快適な引きこもり生活と不登校の関係

日本では、不登校の生徒は2023年10月4日時点で約30万人いると推定されています。
*「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」文部科学省

不登校の原因は、学校生活上の困難、家庭環境の変化、心身の健康上の困難など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。

近年、不登校が続く原因として、「快適な引きこもり生活」が注目されています。 なぜ引きこもりが快適なのでしょうか。3つの要因に分けて説明します。

1. スマートフォンやSNSで、外の世界と繋がっている(と感じている)

スマートフォンやSNSの普及により、不登校の生徒の外界との繋がりが大きく変化しています。

従来、不登校の生徒は、学校に通わないことにより、学校や社会との繋がりが断たれていました。しかし、スマートフォンやSNSの普及により、不登校の生徒でも、インターネットを通じて、学校や社会の情報にアクセスしたり、友人や知人と交流したりすることができるようになりました。

具体的には、以下のようなことが可能になっています。

  • 学校の授業や進路の情報を、インターネットで調べる
  • 友人や知人とSNSで交流する
  • オンラインゲームや動画配信サービスで、他の人と交流する

このような変化により、不登校の生徒は学校に通っていなくても、ある程度の社会的交流や情報収集を行うことができるようになりました。

しかし、スマートフォンやSNSの普及には、不登校を長引かせる可能性もあります。

スマートフォンやSNSは、不登校の生徒にとって、現実から逃避するための手段として利用されることがあります。学校や社会に苦手意識を持つ不登校の生徒は、スマートフォンやSNSの中に閉じこもることで、現実と向き合うことを避けようとするのです。

また、スマートフォンやSNSは、不登校の生徒の孤立を深める原因にもなり得ます。スマートフォンやSNSで交流する友人や知人は、実際に会ったことのない人であることが多いため、不登校の生徒は、本当の意味でのつながりを感じることができないことがあります。

2. 親が気を使って、衣食住を満たしてくれる

不登校の生徒は、学校に通わないため、家で過ごす時間が多くなります。親は、不登校の子どもの生活を心配し、気を使って衣食住を満たしてくれることが多いです。

しかし、親が子どもに気を使いすぎてしまった結果、その自立心が失われることがあります。

例えば、親が子どもの食事や洗濯、掃除などをすべて代わりにやってしまう場合、子どもは自分のことは自分でやり遂げるという経験を積むことができず、自信も育ちません。

不登校の子どもの支援には、親の協力が欠かせません。しかし、親が子供に気を使いすぎてしまうと、他者への依存度を深めてしまうことにも繋がります。

3. 引きこもりから抜け出せない

不登校の生徒は、本当は学校に行きたい、行かなくてはと思っています。しかし引きこもりの生活が長く続くと、その行為自体により自尊心が低下して登校できるエネルギーが失われていきます。

また不登校の生徒は学校に通わないことで、周囲から「怠け者」や「逃げている」と見られることがあります。そして引きこもり生活の中で、自分の能力や価値を否定するような考えに陥ってしまいがちです。

このように今の環境を変化させる力が少なくなった子どもにとって、続けたくなくても不登校の選択肢しか残らないことがあります。

引きこもり生活を長引かせないために

不登校の解決を考える際には、上記の3つの要因を踏まえる必要があります。

不登校で悩む親の皆さん、子どもや親に問題があって不登校が続いているのではなく、取り巻く環境が原因である可能性を考えてみてください。

大人でも新しい仕事や生活に挑戦することは困難です。まして不登校で自分自身を責めているお子さんがそこから抜け出すことは用意ではありません。

環境を変えなければ不登校は続いてしまいます。ぜひ、一緒に生活に変化を起こして、いつまでも続いてしまう不登校の流れから抜け出しましょう。

ToCo(トーコ)株式会社について

当社は、認知行動療法や海外の先行事例を基に、不登校の予防と再登校支援サービスを提供する企業です。

代表の子どもが不登校になった経験を発端として、年々増加する不登校の問題、家庭や学校が早期に対応することが難しい現状、そして不登校の予防が各家庭の属人的な努力に委ねられがちになる課題を解決するために、このサービスを立ち上げました。

導入いただいたご家庭からは、『気づいていなかった子どもの悩みに対処できた』『子どもの自立に繋がっている』とご好評をいただいており、さらに効果的なサービスになるよう日々改善を重ねています。お子様の学校へのストレスや不安を診断することで、皆様の子育ての支援に繋がるよう務めたいと考えております。

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