼は再登校し、今では学校生活を楽しんでいると教えていただきました。

このように、親が子どもの未来を信じ、できることを一つずつ認めていくことで、子どもの可能性は大きく広がります。

加点方式がもたらす親子関係の変化

加点方式を続けていくと、親子の関係そのものが変わっていきます。親が子どもの成功や努力を見つけ、認めることで、子どもは「自分は親に愛されている」と感じます。そしてその感覚が、子どもの自己肯定感を育みます。一方で、親にとっても、子どものポジティブな面を見つけることは、子育ての喜びを再発見する機会となります。

また、加点方式は親子の間に信頼関係を築く助けにもなります。減点方式では、どうしても指摘や注意が増え、子どもとの間に摩擦が生じやすくなります。しかし、加点方式を取り入れることで、親子の間にポジティブな会話が増え、自然と笑顔の時間が増えるのです。

親子の信頼関係は、不登校の解決だけでなく、その後の人生全般においても大きな財産となります。どんな困難に直面しても、「自分には味方がいる」「自分を認めてくれる人がいる」と思えることは、子どもにとって何よりの支えとなるのです。

最後に

子育てには正解がないとよく言われます。しかし、正解がないからこそ、自分たちに合った方法を見つけることが大切です。そしてその中で、減点方式ではなく加点方式を意識することは、親子双方にとって大きなメリットをもたらします。

不登校という状況は、親にとっても子どもにとっても、決して簡単なものではありません。しかし、そこに隠れている小さな可能性や希望に目を向け、加点方式の考え方を取り入れることで、きっと前に進む道が見えてくるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。この文章が少しでも保護者の方のお役に立てれば幸いです。そして、何よりもお伝えしたいのは、あなたの頑張りが、きっとお子さまに届いているということです。どうぞご自分を責めず、肩の力を抜いて、お子さまとの時間を大切にしてください。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

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再登校に向けた冬休みの過ごし方とは?

冬休みを再登校に向けた土台作りにするための過ごし方のイメージ

目次


不登校や引きこもりの支援に携わる児童心理司の藤原と申します。不登校という状況は、どのご家庭でも大きな悩みであり、時に出口の見えない迷路のように感じられることもあるかと思います。
特に冬休みという時期は、親戚が集まる行事や年末年始の特別な環境変化が重なることで、お子さんの心に新たな負担が生じやすい時期でもあります。これから、「冬休みを再登校に向けた土台作りにするための過ごし方」というテーマで、保護者の方にとって役立つ具体的な方法をお伝えします。

1. 親戚との付き合い――無理をさせないための工夫

冬休みといえば、多くの家庭で親戚が集まる行事が予定される季節です。お正月や新年会、あるいはクリスマスの集まりなど、家族や親戚が一堂に会することは、日本の伝統的な年中行事の一部であり、多くの人にとって楽しみな時間でもあります。しかし、不登校のお子さんにとって、これらの機会は楽しいどころか、場合によっては非常にストレスフルな状況になることがあります。

まず、親戚同士の集まりでは、どうしても「学校」の話題が出やすいものです。特に学校に行けていないお子さんにとっては、「最近どう?」「学校はどうしてるの?」といった何気ない質問が強いプレッシャーになりがちです。このような質問に答えられない、あるいは答えることで不安や恥ずかしさを感じる場合、親戚の集まりそのものが苦痛に感じられることがあります。また、普段あまり会わない親戚たちの前では、素の自分を出すことができず、緊張が高まってしまう子どもも少なくありません。

こうした状況を避けるためには、まず保護者の方が事前にお子さんと話し合い、集まりへの参加方法や範囲について、可能な限りお子さんの希望を尊重することが大切です。「少しの時間だけ顔を出してみる」「挨拶だけして、あとは自分の部屋で過ごす」といった選択肢を提示し、お子さんが安心して過ごせる形を一緒に考えることが重要です。
たとえ短時間でも「参加できた」という経験は、お子さんにとって自信や達成感につながる可能性があります。一方で、無理に参加させることで逆にストレスが高まり、自己否定的な気持ちが強まるリスクもあるため、無理強いは避けるべきです。

また、親戚の方々に事前にお子さんの状況を簡潔に伝えることも有効な手段です。「今は少し休んでいる時期です」「ゆっくり考える時間を持たせています」といった形で、柔らかい表現を用いながら、子どもが質問攻めに遭わないよう配慮をお願いすることができます。この際、状況を細かく説明する必要はありません。あくまで「今の状況を温かく見守ってほしい」というスタンスを伝えることが大切です。親戚の集まりでは、学校や進学に関する話題が出ることが多いため、これを未然に防ぐことは、お子さんの安心感を守るうえで非常に有効です。

さらに、親戚同士の集まり自体を短時間に抑えるという選択肢もあります。例えば、昼食や夕食の時間帯だけ参加し、その後は自宅でゆっくり過ごすように計画を立てることが考えられます。こうすることで、お子さんが長時間ストレスにさらされることを防ぎつつ、親戚との交流も一定程度維持することができます。特に、祖父母など近しい親戚に会うことは、将来的にお子さんが家族のつながりを感じるための大切な経験となる可能性があるため、全く顔を出さないよりも、短時間でも接触の機会を持つことを目指すと良いでしょう。

加えて、親戚の集まりに参加する場合、お子さんに事前の準備をサポートすることも効果的です。例えば、「話したくない質問が来たらどう返すか」を一緒に考えたり、「参加する時間帯や席の場所」について相談したりすることで、お子さん自身が少しでもコントロール感を持てるよう配慮することが大切です。「わからない時は無理に答えなくてもいいんだよ」「何かあれば、すぐにお母さんに助けを求めていいんだよ」といった言葉をかけることで、安心感を与えることができます。

このように、親戚の集まりというイベントは、不登校のお子さんにとって大きなハードルとなり得ますが、工夫次第でその負担を軽減することが可能です。保護者としては、「参加できることが良い」というプレッシャーを抱えず、あくまでお子さんの気持ちやペースを尊重しながら、柔軟に対応する姿勢が求められます。短い時間でも「自分なりに頑張った」という経験は、お子さんの心の成長に確実につながっていきます。

2. 生活リズムの調整――年明けの再登校に備えて

冬休みという期間は、普段と違う生活リズムになりやすいものです。気温の低下によって布団から出づらくなったり、年末年始の行事の影響で夜更かしや朝寝坊が続いたりするのは、どの家庭でもよく見られる現象です。しかし、不登校のお子さんにとって、生活リズムが乱れることは、再登校への壁をさらに高くしてしまう要因になりかねません。心と体の準備が整わない状態で年明けを迎えると、休み明けの登校が一層難しくなってしまう場合があります。そのため、冬休み中にできる範囲で生活リズムを整える努力が重要となります。

まず、生活リズムを整えるために最も意識したいのは、起床時間を固定することです。夜更かしを完全に防ぐことが難しい場合でも、毎朝同じ時間に起きる習慣をつけることは、全体のリズムを戻す上で効果的です。子どもにとっては、冬休み中の朝に「起きる理由」がないことが多く、気づかないうちに昼まで眠る生活になってしまうことがあります。そのため、親御さんが一緒に起きる、あるいは軽い朝のイベントを計画するなどして、「朝起きる楽しみ」をつくる工夫をすると良いでしょう。例えば、親子で簡単な朝食作りに挑戦したり、近所を散歩して冬の景色を楽しむなど、小さな目標を持つだけで、朝起きるきっかけが生まれます。

次に、日光を浴びることも重要です。冬は日の出が遅いため、朝の光を浴びる機会が減りがちですが、太陽の光を浴びることは体内時計のリセットに欠かせません。起床後すぐにカーテンを開けて部屋に朝日を取り込み、可能であれば少し外に出るだけでも効果があります。たとえ寒い時期でも、10分程度の外出で十分です。日光を浴びると、体内のメラトニンというホルモンが調整され、自然な眠気が夜に訪れるようになります。この小さな習慣の積み重ねが、夜の早寝につながります。

また、食事のリズムを整えることも、生活習慣改善の重要な一歩です。特に朝食をきちんと摂ることは、体を目覚めさせるだけでなく、昼食や夕食の時間も一定に保つ助けとなります。不登校のお子さんの場合、食事をスキップしたり不規則な時間に軽食を取ることが増えやすいですが、親御さんが一緒に朝食を楽しむよう心がけることで、習慣づけがしやすくなります。子どもが好きな朝食メニューを一緒に考えたり、簡単に作れるレシピを共有するのも効果的です。

さらに、生活リズムを整える際に重要なのは、すべてを完璧に戻そうとしないことです。不登校のお子さんにとって、長い間崩れていたリズムを一気に修正することは、かえって負担になります。「少しずつ、できる範囲で」という姿勢を持つことで、子ども自身もプレッシャーを感じずに取り組むことができます。例えば、起床時間を1日30分ずつ早める、寝る前にスマートフォンやタブレットの使用時間を少し短くする、といった小さな目標を設定するのが良いでしょう。

親御さん自身も、お子さんのペースに寄り添いながら生活リズムの調整を進めていくことが大切です。「一緒にできたこと」を見つけて声に出して褒めることで、少しずつ自信を取り戻す助けになります。このような積み重ねが、年明けに再登校への一歩を踏み出す土台となるのです。

3. 学校との連携――家庭での学習支援を取り入れる

冬休みは、生活リズムだけでなく学習習慣の維持にも気を配りたい時期です。不登校のお子さんにとって、学習面での遅れがさらに再登校を難しくする原因になることがあります。学校の授業に追いつけない不安や、自分だけが取り残されている感覚を抱えたままでは、学校への足が遠のいてしまうのも無理はありません。そこで、学校と連携して家庭でできる学習支援を取り入れることが、有効な手段となります。

最初のステップとして、学校の担任の先生やスクールカウンセラーに相談することをおすすめします。不登校の状況に応じて、学校側が家庭で使えるプリントや課題を用意してくれることがあります。これらの教材は、単なる勉強の道具としてだけでなく、「学校とのつながりを持ち続ける」手段としても役立ちます。学校での学びを家庭で少しずつ取り戻していくことで、「勉強ができた」という自信につながり、再登校への意欲も高まる可能性があります。

学習に取り組む際には、量や難易度に配慮することが重要です。無理に多くの課題をこなそうとすると、かえってお子さんの負担になり、やる気を失わせてしまうことがあります。そのため、「少しでも取り組めたらOK」という柔軟な姿勢で進めることが大切です。例えば、1日1枚のプリントから始めたり、得意な科目や簡単な問題から手をつけることで、学習へのハードルを下げることができます。完璧を求めるのではなく、「やれたこと」に焦点を当てて褒める姿勢が、親子の間に前向きな空気を生み出します。

また、親御さんが直接教えるのではなく、そばで見守る形を取ることも効果的です。お子さんが勉強に取り組む間、親が横で読書をしたり、家事をしながら様子を見守ることで、適度な安心感を与えることができます。「一緒にいるけど口出ししない」というスタンスが、お子さんの自立を促すと同時に、過剰な干渉によるストレスを防ぎます。

さらに、学習の進捗や困難な点については、定期的に学校側と共有することが大切です。家庭での努力を学校に報告することで、先生たちが今後の指導方針を立てやすくなるだけでなく、お子さん自身も「学校に見守られている」という感覚を持ちやすくなります。こうしたつながりが、再登校への道筋を整える支えとなります。

冬休みという特別な期間は、お子さんが学校に戻る準備を進める上で大切なチャンスでもあります。しかし、それを実現するには、親御さん自身も無理をせず、子どものペースに寄り添うことが何より重要です。焦らず、少しずつ進むことを目指しましょう。


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不登校の対応が母親中心になる理由とは?

不登校の対応が母親中心になる理由のイメージ

目次


児童心理司の藤原と申します。不登校や引きこもりの問題を専門としており、これまで多くの子どもたちとそのご家族に向き合ってきました。

さて、今回のテーマである「不登校の対応が母親中心になる理由」について、掘り下げてお話ししていきたいと思います。不登校の子どもを持つお母さん方は、毎日心を痛めながら、どう接すれば良いのか、どう導いてあげれば良いのかと頭を悩ませていることでしょう。一方で、お父さんの役割はどうなっているのか――そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。家族内での役割分担と、なぜ母親が中心的な存在となりやすいのかを理解していただくことで、不登校への対応に少しでも光が見えるのではないかと思います。

※今回は片親家庭は対象外として傾向分析を進めています。

1. 子どもとの「対話」は普段の積み重ねが鍵

不登校の問題が浮き彫りになるとき、多くのご家庭では「対話」が課題として挙げられます。学校に行かないという事実を前にして、子どもとどのように向き合えば良いのか、何を話せば良いのか分からなくなってしまうのです。しかし、ここで重要なのは「子どもとの対話は不登校になったとき突然始められるものではない」という点です。

子どもは、親に対して無条件に心を開いてくれるわけではありません。特に小学校高学年や中学生になると、自我が芽生え、親との距離を取りたがる時期でもあります。そういった時期に信頼関係を築くためには、日頃から何気ない会話を積み重ねておくことが必要です。「今日学校で何があった?」「友達と何を話したの?」そんな些細な一言でも、子どもにとっては「親が自分に関心を持ってくれている」と感じるきっかけになります。

しかし、ここで浮かび上がるのが「父親と子どもの会話の少なさ」です。これは多くの家庭で見られる傾向であり、データとしても裏付けられています。背景としては男性は感情を言葉にすることが苦手な傾向があり、子どもとのコミュニケーションが表面的なものになってしまうことがあります。

一方で、母親は普段から子どもとの会話を大切にしている方が多いです。朝起きたときから夜寝るまでの間に、自然と子どもと話す機会が多く、その積み重ねが信頼関係を育むのです。そのため、いざ子どもが不登校になったときも、母親は比較的スムーズに子どもの心に寄り添いやすい立場にいると言えるでしょう。

2. 不登校中の「非日常」が父親には難しい理由

不登校は家庭にとって「非日常」の出来事です。それまで当たり前だった「朝起きて学校に行く」という日常が崩れ、家族全体が不安定になります。この非日常の中で子どもと向き合うことは、実は非常に難易度の高いことなのです。

特に父親の場合、普段から子どもとの会話が少ない分、不登校という状況に直面したときにどう接すれば良いのか分からなくなることが多いです。子どもの気持ちを理解しようとしても、そもそも日常的な信頼関係が築けていないため、子どもが心を閉ざしてしまうことがあります。例えば、「どうして学校に行かないんだ?」「甘えているんじゃないか?」といった言葉が、父親の口から出てしまうことがありますが、これは子どもにとって大きなプレッシャーとなります。

一方で、母親は日常的な会話を通じて子どもの気持ちや変化に敏感です。不登校の原因が何であるか、子どもが何を考えているのかを感じ取りやすく、適切な言葉をかけることができるのです。そのため、不登校の対応が母親中心になりやすいのは、自然な流れとも言えるでしょう。

ただし、ここで誤解しないでいただきたいのは「父親の役割がない」というわけではないということです。不登校の子どもを支えるためには、父親も母親もそれぞれの得意分野を活かして適材適所で役割を果たすことが大切なのです。

3. 家族ぐるみの「役割分担」が効果的な理由

不登校の子どもを支えるためには、母親だけがすべてを抱え込むのではなく、父親を含めた家族全体での役割分担が重要になります。なぜなら、不登校への対応は一時的なものではなく、長期戦になることが多いため、母親がひとりで背負い込んでしまうと精神的にも体力的にも限界がきてしまうからです。

母親は、日頃から子どもとの会話を通して心に寄り添い、安心できる環境を作る役割を担っています。その一方で、父親は学校とのやり取りや社会的な役割を果たすことが得意な場合が多いです。例えば、担任の先生や学校のカウンセラーとの面談、学校への連絡などは、父親が中心となって動くことで、母親の負担が軽減されるだけでなく、父親自身が不登校への理解を深めるきっかけにもなります。

また、父親が学校と積極的にコミュニケーションを取ることで、子ども自身が「お父さんも自分のことを理解しようとしてくれている」と感じることができます。不登校の子どもは、時として「自分の存在は誰にも必要とされていないのではないか」という孤独感を抱えることがあります。父親が行動を通じて子どもの存在を認め、支えている姿勢を見せることは、子どもにとって非常に心強い支えとなるのです。

加えて、家庭内での役割分担は、両親の間のパートナーシップを強化する効果もあります。母親と父親がそれぞれの得意分野を活かしながら協力し合うことで、不登校の対応が「家族全体の課題」として捉えられるようになります。母親が孤立することなく、父親が不登校への理解を深めることで、家庭全体のバランスが保たれ、子どもも安心して過ごすことができるようになるのです。

4. 母親が中心になることの「現実」と向き合う

ここまで、母親が不登校の対応において中心的な役割を果たしやすい理由についてお話ししてきましたが、現実としては「母親がすべてを引き受けてしまう」という状況も少なくありません。不登校の子どもに寄り添うことは、決して簡単なことではなく、精神的にも大きな負担がかかります。

「自分の対応が間違っているのではないか」「なぜうちの子だけが学校に行けないのか」――そんな不安や焦りが、母親の心を圧迫してしまうことがあります。特に、周囲の目や世間の常識が母親に対して無言のプレッシャーをかけることも少なくありません。「お母さんの育て方が悪いのではないか」といった偏見にさらされることで、母親自身が自分を責めてしまうケースも見られます。

しかし、ここで強調しておきたいのは、「母親が一人で頑張りすぎる必要はない」ということです。不登校の問題は、決して母親一人の責任ではありません。子ども自身の心の問題、学校環境の問題、さらには社会全体の問題が複雑に絡み合って起こるものです。母親がすべてを背負い込んでしまうのではなく、父親や学校、専門家と連携しながら、少しずつ前に進んでいくことが大切です。

母親が子どもに寄り添う姿勢は、何よりも大切なものです。しかし、その姿勢が母親自身を追い詰めるものになってしまっては、元も子もありません。母親が笑顔で過ごすことが、子どもにとっても安心感につながります。だからこそ、家族全体で支え合い、母親が少しでも楽になれるような環境を作ることが、不登校の子どもを支える第一歩となるのです。

5. 父親の「役割」を再認識することの大切さ

不登校の対応が母親中心になりやすい理由として、父親の役割が見えにくくなってしまうことが挙げられます。しかし、父親が果たすべき役割は決して小さなものではありません。父親が学校や外部の専門機関とのやり取りを担当することで、母親の精神的な負担を軽減するだけでなく、家庭内での責任を分かち合うことができます。

また、父親が積極的に子どもとのコミュニケーションを取ることで、子どもが抱えている悩みや不安が見えてくることもあります。たとえ最初はうまくいかなくても、父親が真摯に向き合う姿勢を見せ続けることが、子どもとの信頼関係を築く第一歩となります。

さらに、父親の存在が家庭に安定感をもたらすことも忘れてはいけません。不登校の問題は、家庭全体に大きな影響を与えますが、父親も冷静に状況を見つめ、母親と協力しながら対応することで、家庭全体が前向きな方向へと進んでいくことができます。

6. 最後に――母親の皆さんへ

不登校の問題に向き合う母親の皆さんへ――あなたが今、毎日悩みながら子どもと向き合っていることは、決して無駄ではありません。子どもが学校に行けないことに対して、焦りや不安を感じるのは当然のことです。しかし、その中でも子どもの気持ちに寄り添い、少しずつ前に進もうとしているあなたの姿は、子どもにとって何よりも大きな支えとなっているはずです。

母親が中心的な役割を担うことは、現実として避けられない面もあります。しかし、それは決して「母親だけが頑張らなければならない」という意味ではありません。父親や学校、専門家と協力しながら、家族全体で子どもを支えていくことが、不登校の問題を乗り越えるための鍵となります。

どうか、一人で抱え込まずに、周囲の力を頼ってください。そして、あなた自身が少しでも笑顔で過ごせる時間を大切にしてください。その笑顔が、子どもにとっての希望となり、未来へとつながる第一歩となるのです。


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不登校におけるフリースクールの特徴とは?


目次


不登校や引きこもりに悩む子どもたちと向き合う児童心理司をしております、藤原と申します。これまで、数多くの不登校の子どもたちとその保護者の方々に寄り添い、サポートを続けてまいりました。不登校という現象は、子どもと保護者、双方にとって非常に深刻で、人生の中で避けて通りたくない道のりだと感じる方が多いと思います。その道のりを少しでも和らげられるよう、今日お話しするのは、「フリースクール」という選択肢と「再登校」という二つの選択肢についてです。それぞれの特徴を冷静に分析し、どのように向き合うべきかを考えていきたいと思います。

不登校という社会現象の背景

不登校のお子さんを抱えるお母さまにとって、その現状は想像以上に辛いものでしょう。なぜ学校に行けないのか、どうして他の子と同じように振る舞えないのか、時にはお子さんを責めたくなる気持ちが生まれることもあるかもしれません。

しかし、まず最初にお伝えしたいのは、不登校という現象は決してお母さまやお子さんだけの問題ではないということです。学校という環境は、多くの子どもたちにとって楽しく成長できる学びの場である一方で、一部の子どもにとっては過酷なストレスの温床になることもあります。この現象は、日本全体の社会構造や教育制度の問題も含んでいるため、誰か一人のせいにすることでは解決できないのです。

文部科学省のデータによると、現在日本では小中学生のうちおよそ1.8%の子どもが不登校状態にあるとされています。これは年々増加傾向にあり、教育現場でも深刻な課題として捉えられています。不登校の原因は、学業不振、友人関係のトラブル、教師との相性、さらには家庭環境の影響など多岐にわたります。この中で、保護者ができることは限られているように感じるかもしれませんが、実際には子どもにとって親の理解やサポートが最も重要な要素の一つです。

フリースクールとは何か

さて、不登校の子どもたちにとっての支援の場として「フリースクール」という選択肢があります。フリースクールとは、学校に通うことが難しい子どもたちのために設立された教育施設であり、学業だけでなく、心理的な支援や社会性の育成を目的としています。ここではまず、フリースクールの特徴を具体的にお伝えし、どのような子どもに適しているのかを考えていきます。

フリースクールの現状

日本には現在、約500以上のフリースクールが存在しています。地域によって設置数には差がありますが、都市部を中心に多くの施設が展開されています。フリースクールの運営母体は、民間のNPO法人や個人経営のものが多く、学校法人として認可を受けた施設は非常に限られています。そのため、施設ごとに教育方針や運営スタイルが大きく異なるのが特徴です。

料金についても様々で、1か月あたり数万円程度のところもあれば、より専門的な支援を提供する施設では10万円を超えることもあります。一見高額に感じるかもしれませんが、少人数制や個別指導、専門的なカウンセリングが含まれることを考えると、これも一つの投資と捉えられるでしょう。ただし、自治体によってはフリースクールに通う費用を一部補助する制度を設けているところもありますので、情報収集が重要です。

フリースクールのメリットとデメリット

フリースクールの最大のメリットは、学校に行けない子どもたちにとっての「安全な場所」であることです。学校では感じることの多い競争や集団生活のストレスを取り除き、一人ひとりのペースに合わせた学びが可能になります。例えば、友人関係で悩んでいた子どもがフリースクールで新たな友人を作り、自己肯定感を取り戻すケースも珍しくありません。また、自由な雰囲気の中で、自分の興味関心に基づいた活動を通して自己成長を促すことができるのも大きな魅力です。

一方で、デメリットも存在します。一つは、学びの質や量が学校教育に比べて十分でない場合があることです。フリースクールでは必ずしも文部科学省のカリキュラムに沿った授業が行われるわけではないため、高校や大学への進学を目指す場合、追加の学習が必要になることがあります。また、運営母体の質や方針によっては、サービスの内容が安定しないこともあります。信頼できるフリースクールを見極めるためには、実際に訪問し、スタッフや子どもたちの様子を確認することが重要です。

フリースクールと再登校の比較

それでは不登校の子どもにとって、フリースクールに通うことと学校への再登校、どちらが望ましいのでしょうか。この問いに対する答えは、お子さん一人ひとりの状況によって異なりますが、私自身の立場から少し踏み込んだ見解をお伝えします。

再登校の重要性

私は、お子様に学校に通いたいという気持ちがあるのであれば、再登校を目指すことを最優先に考えるべきだと思っています。それは、学校という環境が子どもたちにとって非常に特別な場であるからです。同年代の子どもたちと共に学び、遊び、時に衝突しながら成長していく経験は、学校以外ではなかなか得ることができません。特に小中学生の時期は、友人との友情や競争を通じて自己を確立していく非常に重要な時間です。この期間を学校という場で過ごすことは、後から取り戻すことは出来ない、かけがえのない経験となります。

学校は単なる学びの場ではありません。同年代の子どもたちとの日々のやり取りを通して、社会性やコミュニケーション能力を育む場でもあります。例えば、グループ活動や体育祭、文化祭などで役割を分担し、仲間と一緒に目標を達成する経験は、社会で生きていく上で欠かせない能力を身に付ける土台になります。こうした体験を通じて培われる「他者との協力」や「自己の役割を果たす責任感」は、フリースクールや家庭だけでは代替しにくいものです。

また、学業面でも学校の強みは明確です。学校は文部科学省のカリキュラムに基づいて授業を進めていくため、学力を体系的に身に付けることができます。特に、高校受験や大学受験を控えた子どもにとって、学校の授業が提供する内容は極めて重要です。フリースクールで学びながら受験勉強をすることは可能ですが、その場合、追加で塾や個別指導に通う必要が出てくるため、子どもにかかる負担が増えることも考えられます。

しかし、再登校を勧めるにあたって重要なのは、子どもが「無理をしていないか」をしっかり見極めることです。学校に戻りたいという気持ちがある場合でも、急激に環境を変えることでストレスが大きくなり、結果的に登校が続かなくなるケースも少なくありません。そのため、子どもの気持ちやペースを最優先に考え、少しずつ環境に慣れていけるようなサポートが必要です。

フリースクールの役割

一方、フリースクールには学校とは異なる重要な役割があります。それは、「心の安全基地」としての機能です。不登校の子どもたちは、学校に対する不安やストレスが非常に強く、家から出ることすら難しい状態にあることが多いです。このような状態で無理に学校へ戻そうとすると、かえって不安が悪化し、家庭内でのトラブルに発展することもあります。フリースクールは、そうした子どもたちが外の世界に一歩踏み出すための中間地点として機能します。

例えば、あるフリースクールでは、午前中はスタッフと一緒に好きな本を読むだけの時間を設け、午後からは少人数でのグループ活動を行うという柔軟なプログラムを取り入れています。このような環境では、子どもたちは自分のペースで外の世界に馴染んでいくことができます。また、フリースクールのスタッフは多くの場合、子どもの心のケアに特化した専門知識を持っており、子どもが抱える不安や悩みに寄り添うことが可能です。

さらに、フリースクールでは、子どもたちが自分の興味や関心を中心に学べる時間が多いのも特徴です。例えば、プログラミングやアート、料理など、学校では十分に取り組むことが難しい分野に触れることで、自信や自己肯定感を取り戻す子どももいます。こうした活動を通じて「やりたいこと」を見つけられると、将来に対する意欲も少しずつ育まれるようになります。

再登校とフリースクールのバランスを取る

ここまでお話ししてきたように、再登校とフリースクールにはそれぞれ独自のメリットがあります。そして重要なのは、どちらか一方に偏るのではなく、お子さんの状況に応じて柔軟に選択肢を活用していくことです。

例えば、「今すぐ学校には戻れないけれど、家にいるだけでは先に進めない」という場合、まずフリースクールに通うことで社会生活のリズムを取り戻し、その後再登校を目指すというステップも考えられます。逆に、学校での学業を諦めたくないお子さんには、家庭でのサポートを続けながら少しずつ学校へ通う準備を進めるのがよいでしょう。その際、フリースクールを一時的なサポート拠点として利用することもできます。

私がこれまで関わってきたお子さんの中には、最初はフリースクールでスタッフと1対1で話すことさえ困難だった子どもが、数か月後には他の子どもたちと一緒に工作を楽しめるようになり、最終的には学校へ戻ることを選んだケースもありました。一方で、学校には戻らず、フリースクールでの学びを続けながら、高校進学や専門学校への道を選んだお子さんもいます。

保護者の役割と心構え

最後に、不登校のお子さんを抱える保護者の方に向けて、いくつか心構えをお伝えしたいと思います。不登校という状況は、子どもだけでなく保護者にとっても大きな試練です。しかし、この試練を乗り越えるためには、保護者自身が冷静に、そして柔軟に対応することが何よりも重要です。

まず、「子どもを信じる」ということを忘れないでください。不登校の状況にある子どもは、親からの信頼を感じることで大きな安心感を得ます。一方で、親が焦りや苛立ちを強く抱えていると、それが子どもに伝わり、不安を増幅させることがあります。子どもが自分のペースで一歩ずつ進めるよう、長い目で見守ることが大切です。

次に、「情報を集める」ということも大切です。不登校への対応は一律ではなく、お子さんに最適な選択肢を見つけるためには、多くの情報を集めて検討する必要があります。学校やフリースクール、地域の支援団体など、多くの機関が提供する情報を活用し、納得のいく判断をしてください。

そして最後に、「親自身が無理をしない」ということです。不登校は親子にとって非常に重いテーマですが、親が無理をするとその影響が家庭全体に広がります。時には信頼できる相談相手を見つけ、適切に頼ることも必要です。

フリースクールと再登校のどちらが良いかという問いに、明確な答えを出すのは難しいことです。しかし、重要なのはお子さんの気持ちに寄り添いながら、適切なサポートを選び取ることです。お子さんが今抱えている不安を少しずつ解消し、安心して社会の中で成長できるよう、保護者としてできることを考え続けてください。私もまた、不登校に悩むお子さんとその保護者の方々の力になれるよう、これからもサポートを続けていきたいと思います。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

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不登校の構造的な問題と、親としての立ち向かい方とは?


目次


私は、児童心理司として不登校や引きこもりの問題に長年携わってきた藤原と申します。本文では、お子様の不登校に悩む保護者の皆様に向けて、子どもが不登校になる背景や構造的な問題を掘り下げ、親としてどのように立ち向かうべきかを考えていきます。

不登校という状況に直面すると、親は強い不安や自己批判にさいなまれることが少なくありません。しかし、この問題を冷静に捉え、子どもに寄り添った対応を取ることで、親子の新たな可能性を見出すことができます。これから、具体的な課題と解決策を深く掘り下げていきます。

不登校を生み出す学校という構造の問題

日本の教育システムは、長い間「画一的な学び」を前提に運営されてきました。つまり、すべての子どもが同じカリキュラムを、同じペースで学び、同じように評価される仕組みです。表向きには平等な教育のように見えますが、実際にはこの仕組みの中で多くの子どもたちが取りこぼされています。不登校という現象は、まさにその「画一化」の犠牲とも言える問題なのです。

例えば、学校の授業スタイルを考えてみましょう。多くの授業では、教師が黒板の前で説明し、生徒はそれを静かに聞くという形式が採られています。この形式が得意な子どももいますが、全員がそうとは限りません。じっと座って話を聞くことが苦手な子ども、耳で聞くよりも目で見たり、手を動かしたりして学ぶ方が得意な子ども、人前で発表することに強いストレスを感じる子どももいます。学校はこうした個々の学びの特性を十分に考慮していません。

また、評価の基準が偏っていることも問題です。たとえば、「算数100点、国語0点」の子どもは、「算数50点、国語50点」の子どもよりも問題視されがちです。特定の科目に秀でた子どもの才能が認められるどころか、不得意な科目に注目され、その子ども自身が「自分はダメだ」と感じてしまう原因となります。このような教育の仕組みが、子どもたちの自己否定感を生み出し、不登校につながっているのです。

さらに、学校という閉鎖的な環境において起こりやすい「いじめ」の問題も、不登校を引き起こす大きな要因です。いじめはしばしば表面化しにくい形で進行します。加害者だけでなく、周囲の無関心や教師の未熟な対応が、被害者の孤立感をさらに深めることがあります。このような環境で子どもが「学校は安心できる場所ではない」と感じるのは当然のことです。

社会と教育の価値観のズレが生む問題

近年、社会では「働きがい」や「個性の尊重」が重視されるようになっています。例えば、大人たちはそれぞれの能力や志向に応じた職業を選び、自分の適性を活かせる働き方を模索するようになりました。しかし、子どもたちの教育現場ではどうでしょうか。依然として「全員が同じ内容を、同じペースで学ぶ」ことが当然とされ、個性や適性など「学びがい」が軽視されています。この価値観のギャップこそが、子どもたちを苦しめている原因の一つです。

特に顕著なのは、学び方の選択肢が限られていることです。たとえば、フリースクールや通信制の学校など、従来の学校に代わる選択肢が増えてきてはいますが、それでも社会全体ではまだ少数派です。N校のような先進的な取り組みが注目されているのは、子どもたちが自分に合った学び方を選べる場を提供しているからです。従来型の学校に適応できない子どもたちが増えている背景には、このような選択肢の少なさが関係しています。

また、学校の価値が「勉強」だけにあるわけではないことも重要です。学び舎とも呼ばれるため「学校に行く=勉強をする」と考えがちですが、実際には学校で得られる最大の価値は「人間関係」です。同年代の子どもたちと触れ合い、協力し、時には衝突しながら人間関係を学ぶ場としての学校の役割は非常に大きいのです。しかし、この「人間関係」が逆にストレスとなり、不登校の原因になる場合もあります。

例えば、対人関係において自己肯定感が低い子どもは、「自分なんて誰も好きじゃない」「みんなから嫌われている」と思い込む傾向があります。このような子どもにとって、学校は非常に居心地の悪い場所となります。不登校の子どもたちの多くが、このような自己否定的な思考に悩まされています。

頭を抱える子どものイメージ

親として不登校にどう向き合うべきか

子どもが不登校になったとき、親はどう対応するべきでしょうか。最も避けなければならないのは、「学校に行くことが当たり前」という価値観を押し付けることです。子どもが学校に行けない理由は、多くの場合、「甘え」や「怠け」ではありません。不登校には、環境的な要因や心理的な要因が複雑に絡み合っています。親が「行くべきなのに行かない」という見方をしてしまうと、子どもは自分の気持ちを理解してもらえないと感じ、さらに孤立してしまう可能性があります。

子どもが不登校になったとき、まず親がするべきことは、「子どもの気持ちに寄り添うこと」です。例えば、子どもが「学校が怖い」と言ったとき、その言葉を軽視せず、なぜ怖いと感じるのかをじっくりと聞いてあげることが大切です。「どうして怖いの?」「具体的にどんな場面が嫌なの?」と問い詰めるのではなく、「怖いと感じるんだね」「それは辛いよね」と共感を示すことで、子どもは安心感を得られます。

さらに、不登校の原因の一つとして、子どもの自己肯定感の低さが挙げられます。私がこれまでカウンセリングしてきた中で、「自分は価値のない人間だ」と思い込んでいる子どもが非常に多いことに気づきました。この自己否定的な思考を和らげるためには、親が日常的にポジティブなメッセージを伝えることが有効です。「あなたは頑張っているね」「とても素敵だと思うよ」といった言葉は、子どもの心を少しずつ癒していきます。

また、不登校の子どもに「無理に学校へ戻す」ことは避けるべきです。子どもが学校に対して強い抵抗感や恐怖感を持っている場合、無理に通わせようとすると、さらに心の傷を深めてしまう可能性があります。その代わりに、子どもが安心できる環境を作り、少しずつ心の回復を促すことが重要です。

自己肯定感を高めるための具体的な取り組み

不登校の子どもの多くは、自分に自信を持てない状態に陥っています。「自分なんて、誰からも必要とされていない」「みんなが自分を嫌っている」といった考えが、子どもの行動や思考を支配してしまうのです。このような状態を改善するためには、親が自己肯定感を高めるための取り組みを意識的に行う必要があります。

まず、子どもの得意なことや好きなことを見つけ、それを伸ばしていくことが大切です。例えば、絵を描くことが好きな子どもであれば、自由に描ける時間や環境を用意し、その作品を「素敵だね」「こんな表現ができるなんてすごいね」と褒めてあげましょう。スポーツが好きな子どもには、地域のクラブ活動や親子で一緒に体を動かす時間を作るのも良いでしょう。

また、子どもの努力や小さな成果を認めることも重要です。たとえ学校に通えなくても、日々の生活の中で頑張っていることは必ずあります。「今日は朝起きられたね」「少しでも宿題に取り組んだね」といった具体的な行動を褒めることで、子どもは自分の価値を再認識することができます。

もう一つの重要なポイントは、親自身が子どもにとっての「安心感」を与える存在であることです。不登校の子どもにとって、親がイライラしたり落ち込んだりしている姿を見ることは、大きなストレスになります。もちろん、親が不安やストレスを感じることは当然です。しかし、その気持ちを子どもにぶつけるのではなく、誰かに話したり、時間を置くことで、親自身が心の安定を保つことが大切です。

親自身のストレスを軽視しないために

不登校の問題に向き合う中で、親自身が孤立しないことも非常に重要です。不登校の子どもを持つ親は、「自分の子育てが駄目だったから、こんな苦しい状況に子どもといるのではないか」と感じてしまうことがあります。この孤立感は、親自身の精神的な健康を損ない、子どもへの対応にも悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、親が自分の趣味や楽しみを見つけることも重要です。親が疲れ切ってしまっては、子どもに安心感を与えることは難しくなります。短時間でも良いので、自分の好きなことに没頭する時間を作り、リフレッシュすることを心がけましょう。

親自身が孤立から抜け出し、前向きな気持ちを持つことで、子どもとの関係もより良いものになっていきます。不登校という状況に向き合うのは決して簡単なことではありませんが、親が自分自身を大切にすることで、子どもへのサポートもより効果的なものになります。

もちろん不登校という状況は、親子にとって大きな試練であることは間違いありません。しかし、それは同時に、親子関係を見直し、より深い絆を築くチャンスでもあります。不登校に直面したとき、親が子どもを一方的に責めたり、学校に行くよう強制したりするのではなく、子どもの気持ちや考えをじっくりと理解しようとする姿勢を持つことで、新たな関係性を築くことができます。

例えば、子どもが「なぜ学校に行きたくないのか」を話し始めたら、その言葉を否定せず、最後まで耳を傾けることが重要です。たとえ子どもの言葉に納得できない部分があったとしても、「そう思うんだね」と受け止める姿勢を示すことで、子どもは安心して自分の気持ちを話せるようになります。

また、不登校をきっかけに、親子で一緒に何かを始めるのも良い方法です。例えば、家で料理を作る時間を増やしたり、庭で植物を育てたりすることで、親子が自然と会話をする機会が生まれます。このような日常の中での触れ合いは、子どもの心を癒し、親子の信頼関係を深めるきっかけになります。

子どもとの未来を築くため、親ができること

不登校という問題に直面したとき、親として重要なのは「長期的な視点を持つこと」です。多くの親は、「早く学校に戻らせなければ」「このままでは将来が心配」といった短期的な不安にとらわれがちです。しかし、不登校はその子どもの人生全体における、ほんの一時期の出来事にすぎません。親が目先の問題に焦るのではなく、子どもの成長を長い目で見守ることで、子ども自身も安心して自分のペースで進むことができるようになります。

親が心配する気持ちは当然ですが、その気持ちを子どもに押し付けるのではなく、「あなたのペースでいい」「一緒に考えていこう」という姿勢を持つことが大切です。このような親の態度が、子どもにとって最大の支えとなります。

そして、不登校が続きやすい原因となる自己否定や自尊心の低下についても、「モノの見方」を変える手助けをすることで、新しい人間関係を作る一歩になり、学校生活という場をもう一度楽しめる可能性を高めることとなります。

登校する生徒たちの画像

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不登校の上位原因とは?(2024年版)

不登校の上位原因2024年版の見出し画像

目次


私は児童心理司の藤原と申します。長年、不登校や引きこもりの問題に取り組み、多くの親子と向き合ってきました。今回の文では、2024年3月に文部科学省が発表した「不登校の要因分析に関する調査研究報告書」を基に、不登校の子どもたちがどのようなきっかけで学校に行きづらくなるのか、そのデータと考察を分かりやすくお伝えします。不登校に直面している親御さんが、子どもの状況をより深く理解するための一助となれば幸いです。

文部科学省の調査が示す「不登校の関連要因」

この調査では、不登校でない児童生徒本人(15,191 名)と、不登校の児童生徒本人(239 名)の回答ではどのような違いがみられるのか検討しました。

不登校でない児童生徒には「あなたは前の学年の1年間、学校や家で次のような時に、つらいと感じたことはありましたか。」と質問し、不登校の児童生徒には「あなたが最初に学校に行きづらい、休みたいと感じ始めたとき、学校や家で次のような時につらいと感じたことはありましたか。」と質問しました。それぞれの回答傾向は以下の通りです。

質問「次のようなときに、つらいと感じたことはありましたか?」不登校でない生徒不登校の生徒不登校関連度
入学、進級、 転校など7.00%24.90%4.4
からだの不調34.00%68.90%4.29
朝起きられない、 夜眠れない36.40%70.30%4.13
学校の決まりのこと (制服・給食・行事等)13.80%38.60%3.94
気持ちの落ち込み、いらいら49.20%76.50%3.35
先生と合わなかった14.30%35.90%3.35
仲の良い友だちがいない7.40%19.90%3.13
宿題ができない24.50%50.00%3.08
家での生活がかわった3.80%9.30%2.57
インターネット、ゲームの影響22.90%42.30%2.47
先生から厳しく怒られた、 体罰があった7.50%16.70%2.45
声や音がうるさい、いやなにおい23.70%40.30%2.17
いじめ被害15.00%26.20%2
親のこと(親と仲が悪いなど)15.90%27.30%1.99
いじめ以外の友人関係のトラブル16.60%24.80%1.66
授業が分からない35.40%47.00%1.62
学校とは違ったこと (遊び) をしたい22.00%30.30%1.54
※不登校関連度の推定は、ロジスティック回帰分析(単回帰分析)による。ここでの関連度は、値が大きいほど、不登校児童生徒において、より回答割合が高いことを示す。

以下では、その主なポイントをいくつか挙げて説明します。

1. 人間関係の問題

調査によると、子どもたちが学校に行きづらいと感じ始める大きな要因の一つに、人間関係の問題があります。以下の項目が特に不登校との関連が強いとされています。

  • 仲の良い友達がいない
    子どもたちにとって、学校生活の中で頼りになる「仲の良い友達」の存在は、非常に重要です。そのため、友達がいない、または孤立していると感じる状況は、学校への不安や居心地の悪さにつながります。この要因は、不登校の子どもたちが回答する割合が特に高いことが分かっています。
  • 先生と合わなかった
    担任や教科担当の先生との相性も大きな要因です。厳しく叱られたり、言動が冷たく感じられたりすると、子どもたちは「先生が怖い」「自分は認められていない」と感じやすくなります。特に、小学生よりも中学生でこの要因が目立つ傾向が見られます。
  • いじめや友人関係のトラブル
    教師回答では「いじめ被害」は不登校との関連が低く見られる一方で、子ども自身の回答では「いじめ」をきっかけに学校に行きづらくなったケースが多く報告されています。教師が把握しにくい部分であるため、特に注意が必要です。

2. 学校生活のストレス

学校そのもののルールや活動に起因するストレスも、不登校の大きな要因として挙げられています。

  • 宿題ができない
    宿題に取り組むこと自体が難しい、もしくは大量の宿題を前に「どうしていいかわからない」という状況は、子どもにとって大きな負担です。この要因は、不登校の子どもたちの回答割合が特に高い項目の一つでした。
  • 学校の決まりへの不適応(制服・給食・行事など)
    学校には、制服や行事など、集団生活ならではのルールが存在します。しかし、これらに対して違和感や不満を感じる子どもたちにとって、学校生活はストレスフルな環境となります。特に、感覚過敏のある子どもたちは、制服の素材感や給食のにおいなど、通常の環境が苦痛となることもあります。
  • 授業が分からない
    授業が理解できないことも、不登校の関連要因として挙げられています。この要因は教師の回答とも一致しており、子どもたちが感じる学習面でのストレスが、学校に行きたくない気持ちに直結するケースが多いことを示しています。

3. 心身の不調

心や体の健康状態も、不登校の大きなきっかけとなります。

  • 気持ちの落ち込みやイライラ
    子どもたちは、不安や抑うつ状態に陥ることで、学校に行きたくない気持ちを抱くことがあります。これらの心理的な要因は、不登校の関連性が非常に高いとされています。
  • 夜眠れない、朝起きられない
    生活リズムの乱れも、不登校の典型的な要因の一つです。夜更かしが習慣化することで朝起きられなくなり、遅刻や欠席が増えるという悪循環に陥ります。
  • 身体的な不調
    頭痛や腹痛、倦怠感など、身体的な不調を抱える子どもたちは、学校生活にストレスを感じやすくなります。これらの症状は、心の不調から来ている場合もあり、注意が必要です。

4. 生活環境や家族の影響

子どもの生活環境や家庭内での変化も、不登校の背景として挙げられています。

  • 入学・進級・転校
    新しい環境への適応は、多くの子どもたちにとって負担となります。不登校の子どもたちは、こうした大きな変化に対して不安を感じるケースが多いことがわかっています。
  • 家庭内の変化
    親子関係の不和や家族の状況の変化も、不登校のきっかけになる場合があります。例えば、親の離婚や転勤といった出来事は、子どもに大きな心理的負荷を与えます。

不登校の要因を「データから読み解く」

文部科学省の調査結果をさらに掘り下げると、不登校の要因が単独で存在するわけではなく、複数の要素が重なり合い、複雑に絡み合っていることが分かります。例えば、友人関係の問題を抱えた子どもが、同時に宿題や授業についてのストレスを感じているケースや、心身の不調が原因で学校に行けない状態が長引く中で友達との関係が希薄になっていくケースなどが挙げられます。この章では、具体的なデータの示す傾向を通じて、こうした相互作用について考察していきます。

人間関係の問題と不登校の関連性

調査では「仲の良い友達がいない」ことが不登校の重要な要因として挙げられています。この背景には、学校生活が子どもたちにとって「仲間と過ごす場」としての側面が強いことが挙げられます。学校では勉強や活動の場としての意味だけでなく、友人関係の中で自己肯定感を得る場でもあります。しかし、次のような状況が生じると、子どもたちはその場に居場所を見出せなくなります。

  1. 孤立感
    子どもが「自分だけ違う」「誰も自分を理解してくれない」と感じるようになると、その孤立感は学校生活全般に対する不安や拒絶感につながります。孤立感が強まる理由としては、いじめやクラスのグループに入れない状況、または性格的な特性(内向的で人付き合いが苦手など)が挙げられます。
  2. 不適応の悪循環
    孤立感が強まると、子どもは学校での振る舞いに自信を失い、ますます周囲と距離を取るようになります。その結果、友達と関係を築く機会が減り、不登校へと進む悪循環が生まれます。このような負の連鎖を早期に断ち切ることが重要です。

学校のルールと「一律の壁」

学校生活の中には、さまざまなルールや慣習があります。例えば、制服の着用、給食の時間割、運動会や文化祭といった学校行事などが挙げられます。しかし、調査ではこれらが不登校の原因になることが示されています。その背景には、「みんな同じであるべき」という一律主義が関係していると考えられます。

  1. 制服や給食に対する感覚過敏
    制服の素材やサイズが合わず、着用に強い不快感を抱く子どももいます。同様に、給食のにおいや味が苦手で、食事の時間が苦痛になるケースも見られます。こうした感覚過敏の問題は、周囲の大人が気づきにくい部分でありながら、子ども本人にとっては深刻なストレスとなります。
  2. 学校行事への適応困難
    運動会や文化祭などのイベントは、多くの子どもにとって楽しみな行事である一方で、大勢の人が集まる環境や、役割を果たさなければならないプレッシャーが苦痛となる子どもも少なくありません。特に内向的な性格や不安傾向を持つ子どもにとっては、これらの行事が「学校に行きたくない理由」となり得ます。
  3. 「みんな一緒」というプレッシャー
    学校では、一律に決められた行動や活動が求められる場面が多いですが、これが子どもに大きな負担となる場合があります。個々の子どもが抱える特性や苦手な分野が考慮されにくい環境では、「自分だけができていない」という劣等感を抱き、不登校のきっかけになることがあります。

心身の不調のデータが語ること

調査では「気持ちの落ち込みやイライラ」「夜眠れない・朝起きられない」といった心身の不調も不登校の大きな要因として挙げられています。これらの要因は、一見すると単なる体調不良や生活習慣の乱れに見えますが、その背景にはより深刻な問題が隠れていることが多いです。

  1. 心の健康問題
    気持ちの落ち込みやイライラは、子どもの心の健康状態が良くないことを示すサインです。不安や抑うつといった心理的な問題が、生活リズムの乱れや身体的な不調として現れるケースもあります。これらの問題は放置すると慢性化しやすく、早期の対応が必要です。
  2. 睡眠の問題
    夜眠れない、朝起きられないといった症状は、不規則な生活習慣や心理的ストレスが原因であることが多いです。また、スマートフォンやゲームの長時間使用が夜更かしの原因となる場合もあります。これが長期化すると、学校生活への復帰がさらに難しくなります。
  3. 身体的な症状の裏にあるもの
    頭痛や腹痛、倦怠感といった身体的な症状は、実際には心理的な要因によるストレス反応であることが少なくありません。親や教師が「体調が悪いだけ」と捉えてしまうと、子どもが抱える本当の問題を見逃してしまう可能性があります。

教師の視点と児童生徒の視点の食い違い

文部科学省の調査で特に注目すべき点は、教師の回答と児童生徒自身の回答が必ずしも一致していないことです。このギャップは、学校側が気づきにくい要因を親がどれだけ把握できるかにかかっています。

例えば、「いじめ被害」は児童生徒の回答では不登校の大きな要因として挙げられているにもかかわらず、教師の回答では関連が低く見られています。これに対して、「成績が下がった」という要因は教師の回答で関連が強いとされる一方で、児童生徒自身はそれを不登校の主因として捉えていません。これは、教師が目に見える変化(成績や出席状況など)に注目しやすい一方で、子どもたちが抱える内面的な問題や人間関係の問題には気づきにくいという現状を示しています。

不登校の多面性:データが浮き彫りにする実態

不登校は「サイン」の積み重ね

不登校は、ある日突然起きるものではなく、子どもの生活や心理状態に現れる「小さなサイン」が積み重なることで発生するケースが多いです。文部科学省の調査結果をもとに、どのようなサインが見逃されやすいのかを分析してみましょう。

  1. 微細な変化の累積
    例えば、「夜眠れない」「朝起きられない」という生活リズムの乱れは、多くの子どもたちに見られる一見平凡な問題のように思われるかもしれません。しかし、この背後には心身のストレスや心理的な圧迫感が隠れている場合があります。文部科学省の調査では、この生活リズムの問題が不登校の主要な要因の一つとして挙げられており、特に不登校の児童生徒の間で顕著に見られます。
  2. 初期兆候としての学習面のつまずき
    調査データによれば、「授業がわからない」と感じる子どもは、不登校のリスクが高い傾向があります。これは単に学力不足の問題ではなく、授業の進め方や学校でのフォロー体制が子どもに合わない場合に起きることが多いです。さらに、「宿題ができない」という要因も、不登校の子どもたちに多く見られる回答でした。これらの学習面での困難は、早期に適切なサポートがなければ、「自分は学校に向いていない」という自己否定的な考えを強める要因となります。
  3. 感覚過敏による学校生活の困難
    「制服の素材が肌に合わない」「給食のにおいがつらい」といった感覚過敏の問題は、調査の中で浮かび上がった見逃されやすい要因の一つです。これらの問題は、学校生活の一部として当然視されることが多く、周囲の大人が気づきにくい傾向があります。しかし、子ども本人にとっては、こうした小さな不快感が学校全体に対する嫌悪感や恐怖心に繋がることも少なくありません。

教師回答と児童生徒回答が示す異なる「視点」

文部科学省の調査で特に気づきがあるのは、教師と児童生徒が感じる不登校要因の違いです。以下に、それぞれの視点から見える要因を整理してみます。

  1. 教師が注目する要因
    教師回答で目立つのは、「成績が下がった」「進路に関わる不安や問題」など、学校生活の中で比較的測定しやすい要素です。これらは成績表や進路相談の場面で表出しやすく、教師が気づきやすい特徴でもあります。
  2. 児童生徒が感じる要因
    一方で、児童生徒の回答では、「いじめ」「友人関係のトラブル」「仲の良い友達がいない」など、主観的な人間関係の問題が大きな割合を占めています。また、感覚過敏や気持ちの落ち込みといった心理的な要因も教師回答より高い割合で挙げられており、これらが不登校に直結していることが示されています。
  3. 視点のギャップが引き起こす問題
    これらの視点の違いは、不登校の対応において重要な課題を浮き彫りにしています。教師は子どもたちの成績や出席状況を通じて不登校の兆候を把握しようとしますが、子ども自身が抱える内面的な問題や人間関係の悩みには気づきにくいのです。このギャップを埋めるためには、親や家庭での観察や聞き取りが極めて重要になります。

不登校要因の複合的な影響

調査データを通じて明らかになったのは、不登校の要因が互いに影響し合い、複合的な形で子どもに影響を及ぼすという点です。例えば、次のようなパターンが考えられます。

  1. 人間関係と心身の不調の連鎖
    「友達がいない」と感じる孤独感が、「気持ちの落ち込み」や「イライラ」へと発展し、それがさらに「朝起きられない」「夜眠れない」といった生活リズムの乱れを引き起こすことがあります。この連鎖が続くと、学校という場が全体的に苦痛な存在へと変わっていきます。
  2. 学習面の困難と自己肯定感の低下
    授業がわからない、宿題ができないといった学習面でのつまずきは、子どもが学校生活全般に対して自信を失う原因になります。これにより、学力面以外の部分、例えば友人関係や行事への参加意欲などにも悪影響を及ぼすことが少なくありません。
  3. 感覚過敏と人間関係の悪化
    感覚過敏を抱える子どもは、周囲にその特性を理解されないことで、孤立感を深める場合があります。例えば、給食が苦手で食べられない子どもが「好き嫌いが多い」と誤解されることで、友達や先生との関係が悪化することがあります。このように、一見小さな問題が他の領域にも波及することがあるのです。

調査が示す「早期発見」の重要性

調査結果は、不登校が単なる「学校に行かない」という問題ではなく、心身の不調や人間関係、学校生活のストレスなど、複数の要因が絡み合った結果であることを示しています。このため、早期に兆候を発見し、適切な対応を取ることが不登校の予防や改善において非常に重要です。

具体的には、以下のようなアプローチが有効と考えられます。

  • 生活リズムの変化に気づく
    子どもが朝起きられない、夜眠れないといった兆候が見られた場合、その背景に心理的なストレスや生活環境の変化がないかを探る必要があります。
  • 子どもの話を聞く姿勢
    子どもが感じているストレスや不安について話しやすい環境を家庭内で作ることが、問題の早期発見に繋がります。
  • 学校との連携を強化する
    学校と家庭が互いの情報を共有し合い、教師だけでは気づけない子どもの状況を把握することが大切です。

不登校の背景にある「目に見えない原因」

不登校を理解する上で重要なのは、文部科学省の調査が示すようなデータの背後にある「目に見えない原因」に目を向けることです。子どもたちが学校に行きづらくなる理由には、必ずしも明確に説明できるものばかりではありません。「友達がいない」「宿題ができない」などの表面的な要因の奥には、さらに深い心理的・環境的な要素が隠れていることがあります。

心の中の「小さな声」を見逃さない

調査で挙げられた「気持ちの落ち込みやイライラ」「夜眠れない」といった要因は、いずれも子どもたちが感じているストレスが体や心に影響を及ぼした結果です。しかし、多くの場合、子どもたちは自分の感情や状態をうまく言葉にすることができません。そのため、大人にとって「元気がない」「最近よく寝坊する」と見えるだけの行動が、実際には深刻な心理的負担を反映している場合があります。

例えば、子どもがこんな小さな声を心の中で発している可能性があります。

  • 「クラスで話せる人がいないから、行きたくない」
  • 「先生が嫌いだけど、それを言うのが怖い」
  • 「宿題ができない自分はダメな人間だと思う」
  • 「給食の時間が毎日つらくて耐えられない」

こうした内なる声に気づくためには、親としての「観察力」と「対話力」が欠かせません。子どもの行動に違和感を感じたとき、それを放置するのではなく、早い段階で関心を寄せることが不登校の予防や対応に繋がります。

感覚的な「違和感」の存在

また、調査で示された「感覚過敏」の要因は、不登校の理解において非常に重要です。例えば、給食のにおいが苦手な子どもにとって、毎日の昼休みが強いストレスになることがあります。また、制服が肌に合わず、それを着ること自体が苦痛になる場合もあります。こうした感覚的な違和感は、一見些細な問題に見えるかもしれませんが、子どもにとっては学校生活全般に対する不安や嫌悪感を引き起こす要因になり得ます。

不登校は子どもの「SOS」

不登校という状態は、子どもからの「助けてほしい」というサインであると考えることができます。文部科学省の調査が明らかにしたように、不登校の要因は多岐にわたり、その背景には子どもたちの複雑な心情が隠れています。ここでは、不登校を子どものSOSと捉えた場合の考察を深めます。

不登校の「初期サイン」をどう捉えるか

不登校に至るまでには、必ずいくつかの「初期サイン」があります。例えば、以下のような兆候は、不登校の初期段階としてよく見られるものです。

  • 学校に行く準備をするのが遅くなる、または嫌がる
  • 朝になると腹痛や頭痛を訴える
  • 宿題や学校の課題に取り組むのを嫌がる
  • 友達や先生の話題を避ける
  • 家でゲームやインターネットの時間が増える

これらの兆候を「怠けている」「やる気がない」と捉えるのではなく、子どもが何を感じ、何に困っているのかを掘り下げることが重要です。特に、文部科学省の調査が示したように「教師には見えにくい要因」に親が気づくことが、不登校を防ぐための鍵となります。

親ができること:サインに寄り添う

子どもが不登校になりかけている段階で、親がどのような姿勢で寄り添うかが、その後の経過に大きく影響します。調査で示された「友達がいない」「宿題ができない」「気持ちの落ち込み」といった要因に目を向け、次のような対応を意識することが大切です。

  • 子どもの話を遮らずに聞く
    子どもが話す内容が漠然としていたり、親から見て「些細なこと」に思える場合でも、それを否定せずに耳を傾けることが重要です。
  • 子どもの言葉に名前をつける
    例えば、子どもが「学校に行きたくない」と言った場合に、「それは先生が怖いから?それとも友達と話しにくいから?」といった具合に、問題を具体化する手助けをします。
  • 学校との連携を考える
    教師やスクールカウンセラーと連携し、子どもの状態を共有することが、不登校を長引かせないために有効です。

不登校データの理解を活かして

文部科学省の調査が示すデータは、不登校がいかに多様な要因によって引き起こされるかを明らかにしています。そして、それらの要因は、子ども一人ひとりによって異なる形で現れることも分かっています。この知識を基に、親としてできることを実践し、子どもが抱える問題を共に乗り越えていくことが大切です。

不登校は決して「終わり」ではなく、子どもの成長や家族関係を見直す「始まり」にもなり得ます。親がその事実を受け止め、柔軟に対応することで、子どもたちはまた一歩前に進む力を取り戻していくことでしょう。

今回の文部科学省の調査データを基にした考察が、少しでも不登校に悩む親御さんの助けとなれば幸いです。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。

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スクールカウンセラーへの適切な頼り方とは?

スクールカウンセラーの実態と適切な頼り方の見出し画像

目次


不登校や引きこもりの支援を専門とする児童心理司の藤原と申します。ここでは、スクールカウンセラーの役割や、不登校の子どもを持つ親御さんがどのように適切に頼ればよいのかを詳しくお話しします。私がこれまでに出会った多くの親御さんや子どもたちの経験をもとに、少しでも皆さまの心が軽くなり、次の一歩を踏み出す助けになるよう願っています。


不登校の問題と親御さんの「孤独感」

不登校のお子さんを持つ親御さんは、多くの場合、非常に孤独です。周囲に相談できる人が少なく、学校からの対応にも期待が持てないと感じている方が少なくありません。「どうしてうちの子が?」という問いかけが、親としての自己否定や家庭環境への疑念につながることもあります。このような状況下で親御さんが真っ先に感じるのは、自分たちがどこかで間違えたのではないかという罪悪感です。

ですが、ここでまずお伝えしたいことがあります。不登校は、決して「親のせい」ではありません。もちろん、家庭環境や親子関係が子どもの心に影響を与えることはあります。しかし、それはあくまで一要因であり、すべてがそこに起因するわけではないのです。不登校の背景には、学校という場が持つ構造的な問題や、子ども一人ひとりの特性、さらに社会全体の変化が複雑に絡み合っています。親が感じる罪悪感は、現状を改善するためのエネルギーを奪い取るだけでなく、子どもとの関係性にも悪影響を与えかねません。

ここで大切なのは、親自身が孤独を感じないための「つながり」を持つことです。その一つとして、スクールカウンセラーの存在を知り、適切に頼る方法を考えることが重要になります。


スクールカウンセラーとは?

スクールカウンセラーという言葉を聞くと、「学校にいる専門家」「問題を聞いてくれる人」というイメージを持たれるかもしれません。しかし、実際にはその役割はもっと広範囲で多様です。スクールカウンセラーの主な使命は、子どもたちが学校生活をより良いものにするための支援を行うことです。そのため、不登校の問題だけでなく、友人関係や学習面、さらには家庭内での悩みまで、幅広い相談を受けることができます。

しかし、多くの親御さんはスクールカウンセラーにどのように頼ればよいか分からないという現状があります。子どもが学校に行かなくなってしまうと、「そもそも学校に関わる人たちに相談するのは抵抗がある」と感じるのも無理はありません。特に、過去に学校側からの対応に不満を感じた経験があると、その感情は一層強くなるでしょう。

ここで、スクールカウンセラーを「学校の一部」と見るのではなく、「外部の専門家」として捉えてみることを提案します。実際、スクールカウンセラーは学校職員ではなく、心理学や教育学の専門的な知識を持った外部委託の専門家であることがほとんどです。学校とのつながりを持ちながらも、独立した立場で親御さんや子どもの話を聞いてくれる存在です。言い換えれば、親御さんの味方として機能する場合も多いのです。

スクールカウンセラーの現状データと概要

1. 学校カバー率

  • スクールカウンセラーの配置は、日本の公立小中学校で広がっています。2024年時点で、ほぼ全ての公立小中学校に配置されている状況ですが、実際の勤務日数や時間には地域差があります。
  • 小学校では90%以上の配置率ですが、多くの場合、週4時間未満または月1回程度の勤務が一般的です。中学校では約3校中2校が週4時間以上の勤務時間を確保していますが、全体的に「広く薄く配置されている」傾向があります。
  • 高校では9割以上に配置され、週4時間以上勤務するケースが増えていますが、不定期の配置もまだ一定割合あります。

(データ元:政府統計 / 学校保健統計調査 / 令和4年度 都道府県表

2. 誰がスクールカウンセラーになれるのか?

  • スクールカウンセラーは、主に臨床心理士、公認心理師、もしくは心理学の高度な専門知識を持つ者が担当します。また、これらの資格に基づき、子どもや親、教職員との教育相談を行います。
  • 研修が義務付けられており、各自治体や教育委員会によって、地域特性や課題に応じたスキル向上の取り組みが進められています。また、チーム学校の一環として教職員向け研修にも参加しています【。

3. 課題

  • スクールカウンセラーの配置は進んでいますが、非常勤が多く、勤務時間が限られるため、子どもや親が必要な時に相談できるとは限りません。また、一部では配置時間の不足が継続的な相談に支障をきたしているという課題も指摘されています。
  • ICTを活用したオンラインカウンセリングが進められているものの、効果的な実施には環境整備やルール作りが必要とされています。

4. 配置の目的と成果

  • スクールカウンセラーの目的は、不登校やいじめ、家庭内問題などの早期発見と対応です。調査によれば、スクールカウンセラーが関与することで、不登校やいじめの発生率が減少するなどの効果が報告されています。さらに、災害時や緊急時の心のケアも期待される役割の一つです。

日本のスクールカウンセラーの現状を考えると、全国で配置率は向上しているものの、勤務時間の制約や地域ごとの違いが課題となっています。このため、利用する際には自治体や学校ごとの実態を理解し、効果的な活用を目指すことが重要です。

スクールカウンセラーの「具体的な頼り方」

では、どのようにスクールカウンセラーを頼るべきなのでしょうか。ここでは、いくつかの具体的なステップをお伝えします。

1. 最初の一歩を躊躇しないこと
「こんな相談をしてもいいのだろうか」「話すことで余計に問題がこじれるのでは」と考える親御さんは少なくありません。しかし、スクールカウンセラーはどんな小さな相談でも受け付けています。「子どもが最近、朝起きられない」「ゲームの時間が増えて心配」といった話題でも構わないのです。むしろ、早い段階で相談をすることで、問題が深刻化する前に対処できる可能性が高まります。

2. 子どもの状態を正確に伝える
スクールカウンセラーに相談する際には、できるだけ具体的に子どもの様子を伝えることが重要です。例えば、「学校に行きたくないと言った」「何も話さなくなった」といった事実に加えて、そのときの表情や態度、親として感じた違和感も共有してください。こうした情報は、カウンセラーが子どもの気持ちや置かれている状況を理解する手助けになります。

3. 自分の気持ちも伝える
スクールカウンセラーへの相談は、必ずしも子どもに関する内容だけに限りません。親自身が感じている不安や悩みも、カウンセラーに共有することができます。「自分がどう対応すればよいのか分からない」といった漠然とした気持ちでも大丈夫です。親の気持ちを整理することで、子どもに向き合う余裕が生まれることもあります。

4. 継続的な相談を心がける
スクールカウンセラーへの相談は、一度きりで終わる必要はありません。状況が変わったり、別の問題が出てきたりした場合には、何度でも足を運んでください。継続的な相談を通じて、カウンセラーとの信頼関係が築かれ、より深いサポートが受けられるようになります。

親が抱える「期待」と「現実」のギャップ

スクールカウンセラーに相談したからといって、すぐに問題が解決するわけではありません。不登校の問題は、表面的な対応だけではなく、子どもの内面的な成長や、周囲の環境との調整が必要になるため、時間がかかることが多いのです。しかし、このプロセスにおいて重要なのは、親が「変化の兆し」を見逃さないことです。

例えば、子どもが以前よりも家で笑うようになった、少しだけでも学校の話題に触れるようになったといった小さな変化は、大きな前進を意味しています。スクールカウンセラーを頼ることで、こうした変化を共有し、次のステップへの道筋を一緒に考えることができます。

スクールカウンセラーの限界と併用するべき支援

スクールカウンセラーは頼りになる存在ですが、全ての問題を解決できるわけではありません。カウンセラー自身にも担当できる範囲や限界があります。特に、深刻な精神的問題や診断が必要な場合には、専門医やクリニックとの連携が求められます。この点を理解した上で、スクールカウンセラーを適切に利用することが大切です。

また、親御さん自身が他のサポートを併用することも検討してください。例えば、不登校の親同士で交流できる自助グループや、地域の教育支援センターなどがあります。これらは親自身の孤立感を軽減し、具体的な対策や気持ちの整理をする場として非常に有効です。

こうした支援とスクールカウンセラーを併用することで、子どもと親が孤立せず、問題解決に向けた柔軟なアプローチが可能になります。

スクールカウンセラーが教えてくれる「親の役割」

多くの親御さんは、不登校という現実に直面すると「親として何をすればいいのか」という悩みに押しつぶされそうになります。その答えを見つけるために、スクールカウンセラーの助言が役立つことがあります。実際、カウンセラーからよく伝えられるのは、「親の役割は完璧でなくていい」というメッセージです。

例えば、不登校の子どもは家庭の中で自分の居場所を見つけることが何よりも大切です。そのためには、親自身が「何とかして学校に戻らせなければ」という焦りを手放す必要があります。この焦りが子どもに伝わると、余計にプレッシャーを感じさせ、状況を悪化させることがあります。代わりに、まずは子どもの心の安全基地としての役割を果たすことを意識しましょう。

スクールカウンセラーは「学校復帰」という目標を急ぐよりも、「子どもが自分らしく成長する道筋」を一緒に模索してくれる存在です。その過程で、親として何ができるのかを考えるヒントを与えてくれます。例えば、日常生活でどのように声をかければいいのか、家庭内でどんな雰囲気を作れば子どもが安心できるのかといった具体的なアドバイスを受けることができます。


不登校は「成長の過程」であると考える

不登校は決して子どもにとって「失敗」ではありません。むしろ、子どもが自分自身と向き合い、将来を考える貴重な機会であると捉えるべきです。スクールカウンセラーの役割は、こうした「成長の過程」に寄り添い、親と子どもが共に前向きに歩むサポートをすることにあります。

例えば、ある親御さんのケースでは、子どもが学校に行けなくなってから自然と興味を持ち始めた絵を描く活動が、後に進路選択のきっかけになったという話がありました。この家庭では、スクールカウンセラーが子どもの好きなことを引き出し、それをどう生かしていけるかを一緒に考えてくれたのです。

親としては、「今は学校に行けていなくても、子どもには未来がある」と信じることが重要です。この信念を持つためには、時にはスクールカウンセラーのような専門家の視点を借りることが有効です。親一人で全てを抱え込む必要はありません。


最後に:親が「信じる力」を持つことの重要性

最後にお伝えしたいのは、親が子どもを信じる力を持つことの重要性です。不登校の子どもは、多くの場合、自分自身に対する自信を失っています。その中で、唯一無条件に信じてくれる存在が親であることは、何よりも大きな支えになります。

スクールカウンセラーは、子どもと親の間に立ち、双方が互いを理解し、信じる力を回復する手助けをします。そして、その関係性が築かれることで、子どもは再び自分のペースで前に進む力を取り戻すことができるのです。

不登校という問題は、簡単には解決できない複雑な課題です。しかし、スクールカウンセラーという味方を得ることで、その道のりを少しでも軽やかにすることができます。親御さん自身も無理をせず、時には自分を労わりながら、子どもの成長を長い目で見守っていただければと思います。

これからの道のりにおいて、少しでも明るい兆しが見えることを心より願っています。


ToCo(トーコ)について

私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年3月時点で900名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。

学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
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