不登校に関する、よくある質問と回答をまとめました。データは2025年1月時点となります。(随時更新)
索引
不登校の現状
Q. 不登校の定義は?
文部科学省における不登校の定義は、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的な要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」とされています。
・年間30日以上の欠席: 文字通り、1年間で30日以上学校を欠席している状態を指します。この日数は、連続した欠席だけでなく、断続的な欠席も含まれます。
・心理的、情緒的、身体的あるいは社会的な要因・背景: 不登校の背景には、様々な要因が考えられます。例えば、いじめや友人関係の悩み、学業不振、教師との関係、家庭環境の問題、不安や無気力などが挙げられます。これらの要因は複合的に絡み合っている場合もあります。
・病気や経済的な理由による者を除く: 病気や怪我、経済的な事情など、やむを得ない理由で欠席している場合は、不登校には含まれません。例えば、感染症による出席停止や、家庭の経済状況により通学が困難な場合などは、不登校とは区別されます。
・登校しないあるいはしたくともできない状況: 単に「学校に行かない」というだけでなく、「行きたくても行けない」という状況も含まれます。心身の不調や不安などにより、登校することが困難な場合も不登校とみなされます。
(出典:文部科学省 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果)
Q. 不登校は病気ですか?
不登校とは「学校に行けない状態」であり、病気ではありません。しかしながら、背景に何らかの病気が隠れている可能性はあります。
うつ病:
気分の落ち込み、意欲の低下、睡眠障害などがみられ、不登校につながることがあります。
不安障害:
社会不安障害、分離不安障害など、特定の状況や場所に対して強い不安を感じ、登校を避けることがあります。
発達障害:
周囲とのコミュニケーションがうまくいかない、環境の変化にうまく適応できないなどが原因で、不登校につながることがあります。
起立性調節障害:
起床時にめまいや立ちくらみ、体調不良などを起こし、登校が困難になることがあります。
お子さんの状況をよく観察し、心身の不調が著しい場合は、専門機関に相談することをお勧めします。
Q. 全国の不登校の人数は?
2023年度の国内の不登校生徒は346,482人です。不登校生は学校在籍者の3.7%を占めており、2019年1.9%、2020年2.1%、2021年2.6%、2022年3.2%と年々増加しています。内訳は、小学生130,370人、中学生216,112人、高校生68,770人となります。
小学生の特徴として前年度から25,258人増加しており、割合で見ると、小学生全体の2.14%が不登校となっています。
中学生は前年度から22,176人増加しており、人数としては最も多くなります。割合で見ると、中学生全体の6.71%が不登校となっており、特に高い割合を示しています。
高校生は前年度から8,195人増加しています。割合で見ると、高校生全体の2.35%が不登校となっています。
(出典:文部科学省 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果)
Q. 不登校に多い原因は何ですか?
文部科学省の2023年度の調査結果を踏まえ、不登校に多い原因を大きく分類すると、以下のようになります。
本人に係る状況:
無気力、不安、生活リズムの乱れ、遊び・非行など、子ども自身に起因する要因です。特に「無気力・不安」は多くの事例で見られ、学校に行く意欲が低下したり、漠然とした不安を感じたりすることで登校できなくなるケースがあります。
学校に係る状況:
いじめ、友人関係のトラブル、教師との関係、学業不振、部活動への不適応、学校の規則など、学校生活に関連する要因です。人間関係の悩みは特に多く、いじめはもちろんのこと、友人との些細な行き違いや、周囲に馴染めないといった状況も不登校のきっかけとなることがあります。
家庭に係る状況:
親子関係、家庭環境の変化、家庭内の不和など、家庭環境に起因する要因です。家庭環境の変化は、例えば、親の転勤や離婚、家族の病気などが挙げられます。
これらの要因は、小・中・高校生で傾向が異なる場合もあります。例えば、中学生では友人関係のトラブルが、高校生では進路への不安が不登校の要因として多く見られる傾向があります。
(出典:文部科学省 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果)
Q. 不登校はどれくらいの期間に渡りますか?
2023年度の不登校児童生徒調査によると、1年生を除く小学生で前年度から継続して不登校である割合は約41.8%、中学生は前年度から継続して不登校である割合は約51.1%となっています。
このデータから、不登校の小学生の約4割、中学生の約半数が、少なくとも1年間は不登校状態にあることが分かります。
(出典:文部科学省 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果)
Q. 海外も不登校の問題はありますか?
海外でも不登校に類似する問題は存在します。
・アメリカ合衆国:
アメリカでは、義務教育期間中の無断欠席(Truancy)は法的な問題とみなされる場合があり、深刻な問題として捉えられています。学校拒否(School refusal)は、不安や恐怖、抑うつなどの心理的な要因によって登校を拒否する状態を指し、不登校に近い概念です。
全米教育統計センター(NCES)によると、2017-18年度には、公立学校に通う生徒の約7.8%が年間15日以上欠席していました。これは「慢性的な欠席(Chronic Absenteeism)」と呼ばれ、学業不振や中退のリスクを高める要因とされています。対応としては、カウンセラーやソーシャルワーカーによる支援、家庭訪問、裁判所の介入などがあります。
・イギリス:
イギリスでは、無許可の欠席(Unauthorised absence)は違法とされており、深刻な問題として捉えられています。欠席理由によって、正当な欠席(Authorised absence)と区別されます。イギリス政府の統計によると、2022/23年度のイングランドの公立学校における全体の欠席率は、小学校で7.8%、中学校で10.2%でした。この中には病欠なども含まれますが、無許可欠席も含まれており、不登校に近い状況を示す指標として捉えることができます。特に「Persistent absence(継続的な欠席)」は、出席率が90%未満の場合を指し、深刻な問題とされています。
・フランス:
フランスでは、欠席は教育を受ける権利の侵害とみなされ問題視されています。欠席の理由に応じて、学校や教育機関、ソーシャルワーカーなどが対応します。フランス教育省のデータによると、2021-22年度の小学校における平均欠席率は約3.5%、中学校では約6.5%でした。ただし、このデータには病欠なども含まれます。
不登校の学校連携、進学について
Q. 学校との連絡はどのように取るべきですか?
お子さんが不登校になった際、学校との連携は非常に重要です。学校と適切なコミュニケーションを取ることで、お子さんの状況を伝え、必要な支援を受けることができます。以下は、学校との連絡方法や注意点となります。
1. 連絡を取る相手
まず、誰に連絡を取るべきかですが、基本的には担任の先生が窓口となります。担任の先生は、お子さんの学校生活を最もよく理解している立場であり、日々の状況や学習状況などを把握しています。もし担任の先生に相談しにくい事情がある場合は、養護教諭(保健室の先生)、スクールカウンセラー、教頭先生などに相談することも可能です。
2. 連絡方法
連絡方法としては、以下の方法が考えられます。
電話:
最も迅速に連絡を取れる方法です。お子さんの状況を口頭で伝えられるため、細かなニュアンスも伝えることができます。ただし、時間帯によっては繋がりにくい場合もあります。
メール:
電話が繋がりにくい場合や、記録を残しておきたい場合に有効です。お子さんの状況を整理して伝えることができます。ただし、返信に時間がかかる場合もあります。
面談:
直接会って話を聞いてもらいたい場合や、じっくりと相談したい場合に適しています。事前に日時を調整する必要があります。
どの方法を選ぶかは、状況や都合に合わせて判断しましょう。緊急の場合は、電話で連絡するのが適切です。
3. 連絡する内容
連絡する際には、以下の点を伝えるようにしましょう。
お子さんの状況: 現在の様子、体調、心の状態などを具体的に伝えましょう。
不登校に至った経緯: 何がきっかけで学校に行きづらくなったのか、経緯を説明しましょう。
家庭での対応: 家庭でどのような対応をしているのか、今後どのように考えているのかを伝えましょう。
学校への要望: 学校にどのような支援を求めているのか、具体的に伝えましょう。
4. 連絡する際の注意点
早めに連絡する:
不登校の兆候が見られたら、早めに学校に連絡しましょう。早期に対応することで、状況が悪化するのを防ぐことができます。
落ち着いて話す:
不安や焦りから感情的になってしまうこともあるかもしれませんが、できるだけ落ち着いて、丁寧に状況を説明するように心がけましょう。
学校の意見も聞く:
学校側も、お子さんのために様々な支援を考えています。学校の意見にも耳を傾け、協力していく姿勢が大切です。
記録を残す:
電話で話した内容や、メールのやり取りなどを記録しておくと、後で振り返る際に役立ちます。
学校との連携は、お子さんの不登校を乗り越える上で非常に重要です。積極的にコミュニケーションを取り、お子さんにとって最善のサポートを受けられるように努めましょう。
Q. 欠席扱いになった場合、成績や進級に影響はありますか?
不登校で欠席扱いになった場合、成績や進級への影響は、小・中・高校で異なります。
1. 小学校・中学校の場合
小学校と中学校は義務教育であるため、欠席日数が多いだけで留年(原級留置)することはありません。つまり、出席日数が足りなくても、基本的には年齢に応じて進級・卒業できます。
ただし、欠席が多いと授業についていけなくなり、学力に影響が出る可能性はあります。また、通知表の評価は、授業への参加度や提出物、テストの結果などを総合的に判断してつけられるため、欠席が多いと評価が低くなる傾向があります。しかし、学校によっては、家庭学習の状況や提出物などで評価してくれる場合もあります。
2. 高等学校の場合
高等学校は義務教育ではないため、欠席日数があまりにも多いと、進級や卒業が認められない場合があります。各学校によって基準は異なりますが、年間で授業日数の3分の1以上を欠席すると、原級留置となる可能性が高いです。
また、大学受験などを考えている場合、調査書(内申書)に欠席状況が記載されるため、不利になる可能性もあります。
Q. 学校に行かなくても出席扱いになる制度はありますか?
一定の要件を満たせば、学校に行かなくても出席扱いになる制度があります。これは、不登校の児童生徒の学習機会を保障し、学校復帰を支援するための制度です。
文部科学省は、不登校児童生徒への支援の一環として、以下の要件を満たす場合に、学校外の施設等での学習を「出席扱い」とすることを認めています。
出席扱いとなるための要件
1. 学校復帰を前提としていること:
出席扱いは、最終的には学校への復帰を目指す取り組みであることを前提としています。
2. 児童生徒の自立を助ける上で有効・適切であると判断されること:
学校長が、学校外の施設等での学習が、児童生徒の状況にとって有効かつ適切であると判断する必要があります。
3. 学校と施設等の連携:
学校と、児童生徒が通う施設等との間で、情報共有や連携が適切に行われていることが求められます。
具体的には、以下のようなケースで出席扱いとなる可能性があります。
教育支援センター・適応指導教室等への通所:
各自治体の教育委員会などが設置している教育支援センターや適応指導教室に通うことで、出席扱いになる場合があります。これらの施設では、学習指導だけでなく、カウンセリングや集団活動なども行われており、学校復帰に向けた支援を受けることができます。
フリースクール等への通所:
民間の教育機関であるフリースクールに通う場合も、一定の要件を満たせば出席扱いとなる場合があります。フリースクールは、それぞれの理念や特色を持っており、多様な学習スタイルを提供しています。
ICT等を活用した自宅学習:
情報通信技術(ICT)を活用したオンライン学習や、学校から提供された課題に取り組むことで、出席扱いになる場合があります。これは、体調や精神的な状況で外出が難しい場合に有効な手段です。
※注意点
自治体によって運用が異なる:
出席扱いの具体的な要件や手続きは、自治体によって異なる場合があります。お住まいの自治体の教育委員会に問い合わせるか、学校に確認することをお勧めします。
対象は小・中学生:
この制度の対象は、義務教育期間である小・中学生です。高校生は対象外となります。
学校長の判断が必要:
出席扱いとなるかどうかは、最終的には学校長の判断によります。事前に学校に相談し、制度の利用について確認する必要があります。
Q. 内申書に不登校のことは記載されますか?
内申書(調査書)は、中学校の先生が作成する、生徒の学校生活の様子や成績をまとめた書類で、高校受験の際に提出されます。内申書には欠席日数や、それに関連する情報が記載される可能性がありますが、記載のされ方や内容は、都道府県や学校によって異なります。
具体的にどのような情報が記載される可能性があるか、以下にまとめます。
欠席日数:
内申書には、中学校3年間(または中学3年生のみ)の欠席日数が記載されるのが一般的です。欠席日数は客観的な事実として記載されます。
欠席理由:
病気や忌引きなど正当な理由による欠席は、その理由が記載されます。不登校の場合は、「病気」以外の理由で長期欠席していることが明確になるため、何らかの形でその状況が示唆される可能性があります。
特記事項:
内申書には「特記事項」という欄があり、生徒の個性や特筆すべき事項を記入するスペースがあります。ここに、不登校に至った経緯や、学校や家庭での取り組み、本人の努力などが記載される場合があります。この記載があるかどうか、またどのような内容が記載されるかは、学校の判断によります。
評定(内申点):
評定は、各教科の成績を数値化したもので、内申点として受験に利用されます。不登校で授業に出席できていない場合、テストを受けられていない場合、評定が低くなる可能性があります。
内申書には直接「不登校」という言葉が書かれることは少ないですが、欠席日数や特記事項を通して、不登校の状況が間接的に伝わる可能性があります。
Q. 不登校でも高校・大学に進学できますか?
不登校を経験していても、高校・大学に進学することは可能です。
1. 高校進学について
中学校を卒業するためには、基本的には中学校に在籍し、卒業要件を満たす必要があります。不登校であっても、中学校と連携を取りながら、以下のような方法で卒業を目指すことが可能です。
出席扱い制度の活用:
先のFAQでも説明した通り、教育支援センターや適応指導教室への通所、フリースクールへの通所、ICTを活用した学習などで出席扱いとなる制度があります。これらを活用することで、中学校の出席日数を確保し、卒業要件を満たすことができます。
中学校との連携:
中学校と密に連携を取り、学習の遅れを補うための課題の提供や、先生との個別面談など、個別のサポートを受けることができます。
中学校を卒業すれば、高校への進学資格を得られます。高校には、全日制、定時制、通信制といった様々な形態があり、子どもの状況や学習スタイルに合わせて選ぶことができます。
全日制高校: 一般的な高校で、毎日学校に通学します。
定時制高校: 夜間や昼間の特定の時間帯に授業が行われる高校です。
通信制高校: 自宅学習が中心で、必要に応じてスクーリング(通学)を行います。
2. 大学進学について
大学に進学するためには、高校卒業資格、もしくは高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)の合格が必要です。
高校卒業資格を取得する場合:
上記で述べたように、全日制、定時制、通信制のいずれかの高校を卒業することで、大学への進学資格を得られます。
高卒認定試験に合格する場合:
何らかの理由で高校を卒業できなかった場合は、高卒認定試験に合格することで、大学への進学資格を得られます。高卒認定試験は、高校卒業程度の学力を認定する試験で、合格すれば大学・短期大学・専門学校の受験資格が得られます。
大学入試には、一般選抜(一般入試)、学校推薦型選抜(推薦入試)、総合型選抜(AO入試)など、様々な選抜方法があります。不登校経験者の場合、内申書(調査書)の評定が気になるかもしれませんが、一般選抜では学力試験の結果が重視されるため、学力を身につければ合格の可能性があります。
Q. 不登校経験者の進路は、どのようなものがありますか?
文部科学省の調査によると、中学校で不登校を経験した生徒の多くは、その後、進学や就職といった道に進んでいます。具体的なデータとしては、20歳時点で8割以上が進学または就職をしているという調査結果があります。
不登校経験者の進路は多岐に渡ります。主な進路としては、以下のようなものが挙げられます。
高校進学:
不登校を経験しても、多くの方が高校への進学を希望します。高校には、全日制、定時制、通信制といった様々な形態があり、お子さんの状況やペースに合わせて選ぶことができます。特に通信制高校は、自分のペースで学習を進められるため、不登校経験者にとって有力な選択肢となっています。
高卒認定試験:
高校に進学せずに、高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)を受けて、大学や専門学校への進学を目指す道もあります。
専門学校・大学進学:
高校卒業後、または高卒認定試験合格後、専門学校や大学に進学する道も開かれています。
留学:
海外の高校や大学への留学、または国内の地域留学といった選択肢もあります。
就職:
高校卒業後、または高卒認定試験合格後、就職する道もあります。アルバイトなどの経験を通して、社会との繋がりを持つことも大切です。
(出典:文部科学省 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果)
Q. 学校での不登校への対策は、どのようなものがありますか?
学校における不登校への対応として、以下のような対策が挙げられます。
相談体制の充実:
スクールカウンセラーや養護教諭との連携を強化し、児童生徒が気軽に相談できる体制を整えます。また、保護者からの相談にも丁寧に対応し、情報共有を図ります。
居場所づくり:
保健室や相談室の活用、別室登校の実施など、学校内に安心して過ごせる居場所を確保します。
学習支援:
欠席中の学習の遅れを最小限に抑えるため、プリントの提供、オンライン学習の活用、個別の学習指導などを行います。
復帰支援:
復学に向けて、段階的な支援を行います。例えば、短時間からの登校、特定の授業のみの参加、個別のカウンセリングなどを実施し、無理のない復帰を促します。
関係機関との連携:
教育委員会や児童相談所などの関係機関と連携し、専門的な支援が必要な場合は適切な機関につなげます。
2023年度の不登校児童生徒調査によると、指導の結果、登校できた児童生徒は小学生で30.6%、中学生で30.0%、高校生で30.2%となり、おおよそ3割の生徒が学校の働きかけによって再登校に至っています。
(出典:文部科学省 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果)
Q. 担任の先生以外への相談先はありますか?
学校内外には、担任の先生以外にも相談できる窓口や専門家がいます。
1. 学校内で相談できる人
養護教諭(保健室の先生):
養護教諭は、児童生徒の心身の健康に関する専門家です。体調不良だけでなく、心の悩みや不安についても相談に乗ってくれます。保健室は落ち着ける場所でもあり、気軽に立ち寄って話を聞いてもらうことができます。
スクールカウンセラー:
スクールカウンセラーは、心理学の専門知識を持つ相談員です。児童生徒の心理的な問題や悩みについて、専門的なカウンセリングを行ってくれます。学校によっては配置されていない場合もありますので、学校に確認してみましょう。
スクールソーシャルワーカー:
スクールソーシャルワーカーは、社会福祉の専門家です。児童生徒を取り巻く環境(家庭環境、友人関係など)を含めた様々な問題について相談に乗ってくれます。学校と家庭、地域社会との連携役も担っています。こちらも学校によっては配置されていない場合があります。
管理職(校長先生、教頭先生など):
担任の先生に相談しにくい場合や、学校全体の問題として捉えてほしい場合には、管理職に直接相談することもできます。
2. 学校外で相談できる機関
教育相談機関:
各都道府県や市町村の教育委員会が設置している教育相談所や教育センターでは、不登校に関する相談を受け付けています。専門の相談員が、児童生徒本人だけでなく、保護者からの相談にも丁寧に対応してくれます。
児童相談所:
児童相談所は、児童福祉に関する専門機関です。不登校だけでなく、虐待や家庭環境の問題など、子どもに関するあらゆる相談を受け付けています。必要に応じて、調査や指導、一時保護などの措置も行います。
いのちの電話などの相談窓口:
電話やインターネットで相談できる窓口も多数あります。誰かに話を聞いてもらいたい時、緊急の悩みを抱えている時などに利用できます。
医療機関(精神科、心療内科など):
心身の不調が原因で不登校になっている場合は、医療機関の受診も検討しましょう。医師の診察やカウンセリングを受けることで、適切な治療やアドバイスを受けることができます。
民間の相談機関:
民間の相談機関でも、不登校に関する相談や支援を行っています。それぞれの機関によって特色や費用が異なりますので、事前に情報を確認することをお勧めします。
これらの相談窓口は、児童生徒本人だけでなく、保護者の方も利用できます。
Q. 経済的な支援制度はありますか?
不登校の家庭を対象とした経済的な支援制度は、国による制度は限られていますが、各自治体や民間の団体による支援制度が存在します。
1. 自治体による支援制度
近年、不登校児童生徒の増加に伴い、各自治体で独自の支援制度を設ける動きが広がっています。特に、フリースクール等の民間施設に通う際の費用を助成する制度が増えています。
東京都の例:
東京都では、「フリースクール等利用者等支援事業」として、都内の小中学生がフリースクール等を利用する場合、月額最大2万円の助成金が支給されます。
その他の自治体:
東京都以外にも、自治体によっては学習塾等の利用料を助成する制度、相談機関の利用料を助成する制度などがあります。
お住まいの自治体の教育委員会や福祉課などに問い合わせることで、利用できる支援制度について詳しく知ることができます。
2. 民間の団体による支援制度
自治体の制度以外にも、民間の団体が不登校の児童生徒やその家庭を対象とした支援制度を提供している場合があります。
相談・カウンセリング費用の助成:
民間の相談機関やカウンセラーによる相談・カウンセリング費用を助成する制度もあります。
給付金・奨学金制度:
一部の民間団体では、不登校の児童生徒を対象とした給付金や奨学金制度を設けています。これらの制度は、学習費や生活費の一部を支援するもので、経済的な負担を軽減するのに役立ちます。
不登校への対策について
Q. 不登校が長引く要因は何ですか?
不登校が長引く要因は以下が該当します。
初期段階での適切な対応の欠如:
不登校の初期段階で適切な支援や対応が行われなかった場合、状況が悪化し、長期化する傾向があります。早期発見・早期対応の重要性が示されています。
根本原因の未解決:
不登校の背景にある根本的な原因(いじめ、人間関係のトラブル、学業不振、家庭環境の問題など)が解決されないまま放置されている場合、不登校状態が継続する可能性が高くなります。
二次的な問題の発生:
不登校が長引くにつれて、生活リズムの乱れ、昼夜逆転、ゲームやインターネットへの依存、引きこもりなどの二次的な問題が発生することがあります。これらの問題がさらに不登校状態を化させる要因となります。
周囲の理解不足:
周囲(家族、友人、学校関係者など)からの無理解や偏見が、不登校の子どもの心理的な負担を増大させ、復帰を妨げる要因となることがあります。
本人の心理的な要因:
不安、抑うつ、自己肯定感の低下など、心理的な要因が不登校を長期化させる要因として指摘されています。特に、過去のトラウマ体験などが影響している場合は、専門的な心理療法が必要となることがあります。
進路への不安:
長期に渡る不登校は、進路への不安を増大させ、将来への見通しが立たなくなることで、復帰への意欲を失ってしまうことがあります。
家庭環境の要因:
家庭内の不和、虐待、ネグレクトなど、家庭環境の問題が不登校の長期化に影響を与えることがあります。
これらの要因は相互に関連し合っており、例えば、いじめが原因で不登校になった場合、周囲の理解不足によって心理的な負担が増大し、二次的な問題である引きこもりにつながり、結果的に不登校が長期化するというケースも考えられます。
Q. ゲーム依存・ネット依存と不登校は関係ありますか?
ゲーム・ネット依存と不登校は、原因と結果の両方の関係になり得る、相互に影響し合う関係と言えます。
1. ゲーム・ネット依存が不登校に影響する可能性
生活リズムの乱れ:
夜遅くまでゲームやネットをしてしまうことで、睡眠不足になったり、朝起きられなくなったりし、結果的に学校に行けなくなることがあります。生活リズムの乱れは、不登校のきっかけの一つとなり得ます。
現実逃避の手段:
学校での悩みやストレス、人間関係のトラブルなどから逃避するために、ゲームやネットに没頭してしまうことがあります。ゲームやネットの世界で得られる達成感や快楽が、現実の生活よりも魅力的に感じられ、学校に行く意味を見出せなくなることがあります。
コミュニケーション能力の低下:
オンラインでのコミュニケーションに偏り、現実の人間関係を築くのが難しくなることがあります。学校での友人関係がうまくいかないことが、不登校の要因となっている場合、さらに状況が悪化する可能性があります。
心身への影響:
長時間画面を見続けることによる視力低下、運動不足による体力低下、睡眠不足による体調不良など、心身への悪影響も考えられます。体調不良が原因で学校に行けなくなる場合もあります。
2. 不登校がゲーム・ネット依存を招く可能性
逆に、不登校がきっかけでゲームやネットに依存するようになるケースも少なくありません。
時間を持て余す:
学校に行かない時間を持て余し、暇つぶしとしてゲームやネットをする時間が増えることがあります。
孤独感や不安の増大:
学校に行かないことで、友達と会えなくなり、孤独感や不安を感じやすくなります。その寂しさを紛らわせるために、ゲームやネットに依存してしまうことがあります。
Q. 不登校への有効な対処法はありますか?
認知行動療法(CBT)は、不登校への有効な支援方法の一つとして科学的根拠が示されています。
認知行動療法は、私たちの思考(認知)と行動に着目し、問題解決を目指す心理療法です。不登校の場合、ネガティブな思考パターンや回避行動が不登校状態を維持していることがあります。CBTでは、このような思考や行動のパターンを特定し、より建設的なものに変えていくことを目指します。
国内外の研究においても、CBTが不登校の改善に効果があることが示されており、特に、不安や抑うつなどの心理的な要因が強く影響している不登校に対して有効であると言われています。また、不登校の子ども本人だけでなく、保護者へのCBTに基づく支援も、子どもの不登校改善に効果があるという研究結果も出ています。ToCoの再登校支援サービスも、CBTによる支援を土台としています。
ただし、CBTは全ての子どもに有効というわけではありません。不登校の背景には様々な要因が複雑に絡み合っており、CBT以外の支援が必要な場合もあります。例えば、家庭環境の問題が深刻な場合や、発達障がいなどが影響している場合は、他の専門機関との連携が必要になります。
(出典:認知行動療法(CBT)による不登校支援の試み「不登校の子どもを抱える保護者へのグループワーク」の研究)
Q. 不登校から復帰した後のサポートはありますか?
学校や地域には、復帰後のお子さんをサポートするための様々な体制や制度があります。
1. 学校におけるサポート
学校では、復帰後のお子さんがスムーズに学校生活に適応できるよう、以下のようなサポートが行われることが一般的です。
少人数授業や習熟度別授業の活用:
大人数での授業に抵抗がある場合は、少人数授業や習熟度別授業に参加することで、安心して学習に取り組める場合があります。
個別の学習支援:
欠席期間中の学習の遅れを補うための補習や個別指導、課題の提供などが行われます。
相談体制の継続:
復帰後も、担任の先生や養護教諭、スクールカウンセラーなどに相談できる体制が継続されます。不安なことや困っていることを気軽に相談できる環境が整えられています。
別室登校の活用:
いきなり教室に入るのが難しい場合は、保健室や相談室などで過ごすことから始め、徐々に教室での授業に参加していくという方法もあります。
2. 地域におけるサポート
地域にも、不登校経験者のための様々なサポート体制があります。
教育支援センター・適応指導教室:
学校復帰後も、必要に応じて教育支援センターや適応指導教室に通い、学習支援や相談を受けることができます。
地域の相談機関:
地域の相談機関では、不登校に関する相談だけでなく、復帰後の生活や進路に関する相談も受け付けています。
ToCo(トーコ)について
私たちToCoは、平均15日で再登校まで支援するサービスを提供しています。
学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、600名以上の家庭を再登校まで支援した実績があります。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。