不登校や引きこもりの問題に取り組む児童心理司の藤原と申します。私は現在、不登校予防や再登校支援を行うToCo(トーコ)株式会社の顧問を務めております。
日本では近年、不登校の児童生徒が増加し続けており、小学校と中学校ではその特徴や背景に違いがあります。本記事では、データをもとに不登校の現状を整理し、小学校と中学校それぞれに多い不登校のきっかけを詳しく分析していきます。さらに、新学期に向けた注意点や、日常的にできる不登校対策についても具体的にお伝えします。
不登校の問題は一朝一夕で解決するものではありません。しかし、適切な対応をすれば、子どもが再び学校へ戻れる可能性は十分にあります。まずは現状を正しく理解し、親として何ができるのかを一緒に見ていきましょう。
目次
データで見る小・中学校の不登校
日本の小・中学校における不登校児童生徒数は、年々増加傾向にあります。文部科学省の統計によれば、2023年度の不登校児童生徒数は346,482人に達し、これは小・中学校在籍者数全体の約3.72%を占めています。特に中学校における不登校の割合は顕著で、中学生216,112人、小学生130,370人という内訳になっています。
この数字を10年前と比較すると、その増加率は驚異的です。2010年度の不登校児童生徒数は119,891人でしたが、2023年度には346,482人と、約2.9倍に増加しています。特に近年は、毎年1万人単位で増え続けており、今後もこの傾向は続くと考えられます。
また、不登校の期間について見ると、90日以上欠席する長期不登校が全体の約44.5%を占めています。中でも、1年間の出席日数が0日の児童生徒は約3.1%に達しており、完全に学校と接点を失ってしまっているケースも少なくありません。
出典:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(文部科学省)
学年別の不登校傾向
学年ごとに不登校の発生率を分析すると、以下のような傾向が見えてきます。
- 小学校では高学年(特に5・6年生)で不登校が増える
- 中学校では1年生から増加し、2年生でピークを迎える
小学校では環境の変化に適応できないことが主な原因となることが多く、中学校では学業や人間関係のストレスが不登校につながることが多いです。
このデータから分かることは、不登校の問題は決して一部の子どもだけに起こる特異なものではなく、どの家庭にも起こりうるということです。では、なぜ小学生や中学生が不登校になるのか、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
小学校に多い不登校のきっかけ
小学生の不登校のきっかけは、中学生の不登校とは異なり、比較的曖昧で漠然とした理由で始まることが多いです。中学生のように「勉強についていけない」「人間関係のトラブルが深刻化した」という明確な原因があるというよりも、「なんとなく学校に行きたくない」「朝になるとお腹が痛くなる」といった形で、本人も自覚できないまま不登校へ移行してしまうことが少なくありません。
では、具体的にどのような要因が小学生の不登校につながるのでしょうか。
1. 環境の変化によるストレス
小学生の不登校の大きなきっかけの一つが、環境の変化です。小学生は精神的にまだ未熟であり、環境の変化に対する適応能力も大人ほど発達していません。そのため、ちょっとした変化でも大きなストレスとなり、不登校につながることがあります。
具体的には、以下のような環境の変化が影響を与えることが多いです。
- 入学や進級に伴うクラス替え
- 担任の先生の交代
- 親の転勤や引っ越し
- 親の離婚や家庭内の不和
特に、担任の先生との相性が合わないことが、不登校のきっかけとなることが多くあります。小学生にとって、担任の先生は学校生活の中で大きな存在です。その先生が厳しかったり、自分を理解してくれないと感じたりすると、「学校が怖い」「行きたくない」という気持ちにつながることがあります。
また、家庭環境の変化も不登校に大きく影響します。親の転勤や離婚があった場合、子どもは大きなストレスを感じます。子どもは大人のように感情を言語化することが難しいため、「学校に行きたくない」という形でストレスを表現することがあるのです。
2. 友人関係のトラブル
小学生の不登校のきっかけとして、友人関係のトラブルも大きな要因の一つです。
小学生の段階では、まだコミュニケーション能力が十分に発達していないため、ちょっとした言い争いや意見の食い違いが大きなストレスになりやすいという特徴があります。特に低学年では、「昨日までは仲が良かったのに、今日は無視される」といったことが頻繁に起こります。
また、最近ではSNSやオンラインゲームを通じたコミュニケーションの増加により、学校以外の場でのトラブルが学校生活に影響を及ぼすケースも増えています。例えば、ゲーム内でのトラブルがきっかけで友人関係が悪化し、学校へ行きづらくなることもあります。
3. 学校生活への適応の難しさ
小学校のカリキュラムは、学年が上がるにつれて徐々に厳しくなります。そのため、勉強や集団生活に適応できない子どもは、不登校になりやすい傾向があります。
特に以下のような要因を持つ子どもは、学校生活に適応することが難しくなり、不登校につながることがあります。
- 集団行動が苦手(発達特性の影響など)
- 聴覚過敏や感覚過敏があり、学校の音や刺激がつらい
- ルールや指示に従うことが難しい
発達特性を持つ子どもは、普通の授業や学校生活のルールに適応するのが難しいことがあります。例えば、「大勢の人と一緒にいるのが苦手」「音に敏感で教室のざわざわした雰囲気が耐えられない」といった理由で、学校に行きづらくなることもあります。
また、小学4年生~6年生頃になると、学習内容が難しくなり、勉強についていけなくなることが原因で不登校になる子どもも増えます。特に「みんなの前で当てられるのが怖い」「テストの点数が悪くて恥ずかしい」といった感情が、不登校につながることも少なくありません。
小学生の不登校の特徴まとめ
- 環境の変化(クラス替え、先生の交代、親の転勤や離婚など)が大きな影響を与える
- 友人関係のトラブルが直接的な不登校のきっかけになることが多い
- 学習面のつまずきや集団生活の苦手さが原因になることもある
- 「なんとなく行きたくない」という曖昧な形で始まることが多く、早期の対応が重要
小学生の不登校は、最初は「ちょっと休みたい」程度の気持ちから始まり、気づけば長期化してしまうことが少なくありません。そのため、「何となく休みがちになっている」と感じた時点で、早めに対応をすることが重要です。

中学校に多い不登校のきっかけ
小学生の不登校が「なんとなく行きたくない」「環境の変化に適応できない」という比較的漠然とした理由で始まることが多いのに対し、中学生の不登校はより明確な要因や深刻なストレスが背景にあることが多いのが特徴です。
中学生になると、学業の難易度が上がり、対人関係が複雑化し、自己意識が高まるため、小学生の頃にはなかった新たな悩みが生じます。また、思春期特有の心理的変化も影響し、不登校がより長期化しやすくなる傾向があります。
では、中学生の不登校の主なきっかけを詳しく見ていきましょう。
1. 学業の負担が増大し、ついていけなくなる
中学生の不登校の最も大きな要因の一つが、学習内容の難化によるストレスです。小学校の頃は比較的ゆるやかだった学習進度も、中学校に入ると一気にレベルが上がります。
特に、以下のような場面でつまずきを感じる生徒が多いです。
- 授業のスピードが速くなり、理解が追いつかなくなる
- 数学や英語など、苦手科目が明確になり、成績が低下する
- テストや成績表による評価が厳しくなり、自己肯定感が下がる
- 授業で当てられるのが怖くなり、授業に出ることが不安になる
中学生は「自分はできるのか」「周りと比べて劣っていないか」を強く意識する年齢です。そのため、小学校では「まぁ何とかなる」と思っていた勉強も、中学校では「もう無理だ」「学校に行っても意味がない」と感じ、不登校につながるケースが増えます。
また、中学校の先生は科目ごとに変わるため、「先生との相性が悪い」「分からないところを質問しにくい」といった問題も発生しやすくなります。授業についていけなくなり、学校に行くのが嫌になる――こうした流れで不登校に至るケースは非常に多いのです。
2. 対人関係の悩みが深刻化する
小学校の頃は、友人関係のトラブルがあっても、その日のうちに仲直りするケースが多いですが、中学生になると関係性がより複雑になり、トラブルが解決しにくくなります。
特に以下のようなケースで不登校になる生徒が増えます。
- いじめや仲間外れに遭う(直接的な暴力だけでなく、無視や陰口も含む)
- グループの中での立ち位置に悩む(クラスや部活動内での孤立)
- 友人関係の変化についていけない(小学校時代の友達と疎遠になる)
- SNSやオンラインゲーム上でのトラブル(LINEグループから外される、悪口を言われるなど)
中学生は小学生よりも「人間関係の軋轢」に敏感になります。「無視された」「仲間に入れてもらえなかった」など、小さなことでも大きなショックを受け、それが学校に行きたくない理由になることがよくあります。
また、最近では、学校内だけでなく、SNSやオンラインゲーム上でのトラブルが不登校の引き金となるケースも増えています。「学校では普通に接しているのに、ネット上では悪口を言われる」というような、表と裏の顔を使い分けるケースもあり、親や先生が気づかないうちに子どもが傷ついていることも少なくありません。
3. 部活動や学校行事によるプレッシャー
中学校に入ると、多くの生徒が部活動に参加します。部活動は友人関係を深めたり、自己成長の機会を得たりする場にもなりますが、「厳しすぎる指導」や「上下関係のストレス」が不登校のきっかけになることもあります。
特に以下のような状況に当てはまる場合、不登校になるリスクが高まります。
- 顧問や先輩からの厳しい指導が耐えられない
- 部活の練習が過度に厳しく、疲労がたまりすぎる
- 試合やコンクールで結果を出さなければならないプレッシャーが強い
- 部活動と勉強の両立ができず、ストレスを抱える
また、体育祭や文化祭といった学校行事が大きな負担になることもあります。目立つのが苦手な子どもにとって、学校行事は「避けたいイベント」になりやすく、その時期に一度休むと、そのまま不登校に移行してしまうことがあります。
4. 思春期特有の心理的要因
中学生は、精神的に大きく成長する時期です。しかし、その分だけ「自分はどう思われているのか」「このままでいいのか」といった悩みも増え、不登校につながるケースが多くなります。
具体的には、以下のような心理的変化が関係します。
- 「完璧主義」で、失敗を極度に恐れる
- 「過敏性」が強く、ちょっとしたことで深く傷つく
- 「反抗期」があり、大人の言うことに反発したくなる
- 「将来への不安」が強まり、学校に行く意味を見出せなくなる
特に「完璧主義」の子どもは、ちょっとした失敗でも強い挫折感を味わい、学校に行くこと自体が苦痛になりやすいです。また、思春期の不安定な心理状態の中で、親や先生とのコミュニケーションが上手くいかず、不登校に拍車をかけることもあります。
中学生の不登校の特徴まとめ
- 学業の負担が増え、授業についていけなくなることが原因になる
- 友人関係の悩みが深刻化し、解決しにくくなる
- 部活動や学校行事によるストレスが影響を与えることがある
- 思春期特有の心理的変化が、不登校の引き金となる
中学生の不登校は、小学生の不登校よりも長期化しやすいという特徴があります。そのため、できるだけ早い段階で不登校の兆候に気づき、適切な対応を取ることが重要です。

新学期に向けて注意すべき点
新学期は、不登校の子どもにとって大きなストレスがかかるタイミングです。特に4月の新学期や9月の2学期開始時は、「環境が変わる」「新しい人間関係が始まる」「学習内容が進む」などの要因が重なり、精神的な負担が増します。
すでに不登校気味の子どもにとっては、「新しいスタートを切らなければならない」というプレッシャーが大きく、さらに不登校が進行してしまうこともあります。また、これまで問題なく通学していた子どもでも、新学期を機に学校への違和感を強く感じ、不登校を引き起こすことがあります。
では、新学期に向けてどのような点に注意し、どのようなサポートができるのかを詳しく見ていきましょう。
1. 「新学期だから頑張ろう」というプレッシャーをかけすぎない
親としては、「せっかくの新学期だから、気持ちを切り替えて頑張ってほしい」と思うかもしれません。しかし、「頑張って行こうね」「そろそろ学校行かないとね」といった言葉が、逆に子どもを追い詰めてしまうことがあります。
不登校の子どもは、すでに「学校に行かないといけない」という気持ちをどこかで持っています。それでも行けないのは、「行こうとすると不安やストレスで体調が悪くなる」「学校に対する恐怖心がある」などの理由があるからです。
そのため、新学期に向けては、無理に学校に行かせようとするのではなく、まずは子どもの気持ちに寄り添い、話を聞くことが大切です。
✔ NGな声かけ
- 「新学期からはちゃんと行こうね」 → プレッシャーになり、不安が増す
- 「みんな頑張ってるんだから、あなたも頑張らないと」 → 他人と比較されることで自己肯定感が下がる
- 「いつまでも休んでいたら、将来困るよ」 → 長期的な不安を煽ることで余計に動けなくなる
✔ 望ましい声かけ
- 「新学期、不安なことはある?」 → 子どもが抱えている気持ちを引き出す
- 「学校に行くことだけが大事なんじゃなくて、どうすれば安心して過ごせるか考えようね」 → 子どもに寄り添いながら、前向きな選択肢を一緒に探す
2. 生活リズムを整えることを優先する
新学期が始まる直前になって、「学校に行く準備をしなさい」「朝起きられるようにしなさい」と急に言われても、子どもにとっては大きな負担になります。特に、長期間の不登校で生活リズムが崩れている場合、新学期直前に無理に元に戻そうとすると、かえって不安定になってしまうことがあります。
そのため、新学期の2週間ほど前から、少しずつ朝の時間を整えることを意識すると良いでしょう。
✔ 生活リズムを整えるためのポイント
- 起きる時間を少しずつ早める(いきなり学校の時間に合わせるのではなく、15~30分ずつ調整)
- 朝日を浴びる習慣をつける(体内時計を整えるために、起きたらカーテンを開ける)
- 夜のスマホやゲームの時間を少しずつ減らす(急に禁止するのではなく、少しずつ短縮していく)
「学校に行けるかどうか」よりも、まずは朝起きる習慣をつけることが最優先です。朝のリズムが整ってくると、自然と気持ちも安定しやすくなります。
3. 学校に関する不安を具体的にする
新学期が近づくと、子どもは漠然とした不安を感じやすくなります。しかし、その不安を「学校に行きたくない」という形でしか表現できないことが多いです。
そこで、「何が一番不安なのか?」を具体的にしていくことが大切です。
✔ 不安を具体化するための質問
- 「先生との相性が心配?」
- 「友達とうまくやれるか不安?」
- 「授業についていけるかどうかが気になる?」
不登校の子どもは、「とにかく学校が怖い」という気持ちを持っていることが多いですが、その「怖さ」の正体を探ることで、具体的な対策を立てることができます。
例えば、「授業についていけるか不安」という場合は、最初の1週間は無理に授業を受けさせるのではなく、まずは登校して雰囲気に慣れることを目標にするといった調整が可能です。
また、「友達とうまくやれるか不安」という場合は、事前に学校の先生と相談し、サポートしてもらうという対応ができます。
まとめ
新学期は、不登校の子どもにとって大きな転機となる時期です。しかし、焦って登校を促してしまうと、かえって子どもにプレッシャーを与え、不登校が悪化することもあります。
- 「頑張って行こうね」とプレッシャーをかけない
- 生活リズムを少しずつ整える
- 不安を具体化し、解決策を探る
こうしたポイントを意識しながら、子どものペースに寄り添っていくことが何よりも大切です。

日常的にできる不登校対策
不登校の子どもが再び学校へ行くためには、日々の生活の積み重ねが重要になります。不登校の対応は「学校に行かせること」だけが目的ではなく、子どもが安心できる環境を整え、再登校に向けた準備をしていくことが大切です。
特に、日常的に意識してほしいのは次の3点です。
- 生活リズムを整えること
- 家族の時間を大切にすること
- 夫婦喧嘩に注意すること
これらは、すぐに効果が出るものではありません。しかし、時間をかけて意識していくことで、子どもが少しずつ前向きになり、「学校に行ってみようかな」と思える環境をつくることができます。では、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
1. 生活リズムを整えること
不登校の子どもは、学校に行かなくなることで昼夜逆転しやすくなります。朝起きる時間が遅くなると、自然と夜も眠れなくなり、生活リズムが崩れてしまいます。そして、「朝起きられないから学校に行けない」という状態が続くと、ますます不登校が長期化してしまうのです。
✔ 生活リズムを整えるためのポイント
① いきなり「早起きしなさい」と言わない
「明日からちゃんと朝7時に起きなさい!」と言っても、急に生活リズムを変えるのは難しいものです。いきなり理想の時間に戻そうとすると、子どもはプレッシャーを感じ、余計に朝起きられなくなってしまいます。
そこで、15分ずつ起きる時間を早めるなど、少しずつ調整していくのが効果的です。例えば、今朝9時に起きているなら、次の週は8時45分、その次の週は8時30分といった具合に、ゆるやかに改善していきましょう。
② 朝起きたらカーテンを開ける
人間の体内時計は、朝日を浴びることでリセットされる仕組みになっています。朝になったらカーテンを開けて日光を浴びるだけでも、少しずつ生活リズムを整える助けになります。
③ 昼間に軽い運動をする
不登校の子どもは家の中で過ごす時間が長くなりがちですが、日中に体を動かすことが夜の快眠につながります。散歩に誘ったり、買い物についてきてもらったりするだけでも、体内リズムが整いやすくなります。
④ 夜のスマホやゲームの時間を少しずつ減らす
スマホやゲームの長時間使用は、寝る時間が遅くなる原因の一つです。しかし、いきなり「夜のスマホは禁止!」とすると、かえって反発を招くこともあります。まずは「30分だけ短くする」など、少しずつ調整していくことを意識しましょう。
2. 家族の時間を大切にすること
不登校の子どもは、「学校に行っていない自分はダメなんじゃないか」と自己否定感を持ちやすくなります。そのため、「家では安心して過ごせる」と感じられるような家庭環境を作ることが大切です。
✔ 家族の時間を増やすための工夫
① 一緒に食事をする
家族そろって食事をする時間は、子どもが安心感を得る大切な時間になります。不登校の子どもは、食事の時間がバラバラになりがちですが、できる限り「一緒にご飯を食べる習慣」を作ることで、家庭内のつながりが深まります。
② 子どもが好きなことに親も関心を持つ
例えば、子どもがゲームやアニメに夢中になっているなら、「何をやってるの?」「一緒にやってみてもいい?」と興味を示してみるのも良い方法です。親が子どもの趣味に関心を持つことで、子どもは「自分のことを理解してくれている」と感じ、親子関係が良くなります。
③ 週末に軽いお出かけをする
遠くに行く必要はありません。近所の公園に散歩に行く、カフェでお茶をするなど、ちょっとした外出が気分転換になります。特に、長期間家にこもっていると気分が落ち込みやすくなるため、「学校に行く前に、まずは外に出ることに慣れる」という意味でも効果的です。
3. 夫婦喧嘩に注意すること
意外に思われるかもしれませんが、家庭内の雰囲気は、不登校の子どもの心理状態に大きな影響を与えます。
✔ 子どもは親の雰囲気を敏感に感じ取る
子どもは、親の表情や言葉のトーンから、「お父さんとお母さんの仲が悪い」「家の中がピリピリしている」と感じ取ります。そして、それがストレスになり、不登校が長引いてしまうことがあります。
特に、親が夫婦喧嘩をしている場面を子どもが目にすると、次のような気持ちを抱くことがあります。
- 「自分が不登校だから、親がケンカしているんじゃないか」(罪悪感)
- 「家の中が居心地悪い」(安心感の欠如)
- 「親に相談しづらい」(気持ちを話せなくなる)
これが積み重なると、子どもはますます閉じこもりがちになり、不登校の解決が遠のいてしまいます。
✔ 夫婦間の意見の違いを子どもの前で見せすぎない
不登校の対応について、夫婦で意見が違うこともあるでしょう。例えば、
- 父親:「厳しくしないとダメだ」
- 母親:「無理に行かせず、まずは見守るべきだ」
こうした意見の違いはよくあります。しかし、それを子どもの前でぶつけ合うと、子どもは「どちらの親の言うことを聞けばいいの?」と混乱してしまいます。
夫婦で意見が合わないときは、子どものいない場所で話し合い、意見のすり合わせをすることを心がけましょう。
まとめ
日常的な積み重ねが、不登校の改善につながります。
- 生活リズムを少しずつ整える(急に変えようとせず、徐々に調整)
- 家族の時間を大切にし、安心できる環境を作る
- 夫婦喧嘩を避け、子どもに不安を与えないようにする
子どもが学校に行くためには、まず「家が安心できる場所であること」が何よりも大切です。できることから少しずつ始め、子どもが「学校に行ってみようかな」と思える環境を整えていきましょう。
ToCo(トーコ)について
私たちToCoは、お子様が自ら不登校から脱却するための支援を行っており、2025年2月時点で700名以上のお子様が平均3週間で再登校しています。
学校や行政機関による対策が進む中、不登校数は年々増え続けています。私たちは、不登校が続いてしまう要因を診断し、児童心理司や精神科医の専門チームが再登校までサポートします。
不登校でお悩みの方はぜひ検討ください。
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